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Fate/ZERO―イレギュラーズ― 番外編<出張!! ベアトリス・ラジオ IN アインツベルン相談室―そのU−>
作者:蓬莱   2013/06/20(木) 23:42公開   ID:BqSzgmf083c
注意:今回は本編と違い、台詞形式となっていますが、ドラマCDみたいなノリを意識して、書いてみました。
決して手抜きとかそういうのじゃありません…断じて手抜きとは違うのだよ、手抜きとは!!


アイリ師匠「3v」

ゼッちゃん「2!!」

ベアトリス「1!!」

どっか〜ん!!



番外編<出張!! ベアトリス・ラジオ IN アインツベルン相談室―そのU−>



ベアトリス「さぁ、第二回目を迎えました、この出張版ベアトリス・ラジオ!! 今回も引き続き、アインツベルン相談室からお届けさせてもらいます!! そして、今回のゲストも―――」

アイリ師匠「はぁ〜いv 迷える子羊達を導く可憐な弁護士ことアイリ師匠と!!」

ゼッちゃん「遂に本編参戦を果たした美少女にそっくりな弟子0号が引き続きお送りさせていただきますv」

シュピーネ「そして、私が超有能解説役として参加させていただきます、シュピ(以下略)」

ベアトリス「それでは、今回も前回に引き続いて、各サーヴァントのステータスを皆さんと一緒に解説していこうと思います」

アイリ師匠「何時ものごとく、作者の主観がかなり混じっているか、ツッコミどころも多いかもしれないけど、其のあたりは許してねv」

ゼッちゃん「うっす!! では、最初に紹介するサーヴァントはこの英霊っす!!」



【元ネタ】戦国BASARA3
【CLASS】ライダー
【マスター】ウェイバー・ベルベット
【真名】徳川家康
【属性】中立・善
【ステータス】筋力B 耐久A 敏捷B 魔力E 幸運A+ 宝具A++
【クラス別スキル】
対魔力:D
騎乗:B
【固有スキル】
神性:D
心眼(真):B
直感:C
カリスマ:B+
軍略:B
【宝具】
『戦国最強の絆』
ランク:A 種別:対人宝具 レンジ:― 最大捕捉:1人
【Weapon】
手甲


ベアトリス「もはや、GM粒子に汚染された変態世界の良心!! ちょっと天然なのが玉に瑕な暴れん坊征夷大将軍…ライダーさんです!!」

アイリ師匠「倉庫街での戦い以降、半年以上の間、出番がなかったけど、廃発電所に於いては主役級の活躍をしていたわね。そして、ステータスは…」

ゼッちゃん「おぉ、さすがは、戦国BASARA3の主人公ポジションっす!! 原作ZEROでのイスカンダルさんに勝るとも劣らないステータスっすね!!」

ベアトリス「そうですね。固有スキルも戦闘向けのスキルがいくつかありますからね」

アイリ師匠「それだけじゃないわ。一般的なライダーのサーヴァント達との違いは、強力な宝具が売りのライダーというクラスでありながら、このライダーは、宝具抜きでの直接戦闘特化していることかしらね」

ベアトリス「倉庫街や廃発電所の戦闘を見る限りでも、ライダーは、素手による直接戦闘だけで、虚無の魔石で強化された真島さんと互角に闘い、無数の武装グール達を圧倒していますからね…」

ゼッちゃん「何か、それだけを聞くと、騎手というより殴り屋みたいっすね…辛うじて、所々で、空飛ぶ忠勝さんに乗って移動しているっすけど」

シュピーネ「一応、ゲーム本編に於いて、空を飛ぶ本多忠勝の背に乗って全国各地に移動していたところから、ライダーとなっています。仮にイレギュラーでクラスを設けるなら、グラップラーが妥当でしょうね」

ゼッちゃん「一見すれば、まともなサーヴァントに見えても、結構、他のサーヴァントと一緒でイレギュラー的な部分が多いサーヴァントなんっすね」

アイリ師匠「それと、特徴的なのは、対武装グール戦でも見せた、太陽の光と同じ属性を帯びた攻撃かしらね」

シュピーネ「これについては、史実に於いて、徳川家康の死後、日光東照宮にて神として祀られた事に由来した神性スキルの恩恵と見るべきでしょうね。ちなみに、あの葵の極みというのは、あくまで技の一種であり、宝具ではないのであしからず」

