ラステイション、ルウィー、グリーンボックス、そしてプラネテューヌ。
この4つの国の守護女神とその候補生、そして彼女達に召喚された異世界の戦士達。
遂に彼等が、プラネテューヌの教会にて集ったのだった。
―第八話:憤怒の狂戦士と嫉妬の魔術師そのB〜憤怒vs獰猛〜―
七罪騎に囚われたヒナタを救うべく、一同は作戦会議を始めた。
銀時「んで、どうやってそいつを探せばいいんだ?」
土方「それを考える為に会議を開いてんだろうが!」
しかし一向に会議は進まず、時間だけが過ぎてしまった。
ノワール「もう、どうすればいいのよ!?」
苛立つノワールであったが、銀時がこんな事を言った。
銀時「ったく……どうせならよぉ、敵から喧嘩ふっ掛けてくれりゃ手間が省けるんだけどよ?」
それを聞いた新八とアイエフは、
新八・アイエフ「そんな都合の良い話があるかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
怒涛のツッコミを入れたのだった。
しかしその時であった。
ドゴォンと、巨大な爆発音が外から聞こえたのである。
一同が外に出ると、そこには巨大ロボが立っている。
更にその肩には、一人の女が立っていた。
七罪騎の一人、インヴィである。
インヴィ「フハハハハ! ようやく来たか、女神達よ!! 私は七罪騎の一人、嫉妬のインヴィ。 貴様等を始末する為、ここにやって来た」
新八「おいぃぃぃぃぃぃ! ホントに都合よく敵が来ちゃったよ!?」
ノワール「でも、此方からすれば好都合よ」
ブラン「ええ。 ここで倒しておけば」
ベール「敵の戦力を減らせるのですから」
ネプテューヌ「うん! 皆で行くよ!!」
プルルート「うん〜、頑張ろう〜」
そして女神達は、その場で変身したのだった。
パープルハート「いくわよ、皆。 準備は良い?」
ブラックハート「何時でも良いわよ」
ホワイトハート「ぎったぎたにしてやるぜ!」
グリーンハート「参りますわ」
パープルシスター「いこう、皆!」
ブラックシスター「私達の力、見せてあげるわ」
ホワートシスター(ラム)「ケチョンケチョンにしてあげるわ!」
ホワートシスター(ロム)「頑張ろう!」
アイリスハート「二度とは向かわないように、再教育してあげなくっちゃねぇ!!」
女神達の姿を見た一同は、驚きを隠せなかったが、
一同「(プルルート、一番変わり過ぎだろう!? 特に性格が)」
アイリスハートの変貌ぶりに、心の中でツッコミを入れたのだった。
特に銀時と土方は、
銀時・土方「(逃げてぇぇぇぇぇ! 敵さん、超逃げてぇぇぇぇぇぇぇぇ!!)」
本気で敵に同情したのだった。
戦闘態勢に入った一同であったが、まさにその時であった。
インヴィ「行け! アイアンX!!」
巨大ロボ『アイアンX』は、豪快に拳を叩き込んだ。
ドガァと地面が抉られ、全員が驚きを隠せなかった。
銀時「つうか、何で巨大ロボなんだよ!? ガ○ダムなのか!? マジ○ガーなのか!?」
新八「んなこと言ってる場合じゃないだろォォ!!」
そんな中、ジョルノがある事に気付く。
それはアイアンXの頭部にある青い半透明の部分。
何かの予感を感じ取り、すぐにミスタに叫んだ。
ジョルノ「ミスタ! 『ピストルズ』 であのロボットの頭部を調べてください!!」
ミスタ「分かった!!」
そう言ってミスタは弾を込めると、銃口を向け、
ミスタ「頼むぜ、お前等!!」
弾丸を発射させた。
同時に、弾丸に6人の小人のようなスタンドが乗っていた。
これがグイード・ミスタのスタンド『セックス・ピストルズ』。
能力は弾丸に取り付き、その軌道を変えること。
また、射程距離は弾丸が届くところまでなので、遠くに行く事も可能である。
因みにこの6人は一体ずつに額に数字が1〜7まで書かれているが、本体であるミスタのジンクスで『4』は存在しない。
7「行クゾォ!」
7最初に弾丸を蹴ると、弾丸は距離を伸ばし、
6「ドリャァ!」
5「ヤー!」
次に6、5と続き、弾丸はそのまま頭部へと届いた。
残りの『ピストルズ』が頭部の半透明の部分を確認する。
1「!?」
2「コ、コレッテ!?」
3「ハ、速クジョルノニ伝エナイト!!」
そう言って『ピストルズ』は全員、ミスタ達の元へと向かった。
ミスタ「お前等、どうだった?」
戻って来た『ピストルズ』であったが、1の口からとんでもない報告が出た。
1「大変ダ! アノ不透明ノ部分ノ中ニ、女ノ子ガ入ッテタ!! シカモ電極ミタイナヤツヲ、頭ニ付ケラレテタ!!」
それを聞いた一同であったが、ナルトは絶望を感じた顔になってしまう。
ナルト「まさか……ヒナタ!?」
