ワーニング、ワーニング
R15警報発令中、ほどほどに下ネタ、エロ描画があります。
その手の表現が苦手な方は閲覧を控えることをお勧めします。
なお、この話では本編に絡む進展は殆どないので、見なくても問題はありません。
オーバー
めでたく19歳に突入。
やらはたまであと1年でした。なぜ過去形かって?まあ、その話題は追々。
というわけで西暦1993年、スワラージ作戦発動の年です。
この作戦の結果如何で今後のBETA大戦の行く末が大きく左右されるそんな年。
まりもを助けるためだけに突っ走ってきたのに、いつの間にやらそんな作戦に絡むようになってしまった。なぜだ?
それはともかく、春にはまりもと共に無事学科を卒業。正規兵となりました。
まりもは衛士なんでいきなり少尉。こっちは伍長だよ、ばかやろう。
給料なんて額面で10万円近く違う…
ちくしょう、おれたちの技術力だって半端ないのに。これが、最前線と後方支援部隊の差か。
まあ、金なんて裏で運用しているのがいっぱいあるから別に良いけど。
スワラージ作戦の開始は9月に決定。
そのために色々と準備が進められている中にあって、日本帝国においては5月に作戦に参加する部隊員達の壮行式が行われた。
偉そうな人達の有難いお話を聞き流して式が終わるのを待つ。
今回の作戦における日本帝国軍の最高責任者は、九條雅臣少将。どうやら五摂政家の人間らしい。
血筋だけの無能者なら穏便に辞任してもらおうと探りをかけたが、意外とまともな人物であることが判明したので、そのまま最高指揮官にいてもらっている。
持つべきは情報網と、同じ五摂政家の煌武院家のコネだな。
一時期は悠陽をお飾りの最高責任者にして将軍となるための実績を積ませるような動きもあったらしいが、さすがにまだ若すぎるのと紅蓮のおっさんたちの猛反発により立ち消えになったらしい。
悠陽も大変だよな。
そんなこんなで無事壮行式が終わったその夜、それは起こった。
今思い出すと、悪夢のような桃源郷のような不可思議な一夜の夢。未だにどう捉えれば良いのか自分でも整理のつかない出来事。
これから話すのは、そんな話だ。
「はーい、来たわよ」
「こんばんは、隆也くん」
チャイムの音に呼ばれて出てみれば、そこには夕呼とまりもが立っていた。
夕呼の手には一升瓶が、まりもの手には料理の材料が握られている。
まりもの手にあるものはいいのだが、夕呼の手にあるのはなんだ。
いや、日本帝国の飲酒可能年齢は18歳からだから法律的には問題ないのだが、この間夕呼が「まりもと飲むとろくな事にならないわね」とぼやいていたのはまだ記憶に新しい。
それなのになぜに酒を?
おれと夕呼だけで飲むのか?ま、いいか。
「よう、待ってたぜ。汚い部屋だけど、ま、勘弁してくれ」
これはおれとまりもが戦場に行くと言うことで、夕呼が企画してくれた「無事生きて帰ってきなさいよね、べ、別に心配なんかしてないんだからね」とはまあ口にしてはいないが、内心そう思っているに違いない夕食会だ。
ちなみに参加者はおれ、まりも、夕呼の三名。人数的には寂しいが、気の置けない仲間という意味ではこれ以上の面子はないとも言える。あとおれの部屋は、整備学科に入学してから一人暮らしを始めて以来ずっと住み続けている部屋だ。2LDKの贅沢な間取りである。
主賓はおれとまりもなのだが、料理を作るのはまりもである。まあ、夕呼に家庭的な技術は期待していないので問題ないが。
「しかし、あんたたちが戦場にね。なんかピンとこないわね」
「まあな。そもそも大陸東部が安定しているおかげで、近くに戦線がないせいでそういう認識が薄いのは仕方がないさ」
