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マブラヴオルタネイティブ-フォーアンサー 【閑話休題】頭辺墨大作戦! 横浜基地最強の男現る
作者:首輪付きジャッカル   2012/12/21(金) 04:58公開   ID:ISfVl47t.n.
雷鳴轟く夜。空模様は豪雨・・・
暗い厨房に、二人の影がある・・・
一つは厨房の主、京塚曹長。そしてもう一人はここ、横浜基地の主、パウル・ラダビノッド基地指令だった。
「ついに…ついに完成したのですか……(CV:若本)」
基地指令が震える声で問う。
「これが…京塚曹長が生涯をかけて思い描いた、理想の料理!」
「素晴らしい!ふふ……、ふはは………はははは………はーはっはっはっはっは!」



「ごっついのーっ!全員そろっとるかーー!!」
第2ブリーフィングルームにてA-01のメンバーを見据え、伊隅大尉が叫ぶ。
普段の伊隅大尉からは想像もできないような言葉と叫びに呆けている新任をよそに、速瀬中尉が冷静に答える。
「宗像と風間は本日休暇中です。キャエーデ中尉は・・・分かりません」
「そうか・・・キャエーデ中尉が居ないのは幸運だな。まぁいい。集まってもらったのはほかでもない!」
「唐突だが、本日、貴様らの為にとてつもない料理を用意した」
「ほんと、唐突ですね。とてつもない料理?」
白銀が呆けたまま言う。
「そうだ。京塚曹長が40年の歳月をかけて完成させたものらしい」
「よ…40年ですか?」
「今日はそれを我々に振舞ってくれるそうだ」
「「「「「「「「「「「「お〜」」」」」」」」」」」」
「だが!この料理は残念ながら一人前しかない」
「なるほど…そういうことですか」
速瀬中尉は何かに気付いたらしくニヤリと笑う。
「ふふふ…そういうことだ。宗像と風間、特にキャエーデの不在は幸運だな」
「今回はその一名をどうやって選出するのですか?」
「それについては、この方から直々にご説明いただく」
その瞬間、後ろから声が轟いた。
「私が、横浜基地司令、パウル・ラダビノッドであーるぅ!!」
「「「「「「「「「「「うわ〜〜〜」」」」」」」」」」」
「み…耳が…」
涼宮少尉が耳を押さえながらつぶやく。
「いつもながら、見事な御声量にして絶大な説得力・・・指導者とはかくあるべきだな」
「我々諸君は・・・このめでたき日に立ち会えたことを光栄に思うべきだろう。
かく言う私も、京塚曹長より報告を受けたときは、身震いが止まらぬほどであった。
曹長の積年の思いを口にする以上、諸君らにも相応の難関が設けられるべきである……!
よってこの勝負、横浜基地名物『頭辺墨』にて決するものとする!!」
「「「「「「「「「「「とうへんぼく〜?」」」」」」」」」」」
「うむ。まずはこの判を取りたまえ」
各々が判子を受け取る。
「・・・乙女ってかいてある」
彩峰が判子に書いてある字を読み上げた。
「今から日没までに、私の頭の辺りに判を押した者を勝者とする!」
「頭の辺りって・・・また抽象的な・・・」
「なるほど…頭の辺りに墨・・・それで『頭辺墨』なのね」
「かつて私に頭辺墨を挑んで成功を収めたものは居ない。
諸君らの奮闘に期待する」
「もしも日没までに成功させられなかった場合はどうなるんでしょう?」
「私が、京塚曹長の40年の歴史をいただく!無論!そのつもりだ!」
「さて、質問はあるか?」
「「「「「「「「「「ありません」」」」」」」」」」」」」
「いいか貴様ら、A-01の名に泥を塗るなよ?」
「「「「「「「「「「「はい!」」」」」」」」」」」
「では、ただ今をもって『頭辺墨』の開始を宣言する!」
「以上、散開!」
伊隅大尉の解散の号令と同時に、その場の全員が一斉に基地司令に飛び掛る。
「「「「「「「「「「「「うおおおおおおおお」」」」」」」」」」」
その瞬間、基地司令の目がギラリと光った。
「ぶるああああああああああ!あ〜ま〜い〜わぁあああああああああ!!」
轟音。飛び掛った全員が一斉に逆方向に吹き飛ばされた。
「な・・・なんてパワー・・・」
「では諸君、また会おう!ふははははははははは!!」
悠々と去っていく基地司令。
その背中に飛び掛る余力があるものは居なかった。



「ほほぉ、面白そうなことをやってるじゃないか。祷子、私たちも…おや?祷子?」



「くそ、どこだ基地司令ッ!
あの人があんな化け物じみたパワーを持ってるなんて・・・
でも、オレだって・・・」
―――ドンッ―――
「うわ!?スイマセン!」
「ぬぅん?」
白銀が顔を上げるとそこには探していた基地司令が居た。
「き、基地司令!はっ。っていかんいかん、敬礼してる場合か!?」
「どうした白銀少尉・・・かかってこないのか?」
「・・・基地司令、力ずくで失礼します!」
白銀は判を片手に全力で飛び掛った。
しかしその瞬間、白銀の身体は空中に浮いていた。
―――ドサッ―――
「いって〜〜〜!!って、え?もしかして俺投げられたのか?いつの間に?」
「基地司令はっけ〜ん!!」
「見つけた、晩御飯!」
「しまった!速瀬中尉と彩峰か」
「もらったああああああ!!」
「ふっ・・・!」
二人一斉に飛び掛る。しかし、
「どぉりゃあああああああああああ」
「へ……?」
「―――ッ!?」
瞬間、二人は回転しながら空中を舞い、地面に落とされた。
「あいたたた……な、何が起こったのよ〜」
「正面からぶつかるその心意気やよし。しかしそれだけでは私は倒せんよ。
『柔よく剛を制す』!力で挑むだけでは勝てんのだ!ふはははははははは」
そう言って基地司令は笑いながら去っていった。



