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竜人とマッドの弟子は赤龍帝 邂逅、最凶の賢者 後編
作者:ゼクス   2012/08/15(水) 23:46公開   ID:sJQoKZ.2Fwk
 『使い魔の森』のかなり奥地に設置されたフリートと四人の堕天使の簡易住居が置かれている空き地。
 一見すれば空き地にテントが五つ置かれているように見えるが、テントの中はフリートが会得した空間操作の術式が使用されているのでかなり広く、フリートが開発した小型の発電機に加えてキッチン、トイレ、風呂場さえも完備されていると言う一軒家に近い広さがテントの中には広がっていた。
 更にテントが置かれている空き地には特殊な結界術式が使用されているので、外敵が侵入することは出来ず、安全さもかなり保たれている。

「傷を負った生物達を治療していたら、一誠君とオーフィスちゃんにベルフェモンの気配を感じましてね。急いで向かって合流したと言う訳です」

 自身のテントの中で座りながら一誠達と合流した経緯を、冷えた麦茶が入ったコップをそれぞれに差し出しながらフリートは説明していた。
 何故此処に連絡も無く一誠達が来たのかと疑問を覚えたフリートは、加速魔法を使用して急いで一誠達に合流したのである。何せ今『使い魔の森』の中には、スライムの大量発生によって目覚めてしまった厄介な生物が居るので、急いで一誠達に合流しなければ不味かったのだ。

「それで・・一体何が在ったんですか、一誠君?」

「・・はい・・・実はですね」

 一誠はフリートに自身が今働いているリアス・グレモリーの婚約破棄の為にレーティングゲームに参戦し、その時に使用した『赤龍帝からの贈り物ブーステッド・ギア・ギフト』の力で強化した『聖水』を浴びた小猫とリアスの傷の件を説明した。
 聞き終えたフリートは納得したように頷き、そのまま視線を一誠の横に座っている朱乃に目を向ける。

「道理で彼女を見た時に、かなり体に負担が掛かったような形跡が在ったのか分かりましたよ」

「き、気づいていたんですか!?私の体の事も!?」

「気づいていましたよ・・それにしても“限界越えの譲渡”を行なったなんて・・え〜と、何処に仕舞いましたかね?」

 朱乃の叫びにフリートは答えながら、背後に置いてあった布袋らしき物に手を伸ばして中を探り出す。
 一方、朱乃、アーシア、祐斗は目の前に居るフリートの観察眼と僅かに垣間見せた実力の片鱗に心の底から驚いていた。自分達に気がつかれずに何時の間にか紛れ込んでいたことにも驚いたが、それ以上に自分達とフリートが合流した地点からテントの場所まではかなり離れていた。
 にも関わらず、一誠とオーフィスの存在を探知し、短時間で合流したのだから、その点だけでもフリートの実力の高さは自分達の考えの及ばない領域に在ることが伺える。
 レーティングゲームで見せた一誠の実力は間違いなく目の前に居る人物が育て上げたのだと理解し、朱乃、祐斗、アーシアがフリートを見つめていると、布袋の中を探っていたフリートが錠剤が入った小瓶を取り出す。

「在りましたっと!・・はい、其処の黒髪の女の子と金髪の男の子はこれを一錠飲んでおいて下さい」

「あの・・この薬は?」

「体内に入っているドラゴンの力を魔力に還元する薬です。貴女が感じている筋肉痛は体内に残っている『赤龍帝』の力の影響でしょう。今のところは影響が深くは在りませんが、今後も譲渡の力を受け続けるとなると影響が何れは起きるでしょうからね。早期の解決は必要です」

「僕も限界越えの譲渡を受けたことが分かるんですか!?」

「分かりますよ・・『赤龍帝』の力に関してはかなり研究しましたからね・・フフフッ、おかげで『神滅具ロンギヌス』に関するシステムはかなり解析出来ました・・(何れは残りの『神滅具ロンギヌス』を手に入れてやります)」

 フリートはそう内心でマッド的な思考を行いながら口元に笑みを浮かべ、祐斗、朱乃はその笑みに僅かに恐怖を感じながら慌てて渡された薬を飲み込む。
 それと共に朱乃は自身が感じていた筋肉痛が消えて行くことを感じて驚くが、フリートは気にせずに話を続ける。

「事情は分かりました・・・とは言っても、困ったことに今は病院に私が向かう事が出来ないんですよね・・『使い魔の森』に居る厄介な生物を残していけないんですよ、コレが」

「厄介な生物って何?」

「・・・・ずっと冬眠していたヒュドラですよ。しかも、全長二十メートルを大きさを誇る奴です」

『ッ!?』

 フリートが告げた厄介な生物の正体にオーフィスとベルフェモンを除いた全員が目を見開いた。
 その様子にフリートは頷きながら、自身が『使い魔の森』に来てから起きた出来事を話し出す。

「一ヶ月前の事です。私はサーゼクスの依頼を受けて堕天使四人と共にこの森に入り、大量発生したスライムの駆除と問題の解決を開始しました。スライムの問題は突然変異していた分裂能力が秀でたスライムを排除することで解決しましたが・・・大量発生したスライムの一部が長い間冬眠していたヒュドラを起こしてしまったんです。そのヒュドラは目覚めると共に、この森に居る生物達を貪るように食し始めたんです」

