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ネギま!―剣製の凱歌― 設定2 衛宮切嗣
作者:佐藤C   2013/02/25(月) 22:03公開   ID:fazF0sJTcF.



 今話は二次小説『ネギま!―剣製の凱歌―』における「衛宮切嗣」の人物設定をまとめたものです。
 他の詳細は第二章-第13話(本文の中盤〜終盤、及び補足・解説)で語られていますので、
 気になる方はそちらも参照してください。


目次:
 ‐人物像
 ‐経歴
 ‐切嗣の戦闘能力データ
 ‐切嗣の戦闘方法


 それではどうぞ。






<人物像>
 この小説の主人公「衛宮士郎」と同じくネギま!世界の出身。いわゆる「並行世界の切嗣」。
 基本的な性格、思想、考え方などは原作の切嗣とほぼ同じ…もしくは似たようなもの。だがそこに至った経緯は異なる。
 士郎とは違い、まさしく並行世界の同一人物と言える存在である。


◎父親としての切嗣
 愛する妻、そして後に娘と息子を得て幸福に過ごすが、「過去に手を汚し過ぎた自分が彼らと幸福に生きていいのか」と思い悩む一面もあった。
 …結果、彼の悩みは因果応報となって自らに跳ね返り、妻と娘もろとも彼の命を奪ってしまう。唯一生き残った息子も、その出来事で心に深い傷を負う事となる。

 愛妻を溺愛し、愛娘を過保護に愛し、息子には適度に厳しい。それは、息子には「大切な人を守れる程度には頼もしくなってほしいから」だとか。
 でも娘の方は無条件で甘やかす。しかし息子は甘やかさぬ。……愛してるけどね!

 故に、もしこの小説世界の衛宮一家が全員存命していた場合、家内のヒエラルキーは士郎が最底辺である(涙)。
 ただし家計と食事事情に関しては権力が逆転し、士郎がヒエラルキー2位に上昇する。
 一位は変わらずアイリさん。…母は強し。


◎「魔術師殺し」としての切嗣
 この小説の切嗣はFate原作の切嗣と違い、「正義の味方」ではなく「殺害者」や「天災」と呼ぶべき人間。
 天災という言葉に関しては、ナギやラカンを想像して貰えるとイメージが伝わり易いだろう…彼らにはスペックで及ばないが。
 「虐殺によって個人で・・・戦争を縮小させた」事から、中東圏の兵士や傭兵の間で語り継がれる伝説と化している。
 原作の切嗣と同様、一を切り捨てて九を救う正義に到達してしまうものの、彼という人間は「誰よりも人間の幸福を愛し、誰よりも人間を殺した男」である。

 関連事項として言及しておくと、「人を殺す事で救いを齎す正義」に対し、Fate/EXTRAのアーチャー(赤)が否定の意を示している。

アーチャー
「いいや、悪だ。どんな理由であれ、利益のために人を殺すのは悪だ」
「それは命を守っただけだ。結果的には、誰の命も救っていない」


<経歴>
 衛宮家は関西呪術協会宗家・近衛家の分家の一つであり、父・矩賢に倣って切嗣も京都神鳴流に入門していた。
 当時は見習い剣士だった切嗣だが、偶然顔見知りになった青山宗家の剣士・詠春と友人になる。
 十代前半に父親が謎の死を遂げ、その真相が明らかにならなかった事で協会に不信を抱き、それを理由に京都を出奔した。

 切嗣は父の死から「理不尽に命が失われる」事を嫌悪するようになり、「無辜の人々を救う“立派な魔法使いマギステル・マギ”」の思想に魅かれて魔法使いを志す。
 そこで遠縁の近衛近右衛門を訪ね、彼に師事して修行の末に魔法使いとなる。

 その後、一般の魔法使い達と同様に国連NGOとして戦地に赴くが、理想と現実のギャップにショックを受けて絶望する(この頃に、後に妻となるアイリスフィールと初めて出会う)。
 しかし彼は理想を捨てきれず、「全ての人を救うことができなくても、紛争の拡大を防ぐ事で、いずれ戦火に掻き消されるであろう命を守ろうとした」。
 その手段を模索して、懊悩と迷走の果てに彼は………戦場にいる全ての人間を殺し始める。

 それは「戦争行為そのものを攻撃する事で戦争が成り立たない状態を作り出し、あわよくば戦争を抑止、もしくは戦争の規模を縮小させる」ためのもの。その為に、彼は戦争に参加する人間すべてを例外なく敵とした。