ベアトリス「さらに、メタ的な事を言えば、ゲーム本編で使用武器が光属性だったことも含まれるんですけどね〜」

ゼッちゃん「それは余りにもぶっちゃけすぎっすよ、ベアトリスさん…」

アイリ師匠「ただ、ライダーが宝具に頼らなくてもいいから、ライダーの宝具が弱いという訳じゃないわよ」

ベアトリス「“戦国最強の絆”こと本多忠勝さんの事ですね」

シュピーネ「一応、忠勝一人を呼び出すという事で、対人宝具扱いになっていますが、その実、能力としては、対軍および対城宝具並みの力を持っていますからね」

アイリ師匠「そうね…対人宝具としてはドリル槍で、対軍宝具としては内蔵された各種兵装で、対城宝具としてはBASARA奥義による広範囲雷撃と万能兵器といっても過言じゃないわね」

ゼッちゃん「まさしく、超高性能スーパーロボットっすね!! 子供が夢中になるのも無理ないっす!!」

シュピーネ(そういえば、イザークが城の工房で、何やら、マッド系科学者たちを総動員していましたが、そういう事でしたか…)

アイリ師匠「これだけでも充分凄いんだけど、まだ、ライダーはもう一つ強力な宝具を持っているのよね…」

ゼッちゃん「解禁になるのはまだ先になるらしいっすけど、今から楽しみっす!!」

ベアトリス「それにしても、このGM粒子によって外道と変態が跋扈する世界でよく真面にいられますよね…」

アイリ師匠「ちょっと天然なのが玉に瑕だけど、それさえもこのライダーの魅力なのよね」

ゼッちゃん「イスカンダルさんとは、また、違った意味で、マスターであるウェイバーさんとの相性も、他陣営と比べれば抜群っす!!」

ベアトリス「お互いに支え合いながら、お互いに認め合い、共に成長していく―――まさしく、王道的主人公コンビっすね!!」

アイリ師匠「そういう意味では、ちょっとうらやましいかなぁ…切嗣は結構アレだし」

シュピーネ「GM粒子の根源が渦巻く中に居れば無理もないでしょう…続いて、解説するサーヴァントは、この方ですね」


【元ネタ】ジョジョの奇妙な冒険―恥知らずのパープルヘイズ―
【CLASS】アサシン
【マスター】言峰綺礼
【真名】カンノーロ・ムーロロ
【属性】混沌・中立
【ステータス】筋力D 耐久E 敏捷D 魔力C 幸運B 宝具B
【クラス別スキル】
気配遮断:B
【固有スキル】
黄金の精神:B

【宝具】
『オール・アロング・ウォッチタワー』
ランク:B+ 種別:対人宝具 レンジ:1〜100 最大捕捉:53人


ベアトリス「現在、第8部まで到達!! 第3部アニメ化が待ち望まれるジョジョの奇妙な冒険!! その第五部の外伝作品にて登場した普段はチンピラ、中身は黄金の精神を持つ暗殺者―――アサシンさんです!!」

ゼッちゃん「おぉ、いつぞやのトランプカードの本体の人っすね…ぶっちゃけ、宝具の方が出番多い気もするっすけど…」

アイリ師匠「まぁ、アサシンのクラスに宛がわれたサーヴァントは、そもそも、ステータス的にも、直接戦闘向けじゃないから…」

ベアトリス「まぁ、聖杯戦争だと、キャスターとアサシンは、外れサーヴァントなんて言われていますからね」

シュピーネ「しっかしぃ!! それはあくまで、対サーヴァントによる直接戦闘での話!! アサシンの本領はあくまでマスター殺しと言われる暗殺なのですからね」

ゼッちゃん「なるほど…このアサシンさんの場合も、歴代のアサシンと同じ訳っすね」

ベアトリス「概ねそれで間違いないですね。ただ、質の悪さと対処のし難さはトップクラスですけどね」

アイリ師匠「それが、アサシンの宝具“オール・アロング・ウォッチタワー”。この宝具は元々、アサシンの持つ特殊能力“スタンド能力”が元となっているの」

シュピーネ「能力としては、トランプカードに憑依したスタンドで、タワー状に組み上げると、カードから手足が生え、知りたい情報を人形となる事で舞台劇風に演じてくれるという事ですが…表向きはですが」