「そんな事が起きていた!?」

 自分達の知らないところで起きていた事に祐斗は驚き、朱乃も心の底から驚いたと言うように目を見開いていた。
 フリートはその気持ちは分かると言うように何度も頷きながら、更に説明を続ける。

「驚くのも無理は無いですね。厄介な事にそのヒュドラは知恵も持っているんです。貪るように食い荒らしながらも、全体的には何事も起きていないように見せると言う厄介な存在です。しかもスライムの大量発生で他の生物達もストレスが溜まっていましたから、生物同士の争いだと思われていましたからね」

「ちょっと待って下さい、フリートさん?フリートさんならそのヒュドラも倒せたんじゃないんですか?」

「困ったことに私の実力を感知しているのか、近づいたらさっさと逃げ出すんです。堕天使に足止めをさせても、私が近づいたら地中にさっさと逃げる上に、逃げる時は周りに自分の毒液を振りまいて行くんです。さっき其処の三人にかけた薬品はその毒を無効化する薬です」

「アレ!?俺には無いんですか!?毒を振り撒くんだったら、俺も危ないんじゃないんですか!?」

 ヒュドラの毒と言えば悪魔でさえも耐えられない猛毒。
 それに対抗する術など無い一誠は自身も毒を無効化する薬を浴びたいとフリートに頼むが、フリートは全く気にせずに麦茶を飲みながら答える。

「あの程度の毒が一誠君に危ない筈が無いでしょう。あの程度だったら私が一誠君に投与していた薬の方が有害ですよ」

「アンタ!俺に何をしたんですか!?」

「死にかけていた一誠君を無理やり叩き起こした薬です。まぁ、人体に有害なことは起きませんよ。ただ変わりに免疫力が凄まじく強力になるので、病気に掛かる可能性が減って風邪も殆どひかなくなるんですよね」

「そ、そう言えば・・俺・・フリートさんの訓練を受けてから風邪なんてひいたことが無かった」

 知りたくも無かった自身の体の中で起きていた事実に、一誠は深く落ち込みながら顔を下に俯ける。
 アーシア、オーフィス、朱乃、祐斗はそんな一誠の背を慰めるように擦るが、原因であるフリートは全く気にせずにテントの中に置いてあった鞘に納まっている剣らしき物を手に取る。

「まぁ、そんな事態になっているんだったら悠長にヒュドラが罠に掛かるのを待っている訳には行かなくなりましたね。早急に問題を排除しますか・・捜索している堕天使三人から連絡が届き次第動きます」

「それじゃ、リアスお姉さまと小猫さんの治療をしてくれるんですね!?」

「はい、アーシアちゃん」

 フリートがリアスと小猫の治療を行なってくれる事実にアーシアは喜び、朱乃もこれでリアスと小猫の体に傷痕が残らずに済むと安堵する。
 祐斗も安堵の息を漏らすが、すぐにその表情は真剣な眼差しに変わり、フリートに対して聞きたかった事を質問する。

「あの質問良いですか?」

「構いませんけど、何ですか?」

「・・・・『聖剣計画』を知っていますか?」

ーーーピクッ!!

 祐斗の質問の内容を聞いた瞬間、フリートの体が一瞬震えた。
 その様子にフリートは『聖剣計画』について何かを知っていると祐斗は確信し、目を細めながら祐斗はフリートに質問を続ける。

「知ってるんですね?」

「・・・・・・・あのイカれた計画の関係者ですか、貴方は?」

「えぇ・・・ちょっとした関わりです。知っていることが在ったら教えて欲しいんですけど?」

「・・・私が言えることは・・・・『聖剣計画』で行なわれた最低な行為の責任を教会は果たしていないと言うことです・・貴方から感じる憎しみから判断すれば生き残りみたいですけど、教会はあのイカれた計画を形は変えても続けていると言う事です」

「そうですか・・情報ありがとうございます」

 祐斗はそうフリートに頭を下げながら礼を言うと、テントの外へと出て行った。
 事情を知っている朱乃は不安そうな表情をしながら出て行った祐斗の背を見つめ、事情が分からないアーシア、一誠、オーフィスはフリートに疑問に満ちた視線を向けるが、フリートは不機嫌そうに座りながら沈黙を保つ。

「先生・・・『聖剣計画』って一体?」

「・・・・・何れは話しますが、今はその時では在りません。恐らくリンディさんが私に連絡を取らない理由もそれに関係しているんでしょう。教会に苛立ちを覚えている私では、その教会に絶対に不味いことをすると判断して連絡を取らないんでしょう。リンディさんは怒っているにしても、自分達に直接何らかの影響を及ぼさない限りは冷静ですからね・・(まぁ、もしも教会関係者がアーシアちゃんを傷つけるようなことがあったら別でしょうけどね)」