 活動を続けるうちに紛争勢力や国家、そして連合の魔法使い達に危険視されて命を狙われる(メガロ本国からは「討伐」という名の殺害許可が出された)が、その悉くを撃退し続けた。
 魔法使い=西洋魔術師を悉く返り討ちにするその様から、切嗣は『魔術師殺しマーダー・メイガス』と呼ばれるようになる。
 彼独自の魔法と近代兵器を併用した超火力が、衛宮切嗣という個人に軍隊クラスの戦闘力を与えていた。

 一連の行動に一定の成果(=若干の成果)が見えた頃、切嗣は戦場でアイリスフィールと再会する。その後紆余曲折を経て……彼は「魔術師殺し」を引退し、戦場から姿を消した。
 しかし彼の悪名は有名になり過ぎ、また多くの恨みを買っていた。彼は家族と共に世界各地を転々とする逃亡者の様な生活を送ることを余儀なくされる。

 そしてアイリスフィールと二人で彼女の実家に挨拶に行くが、彼女の父ユーブスタクハイトとの大喧嘩(という名のガチ魔法戦闘)に発展。
 危うくアイリスフィールと引き離されそうになるも、彼女の姉ユリアスフィールの手引きで何とかドイツを脱出する。

 その数年後、師である近右衛門に近況を伝えるため切嗣は麻帆良を訪れた。
 その後アイリスフィールとの間に長女イリヤスフィールを儲ける。その顔見せに(アイリスフィールのかなり根強い説得を受けて)アインツベルン家を訪れた際は、ユーブスタクハイトは初孫相手に終始相好を崩していたという(切嗣は視界に入るだけで嫌そうな顔をされた)。

 更にその数年後、長男の士郎が生まれ、まだ赤ん坊の彼を連れて再び麻帆良を訪れる(第一章-第10話の近右衛門の回想)。
 これ以後、切嗣は麻帆良に数年間滞在する。彼を訪ねて京都から度々詠春が訪れるようになり、近右衛門を交えて三人で会うようになった。

 …そして1992年、米国国際空港の爆破テロ事件で妻と娘と共に死亡する。



 切嗣が戦場で活動した具体的な時期は設定していません。
 ただおそらく、魔法世界の大分裂戦争の頃になると思います。
 なので本国も切嗣の事は大して重視しておらず、また彼の討伐に優秀な魔法使いを送り込む事はしなかった模様。ナギや詠春と違って大戦に参加しなかった、地球に残った魔法使い達が切嗣と戦っていました。



<戦闘能力データ>

《基本能力》
・魔力容量は並みの魔法使い程度。つまり平凡
・得意な魔法属性は火と重力、及び時間制御
・戦術・戦略・罠・銃火器などの近代兵器と独自の魔法を駆使して戦う
・始動キーは「クロート・クロノス・フォルトゥーナ」
(出典はギリシャ神話の神々から。
 それぞれ運命(寿命)の女神クロートー、時間の神クロノス、運命の女神フォルトゥーナの三柱より)


《保有スキル》
破壊工作[A+]
 戦闘を行う前、準備段階で相手の戦力をそぎ落とす才能。トラップの達人。
 ランクA+ともなれば、相手が進軍してくる前に八割近い兵力を戦闘不能に追いこむ事も可能。


《魔法・武器》
呪文封印弾S.S.B』(S.S.B=Spell.Seal.Bullet.):
 魔法使い専用独房(ネギま!KC16巻に登場)にも使用されている呪文封印処理が施された弾丸。銃弾を約30層に分けて製造し、層の表面に術式を刻んで重ねている。
 この弾丸が体内に埋め込まれると魔法使いは呪文=大半の魔法が使用ができなくなる。ただしアーティファクトは使用可能。
 敵の体内にあってこそ威力を発揮するので、身体を貫通しないよう銃弾の先が丸みを帯びている。

火炎の魔弾グランデ・イグニス』:
 極大呪文『燃える天空』…別名「広範囲焚焼殲滅魔法」が籠められた弾丸。
 内包された術式は着弾時に起動するものだが、戦略的に運用するため遅延呪文でも起動できるように調整している。そのため地面に撃ち込んで即席の地雷としても使用可能。
 戦略に基づいた戦いでは魔力や弾丸を無駄遣いしないよう普通の地雷を使うので、この弾丸を地雷として使用する時とは、切嗣にとって不測の事態や予期せぬ戦闘時に限られる。

