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運命決闘 INNOCENT/EXTRA 二話、出会い
作者:起源くん   2013/05/29(水) 04:40公開   ID:e0jxnCNG5Oo
初デュエルの次の日。
放課後になるといつも通りに慎二がやって来た。しかし、レオの姿がそこにはなかった。

「あれ? レオは?」

「ああ、アイツならユリウス先生に捕まる前に逃げたよ」

「逃げた?」

「何でも今日突然家の用事が出来たらしく、それが嫌で逃げた」

慎二が言うには、“二日もブレイブデュエルが出来ないなんて耐えられない!”とか言っていたらしい。

(あのレオがそこまで熱中するとは・・・・ブレイブデュエル、恐ろしい子!)

「まあ、いない奴の事を言ってもしょうがないさ、それよりも今日も行くんだろ?」

「ああ、今日も色々教えてくれ慎二先生」

「もちろんさ、この僕が教えるんだから、あっという間に一流デュエリストにしてやるよ」

慎二は上機嫌で言った。
どうやら先生と呼ばれたのが嬉しかったらしい。
そんなやり取りをしていると、一人の少女がやって来た。

「あら、楽しそうね。私も混ぜてくれるかしら?」

「げぇ! 遠坂・・・・・・・・」

金髪碧眼でツインテールの少女の名前は遠坂凛。
外見はどう見ても外国人であるが、れっきとした日本人である。

「それで一体何の話?」

「お前には関係な―――」

「慎二とブレイブデュエルの話をしてたんだよ」

「おい馬鹿! 何しゃべっているんだよ!?」

「ブレイブデュエルって・・・・ああ、そう言えば一般解放したんだっけ?」

「あれ? 凛ってブレイブデュエル知ってた?」

「ええ、私もテストプレイヤーよ。自慢じゃないけど全国ランカーなの」

凛は髪を掻き分けながら言った。
その姿に優人は思わず見とれてしまった。

「ユウもブレイブデュエルやってるのよね? それなら私が色々教えてあげるわ」

「ちょっと待ったーー!! 何勝手に話を進めてんだよ!」

慎二が叫び、優人と凛の間に割って入る。

「こいつは僕の弟子なんだ! お前の出るまくは無い!」

「え? あんたがユウを教えるの? 冗談でしょ? 私の方が分かりやすく教えれるわよ」

「何だと!?」

「何よ!?」

「ふ、二人とも落ち着いてくれ!」

何故か始まってしまった優人の先生or師匠の座争奪戦。
優人は二人を宥めようとするが、それに聞く耳を持つ二人ではなかった。

「よーし! それならブレイブデュエルで勝負だ!」

「ええ良いわよ。完膚なきに叩きのめしてあげる」

二人は揃って教室を出ていってしまった。

「ち、ちょっと二人とも! 待てよ!」

優人は慌ててカバンを持ち、二人の後を追った。




三人がT&Hに到着するが、開店オープンから二日目であるにも関わらず大盛況であった。

「あっちゃ〜これはかなり並ぶわね・・・・・・・・」

「しょうがない。コミュルームで時間潰すか」

「それならカードローダーに行きましょ」

「ん? どうしてだ?」

「あ、そっか、ユウは初心者だから知らないのね」

「一日一枚必ずカードが貰えるだよ。衛宮は初心者だから、来た時には必ず貰った方が良いよ」

「そうなのか、わかった。早速一枚引いてみる」

優人はカードローダーの所に行き、カードを一枚引いて戻った。

「何を引いたの?」

「えっと・・・・遠見の目」

「遠見の目か・・・・普通の補助スキルだな」

「効果は自分の回りの索敵、つまりレーダーみたいなスキルって考えても良いわよ」

「探索か・・・・バトルに役に立つのかな?」

「ブレイブデュエルはバトルだけじゃなく、様々な競技があるんだ。それはおいおい説明するよ」

「ねえ、ユウのアバター見たいんだけど・・・・良い?」

「良いけど・・・・シュミレーターはまだ空きそうにないよ」

「それならこれを使えばいい」

すると慎二は近くにあったテーブルを操作し始めた。するとテーブルが開き始めた。

「このテーブルは簡易シュミレーターになっているんだ。まあ、かなり小さいけど、それなりに遊べるんだよ」

「へぇー・・・・」

「感心するのも良いけど、ユウのアバター見せてよ」

「あ、ああ、わかった」

優人は凛に急かされながら、テーブルに自分のホルダーをセットした。
するとテーブルに自分のアバターが映し出された。

「へぇー、まるで陰陽師みたいだわね。クラスは・・・・キャスター? まんま陰陽師なのね・・・・」

「別にいいだろう。それよりも凛のアバターも見せてくれないか?」

「え? 私の? 別に良いけど」

そう言って凛は、自分のホルダーをテーブルにセットする。
するとそこに映し出されたのは、黒い髪に赤い軽装、赤い槍を持った凛の姿が映し出された。

「あれ? 髪の色が違うけど・・・・?」

「カスタムしたのよ。アバターなら髪や目の色とか変えられるし、それに・・・・ほら私の髪、金髪じゃない。そのせいで小さい頃苛められてね。昔から黒い髪に憧れてたのよ」

凛は少し恥ずかしそうに呟いた。どうやら凛自分の髪をあまり気に入ってはいないようだ。
そこで優人は自分が思っている事を凛に伝えた。

「うん、黒い髪も似合っているけど、凛の金髪も綺麗だと思う」

「な!? なに言ってんのよ馬鹿!!」

「ぐあ!?」

「衛宮!?」

凛は顔を真っ赤にして、優人にボディブローをぶちこんだ。

「まったく! 衛宮くんの癖に生意気なのよ!・・・・・・・・でも、ありがとう。この髪を誉めてくれたのは貴方ぐらいよ」