 『アルード』の保護対象になっているアーシアに何らかの影響を及ぼしたら、もうリンディも我慢できない。それだけの事を教会は既に行なっているのだから。

(ミカエルも何考えているんですかね?まぁ、あの存在が居なくなったせいで『システム』が不安定になったのは分かるんですけど・・・・幾らなんでも、『聖剣計画』のあの行いは一般に知られたら最後なのに?・・関係ないですね、私には)

 そうフリートは天界のトップに位置している相手に対して考えを巡らせるが、すぐに考えは放棄する。
 宗教関連の事を考えるのはフリートは余り好きでない。ただ教会関係者に一誠が出会った時は確実に一波乱在るような気だけは確実にしていた。

(一誠君は仲間想いですからね・・アーシアちゃんに対して教会関係者が何かしたら確実に怒るでしょう・・そしてオーフィスちゃんも)

「・・それでフリートさん・・その退治しなきゃ不味いヒュドラは今何処に居るんですか?」

「もうすぐ連絡が届く筈なんですけどね?何してるんでしょう?あの三人は?」

ーーーピピピピッ!!

「噂をすればですね」

 テントの内部に響いた音にフリートは笑みを浮かべながら立ち上がり、ゆっくりと音がなっている小型の通信機に手を伸ばす。

「はいはい・・フリートさんですよ」

『此方レイナーレよ・・例のヒュドラを発見したわ・・丁度私達が暮らしているテントの地点から五キロ先ぐらいの場所を南下しているわよ』

「了解ですよ。じゃ、貴女達はそのまま結界の準備をしながらこっちに誘導して下さい。こっちも用が出来たんで急遽終わらせる必要が出来たんですよ」

『簡単に言ってくれるわね・・・・分かったわ・・十分以内に準備を終えるから、そっちも準備を終えておいてね』

「頼みましたよ」

ーーープチッ!!

 フリートはヒュドラの捜索を行なっていたレイナーレ達への指示を終えると連絡を切り、そのままテントの外へと出て行く。
 一誠達はその後を慌てて追いかけると、フリートはレイナーレ達が示した方向に目を向けると共に腰に差していた刀を鞘から引き抜く。先ほどと圧倒的に違う雰囲気のフリートの様子に朱乃、アーシア、そして先に外に出ていた祐斗は驚くが、一誠とオーフィスは何時に無く真面目な様子のフリートに対して冷や汗を流す。

(不味い・・何か知らないけど、フリートさんの機嫌が悪いな)

(教会・・一体何をした?)

「もう少しこの森で過ごしたい所でしたけど、どうもそうも言ってられない事態みたいですから・・ヒュドラを早急に片付けますか・・一誠君?」

「はい!!何でしょうか!?」

「一応護りの防壁は張りますけど、久々に私が暴れますから、万が一の時は彼女達の護りを頼みますね?」

「分かりました!!」

 暴れると言う言葉を聞いた一誠は、即座にフリートに対して敬礼しながら応じた。
 それを確認したフリートは微笑みと共に刀を持っていない左手の先に宝石のような物を握り、低い声で宝石に命じる。

「『千変』・・モード、ウイング」

《YES》

ーーーガシャガシャガシャッ!!

 フリートの指示と共に宝石が光り輝き、次々とフリートの背中に何処からとも無く機械的な部品が次々と出現し、翼のような物を形成して行く。
 自分達の知らない技術に朱乃、祐斗、アーシアは目を見開くが、一誠とオーフィスは静かにフリートの背中に形成された機械的な翼を見つめる。

「おいおい・・『千変』まで使用するのかよ?」

「フリート・・かなり本気」

「イッセー君・・あの翼は一体何だい?『神器セイクリッド・ギア』とも違うみたいだけど?」

「あぁ・・ありゃ『神器セイクリッド・ギア』なんて代物じゃない・・アレは」

「『デバイス』・・・人の領域を超える為に考えられた武器」

『デバイス?』

 聞いた事も無い武器の名前の名称に祐斗、アーシア、朱乃は疑問の声を上げるが、翼を形成した『千変』を背中に装備したフリートは構わずに真っ直ぐに前を見つめる。
 そしてゆっくりと右手に握っている刀を水平に構えていると、一誠達は足元から地鳴りのような音が聞こえて来ることに気がつく。

ーーーゴゴゴゴゴッ!!

「これは!?」

「何か巨大なモノがこっちに向かって居るようですね・・恐らく、話に出ていたヒュドラでしょう」

 身構えている祐斗の疑問に対して朱乃は冷静に答えながら、自身も内に宿る魔力を高める。
 全長二十メートルのヒュドラが来るとなれば、巻き込まれる可能性は高い。何よりもヒュドラの毒は悪魔にとっても絶大。先ほどフリートからヒュドラの毒を無効化する薬をかけられたと告げられたが、不安は在る。
 故に朱乃は何が在っても対処出来るように身構えるが、一誠とオーフィスは此方へと向かって来ているヒュドラへの冥福を込めて黙祷する。