ゼッちゃん「表向き?」

ベアトリス「はい。一般的にスタンド能力者は、自分のスタンドがどういう能力を持っているかなど隠したがるものなんです。何せ、能力を知られる事は自身の弱点を曝すことになってしまいますから」

シュピーネ「そして、“オール・アロング・ウォッチタワー”の真の能力とは、五十三枚のトランプカードがそれぞれ自律的に動き、敵を暗殺する遠隔操作型スタンドである事!! 先ほどの劇についても、情報収集した結果を報告しているにすぎないのですよ」

アイリ師匠「しかも、薄くて小さいトランプカードだからどこでも忍び込めるし、こっそり細工もできるし、何でも調べられるから、スパイの為にあるような能力といっても過言じゃないわね」

ベアトリス「さらに付け加えるなら、本体とは違い、トランプカード一枚一枚には、A+の気配遮断のスキルが付加されていますからね。だから、攻撃態勢に移らなければ、相手に気付かれる事もないので、敵マスターの衣服に入り込むなどして、敵の拠点に侵入できます」

シュピーネ「そうなれば、敵拠点の侵入後に、後続のトランプカードを送り込み、敵の情報を収集するだけではなく、敵マスターに対し毒を盛る事や罠を張る事も可能でしょうね。そして、気付いた頃には、もうはや手遅れ…何て展開も充分ありえるのですよ」

ゼッちゃん「なるほど…サーヴァントの優劣だけが、聖杯戦争の勝敗を決定づける要因じゃないことを証明するサーヴァントでもあるっすね」

ベアトリス「もう一つ、この宝具の効果としては、対人宝具或いは対軍宝具、魔術による攻撃のダメージをカードの一枚一枚で受け止める事で、本体であるアサシンへのダメージを分散できる事です」

ゼッちゃん「…つまり、如何に強力な攻撃でも、それが対城宝具以外の攻撃なら、五十三分の一に分散された威力しか、アサシン本体に届かないってことっすか」

シュピーネ「もっとも、五十三枚分のカードをまとめて破壊できるような対城宝具クラスの攻撃ならば、多少、多少ダメージを分散されようとも問題なく、アサシン本体に即死級のダメージを与えられるということですがね」

ゼッちゃん「ふへぇ…ところで、固有スキルの項目で気になったんすけど、“黄金の精神”って何っすか?」

アイリ師匠「元々は、JOJOの歴代主人公や仲間達が持つ、正義の輝きの中にある精神のことね。似たような言葉で“人間賛歌”ってのもあるんだけど…ゼッちゃんにはちょっと難しいかな?」

ゼッちゃん「うぅ…」

ベアトリス「具体的には、目の前の恐怖に屈しない勇気、大切な人々を思いやる優しさの心、いかなる困難もはねのける精神力、自分の矜持と責任に殉ずる覚悟、自分の宿命をありのまま受け入れる潔さなどがありますね」

シュピーネ「それを反映してなのか、この固有スキルを保持する事で、戦闘続行:Dや直感:Cの固有スキルの効果を得ることが出来ます」

アイリ師匠「そして、何より重要なのが、この固有スキルを持つサーヴァントと行動を共にした場合、マスターの性質を人として正しい道に自ずと導かせる効果を持っている事ね」

ベアトリス「つまり、原作では愉悦まっしぐらな綺礼神父があの程度に留まっているのも、ある意味でアサシンの持つこの固有スキルの恩恵でもあるんですよね」

ゼッちゃん「なるほど…道理で、キャラ崩壊寸前の切嗣さんみたいに、あのGM粒子の影響をあんまり受けていないと思ったら、そういう訳だったんすね!!」

アイリ師匠「ま、まぁ…それも一理あるかなぁ…」

シュピーネ(絶対そうなのでしょうね…あの微妙な表情からして…)

ベアトリス「じゃあ、そろそろ、最後のサーヴァントにいきましょうかね…」


名前:第六天波旬
解説:史上最悪の外道にして、全並行世界の人間が満場一致で死ねばいい断言できる、極大の下種…以上!!