「でも、少々平和ぼけしすぎな気もするわね。こうやっている瞬間でも、前線ではBETAとやりあってるんでしょう?」
夕呼がぼやきながらおれの部屋をごそごそと物色する。最初止めようとしたんだが、見られて困るものがあるわけでもないので、放っている。
エロ本?あ、そういえば、そういうものもあるな。どうも精神年齢が高いせいか、その手のものを見つけられることに関する羞恥心が少ないんだよな。
むしろ、見せつけて相手が恥じらう姿を堪能するとかしたい。まあ夕呼にそう言うのを求めるのも酷か。
「あ、エロ本発見。あんたも男ね」
悪い笑みを浮かべながら発見した物をぺらぺらと捲る夕呼。と、いつのまにやら真剣に見入っている。「これは…」、などと呟きながらねぶるように読み込んでいる。
確かあれは、虎太郎と零奈のいちゃラブものだったな。虎太郎と零奈っていうのは、おれの前世で好きだったゲームの登場人物である。
ネタとキャラ設定を提供して、作画を依頼して作ってもらったものだ。
「ちょっと、隆也」
「ん?なんだ」
「これ、いくらでなら売る?」
真剣な面持ちで夕呼が迫ってきた。そんなに気に入ったのだろうか。珍しいな、こいつがこんなものに執着するのも。
「欲しいってんなら、別にやるのに問題はないが。なんでそんなにご執心なんだ?ゆうこりんが、そんなに関心を持つほどのものとは思えないんだが?」
「わからないわ。わかならいけど、なぜか心ひかれるの。科学者としてわからないものをわからないままにしておくなんてありえないわ。そのためにもこれを研究しないと」
鼻息粗く宣言する夕呼に若干引きながら、とりあえず譲渡に関しては了承することを伝えると、ほくほく顔で持っていたバックの中にそのブツを入れた。
エロ本を鼻息粗くバックに詰め込む美女。なんかシュールだな。これでエロ本がBLものだったら、単に腐海の森の住人になってしまっただけだとあきらめもつくんだが。
「おまたせ、出来たわよ」
エロ本を獲たことで満足したのか、物色を止めた夕呼と時空因果律量子理論の新しいアプローチを議論していると、台所からまりもの声が聞こえてきた。
さすがに上げ膳据え膳は悪いというわけで、おれと夕呼も手伝って台所から食事をリビングに運ぶ。
テーブルの上に並ぶ料理におれは感嘆の声を漏らした。
からっと揚げられたばかりのテンプラ。だしの染みた煮物。しんなりとした浅漬け。ほくほくのお米。
前世の一般家庭の食卓に比べれば和食成分が多めだが、それでも今時割高で一般家庭ではあまり見かけない天然食材をたっぷりと使った料理の数々。
ここ数ヶ月、軍事教練の一環として寮生活を余儀なくされていたおれにとっては、まさにごちそうだった。
「おお、すごいな、まりもん。これならいつでもいい嫁さんになるぞ」
「え!あ、ありがとう」
「よかったわね、まりも。お墨付きよ」
おれの感想にやけに顔を赤くして照れるまりもと、それを茶化す夕呼。ん?なんか違和感があるが、ま、いっか。
「それじゃ、冷めないうちに食べようぜ。こんなおいしそうなものを見ていると、余計にお腹がすいてきた」
「そうね、それじゃさっそくいただきましょうか。まりもの料理の腕はなかなかのものよ」
「もう、おだてても何も出ないわよ、夕呼。でもそうね、温かいうちにいただきましょうか」
「それじゃ」
「「「いただきます」」」
三人仲良くお食事タイムとなりました。
そこには悲壮感は欠片もなかった。おれもまりもも戦場に行くのだ。しかも人間同士ではない、BETAとの戦い。負け=死の戦場であることを夕呼は知っているのだろうか?