「長年冬眠していたヒュドラさん。貴方は目覚める時を間違えました」

「さようなら」

「あのイッセーさん?オーフィスさん?」

 アッサリとヒュドラの運命を見極めた一誠とオーフィスにアーシアは不安そうに質問するが、二人は構わずに黙祷し続ける。
 例えどれだけ獰猛なヒュドラであろうと一誠とオーフィスにはフリートが敗北する未来など全く想像する事さえ出来ない。寧ろ来るヒュドラを哀れにしか思えなかった。もしもフリートがこの場に居ない時に目覚めて居れば、確実に長生き出来ていた。神話に名を残すような生物だとしても、フリートはその神話を平然と破壊するだけの実力を持っているのだから。
 故に一誠とオーフィスは近づいて来る地鳴りに対しても、何の不安も抱かずに静かに黙祷を続ける。
 そして地鳴りの音が最大になった瞬間、フリートの視線の先に在る木々が砕かれ、巨大な影がフリート達の前に姿を現す。

ーーードゴオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!!

「シャアァァァァァァァァァァァァァァっ!!!!!」

「ヒュドラ!?」

「こ、これは・・・確かに通常のヒュドラとは違いますわね」

 祐斗、朱乃はそう全身から冷や汗を流しながら、通常のヒュドラを遥かに大きい九つの蛇の首と胴体を持ったヒュドラを見上げる。
 ヒュドラは自身の鋭い牙と目をフリートに対して構え、八つの口から威嚇するように咆哮をフリートに向かって放つ。

『シャァァァァァァァァァッ!!』

「・・・・何をしているんですか?自分は何も考えていないただの獣の振りをして、私の油断を誘うつもりですか?」

「・・・・・・ヤハリ・・キサマニハ・・ムダカ・・オンナ」

「ヒュドラが・・喋った」

 九つの内の真ん中の首の口から放たれた低い声に、祐斗は目の前に居るヒュドラが本当に通常のヒュドラとは違うのだと理解して呆然と呟いた。
 通常のヒュドラは知恵は在っても喋ることは出来ない。それを行なうことが出来る目の前にいるヒュドラは通常のヒュドラを遥かに超える存在。もしも目の前に居るヒュドラが『使い魔の森』から出れば、近隣に住んでいる悪魔にとって脅威の存在となるだろう。
 その事実に行き着いた祐斗、朱乃、アーシアは全身が恐怖で震えるが、対峙しているフリートは何の脅威も感じていないと言うようにヒュドラに話しかける。

「こっちにも用事が出来ましてね・・そうそうに貴方と決着をつけないといけなくなったんですよ・・悪いですけど、倒させて貰います」

「ソレハ・・コチラノコトバダ・・キサマニ・・ジャマサレテイルセイデ・・・・ワレノハラハフクレン・・・・・コレイジョウ・・・ジャマヲサセナイタメニ・・・キサマヲ、マズハ、クッテクレル!!!」

 真ん中の首が咆哮を上げると共に残りの八つの首が一斉に動き、フリートに向かって襲い掛かる。
 それに対してフリートは瞬時に上空へと飛び上がり、八つの首の突進を避けた。戦いが始まった事を理解した朱乃、祐斗はフリートを援護しようとするが、その前に朱乃、祐斗、アーシア、一誠、オーフィスを護るように巨大な魔法防壁が出現する。

ーーーブオォン!!

「これは!?」

「フリートさんが張った防壁だ、木場」

 突然の事に驚いている祐斗に一誠は冷静に告げながら、縦横無尽に空を飛び回ってヒュドラの攻撃を避けているフリートを見つめる。
 ヒュドラが口から放たれる毒霧をその身に浴びてもフリートに何の影響も起きず、平然とヒュドラに近づいて牙を持っている刀で切り裂き、次々とヒュドラの体に傷を負わせて行く。

「ハアッ!!」

ーーーブザン!!

「シャァァァァッ!!」

「無駄ですよ、バインド!!!」

ーーーガシィィィン!!

 背後から襲い掛かろうとしたヒュドラの首の一つに突如として光の輪が出現し、その動きを封じ込めた。
 そのままフリートは何も持っていない左手を動きを封じたヒュドラの首に向け、その右手の先に魔法陣を出現させると共に砲撃を放つ。

「バスターーー!!!!」

ーーードグオオォォォォォォン!!!!

「な、何て威力・・リアスが放つものよりも威力が上ですわ」

 ヒュドラの首を一本跡形も無く消滅させたフリートの魔力砲撃に朱乃は驚いた。
 しかし、フリートが消滅させたヒュドラの首の部分が動いたと思われた瞬間、新たな首が二本現れ、フリートに対して鋭い牙を向ける。

ーーーズボン!!

