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運命決闘 INNOCENT/EXTRA 三話、スピードレーシング前編
作者:起源くん   2013/06/07(金) 19:23公開   ID:e0jxnCNG5Oo
スピードレーシングがスタートし、最初にトップに躍り出たのが凛とぐれリンであった。
その後を追うフェイトとレヴィ。

「ふっふっふ、来たわね。ぐれリン、お願いね」

そう言うとぐれリンは反転し、フェイトとレヴィに目掛けて野球ボールを投げつけて来た。

「え!?」

「なぁ!?」

フェイトは巧みにかわすし、細かい動きが出来ないレヴィは直撃を受ける。

《おおっとー! ぐれリンがフェイト選手とレヴィ選手に攻撃を仕掛けたー! 流石リン選手! やる事がえげつなーい!》

「そうだぞー! 正々堂々勝負しろ!」

「ルール違反じゃないけど、最低限のマナーは守ろ」

アリシア、レヴィ、フェイトの三人が凛の行いを咎めるが、凛はそんな事知った事ではない表情で――――。

「うるさいわね! この世は弱肉強食! 勝てば官軍! 負ければ賊軍! つまり、最終的に勝てば良かろうなのだぁぁぁ!」

―――と、どこぞの悪役の名台詞を堂々といい放った。それを後方で聞いた優人と慎二は――――。

「あれ? 凛ってあんな性格だっけ?」

「勝負事になると見境が無くなるんだよなアイツ。まあ、大概はうっかりで失敗に終わるけどな」

慎二がそう呟くと、突然観客がどよめく。それと同時にアリシアが叫ぶ。

《おおっと! なのは選手! 障害物ビルを壊しながら進み! ぐれリンを吹っ飛ばした!!!》

ここで少し状況を説明しよう。
なのはは今日手にいれたスキルカード、プロテクションEXを使い、ビルを貫通しショートカットしながら突き進んだ。
そして貫通したビルから出ると、ちょうどぐれリンと鉢合わせしてしまい。そのままぐれリンを引き飛ばしたのである。