知っているだろう。夕呼がその程度の情報も仕入れていないことなどあり得ない。
むしろ積極的に色々な情報を収集していそうだ。もちろん、非合法な方法であるだろうが。
あー、そう言えば試作型量子電導脳が奴の手元にあるんだったか。世界中の機密さん、ごめんなさい。
唯一無事なのは柊町の情報くらいか。技術廠にも量子電導脳は導入していないからな。
和気藹々とおしゃべりしながら楽しい食事。日本的にはちょっと行儀が悪いが気にしない。
楽しいが一番だ。
次に集うときはもしかしたら誰か欠けているかも知れない、そんな不安が欠片もないのはむろん、おれたちの出鱈目さを夕呼が知っているからに他ならいないからだが、それと実際に安心できるかとは、全く別の話だ。
なのにそんな様子をおくびにも出さない夕呼、さすがだね。
やがて夜は更けてゆき、楽しい壮行会という名の食事会は終わりを迎えようとしていた。
しかし、そこで爆弾は投下される。
「え?なにいってるの?今日は帰らないわよ。そもそもあたしとまりもはここに泊まるつもりで来たのよ」
「へ?」
思わぬ台詞にびっくりしてまりもに目をやると、まりももうんうんと頷いていた。
な、なんだと!?まりももぐるだったのか!?
どうりで遊びに来ただけにしては荷物が多いと思ったが、そういうことだったのか。
「い、いけません、嫁入り前の女性が男と一つ屋根の下なんて!」
「へえ、あんたがそんな常識的なことをいうなんてね。でもね、これはすでに決定事項なの。あたしが泊まると言ったら、泊まる以外の選択肢はないのよ」
「お、横暴だ、ま、まりもん、ゆうこりんに何か言ってやってくれ」
望み薄だとは思いつつ、まりもに援護を求めるが、まりもは首を横に振るだけだ。
「ごめんね、隆也くん。私もアリバイ工作は完璧で、最初から泊まる気で来たのよ」
「な、なんだってーΩΩΩ!!!」
最後の希望は断たれた。そもそも強引な女たちに、うぶな男が勝てるわけがないのだ。
でもこれって、もしかして、そういうことなのかな?
おぢさん、期待しちゃうぞ?いいのか、本当にいいのか?
自慢じゃないけど、有り余る精力のあまり自制心には自信が無いぞ。おまえら、その辺わかってるのか?
という目を夕呼に向けると、にやっ、と蠱惑的な笑みを返して来やがった。あの女、完全にわかっている。その上でこの状況を作り出しやがった。
ということは、え、でもどういうこと?
まりもだけ、夕呼だけ、ならわかるけど。どうして二人一緒なわけ?
わからん。自慢じゃないけど、おぢさん、精神年齢は高いけど女性経験はほぼどーてーだよ。
しょうがないので寝室を二人に明け渡し、おれはリビングで寝ることにした。部屋を分けるということでおれの意志は言わずとも示せるだろう。
でもなあ、この心の底からわき上がるリビドーをどうしろと?
だって、二人ともめっちゃ良い匂いをまき散らしているんだぞ?畜生、トイレで一発抜いとくか。
などと考えていると、
「隆也、お先にお風呂いただくわよ。ほら、まりもも一緒に行きましょう。さっき見たけど十分広いお風呂だったから二人一緒でも大丈夫よ。もっとも、三人一緒でもあたしは構わないけど」
「っ、ええい、すきにしやがれ」
なあ、おい、普通逆じゃね?なんでおれがあたふたしなきゃならないんだよ。落ち着け、落ち着くんだ隆也。こういう時は素数を数えるんだ、壱、拾、百、千、万、って違う!
あわわわ。
「それじゃ、隆也くん、お先に失礼するわね」
などといって、まりももそのまま夕呼に続いてお風呂場へと消えていく。
どうしてこうなった…いや、逆に考えるんだ。今おれは人生で一番輝いていると。
でも、ど、どうすりゃいいんだ?やっちゃっていいのか?良いんだろうな。でも相手は2人いるんだぞ?
わからん。本当にわからん。
そうだ、今のうちにトイレで一発、いや、そんなん根本的解決になってないだろう。
1人悶々としていると、2人が風呂から上がってきた。
バカな!早すぎる。女性のお風呂と言えば長風呂が…ば、バカなすでに1時間が経過しているだと!?