『シャァァァァァッ!!』

「駄目だ!?ヒュドラには強力な毒以外にも『不死身』と言う特性が在る!?このままじゃ危ない!?」

 再生したヒュドラの首に襲い掛かられるフリートの姿を見た祐斗は叫んだ。
 幾ら首を破壊しても『不死身』と言う特性を持つヒュドラは首を再生させ続けるどころか、首の数を増やし続ける。毒に対しては何らかの対策をフリートは行なっているようだが、ヒュドラの鋭い牙ならばフリートの体を簡単に切り裂ける。
 そう考えた祐斗は自身も加勢に加わる為に『魔剣』を出現させようとするが、一誠がそれを止める。

「止めとけ、木場・・あのヒュドラの相手はお前じゃキツイぞ」

「イッセー君!?だけど、このままじゃ君の先生が」

「あぁ・・言い忘れたけど・・・・フリート先生は・・・ライザーやヒュドラ以上の『不死身』だぞ」

「なっ!?」

 一誠が告げた事実に祐斗は驚き、慌ててヒュドラの首の猛攻を避け続けるフリートに目を向けて見ると、フリートは小声で何らかの詠唱らしきものを行なっていた。

「天なる轟雷よ。我が呼び声に応じ、この場に降り注げ!!!サンダーーレイジ・ファランクス!!!」

ーーードガァァァァァァァァァァァン!!!!

『グガァァァァァァァァァァッ!!!』

 フリートが詠唱を終えると共に上空から数え切れないほどの雷の柱が次々とヒュドラに降り注ぎ、その身を焼き焦がして行く。
 自身の最大威力を超える雷撃を平然と操っているフリートを朱乃は信じられないと言う瞳で見つめ、アーシア、祐斗もフリートの実力に言葉を完全に失う。アレならば流石に強力なヒュドラで在ろうと耐えられないと朱乃、アーシア、祐斗は思うが、その考えをあざ笑うかのように次々と焼け焦げていた首が動き、焼け焦げた鱗を脱皮によって捨てながら無傷な首を晒すヒュドラを目にする。

『シャアァァァァァァァァァッ!!!』

「いや〜、中々ですね。分かっていたことですけど、通常のヒュドラよりも遥かに厄介ですよ。攻撃手段がもっと在ったら『龍王』クラスに匹敵しますね」

「フン・・ワガドクヲ・・アビテ・・ヘイゼントシテイル・・キサマホドデハナイ」

「いえいえ・・それにしても殺すのは惜しいですね・・・・今の一誠君の相手に良さそうなんですけどね」

(いや!無理ですよ!!先生!!こんな『龍王』に近い実力を有したヒュドラなんて、俺は戦えません!!!)

 何気に恐ろしい発言をしているフリートに対して一誠は心の内で叫ぶが、フリートは全く構わずにヒュドラと話し続ける。

「ん〜・・本当に惜しいですね・・貴方を殺すのは・・・決めました!!私が勝ったら使い魔になりませんか?待遇は相談しますよ?」

「ホウ・・・・・ワルイガ・・ワレニモホコリハアル・・・ダガ・・キサマガカテタラ・・ツカイマニナアルノモカマワン」

「ちょっと待ってくれ!!ヒュドラ!!使い魔になるなんて止めるんだ!!!」

 自身の身に降りかかる脅威を悟った一誠は防御陣の中で必死に叫ぶが、既にヒュドラとフリートは話し合いを終えたのか再び戦闘を再開する。

「この後やらないと行けないことが在るので・・・早急に決めさせて貰いますね」

ーーーパチン!!

ーーーシュウゥン!!

「ムゥッ!?」

 フリートが指を鳴らすと共に突如としてフリートの背後の空間が歪み、何らかの武器の柄と思われる物が出現した。
 何らかの武装だと判断したヒュドラはフリートが何かをする前に攻撃しようとするが、その前にフリートは右手に握っていた刀を空間の中に戻し、空間から出ている柄を握る。

ーーーガシッ!!

「試作段階でまだまだの出来なんですけど・・試しに使用させて貰いますよ、私の持つ技術と解析した『神器セイクリッド・ギア』のデータから作り出した『人工神器セイクリッド・ギア』を」

『なっ!?』

 フリートの発言を地上で聞いていた祐斗、朱乃、アーシアは信じられないと言う声を上げてフリートを見つめる。
 『神器セイクリッド・ギア』とはその名の通り、『神』が作り上げた物。それを作り上げることなど『神』以外には出来ない。だが、フリートの発言が真実ならばフリートは『神』しか作れない物を作り上げたと言うことになる。
 その事実が信じられず呆然と祐斗、朱乃、アーシアは上空に居るフリートを見つめるが、フリートはゆっくりと右手に握っている柄を空間の中から取り出す。ソレは機械的な機構を持った長大な槍だった。刃先の部分には宝玉が備わり、凄まじい力が槍全体から放たれていた。
 その槍をフリートはゆっくりと掲げ、自身に向かって首を伸ばしているヒュドラに刃先を向けると共に全力で投擲する。

「『グラビティ・ブースト』ッ!!」

ーーードゴオオオオオオオオオオオオオオン!!!

「グオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!!!!!!」

 フリートが投擲した槍は一瞬にしてヒュドラの胴体に凄まじい衝撃を伴いながら直撃し、ヒュドラは悲鳴を轟かせた。
 同時にヒュドラの胴体に突き刺さった槍の宝玉が輝き、ヒュドラの体に凄まじいまでの重力が襲い掛かってその動きを完全に封じ込める。

「グオォォッ!!」

「動くことは無理ですよ・・その槍に私が与えた能力は、“突き刺さった相手に対して身動きが出来ないほどの重力が襲い掛かると言う能力”。名称もまだ決まっていない試作品ですけどね」

「キ・・キサマ・・・サイショカラ・・ワレヲ」

「ピンポーンですよ!だって、貴方みたいなレアなヒュドラを調べたいと思うのは当然でしょう?殺すのは本当に惜しかったので、色々と手に入れるための方策を邪魔しながら練っていたんです!」

 そうフリートは楽しげに身動きが取れずに地面にへばり付いているヒュドラに話しかけた。
 その気になれば目の前に居るヒュドラを殺すのはフリートにとっては簡単だった。種族としてのヒュドラの『不死身』の能力は既に解析済みなので対抗策はフリートの手の中に在る。
 それを使用しないでいたのは、目の前で地面にへばりついているヒュドラを殺すのは惜しいと本当に思ったからである。自身がフリートの策の中で動かされていたのだと理解したヒュドラは怒りを覚えるが、既にどうすることも出来ない状態なので渋々負けを認める。

「・・キニイラヌガ・・ワレノマケダ・・ミトメヨウ」

「それじゃ、約束どおりに使い魔になってもらいますよ!・・え〜と・・こんな時の為にコレを開発したのです!!」

 フリートはそう叫ぶと共に自身の白衣の中から機械的な球を取り出した。
 その何処かで見たことが在るような機械的な球の姿を見た一誠が、楽しげに球を弄んでいるフリートに向かって叫ぶ。

「それはまさか!?モンスターボー…」

「フリートストップ!!」

ーーーバシッ!!

「ゴフッ!!」

「イッセーさん!?」

 一誠が全ての言葉を言い終える前に、瞬時に移動したフリートが一誠の額にデコピンを食らわした。
 アーシアは倒れた一誠に慌てて駆け寄り、フリートの移動速度に驚いている朱乃、祐斗にも構わずにフリートは一誠に話しかける。

「一誠君。これの名称は『使い魔の球』ですよ。決して生物にダメージを与えて捕まえて内部に閉じ込めるボールでは無いのです」

「ど、どう違うんですか?」

「これは悪魔が用いる使い魔の契約術式を球を介して行ない、悪魔でなくても他生物との契約を可能とし、尚且つ転移術式まで組み込んで在るんです。相手の同意は当然必要ですけどね。言うなれば仮での使い魔との契約を可能とする道具なのです!!」

 フリートはそう倒れ伏している一誠に説明すると共に、再び白衣の中から右手に持つ『使い魔の球』と同じ物を取り出して、一誠を心配しているアーシアに手渡す。

「はい」

「えっ?・・あの・・これは?」

「リンディさんから頼まれていたんです。アーシアちゃんに使い魔を与えられる道具を作ってくれってね。人間であるアーシアちゃんには夜遅くまでの活動は大変ですから、使い魔は必要ですからね」

「先生!!俺には無いんですか!?」

 悪魔としての仕事を手助けする為ならば自分もと言うように一誠は質問するが、フリートは一誠から顔を逸らす。

「一誠君にはあげません」

「何でですか!?」

「・・一誠君・・・目の前に『女性の服を融かすスライム』と『女性の分泌物を食べる触手』がいたら如何します?」

「もちろん!!契約します!!」

「だから、あげないんですよ」

「納得」

 フリートの考えを聞いていたオーフィスは心の底から納得したように頷いた。
 自らの欲望に素直な一誠ならば、『使い魔の球』をあげれば確実に森に住んでいるスライムと触手と契約する。明らかに一方面でしか役に立たない生物など居て貰っては困る。
 故にフリートとリンディは『使い魔の球』を一誠に渡す気が無かった。話を聞いていた祐斗と朱乃も、自分達の部室にスライムや触手など連れて来られては困るので、フリートの考えに納得したように深く頷き、一誠は自身のスケベ心が原因だと理解して深く落ち込む。

「そ、そんなに俺は信用ないんですか!?」

「ルインさんを裸にしたのは誰ですか?」

「ゴメンなさい」

 フリートの告げた言葉に確かに信用される訳が無いと理解した一誠は、地面に頭をつけながらフリートに謝った。
 そしてヒュドラとの使い魔契約をフリートは終えると共に、辺りに待機していたレイナーレ、ドーナシーク、カラワーナにヒュドラへの食事と、この森に残って生物の調査を続行するように命じる。監視としてヒュドラが残されると告げられたレイナーレ達は恐怖に染まったような顔をしていたが、フリートは構わずに自身が使用していたテントを回収して一誠達と共に森の外へと向かって行く。
 その帰り道の途中で、突然にアーシアの頭の上に何かが乗っかって来る。

ーーードサッ!

