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ONE PIECE ONLINE 第4話 「特殊プレイヤー消失事件」
作者:波良田瑛太   2013/01/24(木) 19:05公開   ID:ic3DEXrcaRw


初プレイの日から、二年がたった。
元々注目されていたゲームだったし、製作も後方に力を入れていたので、
順調にプレイヤー数は増えていき、ついこの前3万人を超えたとかなんとか・・・・・・。


俺もあれから毎日このゲームをプレイし、強くなった。
懸賞金ランキングでは、82位。
3万人中82位だ。
結構強くなったでしょ?
強くなって、それがほかの奴らにも認められ、俺は“七武界”に誘われたんだ。
仲間にも強く勧められ、俺はそれに乗った。
つまり、俺は“七武界”の一人になった。
・・・・・・そうだ、俺の仲間を紹介する。


まずは、我が“クレスクント海賊団”のbQ。
“天女(アマデウス)”こと、フラン! ドンドンパフパフー
ユニークスキル“歴史の召喚者(ミニステルアリス)”使いだ。
女だと思って甘く見てると、痛い目に合うよ。(体験談)


続いて、伝説の戦うコックさんの生まれ変わり、
“王金の足(ペス・コロナ)”こと、トール! ドンドンパフパフー
ユニークスキル“黒足・雷”の使い手だ。
ちなみの髪の毛は金色、男子です。


次は、大物。《OPO》内ランキング、【できれば近くにいて欲しくない人】
堂々の第1位!!
“大災害(カタスプロフ)”の異名を持つ、アレン! ドンドンパフパフー
ユニークスキル“テラテラの実 自然(ナトゥーラ)”を持つ自然系(ロギア)です。
かなり危ない女の子。


さあさあ、最後は“黒き凶犬”またの名を“黒犬”と呼ぶ。
オーフィス! ドンドンパフパフー
ユニークスキル“イヌイヌの実 モデル 神狼(デルプス)”を使う、口数少ないクールな男だ。
身長は2メートルほど。


船の上での役割は、こんな感じ。
フラン・・・船医
トール・・・コック
アレン・・・航海士
オーフィス・・・船大工
俺(シイグ)・・・船長!!


俺はみんなに、


「待ちやがれェ!! “殺人狂(ゼノ・インサニア)”ッッ!!」


と、呼ばれている。
持っているユニークスキルは、


「聞こえてんだろォ!! “黒ヘビ”ィ!!」


だ。
“黒ヘビ”というのは、


「いい加減こっち向けっ!! “ヘビヘビの実 モデル 狂乱龍(デネプラ・ドラコ)”!!」


・・・・・・って、


「最後のは、無くないっ!? 俺そういう風に呼ばれたこと一度もないんだけど!?」


後ろを思いっきり振り向き、声を大にして言う。
あまりの説明口調に、つい、ついやってしまった。
相手にしちゃった。


「ちょっとシイグ、話しかけちゃダメって言ったでしょ」


隣にいたフランが慌てて注意してくる。
だが、遅い。
もう声かけちゃったし、向こうもそれに気づいているし、なんかニヤニヤしてるし。
気づいてると思うが、シイグたちは今、海賊から逃げている途中だ。
こいつらが、またしつこく。
かれこれ、1時間近く追いかけまわしているんじゃないか?
運営に報告しようにも、相手は大物海賊団で、報復が恐い。
なら、こいつらだけ倒して逃げればいいんじゃない。
と、思うだろうが、それも却下だ。
こいつらは、“仲間”を何よりも大切にする。
仲間をやられたなんてことを知られれば、全軍でもって、おれたちを叩き潰すだろう。
それに、こいつらの目的は、おれたちを倒すことじゃない。
トールだ。
いや、“黒足・雷”のスキルを持った、トールだ。
意味不明だと思うだろうが、
今、おれたちを追いかけまわしているのは、“麦わらの一味”なんだ。
正確には、違うか。
奴らは、麦わらの一味の“スキル”を持ったプレイヤーの集まりだ。
それに、メンバーは麦わらの一味だけでなく、配下に海賊団をいくつも持っている。
その数、確か・・・100近く。
だが、奴らの中で本当に恐いのは、その数じゃない。
奴らの船長、“麦わら”のルイ。
懸賞金ランキングは99位と、俺より下だが、強さは多分あちらが上。
アイツは、原作通り司法の島・エニエス・ロビーを落としたんだ。
しかも一人で。
そんなことができるのは、おそらく“四皇”レベル。
俺じゃあ、無理かな。