その光景を見たインヴィは、高らかに笑った。
インヴィ「フハハハハハハハ!! そうだ! 私はこのアイアンXの機動する為に、異世界の力を使う事を考えた。 そしてこの娘には、そのモルモットになって貰ったのだ!」
そう、全てはインヴィの筋書き通りであった。
彼女の称号は『嫉妬』。
嫉妬は人間の醜悪な感情。
もっともドス黒い感情であり、『吐き気の催す邪悪』でもある。
ナルトは怒りが込み上がっていくが、彼の隣に当麻とジョルノとパープルハートが立つ。
当麻「お前はヒナタの『ヒーロー』だ。 決して死なせねぇよ」
パープルハート「貴方は、決して一人ではないわ」
ジョルノ「今から、僕等がチームだ」
遂に、彼等の反撃が始まった。
ミスタは弾丸をアイアンXの足元へと撃ちこむ。
インヴィ「バカめ! 何処に撃ちこんで―――!?」
嘲笑するインヴィであったが、地面から蔦が出現し、
ミスタ「うっしゃ! 上手くいったぜ!!」
アイアンXの足に絡みついたのである。
インヴィ「何ィ!?」
ミスタ「植物の根ってのはなぁ、アスファルトの地面を突き破る程の生命を持ってんだぜ? 知らねぇのか、マヌケ!!」
ジョルノ「これで、ロボットの動きは封じた」
『ゴールド・エクスペリエンス』の能力で、ミスタの弾丸に『生命』を与えていたジョルノ。
こうする事で、ミスタが放った弾丸が時間差で別の生命へと生まれ変わり、敵の動き封じになるのである。
一時的とはいえアイアンXの動きを封じたが、ここで問題が起きる。
どうやって乗り込むかであるが、
パープルハート「私は空を飛べるから問題は無いけど」
パープルハートがそう言うが、静雄がとんでもない事を言い出した。
静雄「俺が投げる」
最初にジョルノと当麻を抱えるが、
ミスタ「ジョルノ! コイツも持ってけ」
ミスタが弾丸を3発投げ渡し、ジョルノはすぐに受け取った。
ジョルノ「助かります、ミスタ」
ミスタ「2、5、6、お前等もサポートに回れ」
2「分カッタ」
静雄「じゃあ、いくぜ!」
そう言って静雄がジョルノと当麻を抱えると、
静雄「うおぉぉぉぉぉりやぁぁぁぁぁぁぁ!!」
そのまま二人を投げ飛ばすと、続けてナルトを投げ飛ばしたのだった。
投げ飛ばされた3人は、何とかアイアンXの肩に飛び乗った。
銀時「おいィィィィィ! 夜兎族の神楽以上の怪力がいやがった!?」
ブラックハート「一体、あの細身のどこからあんな怪力が!?」
流石の他のメンバーも、静雄の怪力に驚きを隠せなかった。
しかしその時だった。
暴「ぐおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
スタンド『デッド・オア・アライヴ』を発動させた暴が、背後から静雄を襲った。
ドガァと放たれた斧の一撃は、静雄を思いっきり吹き飛ばした。
吹き飛ばされた静雄は、そのまま遠くの建物へと激突したのだった。
ホワイトハート「静雄!!」
驚く一同であったが、暴がブラックハートに襲いかかった。
ブラックハート「はっ! しまった!!」
暴「グォォォォォォォォ!!」
反応が遅れ、彼女の頭上に暴の斧が振り下ろされた。
死ぬ――ブラックハートの脳裏には、この言葉だけが過ってしまう。
しかし、その時であった。
フーゴ「ノワール!」
フーゴが滑りこむように彼女の危機を救い、
フーゴ「『パープル・ヘイズ』!!」
その場で自身のスタンドを召喚した。
顔を覆った半透明のバイザーに、常に糸で縫われた口、そして紫の毒々しい姿。
その姿は、凶暴な野獣そのもの。
これがパンナコッタ・フーゴのスタンド『パープル・ヘイズ』である。
パープル・ヘイズ「ぐじゅるるるるる……」
口から涎を垂れ流す『パープル・ヘイズ』。
暴「グォォォォォ!!」
そんな彼に目もくれず、暴は再び襲いかかった。
ホワイトハート「マズイ! 助けに行くぞ!!」
ホワイトハートが駆けだそうとするが、ミスタがそれを制した。
ミスタ「やめとけ。 相手はナルトの大技を喰らってもピンピンするほどの奴なんだろ?」
ホワイトハート「だから助けに行くんだよ!! お前、フーゴを見捨てる気か!!」
怒鳴るホワイトハートであったが、ミスタはとんでもない事を言ったのである。
ミスタ「逆だよ。 この勝負、『パープル・ヘイズ』が出た時点で終わったぜ」
グリーンハート「どういう意味……なんですの?」
それに関して、ミスタは簡潔な説明をした。
ミスタ「いいか? 『パープル・ヘイズ』の拳には合計6つのカプセルが付いてんだ。 そいつが割れると、とんでもないモンが出てくる」
土方「とんでもないもの?」
全員が首を傾げるが、まさにその時であった。