悩むあまり時間がたっていることに気がつかなかった。
「お風呂、頂いたわよ」
妖艶な笑みを浮かべる夕呼。
「お風呂、ありがとうね」
見慣れたはずのまりもの顔もしっとりと濡れた花弁のようなあでやかさを醸し出している。
「隆也もいきなさいよ。まさかそのまま始めるつもり?」
「んな!?な、なにをだよ」
「なにをって、決まってるじゃない、なにをよ」
「え、え、えええ!!!」
「ほら、さっさといく」
どかっ、と夕呼に蹴られて風呂場に突入。そのままお風呂に入って身を清める。
なんか、毒蛇に喰われる前に身を清める生け贄の心境ってこんな感じだったんじゃなかろうか。
などととりとめもないことを考えるが答えは見つからなかった。
風呂場から出たおれを迎えたのは、真っ暗になったリビングそして、寝室から光が漏れている。そこから手がにょきっ、と生えるとおいでおいでとこちらを誘ってくる。
こうなりゃ、こっちも男だ。いってやろうじゃないか。
この時のやけくそ気味の決断が、あんな結果になるなんてそのときのおれはまだ知るよしもなかった。
使い慣れている寝室の中は、女の子の甘い匂いが充満していた。
頭がくらくらしそうだ。
照明は間接照明で、なかなか良い雰囲気を醸し出している。
中にはベッドに座ったまりもと、その横に立っている夕呼。
2人ともパジャマ姿で、よくよく目をこらすとブラをつけていないらしく、胸のポッチがうっすら主張しているのが見える。
ごくりっ
喉がなるが気にしてなんかいられない。
マイおてぃむてぃむははち切れんばかりに自己主張をしている。BETAの反応炉すら今のおれのおてぃむてぃむの前では敵ではない。すまん、うそだ。さすがにそりゃあない。
2人ともどんな顔しているのかな、とちらりと目をやるとまりもの様子が少々おかしいことに気づいた。
なんだろう、と思って見てみるとベッドサイドに備え付けてあるテーブルに一升瓶が置いてあり、その半分が無くなっていることがわかった。
まさか、まりもに飲ませたのか?
目を夕呼にやると、にやり、と口元に笑みを浮かべた。
「まりもが景気付けにって、一気に半分も飲んじゃったわ」
と何でもないことのように言う。
おまえ、まりもが酒癖悪すぎって言っていただろうに、と思った瞬間、まりもの姿がベッドからかき消えた。
油断していたおれはそのまま高速タックルを仕掛けてくるまりもに対応できずにマウントポジションを取られてしまった。
「隆也くん、好き、いつからかわからないけど、好きになっていたの。隆也くん以外はもう考えられない。だから今日は覚悟して」
「ちょっ、ちょっとまて、告白は嬉しいが、告白してすぐに押し倒すって言うのはムードっていう、むぅ」
おれの反論はまりもの唇で塞がれてしまった。ディープではない、ただ唇を強く重ねるだけのキス。
「ぷはっ、ファーストキスは蜜の味っていうけど、ちょっと物足りないわね。もう一回」
1人呟くと、再び唇を合わせてくるまりも。
一瞬思考が飛びかけていたが、こうなればこっちも男だ。逆に舌を使ってまりもに逆襲を企む。
が、まりもが怯んだのも一瞬。次の瞬間には逆に舌を吸われ、逆に進入され、口腔を蹂躙される。
ちょっとまて、これあきらかに生娘のテクニックじゃないだろう!?