「おーい、サンジー。こっち来いよー」
「うるせーよ。何度も断ってんだろうが!! それに、サンジじゃねェ。トールだァっ!!」


今、トールに話しかけたのは、“狙撃の王様”激撃。
ユニークスキル“島に入ってはいけない病”を持つ。
激撃の隣には、“泥棒猫”のねるふぉ。
ユニークスキル“泥棒猫”を持つ。
反対側には、“サイボーグ”バンカー
ユニークスキル“変態”を持つ。
一歩後ろに、“鼻唄”のzeri
ユニークスキル“パンツ見せてもらってもよろしいでしょか?”を持つ。
そして、ユニークスキル“麦わらLv5”を持つ
“麦わらのルイ”
そのルイが言った。


「わかった、じゃぁトール。どうしてもダメか? 残ってるのはあと、お前とゾロ、ロビン、チョッパーなんだ」
「ダメに決まってんだろうが。おれはこの船に乗って、この仲間たちと上に行くって、決めたんだ」


ルイの突然の真剣な勧誘にも、顔色一つ変えず、即答した。
俺はそのトールの様子に、驚かされた。
いつものこいつは、なんつーか、ヘラヘラした顔を振りまいて、割と自己中で、ぶっちゃけウザくね、な感じだったのに、
こいつに、こんな仲間意識があったなんて、思ってもみなかったから。
はっきりと、はっきりと断られたルイの方は、
笑っていた。


「ククク、わかった。ならさ、オレらと、DBF(デービーバックファイト)でもしようぜ。お前らも海賊。しかも、“七武界”だ。・・・・・・逃げねぇよな?」


DBF(デービーバックファイト)
これは、海賊のゲーム。
簡単に言えば、船員の奪い合い。
何回かのゲームをし、勝ったら相手の船員の一人、もしくは海賊旗を奪える。
まさに、海賊ならではのゲーム。
さて、どうするか。
たしかに、何時までもこのままは不味いよな。
なにより、ウザったい。
しばらく、考え込む俺にみんなが声をかけてくる。


「DBFだとよ」
「どうするんですか? 船長」
「受けちゃだめよ。絶対」
「・・・・・・キャプテンに、任せる・・・」


順に、トール、アレン、フラン、オーフィスだ。
ふむ、ここは思い知らせてやるか。
世界の広さを。


「いいぜ。その勝負、受けてたっ・・・・・・」


と、そこまで言葉にしたとき、何かの音によって俺の声がかき消された。

ガラーン ゴローン ガラーン ゴローン

大きな音だった。
誰もがその音に耳を傾けていた。


「これは、・・・鐘の音か?」


そう誰かが言った。
何だ?
いきなり何が起こってるんだ?
しばらくして、ノイズが聞こえてきた。


ザザッ、ザ・・・・・・「コホンッ・・・、プレイヤーの皆様にお知らせします。本日は大変長らくお待たせいたしました、一千人限定の特殊アイテムの効果を発動させていただきます。全プレイヤーに関係がありますので、ログアウト等は禁止とさせていただきます」


そして・・・


「オープン」


突如、目の前に赤く光ったカードが現れた。
あれは・・・・・・
あのカードだ。
初日に、限定コードを入力することで、手に入れたあのカード。
真っ白だったカード。
だが今は、真っ赤に光っている。
この場で、トール、ねるふぉ、zeri以外が、カードを持っている。
だから、光が強い。
真っ赤に、真っ赤に照らされる。
目がチカチカしてきた。


「あーあ、ずりーよ。・・・・・・オレも欲しかったぁ、そのカード・・・」
「ほんと、なんで私って運がないんだろ・・・」
「ヨ、ヨ、ヨホホホホ。ヨホッヨホッヨホッ。ホントですよねぇ。・・・げほっげほっ」
「おい。・・・慣れてないならやめろよ」


手で目を覆いながら、カードを手に入れられなかった奴らが、言った。
光が強くなってきた。


「おいおい、それを言うのは少し早くねーか?」


もう、赤の光以外は何も見えない。
不味くね、これ。


「ちょ、なにこれ」
「なんだか、不味い予感」
「何の真似なんだ? これは」
「・・・・・・」
「え? え? なんも見えねぇ! 誰か、誰かヘルプミー!」
「喚くな!」
「目が悪くなりそう」


各々が言いたいことを言い合う。
カオスだな。
なので、俺も気にせず言いたいことを言う。


「このアイテムが俺にとって、俺らにとって損か、得かなんて効果が現れるまで・・・・・・」


わからねぇだろ。
と、言葉にはした。
だが、声になって、届いたかはわからない。
なぜなら
言いかけた瞬間、視界全てが、俺らの身体ごと赤い光に飲み込まれ
気づけば暗闇の中に俺はいたからだ。
俺は思う。






(・・・・・・大損だな、こりゃ)




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■作者からのメッセージ
どーも、波良田瑛太です。
まだ、少しですが本編に入りました。
お楽しみいただけたでしょうか。とても心配です。
よろしければ、ご感想をお教え下さい。それでは。
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