「ぶくぶくぶく・・・・・・・・」

「おい衛宮! しっかりしろ!」

「・・・・・・・・あれ?」

優人は泡を吹き、慎二は優人を抱きかかえ必死に呼び掛けていた。
その後しばらくして、優人は無事に息を吹き返した。

「はあ、死ぬかと思った・・・・・・・・」

「ごめんなさい・・・・つい力が入ちゃって・・・・」

「つい、で人が死ぬ所だったんだぞ! 反省しているのか暴力女!」

「ぐっ・・・・」

「まあまあ、大事に至らなかったんだし。それぐらいにしておけよ慎二」

「十分大事だよ! っていうか、何で僕がキレてんだよ!? ここは衛宮がガツンと言う場面だろ!」

「えっと・・・・取り合えず暴力はダメだぞ凛」

「うん、次から気をつける」

「それだけ!? それだけで済ましちゃうの!?」

「だったら慎二はどうするんだよ?」

「僕? そうだな・・・・あれくらいの事をしたんだ。ただでは済ませないね」

「ど、どうするのよ?」

「もちろん弱味に漬け込んで、あんな事やこんな事を――――」

「ふん!」

「のわぁ!?」

凛のボディブローが慎二に直撃した。

「あんた最低ね」

「うぐぐ・・・・衛宮・・・・こいつ全然反省してないぞ」

「ちゃんとしているわよ。ちゃんと生きてるでしょ♪」

「反省する所が違う!」

そんなコント染みた事をしていると、別の所から声が上がった。

「あーーー!」

「ん?」
「なに?」
「この声は・・・・」

声の方に目をやると、そこには全日デュエルしたレヴィという少女がいた。

「見つけたぞユウトン! あとチンジ」

「僕はオマケかよ! あと慎二だ!」

「どうしたのレヴィ?」

レヴィの後から小学生位の少女達がやって来た。

「あれ? リンに慎二に・・・・えっと」

「優人。衛宮優人」

「あ、初めまして、フェイト・テスタロッサです」

「私は姉のアリシア・テスタロッサだよ」

「えっと、高町なのはです」

「月村すずかです」

「アリサ・バニングスです」

少女達はそれぞれ自己紹介をしてくれた。

「私は遠坂凛よ。よろしくね」

「僕は間桐慎二だ」

凛と慎二も自己紹介をした。
話を聞くと、フェイトとアリシアもテストプレイヤーで、ロケテスト時に凛と慎二と知り合ったらしい。

「おいこらー! 僕を無視するなー!」

「え? ああごめん。それでなに?」

「だーかーら! この前のリベンジだユウトン! 前回は油断したけど、本気の僕が負ける筈が無いのだ!」

「わかった。その勝負引き受けよう」

「よーし! ケチョンケチョンしてやる!」

「あ、そうだ! 折角だからチーム戦をやってみない?」

「「「「チーム戦?」」」」

「ふ、ふ、ふ、このアリシアちゃんに任せなさい♪」

アリシアは不敵な笑みを浮かべた。




T&Hにあるスタジアムルームでは大勢の人で集まっていた。
司会役のアリシアはそれはもうノリノリで解説をしていた。

《さて今回紹介するのはこのスピードレーシングー!
各チョックポイントとターゲットを破壊してゴールを目指す競技です!
それではチームの紹介をして行きます!》

アリシアがそう言うと、最初に紹介されたのはフェイト達のチーム。
アリシアのハイテンションに、フェイトは恥ずかしそうにしていた。
次に紹介されたのがレヴィのチーム。
彼女は一人の為、残りはフレンドNPCと呼ばれるお助けキャラが使われていた。

《そして最後に! 新進気鋭の高校生チームです!》

「ど、どうも・・・・」

「精一杯頑張ります♪」

「アリシアも分かっているじゃないか。これこそが僕が求めていたステージだ!」

優人は緊張していたが、凛と慎二は慣れているのか、堂々としていた。
そんなこんなで紹介が終わり、作戦会議が始まる。

「作戦は単純に、ランサークラスの私とぐれリンがゴールを目指すわ」

「ぐれリンって・・・・あのやさぐれている凛?」

優人が指を刺した方向には、二等身で明らかにやさぐれている凛のフレンドNPCがいた。

「やさぐれは余計よ! あれでも優秀なんだから!」

「それはともかく、僕と衛宮でターゲットを破壊。遠坂とフレンドNPCはゴールを目指す。それでいいんだな?」

「そういう事。頼んだわよ慎二、ユウ」

優人と慎二は頷いた。
作戦会議も終わり、いよいよスピードレーシングーが始まろうとした。

《それでは各チーム位置について下さい!》

アリシアの指示に各チームは位置につく。

《それではスピードレーシングー! レディーゴー!》

アリシアの声を合図にスピードレーシングーがスタートされた。

――――――――――
キャラ紹介

遠坂凛
月海原学園に在籍している少女。
金髪碧眼だが、れっきとした日本人。
その容姿のせいか、過去にいじめを受けた経験があり、その経験から黒い髪に憧れ、自身のアバターに反映させている。
ブレイブデュエルの腕前は全国ランカーに匹敵するが、よくポカをするのでなかなかランクが上がらない。
使用クラスはランサー、デバイス名はクーフーリン。


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■作者からのメッセージ
今回登場した遠坂凛ですが、容姿はEXTRAにしています。
あとアバターの姿に関しては当初、青い軽装にしようかと思いましたが、彼女のイメージに合わないと判断し、赤い軽装にしました。
これは彼女のカスタマイズと思ってください。
次回からはレースの話しになります。
テキストサイズ:8048

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