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マブラヴ 転生者による歴史改変 44話
作者:ぜんくう◆7RWKYcvP01c   2013/06/23(日) 16:27公開   ID:I3fJQ6sumZ2
 西暦1996年になりました。現在22歳。
 というわけで、今年の3月に日本帝国軍所属柊町高等部衛士育成学科を卒業したマブジジョこと、伊隅みちるを始めとしたまりもの壮絶なる扱きに耐えた新人にして超一流の腕前をもつ衛士たちが、オルタネイティブ直属のA−01連隊に配属される。
 やったね、夕呼ちゃん、オルタネイティブ直属部隊の衛士が増えるよ!
 人数は34名と、全衛士育成学科の生徒72名のうち半分近くが国連軍のまりも教導コースを選んだことになる。
 出来れば36人、大隊を編成するだけの人員を確保したかったのだが、まあそううまくはいかないものだ。
 とりあえずは、小塚次郎中佐の派遣部隊にひっついて行かせて、実戦経験をつませるのもありかな。
 小塚次郎中佐なんだけど、まりもがいないせいでかなり苦労しているとか言っていた。
 なんでも、いるといないじゃ安心感がまるで違う、とのことだ。
 まあ、わかるがな。まりもの存在感と安定感はハンパないし。後ろにまりもが控えていると思っただけで、少々の無茶も平気で行える。それだけまりものフォロー力が凄まじいというわけだ。
 でもそれって、近代の軍隊としてどうなんだろう。戦国時代の足軽とかならまだわからんでもないけど、近代戦において個人の武勇が戦場を左右するなんてそんなのはゲームだけの話だと思っていたのだが。
 あ、でもルーデルとか、シモ・ヘイヘみたいな例もあるか。
 それだけまりもが化け物じみていると言うことか。まりもクラスになると確かにそのレベルだし。
 そんでもって、その化け物じみたまりもの鬼の扱きに耐えた34名の新人たち。果たして彼らは無事に死の八分を乗り越えられるのか!
 まあ、マブジジョが新人部隊の統率官をやっている限り、そうそう大したことにはならんとは思うがね。
 ちなみに彼らに与えられるのは、不知火である。オルタネイティブ第四計画が開始したとのと同時に、柊町基地とセットで送られてきたものだ。
 送られた機体の数は108機。一個連隊分である。もちろんオルタネイティブ計画専用機としておれ直々に改修を行っている。
 第三世代の高機動に、第一世代の重装甲を両立させ、近接戦に特化させた不知火。後に、不知火壱型丙とよばれる機体の原型となるのだが、まあこの話は後ほど。
 撃震弐型の操縦になれた新人たちが戸惑わないように、機体の癖も撃震弐型に寄せた。もちろんそんなことで、不知火の良さを消すようなことはしない。
 このあたりの調整能力はまさに、おれ様々!
 夕呼に、「遠慮せずに、褒めて良いのよ」、といったら、脱ぎたてのストッキングをプレゼントしてくれた。
 何よりのご褒美です、本当にありがとうございます。
 ちなみにその光景を見ていたまりもに即時ボッシュートされた上に、お仕置きを食らってしまった。なぜだ、なぜこうもこの世界は不条理に満ちている!
 血の涙を流すおれを、愉快そうに見ていた夕呼の姿が忘れられない。畜生、夜のプロレスごっこの時にどうなるか、思い知らせてやる。
 それはともかく、今はまだマブジジョたちは、訓練兵としての扱きの真っ最中である。
 まりもは当初戦術機の戦術機動の教導を主任務にとする予定だったのだが、本人の希望もあり前線で役立つ色々な話や、実際の軍事行動中の話など座学も受け持っている。
 生徒たちからはかなり慕われているようだ。そのせいで、国連コースを選ばなかった連中から後悔の声が上がっているとか。
 その当たりは自分自身の選択に伴う結果なのだから仕方がない。ところでマブジジョと同じ小隊を組んでいる女の子3名に気になる記述があった。

 特殊属性
 マブラヴAL外伝メインキャラクタ

 外伝ってなんですか?
 いや、意味としてはわかるんだが、この特殊属性的な意味合いがよく分からん。
 しかも1人には、

 AL外伝支配因果律規定事項
 ・衛士訓練中の死亡

 などという物騒な規定事項までついている。
 うーむ、これはAL以外の物語における規定事項ということか。
 ふふふ、面白い。これはおれに対する挑戦だな。
 いいだろう、受けて立ってやろう。因果の反逆者を舐めるなよ!
 というわけで、裏でえこひいきしていたら、まりもにばれた。
 AL支配因果律のことなどは容易に口に出すわけにはいかないので、適当に誤魔化しておいたがやれやれ、女の勘のLVが高すぎるのも考え物だろう、JK。
 それでもって、事故は去年の12月の演習中に起きた。
 まりもと張り合うために撃震弐型の跳躍ユニットに手を入れた2人の機体のうち一体が暴走。
 爆発、炎上のしている機体に、1人が助けようと生身で必死にすがりつく。
 普通の人間ならこの場面を見て、終了と考えるだろう。
 だがおれは違う。こんなこともあろうかと、あらかじめ実機演習の時はすたんばっていたのだ。
 毎度おなじみのステルス強化外骨格で、素早く生身の1人を抱き上げ、機体内に残されている1人を無理矢理救助、そして高速離脱。
 離脱後、背後で爆発音が響き渡ったが気にしない。
 無事救出した2人に大した怪我がないことを確認して、おれはその場を立ち去った。
 1人は気の強そうな子で、もう1人、生身で戦術機に駆け寄った子は気の弱そうな印象を受けた。
 それでもやるときはやるあたり、流石は衛士育成学科に所属しているだけはある。ご褒美に、強化装備ごしに乳首をつんっ、とつついておいた。
 強化外骨格越しのため感触が分からない?ふふふ、舐めるなよ。このマニピュレーターには触った物の感触を再現する機能がついているのだ。堪能させて頂きました。
 まあ、その様子を戦術機のカメラ越しにまりもに見られていることを忘れていなければね。
 いやね、おれが助けたせいか、気の弱そうな子についていた、

