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遊戯王GX 正直者の革命 第三十話 仮面 (その下にあるのは顔ではない。物語を大きく展開させる鍵があるのだ)
作者:レプラ◆23VAxH8p.bY   2013/05/25(土) 01:06公開   ID:BrBj.1iOdwk
「これこそが、錬金術の力だ。さぁ十代、君の力を見せてくれ」


アムナエル:17000 十代:6000

(除外カード枚数:アムナエル17枚  十代:5枚)


 くっ、なんという一ターン目だ。まさか、先攻一ターン目で魂吸収の効果により、11000ものライフを回復してくるとは。

「アニキ...............」

「十代、気張れ、気張るんだな」


「俺のターン、ドロー!
 よし、さっそくだけど、お前の力、使わせてもらうぜ」

「なに?」

「俺は手札から、魔法マジックカード 平行パラレル世界・ワールド融合・フュージョンを発動!」

「パ、パラレル・ワールド・フュージョン!?なんだ、そのカードは!?」

「このカードは、除外されているモンスターをデッキに戻すことで、エクストラデッキから、融合E・HERO一体を融合召喚するカードだ!」

 なるほど。数で押し切られている現状から言えば、悪くない一手だ。問題は、どのモンスターを召喚するか、だが............

「俺は、ワイルドマンとエッジマンを融合。来い、E・HERO ワイルドジャギーマン!!」

 よし、これは最高の一手だ。ワイルドジャギーマンは、相手の場の全てのモンスターに一度ずつ攻撃をする事ができるモンスター。数の差など無意味。
 この状況にアムナエルは――――――――笑っている。

「クッ、ククッ、クハハハハハハハハッ、やはり、やはりだ、遊城十代。君には、錬金術の才能がある。それも、ほとんど無とも言えるところから奇跡を起こせるほどの、最高の力が!」

「どういう意味だ?訳わかんねーぞ」

「わからなくともいい。今は、な」

 どことなく、その声音は嬉しそうだ。この状況を、喜んでいる?

「さぁ来い、十代」

「十代、駄目なんだな!このままじゃ............」

「わかってる、隼人。このまま攻撃すれば、魂吸収の効果でアムナエルのライフが1500回復するだけで、ダメージは与えられない。
 それなら............」

 カオスディスティルか魂吸収、あるいはその両方を破壊してしまえばいい。
 できれば両方とも処理してしまいたいところだが、そこまで都合よく、そういう効果を持つカードはないだろう。
 そして一枚だけ破壊できるなら、替えが効きそうにない魂吸収を破壊すべきだ。あのデッキには、他にも色々と除外の手段はあるに違いない。

平行パラレル世界・ワールド融合・フュージョンを発動したターン、俺は特殊召喚できない。だが、俺にはまだ通常召喚が残っている。
 俺は、手札からE・HERO エアーマンを召喚。そして、エアーマンの効果を発動。
 このカードが召喚・特殊召喚に成功した時、このカード以外の自分フィールド上のHEROの数まで、フィールド上の魔法マジックトラップカードを破壊できる。
 俺の場にいるエアーマン以外のE・HEROはワイルドジャギーマン一体。よって、一枚のカードを破壊できる。
 俺は、魂吸収を破壊!!」

「ほぉ、やるな。カオスディスティルの効果で、魂吸収は除外される」

 キーカードを破壊されても、全く動じた様子はない。
 これ以上ライフが必要なわけではないのだろう。

「行け、ワイルドジャギーマン、三体の錬金獣に攻撃、インフィニティ・エッジ・スライサー!!」

「くっ......この三体も同じく、ゲームから除外される」

「よし、これで錬金獣は一掃だ!いっけー、アニキ!!」

「おう!俺はE・HERO エアーマンで、アムナエルにダイレクトアタック、!!!」

「ぐあっっ」

アムナエル:17000→15200

「減った気がしねーな。俺は、カードを一枚伏せて、ターンエンドだ」

「私のターン、ドロー!
 魔法マジックカード カオス・グリードを発動。
 自分のカードが四枚以上ゲームから除外されており、自分の墓地にカードが存在しない場合に発動する事ができる。デッキからカードを二枚ドローする。ドロー」

(除外カード枚数:アムナエル22枚 十代3枚)
 
「私は手札から、紅蓮魔獣ぐれんまじゅう ダ・イーザを召喚。
 このモンスターの攻撃力と守備力は、除外されている自分のカードの数×400ポイントとなる。よってその攻撃力は、8800!!!!」

「は、8800!?!!」

「そんな!?」

 くっ、ライフの超回復と超大型のモンスター、それを両立するだと!?
 なんというタクティクスだ。

「遊戯十代、お前も所詮、ここで敗れるだけのデュエリストか。さらばだ。
 紅蓮魔獣ぐれんまじゅう ダ・イーザの攻撃、滅びよ、ワイルドジャギーマン。デストラクティブ・フレイム!!」