『障壁貫通弾』:
 切嗣が使用する武器・銃器・兵器には全て「障壁突破の呪いト・ティコス・ディエルクサストー」が掛けられている。
 銃弾も地雷もミサイルも魔弾も全て魔法障壁を貫通する。
 ルビを振るなら「障壁貫通弾グランデ・フランジェーレ・スクートゥム」。

戦いの旋律メローディア・ベラークス』:
 身体強化呪文『戦いの歌カントゥス・ベラークス』の上位版。罠を抜けて切嗣に接近できる腕利きの魔法使いも当然いたので、白兵戦にも備えておく必要があった。
 切嗣は元・神鳴流なので体術も申し分ないのだが、"気"は体力を消耗するため専ら魔力や魔法で体を強化していた。

固有時操作結界ムヴェーレ・プロプリース・テンプス』:
 切嗣の切り札。通称『固有時操作』。条件を満たさないと使用できない。
 光魔法と重力魔法でそれぞれ光と重力を操作して、結界内の時間流を停滞させる。このとき結界内部の物体の動きを、結界の外から見るとスローモーションのように映る。
 これに敵を捕えている間に周囲に攻撃・罠を仕掛けておき、結界の解除と同時に襲撃する。なぜ一度結界を解く必要があるかというと、結界を解除しなければ切嗣が放った攻撃も、結界に侵入すると時間が停滞してスローになってしまい敵に攻撃が届かないためである(=止まった時の世界で主人公にナイフを投擲するザ・ワールドな吸血鬼みたいな感じ)。
 Fate/Zero原作の「固有時制御」の固有時は「術者の肉体の時間」を指すが、『固有時操作』の固有時は「指定された領域内の時間」を指す。
 なおこの固有時操作は「停滞」だけでなく「加速」もできるが、固有時制御と違いこの呪文は体内展開ができないため、加速能力が有効的に活躍するケースが少ない。


<切嗣の戦闘方法>
 紛争勢力の予想進軍ルートに地雷をセットしておく。駐留している兵士達に認識阻害魔法で隠れて近づき、襲撃・暗殺・毒殺する……などは当たり前。
 『障壁突破の呪い』により、マシンガンもアンチマテリアルライフルもミサイルランチャーも全て貫通性能を得る鬼畜仕様。普通の人間の兵士や兵器に対する利点は無いが、魔法使いには最悪の相性である。
 また『火炎の魔弾』をマシンガンやガトリングガンに装填して掃射する事で、戦場が数分で火の海と化す。こちらは魔法障壁によって防御および威力軽減されてしまうが、魔法を持たない一般の軍隊や兵士には一溜まりもない。
 上記の様な戦い方をする事で、切嗣はなんとか独りで多数の軍勢と渡り合った。
 しかし途中から、紛争勢力に「転移魔法符」や「守りの護符」を売りつける裏社会の魔法商人が暗躍を始め、次第に切嗣は苦戦を強いられる事が多くなっていった。


まとめ:
 基本的には罠を使った戦術などを用いて陰から戦い、正面きって相対して戦う事はあまりない。
 特技は罠と工作と暗殺。スキル「破壊工作」は伊達ではなく、敵対する軍勢を戦闘前に壊滅状態に陥らせる事も多々あった。
 直接の戦闘では「戦いの旋律」「呪文封印弾」「火炎の魔弾」を駆使し、奥の手として「固有時操作」を使用していた。





〜補足・解説〜

グランデ・イグニス
 =Glande ignis.
 ラテン語の直訳で「炎の弾丸」。
 ただし「炎」が「点火」という意味に捉えられる事もあり、そうなると「弾丸の発射」という意味に変わってしまうので注意。

グランデ・フランジェーレ・スクートゥム
 =Glande frangere scutum.
 ラテン語で「盾を破壊する弾丸」。

ムヴェーレ・プロプリース・テンプス
 =movere propriis tempus.
 ラテン語で「固有時を動かす」という意味。直訳では「自分の時間を移動する」。
 「固有時」は英語でproper timeと言い、それをラテン語に訳すとpropriis tempus=「プロプリース・テンプス」となる(正しいかは自信が無い)。





 ………以上で「設定2」を終わります。
 読了ありがとうございました。

 次回から『第三章、日常編』が始まります!
 お楽しみに!

 ……ちなみに第一章が「子供先生来訪編」で、過去編の副題が「近衛士郎修行編」。
 第二章が「京都修学旅行編」です。




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