 AL外伝支配因果律規定事項
 ・衛士訓練中の死亡

 という記述が例によって二重線で取り消しされていた。
 ふふ、おれ様大勝利!
 うんうん、うら若い娘の命が救えたのだ、まりもからの折檻くらい喜んで受けよう。
 などと考えながらにやにやしながら折檻を受けていたら、

 「まさか、隆也くん、そっちの趣味に目覚めちゃったの!?」

 などとドン引かれていた。いや待ってくれ、それは誤解だ。などという一幕があったり無かったり。

 それは置いておいて、宇宙での開発は順調に進んでいる。
 工業用コロニーにおいては、無重力〜1G以下での特殊合金作製などのラインが出来ており、ぞくぞくとその量産量を増やして行っている。
 資源回収も、超高速推進ユニットを搭載させた資源回収ユニットを使って、適当な隕石から行っている。
 未知の金属や、使えない金属、さらにはレアメタル、まさにごったに状態だが、得る物は大きい。
 衛星軌道及び、月、火星からの飛翔ユニットの迎撃ライン、シャドウについてだが、こちらはまだまだ穴が大きいので、日本帝国宇宙軍主導で、新規に防衛ラインを構築しておいた。
 もちろん防衛ラインがいくつあっても問題ないので、シャドウと共存する形になるのだが。
 ここで驚くのが、やはりこの世界の宇宙開発技術の進み具合だ。
 おれの前世では1Kgを大気圏外に打ち上げるのに1千万円とかそんなレベルだったのだが、こっちは1kg100円とそんなレベルだ。合い挽き肉よりも安いね。
 宇宙軍や、宇宙開発の資源については先ほどの資源採掘用ユニットから改修した物だから実質ただである。電力や推進剤なんかは最初の頃にお金を掛けているが、その後は完全に自給自足になっている。
 そんなわけで、一部では宇宙軍が将来的に主権を主張し始めるのではないか、との憶測も飛び交っているようだが、それだけの技術が取得できるのは遥か先の話だろう。
 とはいえ、将来的にそれが可能だとしたら、地球破棄による世界レベルでの宇宙進出、というオルタネイティブ5計画もどきが実行されかねないので注意は必要だが。
 量産ラインが確立されたおかげで、ただいま電磁投射砲の大量生産中である。
 試作兵器の誕生から3年も経てばかなりの物が出来るのは自明の理である。
 というわけで、96式電磁投射砲についてのスペック。毎分100発、初速8km/s前後、連続掃射可能時間30秒。冷却時間1分。
 最初の単発式と比べると遥かに優れているのだが、いかんせん連射可能になった代わりに、銃身がへたれるのが早くなってしまった。今のところ10回程度の連続掃射後には、銃身の交換が必要になっている。
 その代わり殲滅能力は格段に上がっている。衝撃波で小型種なら吹き飛ばせるし、大型種も瞬殺できる。
 しかも量産品なのだ。ぶっちゃけ、本体価格を割安で売って、交換用銃身を割高にする、プリンター商法も考えたのだが、それはさすがに阿漕すぎると思い、良心価格での販売をモットーにしている。
 手柄はもちろん、小塚三郎少佐だ。
 ふふふ、表にでないおれに変わって功績値を上げまくってくれ。そして、悠陽の後ろ盾に名乗りをあげるのだ!
 むろん、多方面からの支援策も考えている。
 軍部に関しては小塚次郎中佐、なにげに彼のその活躍と謙虚な姿勢で軍部の一部将校からは猛烈な支持を取り付けている。
 そして、早くハーレム推奨条約、もとい、一夫多妻制の成立を!
 その前に、将軍の復権を行わないといけないか。ということは米国さんへの根回しも必要だな。
 お、そういえば、マクダエル・ドグラム社からYF−23について打診があったのを忘れていた。
 ガンマンの国である米国でガチで近接格闘を主眼に置いた設計思想は実に興味深い。しかもそのスペックは相当なものだ。
 どうやらマクダエル・ドグラム社は、オルタネイティブ計画にYF−23を採用してもらいF−22に一泡喰わせたいようだ。
 まあ、G弾ドクトリンから脱却しつつある昨今の情勢では、YF−23の方が有効的な戦術機だからな。
 ふふ、いいだろう。ならばオルタネイティブ計画A−01指揮官専用機「疾風迅雷」として採用してやろうではないか。
 むろん、駆動機関はバッテリーなどというものではなく、ジェネレーター。推進剤などは不要な熱タービン採用で補給いらず。
 あ、もちろん弾薬関係は補充しないとだめだな。
 夢は広がっていくなあ。

 本業のオルタネイティブ4なのだが、今のところ量子電導脳の問題はクリア、課題としてはどうやってBETAから情報を引きずり出すか、だ。
 00ユニット化すれば早い、とは夕呼の弁だが、それは駄目。
 純夏がターゲットになっちまうじゃないか。
 というわけで、今のところ、まりもとMOSが意識を融合させた時に使った技術をそのまま転用することを考えている。
 そもそもが、量産型反応炉BETA(仮称)からは大した情報は得られないんじゃないかと思う。多分情報を一元管理しているのはあの逸物型反応炉BETAだろう。
 となるとオリジナルハイブまで殴り込みかね?
 まあ、おれは慣れているから良いけど。
 とりあえずは、近いうちに計画されているというリヨンハイブ攻略戦に試験投入は確実かなあ。


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