「キャッ!!」

「どうした!?アーシアって!?ソイツは!?」

「アギャッ!!」

 悲鳴を上げたアーシアに慌てて一誠が目を向けて見ると、アーシアの頭の上に森の中で見かけた『蒼雷龍スプライト・ドラゴン』が乗っていた。

「どうしてコイツが此処に!?」

「イ、イッセーさん?」

 いきなり頭の上に乗って来た『蒼雷龍スプライト・ドラゴン』にアーシアは不安そうな声を漏らすが、『蒼雷龍スプライト・ドラゴン』はアーシアの頭の上で嬉しそうに尻尾を振っていた。
 その様子を見ていた朱乃は困ったように頬に手を置きながら、アーシアの頭の上に乗り続けている『蒼雷龍スプライト・ドラゴン』を見つめる。

「あらあら?もしかしてアーシアちゃんに懐いちゃったのかしら?ドラゴンのオスは他生物のメスも好きだというらしいから」

「な、なるほど・・だけど、何時までもアーシアの頭の上に乗せて置くわけには行かないから、ちょっと退かしますね」

 一誠はそう告げると共にアーシアの頭の上に乗っている『蒼雷龍スプライト・ドラゴン』に手を伸ばす。
 そして一誠の手が『蒼雷龍スプライト・ドラゴン』に触れようとした瞬間、『蒼雷龍スプライト・ドラゴン』の体が蒼く発光し、一誠に凄まじい電撃が襲い掛かる。

ーーーバチッ!!ビリビリビリビリビリビリッ!!!

「アガガガガガガガガガガガガガガガッ!!!!」

「ドラゴンは他生物のオスが嫌い・・・子ドラゴンはそれが顕著」

「も・・もう少し・・早く教えて・・・欲しかった」

ーーードサッ!

「イッセーさん!!」

「あらあら、大変ですわ」

「う〜む?・・どうやって外敵だけを定めた電撃を放てるんですかね?」

 地面に倒れ伏した一誠に慌ててアーシアは駆け寄り、朱乃はアーシアの頭の上から『蒼雷龍スプライト・ドラゴン』を抱き抱え、背中に荷物を背負ったフリートが興味深そうに『蒼雷龍スプライト・ドラゴン』を観察する。
 アーシアは自身に宿る『聖母の微笑トワイライト・ヒーリング』の力を使用して一誠の治療を行ない、朱乃はアーシアの方に行きたそうにしている『蒼雷龍スプライト・ドラゴン』に困ったと言うように見つめる。

「コレは?・・よっぽどアーシアちゃんの事を気に入っているみたいですわ」

「『蒼雷龍スプライト・ドラゴン』は清い心を持った者にしか降らないドラゴンなんですよね・・教会のシスターだったアーシアちゃんなら充分に考えれますね・・・丁度良いかもしれません・・アーシアちゃん?」

「は、はい!」

「この子に『使い魔の球』を使用したらどうですか?この子もアーシアちゃんと一緒に居たいみたいですからね」

「え、え〜と?」

 フリートの提案に悩むようにアーシアは声を出すが、『蒼雷龍スプライト・ドラゴン』は朱乃の手から離れると共にアーシアの前に嬉しそうに移動する。

「キュル〜」

「・・・それじゃ、契約します・・これから宜しくね?」

「キュルッ!!」

 アーシアの言葉に対して『蒼雷龍スプライト・ドラゴン』は頷き、こうしてアーシアは『蒼雷龍スプライト・ドラゴン』を使い魔とすることが出来たのだった。
 因みにこの後、一誠達と共に病院に戻ったフリートは嬉々してリアスと子猫の治療を行ない、リアスと小猫の精神はかなり削られ、何故グレイフィアと一誠がフリートを呼ぶのをアレほど嫌がっていたのか全員が理解したのだった。





「ただいまですよ!!!リンディさん!!」

 リアス、小猫の治療を終えたフリートはそのまま『使い魔の森』には戻らず、自身の研究所であるアルハザードへと舞い戻った。
 その姿を確認したリンディは頭が痛いと言うように手を置きながら、目の前で自身が居ない間に集まった情報を確認しているフリートを見つめる。

「ハァ〜・・戻って来てしまったのね?」

「いやいや、『使い魔の森』は色々と忙しかったので連絡が取れませんでしたけど・・まさか、こんな事態になっているとは思いませんでしたよ」

 情報の確認を終えたフリートは何時も浮かべている楽しげな笑みを消して、見終えた情報の内容に真剣な眼差しをリンディに向けた。

「コレ・・事実なんですか?」

「事実よ・・・教会が保管していた“六本”のエクスカリバーの内・・“三本”が奪われた・・堕天使の幹部、コカビエルにね」

「・・・戦争でも起こす気ですかね?」

「その考えは間違っていないだろうな」

 フリートの疑問に答えるように部屋の中で壁に寄りかかっていたブラックが答えた。
 その横に居る、ルインもブラックの考えに同感だと言うように深く何度も頷きながら、自身が集めた情報を説明する。

「私が調べたところ、教会を襲ったコカビエルはこれ見よがしに教会の人間を殺しながら堂々とエクスカリバーを盗んで行ったようです。しかも追跡調査で調べたところ」

「コカビエルが姿を晦ましたのは、一誠君が暮らしている街・・つまり、魔王の妹であるリアス・グレモリーさんが暮らしている場所。そんな場所に教会が大切に保管していたエクスカリバーを堕天使の幹部が運んだ」