と思ったが、あまりのうまさに頭がゆだっていく。
「ふふ、すごいでしょ、まりものキス。あたしも、この間酔っぱらって間違ってキスされたとき、あまりのうまさに腰が抜けちゃったくらいだものね」
あーなんか夕呼が言っているけど、そんなことよりもまりものキスが凄く気持ちいい。
ちゅぷちゅぷと唾液と唾液が絡み合う音が寝室に響き渡る。
夕呼に見られているのなんて頭の中から消え去っていた。無意識に両手がまりもの胸をまさぐる。
「んふっ」
まりもの口責めが一瞬怯んだ。その隙に、唇を離しまりもを見つめる。
「なにがなんだかよくわからんが、おれもまりもんのことは好きだ。これが恋人の好きなのか確証が持てないんだが、少なくとも男とのおれは異性としてのまりもんを求めている。悪いな、こんな答えで」
「うん、いいの。今はそれで、あっ」
一生懸命まりもの胸をふにふにとこね回していると、ポッチがだんだんと固くなってきたのでそれをくりくりっと転がすと、まりもが可愛らしい声をあげる。
「それにしたって、突然だな。なんで今日なんだ?」
「それはあたしが答えるわ」
床上でいたしているおれたちを見下ろしていた夕呼が声を上げた。
「あたしとまりもでね、ちょっとした恋愛談義をしたのよ。テーマは、あんた。どう、うれしいでしょ?」
「いや、まあうれしいといえばうれしいんだが、この場とのつながりがわからん」
「まあ、そうあせらないで、話の続きを聞きなさい。早い男は嫌われるわよ」
「うっせ、早いって言うな!」
「あんっ」
思わずポッチ弄りに力がこもってしまった。まりもが可愛らしく鳴く。
「で、ぶっちゃけていうと、あたしとまりも、認めたくないけど、あんた事が好きだという結論になったわけ。で、どっちが所有するかの話になったんだけど、交渉の結果分割統治ということになったの」
「ぶ、分割統治?」
「あっ、隆也くん、そこは」
夕呼の話を聞きながらやることをしっかりやっていたおれの右手は、まりもの下半身へと伸びていた。その光景を見てすっ、と夕呼は目を細めたがそれだけで、淡々と話の続きをする。
「そう、分割統治。人類全体の大幅な人口減により私生児でも子供を産んだ女性は決して差別してはならない。なぜならば子供は人類の宝だからだ。これにより男女比の圧倒的な差を平等に戻すために一夫多妻制を推進するものである。この発言を国連はBETA大戦終結後にする予定になっているわ。従ってまりもが本妻になって、あたしがお妾さんでも全然問題がないということ。ただし、お互いに完全所有は主張しないこと。あくまで折半の形をとるということで、まりもとの立花隆也分割統治宣言はなったわけ。で、ここで問題になるのがあんたが軍に入ってしばらくまりもと作戦行動を共にするということね。そんなことになれば圧倒的にまりもが有利になるわ。だからその前に、あんたにあたしたち2人の思いを伝える必要があった。ついでに言えば、あんたの童貞はまりもがもらうことで話がついているから、そのままずぶっといっちゃいなさい」
「女の子が童貞とかずぶっとか言うな」
「あぅん」
まりもの下着の上をなで回しながらの抗議なので全く持って説得力がない。
「それじゃ、あんたの初めてをまりもに譲るから、まりもの初めてをさっさと奪っちゃいなさい」
「といっているが、本当に今このままでいいのか、まりもん?」
ここいや、と言われてもぶっちゃけ止まれる自信はない。だって、今のまりもめっちゃエロいし、おれも完全にエロエロモードに入ってるし。
「私なら大丈夫、隆也くんなら」
そう言って再びキス。完全にOKのサインだな。というわけで、体勢を入れ替えて、と思ったのにまりもがびくりともしない。
つまり騎乗位のままなのだが、
「あの、まりもさん。そろそろ体勢入れ替えませんか?」
「大丈夫よ隆也くん。このまま私が奪ってあげるから」
「へ?」
そこから先は何がどうなったのかわからない。まりもの手がおれの下半身に回ってきたと思ったら、一瞬にして愚息が顔を出していた。
何をいっているのかわからないと思うが、おれも何をされたのかわからない。あまりにも手際のよい脱がしッぷりに、ひたすら驚いていた。
「いくわよ。安心して、痛くないから」
舌なめずりするまりも。いや、正直エロチックなんだけど、なんか目が怖い。まさに肉食系。奪うと言ったのは言葉通り。おれが奪うのではなく、まりもがおれから奪うのだ。
ということで、あとは察しろ。
初めて同士のはずなのに、まるでプロとやっているかのような錯覚を受けたのも気の迷いだ。そうだ、そうに違いない。
「終わったみたいね。まりもったら、いやらしい顔して。さてと、次はあたしね。あんたたちのおかげで、準備は万端よ」
と第二ラウンドが始まったが、これも同様。相手の攻勢にこちらは防御一辺倒。むしろ一方的な蹂躙が始まった。
あれ?おかしいな、2人とも初めてなのになんでこんなに手際が良いんだ?っていうか、むしろおれがだめだめなのか?