ベアトリス「よし!! これで、完璧ですねv」

ゼッちゃん「ちょ!? 駄目ですよ、ベアトリスさん!! いくらなんでも、これは思いっきり手抜きっす!! 読者の皆さんにケンカ売ってるっすよ、確実に!?」

アイリ師匠「気持ちは分からなくはないけど、さすがにこれはちょっと…」

ベアトリス「良いんです。あんな腐れ外道の解説なんか、これで充分すぎる位に読者の皆さんに伝わっているはずですよ」

シュピーネ「本音は?」

ベアトリス「あの薄汚い波旬の解説するぐらいなら、私は手抜きリポーターの汚名を被るほうが無量大数倍もマシです(真顔でバーサーカーの解説書燃やす」

ゼッちゃん「ここまで、ガチで嫌っているとは…まぁ、無理もないっすよね」

アイリ師匠「そうね…原作や本編での言動を考えると、ベアトリスさんが、そういう気持ちになるのも仕方ないわね…」

シュピーネ「では…ここは不本意ではありますが、解説終了という事で―――お前は要らぬわ―――ぴぎゃあああああああ!!」

ゼッちゃん「げぇ!? シュピーネさんがいきなり、出てきた謎のイケメンさんに斬殺されたッす!!」

アイリ師匠「そんな、シュピーネさんが死んだ!!」

ベアトリス「この人でなし…って、あなたは!?」

???「史上最悪の外道? 極大の下種? 知らぬ知らぬ聞こえぬ見えん!! 此処を何処だと心得ておる? 解説コーナーであろう。ステータス公開場所であろう。命を賭してリポート魂を燃やす、晴れの舞台であろうがよ!!」 

アイリ師匠「そ、それは…」

???「だがぁ!! そうした場に立ちながら、貴様ら、このキャラが嫌だ、因縁があるのだと笑止千万!! ならば、解説を拒否する貴様らに代わり、この我―――大欲界天狗道の申し子たる中院冷泉が解説しようぞ!!」

【元ネタ】神咒神威神楽
【CLASS】バーサーカー
【マスター】間桐桜
【真名】―――
【属性】―――
【ステータス】筋力EX 耐久EX 敏捷EX 魔力EX 幸運EX 宝具EX
【クラス別スキル】
狂化:A
【固有スキル】
唯我の理:EX
神格:EX
天眼:EX
邪神の煽り:EX
【宝具】
『大欲界天狗道』
ランク:EX 種別:対界宝具→対人宝具兼対城宝具 レンジ:EX→1〜100 最大捕捉:EX→1〜1000

『卍曼荼羅―――無量大数』
ランク:EX 種別:滅界宝具 レンジ:EX 最大補足:EX

冷泉「さて、オオトリを飾るのは、読者や作者も含め、どうやって倒すんだと、皆、頭を抱えておる第六天波旬の解説を始めようぞ。なお、先ほど、ベアトリス殿に解説書を燃やされた故に、一部読めぬところもあるので許されよ」

ベアトリス「むぅ…原作における波旬の説明については、イレギュラーズで色々と紹介しているので、ここでは、サーヴァント化した波旬についての解説に留めますのでご了承ください」

ゼッちゃん「むぅ…また、作者の手抜きを感じるっす」

アイリ師匠「まぁ、それは何時もの事だから置いといて…まぁ、大凡、予想通りのステータスね…屑の癖に」

ベアトリス「圧巻の手抜き臭すら感じるほどの、ほぼALL EXというチートの塊ですからね…死ねばいいのに、薄汚いヒッキー」

冷泉「まぁ、仕方あるまいよ。座の歴史に於いて歴代最強の規格外であるからな…性格に於いては下種極まりないが」

ゼッちゃん「皆さんから有らん限りの悪意が漂ってくるのが分かるコメントっすね。でも、これだけ強いサーヴァントな上に、他のクラスのサーヴァントに比べて、魔力消耗の激しいバーサーカークラスなのに、よく桜ちゃんの魔力が切れないっすね」

冷泉「当然よ。そもそも、波旬は、マスターから供給される魔力を異物と認識している故、マスターである間桐桜からの魔力供給など受けておらぬのだからな」

ゼッちゃん「…はい?」

冷泉「だから、波旬への魔力供給なぞしておらぬ。故に、間桐桜の魔力切れが起こる事などありえんのだよ」

ゼッちゃん「いやいやいや!! 有り得ないっすよ!? 普通、サーヴァントって、単独行動スキル持ちでない限り、マスターからの魔力供給受けないと、現界出来なくなる筈っす!!」

アイリ師匠「そう、普通のサーヴァントならね…」

ベアトリス「でも、波旬の場合は違うんですよね…」

冷泉「然り。波旬が、マスターからの魔力供給を受けずとも現界出来る理由とは何か? 答えは単純明快。すなわち、波旬には、無量大数という貯蔵魔力と固有スキル“自愛の理”が有る故よ」

