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ONE PIECE ONLINE 第14話 「ノーロック海賊団の襲撃とワンタの覚悟」
作者:波良田瑛太   2013/04/29(月) 17:31公開   ID:ic3DEXrcaRw


――意味が解らない・・・・・・


僕(ワンタ)は、大会では残念ながら、負けた選手なので、観客として席から試合を見ていた。僕に勝ちやがった、クソ忌々しいシイグ君と、よく知らないルイとかいう人の試合だ。


その試合は、僕の予想を大きく裏切るものだった・・・


――まさかあのシイグ君が、押されるなんてね・・・しかも、フフフッ、負けそうじゃん・・・。


シイグ君の対戦相手ルイ君は、はっきり言ってかなり強い。今の僕が戦ったら、「死ぬ」・・・「負ける」とか、「倒される」とかいうレベルではない。殺りあったら、確実に「死ぬ」。


まだ生きているシイグ君に、感心しながら見ていると、ルイは両手両足を、地面につけた。


「ギアフォースっ!」


ルイは高らかに叫んだ。


・・・が、ルイは既にそこにいない。


――あ、あれ? どこに行った?


「ぐへっごっはっっはっはっ・・・ぐあっ・・・」


気づいた時にはシイグが、吹き飛ばされていた。


――ま、ま、待ってよ・・・まったく見えないんだけど・・・。


〈所詮その程度が、ワンタさんの実力ということですよ〉
〈うおっ、いきなり話しかけてきて失礼だねレヴィアタン・・・〉
〈なんで私は、こんなお方に憑いてしまったのですかね?〉
〈だから失礼だよ。レヴィアタン・・・〉


レヴィアタンと話している間にも、試合は進んでいく。


――あーあ、シイグ君もそろそろ死ぬかな?


〈ねえ、王が死ぬけど。いいの?〉
〈うふふ、悪魔王サタン様が、死ぬわけないじゃないですか。あの、ファルサ・デアに負けても生きていたんですから〉


――ファルサ・デアって誰?


〈ファルサ・ディアとはですね、・・・はっ・・・ワンタさん・・〉
〈・・・うん・・〉


ワンタは、死角からやってきた攻撃をよけようと、思いっきり身体をひねる。・・・だが、そのワンタの動きを見切り、攻撃してきた。


「ぐはっ、・・・痛いなぁ・・・まったく・・・」


ワンタの身体には、肩から脇腹にかけて、三本の斬り傷が入っていた。


「ほう・・・、小生しょうせいの攻撃を受けても、まだ生きているのか。手前、中々タフでござるな」


――いや、本当だったら死んでたね。


〈レヴィアタン、ありがと〉
〈まったくですよ。私のアシストがギリギリで間に合ったから、良かったものの、死んでいましたよ!〉


ワンタが気付けなかった攻撃を、レヴィアタンが気付き、ワンタの足だけを何とか操作し、攻撃をよけた。


――僕じゃ、勝てないか・・・。攻撃がまったく見えないもんね。


ワンタは頭の中で、どうやって逃げ延びるかを考えながら、突然の襲撃犯へ視線を移す。
目を向けた先にいたのは、真っ赤な赤い髪を後ろでくくり、耐え難い重圧を片目のみで発する、美しい女だった。


「キミさ、刀を三本も持っているけど、邪魔じゃないの?」


いまだに考えがまとまっていないので、時間稼ぎを試みる。


小生しょうせいは、三刀流ゆえに、刀三本が普通でござる」


ワンタの思考は、フリーズした。


――待て待て待て待て、まさか・・・そんなはずは・・・しかし、真っ赤な髪で、片目の三刀流・・・まさかね・・・


「もしかしてだけどさ、キミがあの・・・」


ワンタの問いを途中で遮り、女は言った。


「いかにも、小生しょうせいが“海賊狩り”リンだ」


やっぱりね・・・・・・


「なら、この襲撃はノーロック海賊団のものかな?」


ワンタが見ていた試合は、既に中断されており、会場中そこらで、海賊と思われし者が貴族らを殺し、世界貴族にとっては初めて感じるであろう“絶望”を感じさせていた。
いや、最後の最後まで疑問しか浮かばない者も、いたにはいたが。


「然り! 小生しょうせいらノーロック海賊団は、ついに世界に償わせるのだ。許され難し罪を犯したこの世界世界政府に!!」
「その手始めが世界貴族か・・・・・・」
「またまた然り! こんな腐った階級は、小生しょうせいらが潰してくれるでござる!!」
「なるほどね。でも、ま・・・勝手にやってくれていいよ。僕もそうなってくれた方が色々と都合がいいしね」


元々奴隷であり、世界貴族を嫌っていたワンタにとっては、ノーロック海賊団の目的はメリットばかりでデメリットなどない。ノーリスク・ハイリターンだった。


・・・・・・のだが。


「俺は、お前らノーロック海賊団をぶち壊すっ!!!」


シイグのドデカい声が聞こえた。
このシイグの言葉により、今までの考えなど関係なくなった。
ワンタは、次なる標的を探しに行ったリンを引き留めるために、声をかけた。


「待ってよ、リン」


ワンタが呼ぶと、リンは振り返り際、いかにもめんどくさそうに言った。


「んあ? 何用でござる?」
「・・・いやー、ちょっとね。僕らの大将がキミらを敵とみなしてね。そしたら手足である僕らが、キミらと戦わないわけにはいかないだろう?」


・・・と、レヴィアタンが言っていた。


〈当たり前でしょう。悪魔王サタン様の敵は私らの敵。忘れないでくださいよ〉
〈了解りょーかい!〉


「ふむ、確かに主の敵は、自らの敵。手前は、敵ながらにあっぱれでござるな」
「ははっ、敵に褒められても嬉しくないなぁ」


リンからの、思わぬ称賛を受ける。


「だが、手前に小生しょうせいを倒せるのか?」


〈どう思う? レヴィアタンは・・・〉
〈おそらく・・・死にますね。・・・私の力を、完全開放したら、何とかギリギリで・・・死にますね〉


――て、結局死ぬんだ・・・


「倒せないかもね、たぶん死ぬかも・・・」
「それでも手前は、小生しょうせいに立ち向かうのか?」


ワンタの覚悟を確かめるように、もう一度リンは問いかけてくる。


シイグ君が立ち向かう限りね」




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■作者からのメッセージ
どーも、波良田瑛太です。
いや、見ました? 合計閲覧数、あとちょっとで3万PV!! イエーイっ!!
皆さん、ありがとーございます!!
これからもがんばっていきますね!
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