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キューティクル探偵因幡〜もう1人の兄弟〜 第2話 少女の乗ったバス…
作者:9452   2013/04/29(月) 01:41公開   ID:b8sl6uVJT82
少女は立っていた。


ただ1人。立っていた。

少女は泣いていた。
あの事件の時も泣いていた。


探偵事務所を出て、30分ぐらい歩いた。

「そういえば、何で、急にお兄さんを?」

圭が雅人に聞いた。

「父が先日、亡くなったんです…葬式には、出て欲しくて…」

雅人が暗い顔で言った。

みんなの空気も重くなる…

雅人がバス停で止まる。

圭は首をかしげた。

____何で、こんな所のバス停で止まるんだ?

バスはすぐに来た。


ピーピー

バスのドアがそう音をたてながら開いた。

雅人が平然と入るので、圭と洋は、入る。
優太は、雅人の手を見ながら、入った。

「ようこそ!私の世界へ!」
みんなが入ると、ドアが閉まり、少女の声が聞こえた。
少女は、席と席の間に、立っていた。

少女は、緑の髪をしており、その髪を無造作に腰の位置までのばしていた。
そして、1番驚きだったのが、野羅、荻野警部が乗っていたのだ。
「雅人、ありがとう。連れて来てくれて!」
少女が笑いながら言った。

すると、雅人も人格が変わったように笑った。
「うん!まあ、優太には、話を通していたからね…」

____そうだ!優太くんは極度の人見知りなのに…by圭

洋は、弟の遥が様子が変なのに気付いた。

「遥?どうしたんだ?」

「心がよめない…あの子、心がないみたいに心をよめない…」
遥が驚いた顔で言った。

遥の能力は心をよむことだ。
心の葛藤の音で、見分ける。
ウソをつくと、ノイズが聞こえるから、分かりやすい…

「弥太郎さんに荻さん、お久しぶり…」

少女は、微笑みながら2人に声をかけた。

『えっ!知り合い?』by因幡兄弟

「ついでに言うと、俺も知り合い!」
弥太郎に乗り移った総明が言った。

「総明さん、邪魔!早く、弥太郎さんに戻りなさい!」
少女は、一言で総明をダウンさせた。

____総明さんの扱いヒドくない? by圭

「お久しぶり…だね。弥太郎さん…」

少女は笑って言った。

ただその微笑みには、何か、悲しげだった。

弥太郎は、コクンとうなずいた。

「ところで、優太くんは何で、あの人達と協力したの?」

圭がおそるおそる言った。

すると、優太は笑って、言った。
「だって、荻さんでも効く、毒薬をくれるって言うから…」
「協力したわけだね…」
圭が頭を抱えて言った。

____荻さんの未来が心配だ by圭

「助手、大丈夫だ!悪徳助手に負けない自信はある。」

____ヤバイ!こっちの鉄人に火を点けた。 by圭

「あのさ、ココ、一応、バスなんすよ…座って頂きたいんですけど…」
少女が言った。

確かに、少女が言う通り、圭、雅人、洋、優太は立ちっぱなしだった。

「ああ、ここにいる人には、言い忘れたけど、この空間では、能力を使えないからね…」
少女は、微笑んで言った。
「なぜだ?」
洋が聞いた。

「それは、この私が持っているシークレットドーベルマンとしての能力よ!」

荻野警部、弥太郎、雅人以外は、驚愕の表情を浮かべていた。

「あら?驚きかしら?シークレットドーベルマンなんてどこらへにでもいるじゃない!」

圭は理解した。

シークレットドーベルマンだから、荻野警部と知り合いなんだと…

「お前も、でかくなったな…
前、会った時は4歳だったのに…」
荻野警部が暖かい笑顔で言った。

「それは、10年前の話でしょ?」
少女は、微笑んで言った。

「懐かしい…あんなに楽しかったのに、人生って、バカだよね。」
少女は、悲しげな笑顔でつぶやいた。











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