ゼッちゃん「無量大数…だと…?」

アイリ師匠「倉庫街での戦いでも、ウェイバー君が言ったように、無量大数という圧倒的な貯蔵魔力を持つ波旬は、他のサーヴァントのように、現界に必要な魔力供給を受けなくても問題ないのよね」

冷泉「例えて、質問するならば…エンジン性能が同等の二台の車が、どちらがより遠くまで走れるか競った場合、勝敗を決するのは何か? 即ち、それは二台の車が有する燃料の量というのは自明の理であろう。もっとも、波旬の場合は、そのエンジン性能すら圧倒的であるがな」

ベアトリス「これは、聖杯戦争に於いては大きなアドバンテージと言っても過言じゃないです。特に歴代のバーサーカー達はマスターの魔力切れによる自滅が敗因となっていますから、雁夜さんの最強宣言もあながち間違ってはいないんですよ」

ゼッちゃん「うわぁ…何なんっすか、その反則性能?」

冷泉「それだけではないぞ。さらに、駄目押しと言わんばかりに、固有スキル“自愛の理”は、単独行動:EXの固有スキルを付加するのだ。マスター不在でも行動できる上に、大量の魔力を消費する宝具を乱発できるのだから、これ以上にない駄目押しよなぁ」

ベアトリス「他にも、この固有スキルは、所有者の自我を極限まで高める事で、バーサーカーのクラスには必ず付加される“狂化”のデメリットを無効化するので、波旬は自我や理性を保つことが出来るんです…まぁ、アイツに理性なんて有って無きのごとしなんですがねぇ」

アイリ師匠「ただ、デメリットとしては、あまりに完成された自己愛故に、自分以外の他者を塵としてしか認識できないから、敵味方の区別がつかないところね。森羅万象の全てを見通せる固有スキル“天眼”を持っているのに、相手の神経を逆なでする固有スキル“邪神の煽り”を併せた煽りぐらいにしか有効活用できていないのも、これが理由ね」

ゼッちゃん「でも、ほぼ無差別攻撃してくるから、全然デメリットという感じがしないっすよ…もうやだっす…この鬼畜性能サーヴァント…」

冷泉「おやおや…この程度で投げ出しては、いくら絶望しても足りぬぞ、弟子ゼロ号殿?」

ゼッちゃん「えぇ…まだ、あるっすか?」

冷泉「おやおや、忘れておられるのか? 倉庫街の戦いに於いて、波旬が、キャスターを蹂躙した際に、キャスターがダメージを負ったにも関わらず、キャスターの虚無の魔石による再生能力が働かなかったことを」

ゼッちゃん「そういえば…アレって、バーサーカーの宝具みたな効果によるもんなんっすか?」

冷泉「然り。波旬の宝具“大欲界天狗道”は、本来ならば、広範囲の対象に“己以外消え失せろ”という我欲による狂化を付加させる対界宝具なのだが…此度は、とある理由により、対人宝具兼対城宝具という極めて奇異な宝具となっておるのだ」

アイリ師匠「まず、対人宝具としての具体的な効果としては、波旬の“俺は俺ゆえに唯一絶対”という理屈になっていない子供じみた自負によって、自分の筋力と耐久を際限なしに強化することができるの」

ベアトリス「加えて、敵のスキルや宝具などによる特殊効果やダメージを完全に無効化する能力も付加されているんです。だから、キャスターさんの虚無の魔石による再生能力が働かなかったのも、この“大欲界天狗道”の効果を受けたためでしょうね」

ゼッちゃん「つまり、RPG風に例えるなら、ステータスカンスト+バットステータス並びにダメージの完全無効化みたいな感じっすね。ほんとに何なんっすか、このチートキャラ?」

冷泉「まぁ、大凡、その認識で間違いはあるまい…なお、他にも効果はあるようなのだが、ベアトリス殿に燃やされたせいで、ほとんど読めぬ状態なので、まぁ、本編で明らかにしていくとしようか」

ゼッちゃん「また露骨な伏線っすね…対城宝具としての効果はどうなんっすか?」

冷泉「対城宝具としては、座を統べていた歴代の神格―――二元論、堕天奈落、悲想天、修羅道、永劫回帰、無間地獄、輪廻転生を使い捨て宝具として使用する事ができる。もっとも、本来の使い手達のモノに比べれば、形骸同然ではあるが…」