暴「ウオォォォォォォォ!!」
暴が豪快に剣と斧を振るうが、フーゴはその一瞬の隙を見逃さなかった。
フーゴ「そこだ! いけ『パープル・ヘイズ』!!」
フーゴの合図に合わせるかのように、『パープル・ヘイズ』は拳を叩き込んだ。
しかしそれでも、暴の体にはダメージが全く無かった。
ゆっくりと起き上がる暴は、再び咆哮を上げた。
暴「グオォォォォォォ!」
しかし唯一の違いは、これは先程の怒涛による咆哮ではなく、
暴「ぐがぁぁぁぁぁぁぁ!?」
苦しみによるものであった。
それどころか彼の全身の皮膚が、溶けるように爛れ始めたのだ。
グリーンハート「な、何ですのアレは!?」
パープルシスター「暴の体が、崩れかけてます!」
ブラックハート「ちょっ!? 何なのアレ!?」
驚く一同に対し、ミスタは冷静に説明した。
ミスタ「殺人ウィルス……あれが『パープル・ヘイズ』の能力だ。 あの拳のカプセルには、感染者を約30秒で死に至らしめるウィルスが内包されてんだ」
それを聞いた瞬間、一同は背筋を凍らせた。
浜面「さ、殺人ウィルスぅぅぅぅぅぅ!?」
銀時「オイィィィィィ! なんつうとんでもねぇモンを備えてんのかよ!!」
ミスタ「あ、ウィルスは光には弱いぞ。 夜でも照明ライト程度の光なら、約10秒で殺菌されっから」
銀時「凶暴なウィルスの割に、弱点が照明ライトかよ!?」
新八「ツッコむところ違いますよ」
すると、ミスタがこんな補助説明をした。
ミスタ「因みにフーゴは12歳で大学に入れるほどの天才なんだけどな。 ただよ、性格に問題があってよ」
ブラクシスター「性格に? どっちかというと紳士的な感じよ?」
ミスタ「普段はな。 けど、一度ブチ切れるとアイツ自身でも何をしでかすか分からなくなる程の短気な部分があってな。 大学時代もその性格が災いして、担任の先公を百科事典でぶん殴るっていう暴力事件を起こして、退学処分になったんだよ」
それを聞いた全員が、驚きを隠せなかった。
ホワイトシスター(ロム)「ふ、フーゴさんって、そんなに怖い一面があるの?(ガクガクガク)」
美琴「し、信じられないわ」
ミスタ「だろうな。 因みに『パープル・ヘイズ』は、フーゴのその凶暴な性格を具現化させたようなスタンドだからな。 お前等も、あんまりフーゴを怒らせんなよ」
これを聞いた全員が思った。
全員「(それ、怖すぎだろう!?)」
一方でフーゴと暴の対決も、終盤に差し掛かった。
暴「ぐがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
ウィルスは全身に広まっていき、もはや戦いどころの問題ですらなくなった。
そんな暴に対し、フーゴは同情も慈悲もない。
嘗てのパンナコッタ・フーゴなら、己のスタンドの能力に恐怖を感じていた。
しかしある任務をキッカケに、彼は精神的に大きな成長を見せたのだった。
そして『パープル・ヘイズ』も、更なる姿『パープル・ヘイズ・ディストーション』へと進化した。
スタンドが成長した事により、あまりにも凶暴なためにウィルス同士が共食いを行うようになり、場合によっては感染者を死に至らしめる前にウイルスが先に死滅してしまうようになった。
そのため全力で攻撃するより手加減して攻撃した方が殺傷性が高いという奇妙な性質が備わるが、それにより抑制が効くようになった。
フーゴ「トドメだ! いけ、『パープル・ヘイズ』!!」
パープル・ヘイズ「ぐじゅるるるるる………」
『パープル・ヘイズ』の能力を知る者は、その凶暴性と恐ろしさを一言でこう述べている。
フーゴ「くたばりやがれ、この―――」
“獰猛”……爆発するかのように遅い、
フーゴ「腐れ脳ミソがァァァァァァ!!」
嵐のように立ち去る!!
パープル・ヘイズ「ぶあっしゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
両手の拳による豪快なラッシュが、暴に容赦なく襲いかかった。
暴「ぐがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
ドガァとトドメの一撃が決まり、暴の体は崩れ去ったのだった。
憤怒の暴は獰猛なスタンドの前に敗れ、そして命を落として消滅した。
この光景を見た一同は、心から思った。
“コイツが味方で、ホントに良かった”――と。
因みに引き飛ばされた静雄は、
静雄「いっ痛……何なんだよさっきのはよ!」
当たり前のように皆の前に戻って来た。
それを見た一同は、再び心から思った。
“コイツも味方で、ホントに良かった”――と。
TO BE CONTINUED