「正面から行ったって、私じゃとても敵いっこない。
でも、この特性ライフルなら300mの距離から狙えるんだから!」
基地司令が歩いている渡り廊下から遠く離れた場所で、珠瀬はゆっくりと呼吸を整えていた。
「す〜〜………は〜〜………す〜〜………」
「今だ!」
―――ターン!―――
珠瀬の一撃は真っ直ぐに基地司令の下へ・・・
「ぬぅん!」
「え”ッ!!す、素手で叩き落しちゃったの!?すすすすごーい!でもでも、な、何で狙ってるの分かったんだろ・・・」



「取引?」
「そう、取引です。そうですね、ご飯半分こで手を打ちましょう」
「ほほう、悪くない」
ここは座学の教室。A-01のオペレーター、涼宮中尉と伊隅大尉、そして新任メンバー数名がここで作戦を練っていた。
「何か策があるの?お姉ちゃん?」
「うふふ、A-01人間コンピュータと呼ばれた私に任せなさい」
「え、呼ばれてましたっけ・・・?」
「それより涼宮。で、作戦は?」
「はい……」



「基地司令!」
「むぅ、伊隅大尉か」
「私は他の者の様には行きませんよ?」
「面白い、少しは楽しめそうだな?」
「―――隙あり!涼宮今だ!」
「―――はいっ!」
涼宮中尉が複数の何かを投げる。
―――ドドドドドン―――
全てがいっせいに爆発する。
涼宮中尉が投げたのは手榴弾だったのだ。
「ええええええ!?お、お姉ちゃんやりすぎだよ!基地司令!大丈夫ですか!?」
「まだだ!来るな!―――うわっ!」
爆煙が晴れて彼女達が目にしたのは伊隅大尉を片手で掴みあげている基地司令だった。
「く…駄目だ、撤退!撤退だ!」
「と見せかけて後ろから今再びのオレ参上!もらったああああああああ」
「ぬあああああああああああああああああ!」
「ぎゃああああ、やっぱ無理だああああああああ」
「うるああああああああああああああああ!ふはははははははははははは・・・」



「・・・ん?死屍累々・・・もう終わりか!
ふむ、いい暇つぶしではあったがな」
ラダビノッド基地司令の周りにはことごとく敗退したA-01の面々が倒れていた。
立ち上がれるものは一人も無く、声すらも発せ無い。
「随分と派手に暴れてくれたな」
「む?」
基地司令が振り向くと離れたところにキャエーデが立っていた。
「キャエーデ中尉か・・・もっと早く現れれば、彼女らを助けることも出来たろうにな?」
「助けるつもりなどもとより無い」
「むぅ?」
「あんたの快進撃もここで終わらせてやる・・・俺が倒してきた奴等と同じくな!」
キャエーデが一気に基地司令に肉薄する。
「はぁ!」
「ぬぅん!」
同時に拳を出す。
キャエーデは攻撃を回避し、基地司令はパーリングで弾く。
「ぬぅ・・・!」
「まだまだ!」
地面すれすれの水面蹴り。
基地司令はそれを飛んで避ける。しかし空中では身体の自由が利かない。
「はぁ!!」
「ぬお!!??」
型もへったくれも無い、ただ全身の力を叩きつけるだけの拳。
しかしそれをガードした基地司令は大きく吹き飛んだ。
「ぬぅ・・・なかなかの腕だキャエーデ中尉。ならば私も!本気を出さねばな!」
バッっと両手を勢い良く開く。すると両手に二本のそれが現れた。
銃剣バヨネット!?」
「私は横浜基地基地司令。兵士達の先導者。我が使命は、この地球に巣食う異形BETAを、その血肉の一片まで絶滅すること・・・AMEN!!」
「じょ、冗談じゃ・・・」
「まぁ、使えんがな」
「あ?」
「しかし、本気と言うのは嘘ではない。行くぞ!」
「あぁ!!」
銃剣を放り投げ、拳を構えて突進する基地司令。
キャエーデも前に出る。
―――ドンッ!―――
お互いの拳がぶつかる。
一方はその場に踏みとどまり、一方は後方に飛ばされ、壁に叩きつけられた。
「カハッ・・・!」
負けたのはキャエーデだった。
地面に倒れ、動かない。
「むぅ…強敵であった…む!?」
基地司令の視線の先では、ゆっくりと震える膝を支えながら立ち上がるキャエーデが居た。
「聞いたことがある・・・先天的に戦闘適正に優れた者・・・
ナル・・ホド・・・オマエガ・・・ドミナント・・・」
―――ドサッ―――
ついに倒れ、キャエーデは動かなくなった(死んではいません)
そして、基地司令もまた・・・
―――ドサッ―――
力尽き倒れた。



頭辺墨に勝者無し。
結局早い者勝ちということになり、いつの間にやら風間少尉が一人で平らげてしまっていた・・・

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■作者からのメッセージ
最後、めんどくさくなったのはここだけの秘密・・・

ナインボールよりもパルヴァライザーの方が好きな首輪付きジャッカルです。

レイヴン・・オマエハ・・・勝テナイ・・・
訳:作者・・・お前は・・・(他の二次小説の作者に)勝てない・・・
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