闘技場の中央に出る。すでに他のメンバーはそろってた。
「ぬっ?おいおい、ちっこいのがいるぜ。ぬははははははっ!脱落者は1人決まったな。ぬはははははははっはっ!」
・・・・・・・・・・・なんであいつがいる?控室で俺をバカにしたあいつが・・・・・・・・・・・・・おい、まだか・・・・・・・早く斬らせろ。
「それでは、試合・・・・・・開始ぃ!」
司会の声とともに、あのうざってぇ巨人の懐のもぐる。刀を抜こうと手をかけるが
「ぬははははははっ。すばしっこいのは、その小ささのおかげか?」
「なっ・・・・・・」
巨人のバカでけぇ拳によって地面に叩き付けられた。
「くぁっっはっっ・・・・・・」
こいつ・・・・・・はやっ。
「おれは・・・・・・勝たなきゃ・・・・・・勝たなきゃいけねぇんだぁああ」
他の巨人が叫びながら突っ込んでくる。・・・くそっうごけねぇ。
「ぬははっははははははっ。バカが・・・・・・」
うざいタコの巨人が突っ込んでくる巨人を見て、不敵に笑い両手の拳を突き合わせる。巨人が射程範囲に入ったのを確認して、手を開き、思いっきり引いて、掌底のように突き出す。
「――――『
薊』!!!」
食らった巨人は、動きを止め前に倒れる。腹には巨大な穴が開いていた。
「なんだよ、アレ・・・・・・」
こいつ、・・・・・・・・・・強い。
「おおっと、開始早々トゲア選手が、カマセ選手を亡き者としたぁー!!!さすがは、前回の第3位!!これからも注目していきたいです選手ですね」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「頼むぞ、花恋」
俺は、愛刀を抜く。負けらんねぇ、強くなるためにもだが、何よりもここまで育ててくれた父様のためにも――――
「負けらんねぇえええええんだよぉおおおおお!!!!」
俺を
放って、遠くで戦ってるデカ物2人に向かって走り出す。
「ぬはっ、ちっこいの!おめぇまだ動けたのかっ!!」
トゲアというタコ巨人は俺に気づき、目の前の巨人をアッパーで上に飛ばして、落ちてきたところを回し蹴りで片づけた。
「――――『
胡瓜草』!!!」
「おおおおお!!トゲア選手、カマセ選手に引き続き、ボッチ選手をたおしたぁあああああああああああ!!!!残るはシイグ選手ただ1人!!どうでる、シイグ選手」
「―――― 一刀流・・・・・・閃!!」
・・・・・・・・・・・・・・・・スパッ・・・・・・・・
「ぬははっはははははははははははははは!!!効くかぁぁぁぁあああああ!!!」
「・・・・・・マジで?」
トゲアは、その巨体でマジかというほど高く飛んだ。上空で1回転し、その勢いを利用して、伸ばした右足を俺に叩き付けてくる。俗にいう、踵落としだ。
「――――『
走野老』!!!」
「のぉうああああああああああああああああああ!!!!!!」
俺は急いで過去最高の横っ飛びをした。あ、あ、あ、あぶねー。
「あぶねぇだろうがっ、一刀流・・・・・・」
「チッ・・・・・・『胡瓜草』!!」
「ぐっ・・・・・はっ・・・・」
アッパーで思いっきり上空に飛ばされる。だが、飛ばされながらも刀を何度も振った。
「――――――『
白熊』!!!」
「ぐぅあああああああああああ!!!」
「おおおおおおおおおおお!!!
幾数多の斬撃がトゲア選手を襲います。トゲア選手、悲鳴をあげながら攻撃を一旦中止しました。シイグ選手、意外とやりますね」
意外と、ってなんだよ。そう思うが俺は声には出さない。大人だからな。
「これで終わりだぁああああああああああああああ!!! タコやろぉぉぉおおおおおおおおおおおおおお!!!」
「ぬっ?」
俺の声で、トゲアがこっちを見るがもう遅い。俺は落ちながら、体勢を横にし、体を横に2回転、花恋を上から下に振り落とす。
「一刀流・・・・・・・・・・・・」
「――――――――『
月下香』!!!!!」
「・・・ぬ・・・・・・・・はっ・・」
にぶい斬撃音が会場に深く響き、続いてトゲアの倒れる音がする。・・・・・・1拍の静寂の後、会場中が大歓声に包まれた。
「な、な、なんということでしょう、こんな結果はだれが予想したでしょうか?予選第1回戦を制したのは・・・・・・・・・・・シイグ選手ぅぅううううう!!!!」
はははっ、俺をバカにすっからこうなるんだ。俺はトゲアの上で右手を揚げ、大観衆の声援に応えた。