はっ、いかん、そんなことを考えると愚息が元気を無くしてしまう。相手が悪かった、そう考えるんだ。
夕呼との第二ラウンドを終えると、いつの間にかベッドでおれたちの様子を観察していたまりもがおれを誘ってきた。
「隆也くん、来て。抱きしめながらして」
と言われて、ようやくムードのある情事が楽しめると有頂天になったおれは気づいていなかった。まりもと果てたばかりの夕呼がアイコンタクトを取っていたことに。
そして夕呼の口元に邪な笑みが浮かんだことに。
「んんぅ、はぁっ」
お互い抱き合いながらむさぼるようにキスをする。重なり合い解け合うような錯覚。錯覚?今の現状は夢ではないのか?
ふとそんな思いが頭をよぎる。それだけ、今日の今の事態は非日常的だった。
まるで夢を見ているようなそんな感覚。確かにあるのはお互いの感触と、快楽だけ。
「お楽しみね、あたしも混ぜてもらうわよ」
そう、この夕呼の一言が夢からの目覚めを知らせるものとは知らずに、おれは頷いていた。
瞬間、おれの後ろの穴に何かが塗られる感触が。
「なっ!?」
驚いて後ろを振り向くといつの間にか起き上がっていた夕呼が、おれのあにゃるになにかを塗り込んでいた。
いやそんなことよりもまず目を引くのが、夕呼が下着代わりに装着しているものだった。
「ゆ、ゆ、ユウコサン、あなた、何を股間に履いてらっしゃるのでしょうか?」
「これ?ディルドっていうの、米国からの輸入品だからちょっと大きいかもしれないけど、がんばってね」
一瞬にして今までの幻想的な雰囲気がぶっ飛んだ。大気圏離脱なんてレベルじゃねえ。太陽系外までぶっとんだ。
「ちょちょちょ、まて、まて、まて、ゆうこりん、正気に戻れ」
「あら、あたしは至って正気よ。まりもはあなたの初めてをもらったんだから、あたしもなにか初めてをもらわないと不公平よね?」
「いやまて、確かにそれはそうかもしれんが」
「わかってもらえて嬉しいわ。それじゃ、遠慮なく」
「おい、ばか、やめろっていうか、まりもん!?」
おれの身体は真下からがっちりとまりもに拘束されていた。身動きが取れない。
「ごめんね、隆也くん。夕呼と約束したの。お互い平等にって」
「いや、まて、まりもん、それは違うぞ。お前はだまされている。そういうのを不平等条約というんだ」
「ふふ、往生際が悪いわね。男は度胸、なんでも試してみるものよ?」
つんっ、と本来異物が触れてはいけないところに固いものが当たる感触が。
「ちょっ、やめて、わかった、わかったから、考え直せ、いや考え直してください、お願いします」
「ふふ、だーめ」
「あ、やめっ、そこは出す穴なの、入れる穴じゃないの。いや、あ、あ、アーーーーーーーーーーー!!!!」
その日、深夜のおれの部屋らから、悲痛な男の絶叫が聞こえてきたという。
まあ、重鉄筋コンクリ建てなのであまり話題にはのぼらなかったらしいが。