「どう考えても戦争を起こしたいと思える行動ですね」

 フリートは呆れたように溜め息を吐きながらコカビエルの行動について意見を述べ、ブラック、リンディ、ルインは同感だと言うように頷いた。
 堕天使側の幹部であるコカビエルの行動はどう考えても堕天使、悪魔、そして天使の三勢力の戦争を再開させようとしているとしか考えられない。現在の情勢では再び三勢力が戦争を始めるのは、特大の火種でも無ければ出来ない。コカビエルは自身がその火種になるとしか思えない行動を行ない始めた。
 再び一誠達が住む世界全体を危機に追い込むほどの大戦争を開始する為に。

「アザゼルにこの件を連絡したら、最悪の場合『コカビエルを抹殺しても構わない』と連絡が届いたわ」

「加えて言えば、既に一誠が暮らしている街に教会関係者が入り込んだようだが、入った瞬間にコカビエルと奴の部下どもが殺している。その場に黒い羽を業とらしく残しながらな」

「厄介ですね・・・・しかし、エクスカリバーが関わっているんですか・・・不味いですね」

「?・・どう言うことかしら?フリートさん」

「いえ・・・実は居るんですよ、あの街・・・しかもリアス・グレモリーさんの眷属の中に・・・あの教会での最低な行為・・『聖剣計画』の関係者が」

『ッ!!!』

 フリートが告げた事実にリンディとルインは目を見開き、ブラックも僅かに興味深げに目を細める。
 その様子にフリートは頷きながら、『使い魔の森』で感じた祐斗の内に在る『聖剣』に対する憎しみを思い出しながら話す。

「彼・・木場祐斗君は自らの街にエクスカリバーが入り込んだと分かれば、確実に動くでしょうね。主であるリアス・グレモリーさんが止めたとしても」

「そう・・・となれば、一誠君は動くわね・・あの子は親しくなった人を見捨てられないから」

「そっちはスケベ馬鹿に任せて、私達はコカビエルを捕らえる事を優先して動くしかないでしょうね」

「フン・・・堕天使コカビエルか・・・・戦争を引き起こそうとする奴だ。少しは歯応えが在る相手で在ることを願うぞ」

 そう僅かに苛立たしげに呟くブラックの様子にリンディ、ルイン、フリートはコカビエルが完全にブラックの獲物として認識されている事に気がつき、コカビエルに対して僅かに哀れみを抱くのだった。


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■作者からのメッセージ
【今回登場アイテム】

名称:千変
詳細:万能型特殊デバイスとして生み出されたデバイス。
デバイスのパーツ収納機能を特化させ、無数のパーツを内に所持し、状況に応じて形態変化を行なわせるデバイス。万能型の極限を目指したデバイスだが、現代の魔導師は基本的にスタイルを決めてそれを中心に進むために現代の魔導師では扱いきれない面が在る。しかし、完璧に操り切れれば恐ろしい力を発揮する万能型の最強デバイスを目指して開発されている。使用者はフリート。

名称:不明(人工神器)
詳細:フリートが自身の持つ技術力と解析した『神器』のデータを合わせて開発した試作品の名称未定の槍。能力は突き刺した相手に身動きが出来ないほど重力が襲い掛かる。試作品故に突き刺さらないと能力が発動しないと言う欠点が在る。また、解析した『神器』のデータを使用しているが問題点がまだまだ在るので連続使用は不可能に近く、『禁手化』や想いを糧に変化や進化などは出来ない。

名称:使い魔の球
詳細:フリートが悪魔でなくても使い魔を持てる様に開発した機械的な球。内部には契約の術式と転移の術式が仕込まれ、球の中央に在るボタンを押しながら契約している使い魔の姿を脳裏に描くと転移術式が発動して使い魔契約を結んだ生物が転移して来る。しかし、あくまで使い魔としての契約術式は球が代行しているので、球が破壊されると契約が切れると言う欠点が在る。


感想の返信をいたします。

羊羽様
・イッセーは恐らくイロモノを引き寄せる才能が在るんでしょう。歴代の赤龍帝達も変わっていましたからね。これからフリートも本格的に動いて行き、リアス達の精神も疲れていくでしょう。

ADD様
・一誠君に薬が掛けられなかったのは既に必要ない状態に在るからです。
オーフィスにはもっと必要ないでしょうね。今回新たに被害者の名にリアスと子猫の名前が加わりました。フリートの治療は恐ろしいのです。次回も頑張ります!!

とある見習い小説家様
・誤字報告ありがとうございました!!修正完了です!
一誠君の運命は既にフリートとの出会いで決まったのです。ドライグは現状を知られたくなくて、一切表に出ませんでしたけどね。

武者丸様
・修正しておきました!!堕天使勢にとってその一年が地獄の日々でしょうね。厄介な生物とはかなり強力になったとある生物でした。その生物のせいで一誠君の苦労は増えました。

kusari様
・誤字報告ありがとうございました!!修正しておきました!!
ポケモンのキャラっぽい人物は出ませんでしたが、代わりに道具が出ました。何となく彼を考えていたら思い浮かんだのです。レイナーレ達はフリートの使い魔となった生物と暮らす破目になりました。これからも無理難題な目に一年間合い続けるでしょう。

次回も頑張ります!!
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