アイリ師匠「さらに、最も厄介なのは、これらの宝具を使い捨てれば、使い捨てるほど、波旬は本来の力を発揮できるの」

ゼッちゃん「…本来の力?」

冷泉「知らぬのか? よもや、あの程度の力で、サーヴァントとなった波旬の全力であると思ってはいまいな?」

ベアトリス「ぶっちゃけると、波旬の全力というのは、歴代の神格を使い切って、自分一人になった状態なんです」

アイリ師匠「今は、堕天奈落と悲想天を使用しているから、まだ、全力の七分の二程度の力しか発揮していないわね」

ゼッちゃん「じゃ、じゃあ、つまり…バーサーカーは、倉庫街の戦いで、ほぼ、全サーヴァントをフルボッコしたのに、それ以上にまだまだ強くなるって事っすか!?」

冷泉「然り。付け加えて、この全ての神格を使い捨てさせぬ限り、波旬に手傷を負わす事も出来ぬ。まぁ、使い切らせたところで、完全形態の波旬を相手にせねばならぬのだからな。いやはや、性質の悪いこと、この上なしよな」

ゼッちゃん「本当に、どうやって、こんな怪物に勝てって言うんっすか?」

冷泉「まぁ、今回の場合は、些か、イレギュラーが混じっておるからな。永遠の刹那らが来た以上、銀時殿らとて、そうそう、容易くやられはせぬよ」

ベアトリス「色々と前途は多難ですけどね」

アイリ師匠「だ、大丈夫よ…!! ぎ、銀時達なら何とかしてくれるはずだから…多分!!」

ゼッちゃん「不安っすよ、その言い方だと…んで、最後のこの宝具は何なんっすか?」

冷泉「滅界宝具“卍曼荼羅―――無量大数”。波旬が一切の魔力供給を必要としない最大の理由である無量大数の貯蔵魔力の正体にして…波旬が持つ唯一の術技を宝具化したものよ」

ゼッちゃん「おぉ、何か滅茶苦茶凄い宝具みたいっすけど…どんな感じの宝具っすか?」

冷泉「一撃必殺の…全力パンチよ」

ゼッちゃん「は?」

アイリ師匠「まぁ、見たまんま、全力パンチね」

ゼッちゃん「え?」

ベアトリス「ぶっちゃけ、ただの全力パンチです」

ゼッちゃん「いやいや…!? 全力パンチって何なんっすか!? 滅界宝具って大仰な肩書の割には、滅茶苦茶しょぼいっすけど…!?」

アイリ師匠「でも、ゼッちゃん…よぉく考えてみて?」

ベアトリス「腕払うだけで、歴代神格全員即死+全宇宙終了させるような奴なんですよ…そいつのぶっぱなす全力パンチの威力がどんなものか想像してみてください」

ゼッちゃん「…そう考えると、しょぼい攻撃どころの話じゃないっすね」

冷泉「詳しい詳細としては、滅界宝具の名の通り、波旬の持つ無量大数の渇望を込めた全力パンチを叩き込むことで、現実世界に自身の心象風景を具現化する固有結界などの異界を文字通りに滅してしまう効果を持つのだ」

アイリ師匠「当然のことだけど、そんな攻撃をまともに喰らえば、どんなサーヴァントでも一撃必殺されてしまうから、この宝具が発動されたら、もはや打つ手はないわね」

ベアトリス「まぁ、幸いなことに、大欲界天狗道の覇道神の残滓を使い捨てないと発動できないのと、あの下種ヒッキーは基本的には怠け者ですから。滅多にこの宝具を使うことは無いんですけどね」

ゼッちゃん「そんな宝具をしょっちゅう使われたら、堪ったもんじゃないっすよ…本当に勝てるんでしょうかね、こんなチートスペックなバーサーカーに…」

冷泉「だが、案ずることなかれ、零号殿。確かに、波旬と真っ向から戦えば敵う道理などなかろう。だがな、一見すれば、完全無欠とさえ思える第六天の世を終わらせた者たちがいるのも、また、事実よ。ならば、イレギュラー的ではあるが、サーヴァント化したことではるかに弱体化した第六天に絶対に勝てぬ道理もまた、無いという事よ」