「まずい、ワイルドジャギーマンの攻撃力は2600!
 この攻撃が通ったら十代は............」

「アニキ!!」

トラップ発動 くず鉄のかかし!
 相手モンスターの攻撃を無効にして、さらに、このカードを再びセットする!」

 ふうっ。危ない。
 十代の奴、あんなカードをデッキに入れていたのか。

「こんなところで終わるほど、俺はやわじゃないぜ!」

「ふむ。どうやらそのようだな。私はこれで、ターンエンドだ」

「いくぞ、俺のターン、ドロー!
 俺は手札から、魔法マジックカード 融合を発動!
 フィールドの『風属性』エアーマンと『E・HERO』ワイルドジャギーマンを融合!出ろE・HERO Great TORNADOトルネード!!
 Great TORNADOが融合召喚に成功した時、相手フィールド上のモンスターの攻撃力を半分にする。タウン・バースト!!!」

「くっ、なるほど、そう来たか」

 猛烈な向かい風が、ダ・イーザに吹き始めた。
 うまいな。いくら攻撃力が高くとも、半分にすれば、その攻撃力はかなり低くなる。
 ただ、Great TORNADOの効果が『元々の』攻撃力を半分にする効果であったなら、どんなによかったことか。それならば、元々の攻撃力が『?』のダ・イーザは攻撃力が0になったものの。

「これでダ・イーザは攻撃力4400。だが、Great TORNADOの攻撃力は2800。ダ・イーザは突破できない」

「ハッ、俺の融合はまだ止まらないぜ!」

「なに?」

「俺は手札から、魔法マジックカード 融合回収フュージョン・リカバリーを発動!
 墓地の融合と、融合素材モンスター一体を手札に加える。俺は墓地のエアーマンと融合を手札に加える。
 そしてエアーマンを召喚して、今度は第一の効果を発動。デッキから、HERO一体を手札に加える。俺はデッキから、E・HERO スパークマンを手札へ。
 融合を発動!場のエアーマンと、手札のスパークマンを融合。来い、ヴィジョン・HERO アドレイション!!!」

「なっ、V!?V・HEROだと!?」

「へへ、意外と他のHEROもいるかもな。ヴィジョン・HERO アドレイションは、『HERO』二体の融合モンスターだ。
 ヴィジョン・HERO アドレイションの効果を発動。
 このカード以外の自分の場のHERO一体の攻撃力分、相手の場のモンスター一体の攻撃力・守備力をダウンさせる!!」

「くっ、つまり、ダ・イーザの攻撃力は――――」

「2800ポイントダウンして、1600!!」

「俺は、ヴィジョン・HERO アドレイションで、紅蓮魔獣ぐれんまじゅう ダ・イーザに攻撃、アンビション・サンクションズ!!」

「ぐっ、カオス・ディスティルにより、ダ・イーザは除外される」

(除外カード枚数:アムナエル23枚 十代3枚)

アムナエル:15200→14000(1600−2800)

「よし、E・HERO Great TORNADOトルネード、追撃だ!スーパーセル!!」

「ぐぁぁぁぁぁぁぁっ」

アムナエル:14000→11200

「よっしゃー!俺はこれでターンエンドだ」

「いいぞー、アニキー!!」

 攻撃力2800のモンスターが二体、場に残った。もし、この二体で二回ずつ攻撃できれば、それだけでアムナエルのライフは吹き飛ぶ。
 十代にはくず鉄のかかしもあるから、アドレイションの効果を使うことで、相手が強力なモンスターを出してこようとも、弱体化させて撃破できる。
 これは、十代がかなり有利だ。


『にゃーお』

 
「あれ?ファラオ?どうしてここに?」

 はたと気づくと、足元に大徳寺先生の飼い猫、ファラオがいた。
 翔はファラオを抱き上げる。

「今大事なところなんだ。一緒にアニキを応援しよう」

『ふにゃ、ふぎゃぎゃぎゃぎゃーっ!!』

「ぎゃあああああ!?」

「大丈夫か、翔!」

「ううっ、痛いよー!」

 ファラオは翔の顔をひっかき、腕から飛び出した。そして、アムナエルに向かって駆けていく。

「ファラオ!」

「行くな、ファラオ!そいつは危険だ!!」

『にゃ〜ご』

 だが
 ファラオは体をアムナエルに摺り寄せた。アムナエルはファラオを抱きかかえると、背を撫で始める。

「ど、どうなってるの」

「ファラオが、知らない人になつくなんて」

「知らない人..................まさか、そんな!!」

「そう、その通りだ十代。私の正体は――――――」

 アムナエルは、仮面をゆっくりとはずした。その下にあった顔に、俺たちは驚愕する。

「「「「大徳寺先生!」」」」
 
 そんな、馬鹿な..................

「だ、だが、あのミイラは!」

「そのミイラも紛れもなく私自身だ。
 私は、錬金術の力で死の世界から蘇ったのだよ」



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<補足>

黄金のホムンクルス

OCGでは、元々の攻守1500、除外されている自分のカード×300攻守アップというカードですが、アニメでは元々の攻撃力0というダ・イーザの下位互換モンスターです。ひどい話です。
テキストサイズ:7555

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