「私のぐれリン!? 良くもやってくれたわね白いの!!」

「え!? ご、ごめんなさーい!」

「謝って済むなら警察は要らん! 後で百倍にして返してやるわよ!!」

「ええー!?」

《リン選手! なのは選手に威嚇! その姿は大人げなーい!》

「うるさいわね! 勝負に年は関係ないのよ! やるかやられるかよ!」

《そんな事をしている間に、フェイト選手とレヴィ選手がリン選手を抜いてトップに出たー!》

「え? うわマズ! 待ちなさーい!」

抜かれている事に気づいた凛は慌てて二人を追いかける。

《順位が大きく変わり、トップはレヴィ選手、続いてフェイト選手、リン選手、なのは選手が後を追うー!
気になるトップ争いですが、後方はどうなっているんでしょうか?》

先頭グループが熾烈な一位争いをしているなか、後方ではブレイクターゲット争奪戦が行われていた。

《おや? 軌道を見てみると、高校生チームとT&Hチーム達は空を飛んでいませんね》

「人がすいすい飛べる訳無いでしょ!」

「浮かぶだけなら何とか出来るんだけど・・・・・・・・」

「慣れない飛行より、こうした跳躍の方が良いと思って」

「僕のアバターは燃費が悪くてね。なるべく節約しないと持たないんだよ」

四者四様の理由によって、四人は飛行せずにビルからビルへと跳躍しながら移動していた。

「アリサちゃん! 前方にターゲットが三体!」

「よーし! いただき!」

アリサはフレイムアイズを振るい、ターゲットを一体破壊した。

「次は―――」

しかし、アリサが一体破壊している内に、慎二が二体のターゲットを破壊していた。

「はは! のろまだな!」

「なんだとー! すずか! 次のターゲットの場所を!」

「うん! わかった!」

すずかは急いでスキルを使い、ターゲットの捜索をするのだが、ことごとく慎二と優人が先回りをしていた。

「何でよー!? やっぱり遠距離が無いセイバーじゃ不利なの!?」

《それはちょっと違うよアリサ》

アリサ達の状況を見かねたアリシアは、二人にアドバイスを送る。

《シンジのアバターは確かに遠距離スキルがあるけど、通常攻撃はそんなに強く無いから、中距離じゃないとターゲットを一発で壊せないんだよ》

「それならどうして向こうが早くターゲットを破壊出来るのよ?」

《それは向こうのキャスターが優秀だからだよ。すずかはターゲットの場所だけしか伝えて無いけど、向こうは最適なルートまで割り出して慎二に伝えているんだ。だから二人より先にターゲットを破壊出来るの》

「それじゃどうすれば・・・・・・・・」

《私が言えるのは、キャスターの本領は仲間の支援。すずかが今出来る支援の方法を考える事》

「私が・・・・出来る方法?」

《アドバイスはここまで、後は自分で考えるように》

アリシアがそう言って通信を切り、実況の仕事に戻っていった。
その頃慎二と優人は――――。

「慎二! 前方にターゲット四体! ルートは―――」

「OK! 派手に食らいな!」

優人の指示に従い最短ルートでターゲットを破壊していく。

「やっぱり僕らのコンビは最強だね! こんなにも圧倒だよ!」

「油断は禁物だ慎二。慢心していると足元からズブッと行くぞ」

「大丈夫だって、向こうのキャスターはあんまり役に立って無いみたいだし。この分なら遠坂に頼らなくっても――――」

慎二と優人は立ち止まり、一際高いビルを見る。優人のレーダーにはその屋上にターゲットある。

「これはスルーだな。無理に取らなくて良いだろう」

「そうだな。無理に取りにいって時間をかけるより、別のターゲットを仕止めた方が効率が良い」

二人は屋上のターゲットを諦め、迂回する事にした。
そこにアリサとすずかコンビがやって来た。

「行くわよすずか!」

「うん! 任せてアリサちゃん!」

二人は迂回せずに、ビルに向かって行った。

「どうやらあの二人は屋上のターゲットを狙うつもりのようだ」

「っていうか、それしか無いんじゃない。僕達とターゲットの取り合いじゃ勝てないんだから、少しでも得点が欲しんだろ。
どっちにしても浅知恵さ、アイツらがビルをもたもた登っている内に残りのターゲットを全て――――なに!?」