ゼッちゃん「…オッス!! なら、自分も聖杯戦争に関わった人間として、どんな結末を迎えようと、最後まで見届けていくっす!!」

アイリ師匠「その意気よ、ゼッちゃん!!」

ベアトリス「それでは、次回の放送にむけて、本編更新も頑張っていきますので、また、よろしくおねがいします!! 以上、出張!! ベアトリス・ラジオ IN アインツベルン相談室でした!!」

―――終了!!―――






おまけ

家出をした銀時が、アーチャーの伝手で冬木教会に寝床を求めて、押しかけていた頃―――

「どうやら何事もなく無事に到着できたようだな…」

―――はるか西方のアインツベルン城よりやってきたある一団―――赤い目をした二人の女性と年端もいかない少女、そして、某世界的に有名な配管工風の衣装をまとった男が空港に降り立っていた。
その一団の先頭に立つ配管工の男は、ここに至るまでの道中の間、何事もなく、無事に日本に到着した事を安堵するように呟いた。

「その怪しげな変装で、何度も搭乗口で捕まりそうになった挙句、仕方なく貨物室に入り込んだ密入国者がどの口でその台詞を言えるのですかねぇ、リズ?」
「…嫌な事件、だったね、セラ」

もっとも、非難を込めた視線で睨む赤眼の女性と、うんうんと遠い目をしながら頷く同じ赤眼の女性―――アインツベルンの生み出したホムンクルスであるセラとリーゼリットの言うように、配管工男が、密入国まがいな事をやらかした時点で何事もなかったどころか、警察沙汰になりかねない大問題だったのだが。
“あの銀時の知り合いでなければ、さっさと置き去りにしていたのに”―――図らずも、密入国の手助けをしてしまったセラは、そんな外道発想をしてしまうほど、初めて城に現れてから、ずっと配管工男の奇行に振り回されている事にうんざりしていた。

「それじゃ、早くキリツグ達のところに、おじい様からのプレゼントを渡しに行かないとね」
「はい、お嬢様―――あぁ、それにしても、あの糞爺、私達に面倒事押しつけやがって…早くくたばらねぇかなぁ―――奥様の元へ伺いましょう」
「セラ…最近、性格、変わってない?」

そんな悩める侍女の気持ちを知ってか知らずか、祖父から渡された荷物を持った少女―――イリヤスフィール=フォン=アインツベルンは、父である切嗣への、初めてのお使いに胸を躍らせていた。
無邪気に笑うイリヤスフィールに、セラは顔を綻ばせながら笑みを浮べて頷いた―――さりげなく、言葉の間に、アハト翁への暴言を挟みながら。
もはや、主従関係など有って無きがごとしのセラの言動に、リズは手遅れなんだろうなぁと思いつつも、首を傾げながら問いかけるしかなかった。

「お前達、もう少し緊張感を持った方が良いぞ。これより、先は、銀時らと同じように聖杯戦争の死地に入るのだからな」
「どこぞの配管工に変装した奴が何をほざきやがりまするか―――」

とここで、そんな女性陣三人のやり取りを聞いていた配管工男は、イリヤ達のあまりの危機感のなさに、やれやれといった様子で注意を促した。
これから、自分たちが向かうのは、聖杯戦争の真っただ中である冬木の最前線なのだ。
どんな危険な罠が待ち受けているのか分からない以上、配管工男が危機感を募らせるのも無理はない話なのだ。
もっとも、セラはウンザリとした様子で、半眼で睨みつつ、若干棘を含んだ言い方で、悪目立ちするほど怪しい変装をした配管工男の名―――

「―――ヅラ」
「ヅラじゃない。桂だ、桂小太郎だ。好物は蕎麦だ」

―――友を救う為に、異世界より来訪してきた侍“桂小太郎”のニックネームである“ヅラ”を口にした。
そして、配管工男改め桂小太郎は、いつものノリで自身の名を告げつつ、誰も聞いていない自分の好物を言った。



さぁ、突然ですが、ここで、作者からのアンケート!!
今回のおまけに登場したイリヤ、セラ、リズ、ヅラの四名を本編にて登場させるかどうか多数決で決めたいと思います!!

登場OKが多い場合は、本編にて本格参戦!!

登場NGが多い場合は、このオマケは嘘予告扱い!!

さぁ、あなたの一票で本編が決まる!!

投票結果は次回更新時に発表したいと思います!!
では、今後ともよろしくおねがいします!!

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