慎二は思わず目を見張る。
すずかのスキルによって屋上までの氷の足場が作られており、アリサがそれを伝って屋上まで登っていく姿を見た。

《おおっと! アリサ選手とすずか選手の連携で屋上のターゲットを撃破! 見事なコンビプレーです!》

「なるほど、そういう手を使って来たか・・・・少しはやるじゃないか」

「感心してる場合じゃないぞ慎二。向こうがビルを渡ったならショートカットしたも同然だ」

「なら巻き返すだけだ! 行くぞ衛宮!」

二人はアリサ、すずかコンビの後を追うのであった。




前半戦が終わり、ポイントの集計が始まった。

《それでは集計結果です!第一位は―――85ポイント! T&H!》

「「「「やったー♪」」」」

《続いて第二位は83ポイントの高校生チーム!》

「若干足りなかったか・・・・・・・・」

「後半、思いのほかターゲットを取れなかったからな。遠坂が二位をキープしてくれていれば確実に一位なっていた筈なのに」

「わ、私のせい!?」

《第三位はダークマテリアル! レヴィ選手が一位を取ったものの、フレンドNPC達があまりターゲットを破壊出来なかったせいで、得点に差が開いてしまったようです》

「ぬあ〜〜!! 僕の完璧な作戦が!!!」

《ここでハーフタイムに入ります。十分後に後半戦が始まります》

アリシアがそう言うと、会場はトイレに行く者やジュースを買いに行くもので、徐々に数が減っていった。
そんななか、一人の少女が優人達の所にやって来た。

「ふむ、やっているようだな」

「あ! 王様〜〜!」

レヴィは少女を見つけると、勢いよく抱きついた。

「これレヴィ! 抱きつくでない!」

「ごめんね王様・・・・前半負けちゃった・・・・」

「このたわけ、我が来たからにはそんなもの簡単にひっくり返して見せよう。その前に――――」

王様と呼ばれた少女は優人に向き直り、親しみのある笑みを浮かべた。

「久しいなユウトよ。師匠は息災か?」

「久し振りディアーチェ。シロウ兄なら相変わらず小言を言って来るよ」

「え? 王様、ユウトンと知り合いなの?」

「ああ、ユウトは我が師匠の弟君だ。それと八神堂でアルバイトもしておるのでな」

「え? 優人さん八神堂でアルバイトしてたんですか? 私も最近通っているんですよ」

「そうなのか、そしたら何処かですれ違っていたのかも知れないな」

「ともかく! 例え師匠の弟君であっても、手は抜かん! 死力を尽くして挑むがよい!」

バァーン!と、ディアーチェは威厳のあるポーズを取り、優人に宣戦布告した。
それを見たアリシアは何やらウズウズしていた。

「アリシアちゃんも参加してみる?」

「でも仕事があるし・・・・・・・・」

「負けるのが怖いのか? ち・び・ひ・よ・こ」

「むぅ! 今のはカチンと来たよ! その油断慢心な心を壊してあげる!」

ディアーチェの挑発を受けて、アリシアも後半戦に参加する事になった。
それを知った高校生チームは冷や汗をかいていた。

「不味いな・・・・ただでさえディアーチェが参戦して厄介なのに、アリシアまでもか・・・・・・・」

「そうね、アリシアのエキストラクラスは結構トリッキーなのよね・・・・・・・・」

「あと一人、スピード重視のアバターが居ればな・・・・・・・・」

そんな話をしていると、一人の男性が優人達の側にやって来た。

「あれ? ユリウス先生? どうしてここに?」

「レオを探しにここに来たのだが・・・・見なかったか?」

「レオを? そういえば見てないな・・・・・・・・」

「確かに妙だな。アイツは嫌でも目立つから、T&Hにいたらすぐに見つかる筈。嫌、そもそもこんなイベントを見逃す奴じゃないね」

「だとすると、ここにはいないのか・・・・・・まいったな、もう心当たりが無い」

ユリウスは心底困った表情をした。
すると凛が意地悪な笑みを浮かべ―――――。

「ねえ先生。レオ君の居場所が知りたいんですよね?」

「む? 遠坂は心当たりがあるのか?」

「ええ、その代わり後半戦に私達の助っ人をして貰えませんか?」

「そう来たか・・・・相変わらず黒いな遠坂は・・・・いいだろう」

ユリウスは凛の条件に頷き、カードホルダーを取り出した。

「ユリウス先生もブレイブデュエルをやっていたんですか?」

「レオに進められて多少な。俺は間桐や遠坂みたいに全国ランカーではないから、あまり期待するなよ」


「そんな事は無いんじゃない。少なくとも遠坂よりは期待出来るよ」

「それってどういう意味よ慎二?」

「言葉通り、ユリウス先生なら抜け目とか無さそうじゃん。それに比べて遠坂はうっかりがあるだろ。
どちらに期待出来るのかなんて、猿でも分かる事さ」

「言ってくれるじゃない。ワカメの分際で」

「誰がワカメだ!!!」

「お前ら、いい加減にしろ。戦う前から仲間割れをするな」

「あ、大丈夫ですよ。あれは二人のコミュニケーションですから」

「・・・・そうなのか? 旗から見れば口論しているようにしか見えないが・・・・」

「ケンカするほど仲がいいんですよ。漫才のコンビ的な」

「「誰がコンビだ!!!」」

「・・・・・・・・果てしなく不安だ」

ユリウスは一抹の不安を感じたのであった。

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■作者からのメッセージ
正直言って、慎二のキャラが上手く掴めない・・・・・。
ウザキャラだったり、ギャグキャラだったり、CCCでは漢キャラとして新たにキャラを設立しています。
取り合えず、本作では友人&師匠ポジジョンとして行きたいと思います。
テキストサイズ:8794

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