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超次元大戦 第十話:復活のアヌビス神・その@
作者:亀鳥虎龍   2015/02/11(水) 20:27公開   ID:Iagjyn7tR9w
 ジョルノの世界……通称『スタンド使いの世界』。

この世界のエジプトにあるナイル川。

デスハートはそこから一本の刀の切っ先を回収した。

デスハート「この程度の錆なら、すぐに修復できるな」

そう言って彼女は、再びゲイムギョウ界に戻ったのだった。







―第十話:復活のアヌビス神・その@―






???「あれぇ? 此処何処だ?」

30代後半でサングラスを掛けた男が、辺りを見渡していた。

彼は長谷川泰三。

銀時の住む世界――通称『侍の世界』の住人で、“るでメなッサン”の意味を込めて、『マダオ』のあだ名を付けられている。

ある日仕事探しをしていた時の事、

男(言いは儲け話があるよ)

スーツ姿の男にそう言われ、男に付いて行ったのだ。

すると、謎の装置の中に入れられ、現在に至ったのだった。

辺りを見渡すと、彼は森の中にいた。

暫く森の中を歩いていると、彼は一本の刀を拾った。

長谷川「何だこりゃ?」

手にとって拾うと、鞘から刀を抜いた。

その刀身は、とても妖しく美しい。

長谷川「綺麗な刀だな」

暫く見惚れていたのだが、まさにその時であった。

ドクン――と、長谷川の頭の中で『声』が聞こえたのだった。

長谷川「な、何だ!?」

???『私の名はアヌビス、冥府の神を暗示するスタンド。 長谷川よ、お前は私を抜いたのだ。 お前は私の“本体”だ、お前は私に選ばれたのだ』

声の主『アヌビス』が語っていくが、長谷川の背後に蜘蛛型モンスター『タランチュラ』が出現した。

タランチュラは膝を着く長谷川に襲いかかるが、まさにその時であった。

斬ッ!とタランチュラの体が真っ二つに切断されたのだった。

刀を鞘に納めた長谷川は、ゆっくりと立ち上がった。

サングラスの奥のその両目は、鋭い眼光となっていた。

アヌビス『さあ、長谷川よ! 奴等を斬れ! 女神達を斬れ! お前は剣の達人だ、誰にも負けん!!』







 ネプテューヌは現在、街の中を歩いていた。

特にギルドの仕事をしていたワケではない。

七罪騎の次の動きが未だにない為、パトロールに出かけていた。

――というのは口実で、実際はサボりたかっただけである。

暫く歩いていた彼女であったが、

ネプテューヌ「ん?」

突如、何かの気配を感じた――気がした。

気のせいだと思い、彼女は暫く歩いたのである。






 森まで歩いた瞬間、ネプテューヌは女神の姿に変身した。

パープルハート「出てきなさい、いるの分かってるのよ」

尾行を気付かれた相手は、堂々とその姿を見せた。

パープルハート「珍しいわね、あなたの様な正体を明かして現れる敵は。 名乗って貰おうかしら」

長谷川「名は、長谷川泰三。 アヌビスのカードを暗示するスタンド使いだ。 プラネテューヌの女神よ、その命貰い受ける」

パープルハート「フフッ、「命貰い受ける」ねぇ……。 ストレートで嫌いじゃないわ」

そう言ってパープルハートは、チャキリと剣を構える。

それを見た長谷川も、鞘から抜いた刀を構えた。

ダッ!と長谷川は地を蹴ると、真っ向から剣を振るった。

だが、ここでパープルハートは違和感を覚えた。

それは長谷川の剣技が、あまりにも素人に等しい動きだったのだ。

パープルハート「(何、この男の戦い方? 動きも構えも、まるで素人同然だわ。 でも、何かがおかしい!? ここは距離を取るしか――)」

長谷川が次の攻撃を仕掛ける前に、パープルハートは近くの木に隠れるように間合いを広げた。

しかし、その時だった。

ズバァッ!と剣が木を透過して、パープルハートの体を斬り裂いた。

ブシュゥと傷口からは血が溢れ出て来た。







パープルハート「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」

体が裂かれ、パープルハートは思わず叫んでしまった。

しかし服を良く見ると、裂かれた形跡が全く無かった。

裂かれたのは、完全に体の肉だけであった。

パープルハート「(き、木を透過して私の体を斬り裂いた!? 服には斬られた形跡がない!? まさか体だけを!?)」

長谷川のスタンドが“モノを透過させる能力”を持っていると考え、パープルハートは出来るだけ間合いを広げた。

パープルハート「さあ、来るなら来なさい! 女神に勝負を挑んだ事、後悔させてあげるわ!!」

彼女が構え、長谷川の次の攻撃を待っていた。

長谷川「クククククク……」

不気味に笑う長谷川に、パープルハートは冷や汗を掻いてしまう。

しかし、その時であった。

ドゴォと彼女の真後ろにあった木が、突然倒れて来たのだ。

否、長谷川が刀で斬ったのである。

パープルハート「な!?」

長谷川「バカめ! 透過するだけじゃあない!! 切断も可能なんだぜぇ!!」

倒れて行く木の勢いを利用し、トドメに入ろうとする長谷川。

長谷川「終わりだぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

絶体絶命と思われた、まさにその時だった。

パープルハート「はぁぁぁぁぁ!!」

パープルハートは倒れてきた木をバラバラに斬り裂き、

長谷川「何ィ!?」

パープルハート「クリティカルエッジ!!」

眼にも止まらぬ速さの剣技で、長谷川にダメージを負わせたのだった。

長谷川「ぐはっ……」

口から血が零れ、長谷川はそのまま地面へと倒れた。

地面に着地したパープルハートは、息を切らしながら呟いた。

パープルハート「ハァ……ハァ……危なかった……。 まさか、こんな敵がいたなんて」

流石に体力が疲労したが、パープルハートは長谷川を病院まで運んで行ったのだった。

彼が持っていた刀をその場に残したまま……。





 上条当麻の住む世界――通称『科学と魔術の世界』。

それは丁度夜の事であった。

神父服を纏った赤い髪の男と腰に刀を差した女性が、学園都市の街中を歩いていた。

男の名はステイル=マグヌス、彼女の名は神裂火織。

魔術組織『イギリス清教』の一員である。

二人は上司に当たる最大主教のローラ=スチュアートの命により、学園都市に潜む不審者を捕縛しに来たのである。

暫く歩いていると、二人は何者かの気配を察知した。

神裂「ステイル!」

ステイル「ああ!」

二人はすぐさま、その気配を辿っていき、

ステイル「ここのようだね」

神裂「そのようですね」

着いた場所は路地裏であった。

辺りを見渡していた二人であったが、まさにその時であった。

ステイル・神裂『!?』

先程の気配が、徐々に近づいてきていた。

そしてその気配の持ち主と、遂に対面したのだった。






 二人の前に現れたのは、なんと男だった。

しかし、ただの男ではなかった。

凍りつくような眼差し、黄金色の頭髪に透き通った白い肌。

そして、男とは思えぬ妖しい色気を漂わせていた。

男の顔を見た瞬間、二人は背筋が凍ってしまうような悪寒を感じた。

全てが闇に包まれ、知らぬ内にその身を引き裂かれそうな感覚に陥った。

例えるなら、胃の中の内容物が吐しゃ物として出てきそうな感覚。

更に例えるなら、常に喉元に刃を向けられたような感覚であった。

抵抗しようにも、体が恐怖で動く事が出来なかった。

そんな二人に向かって、男はゆっくりと語りかけた。

???「キミ達は、普通の人間にはない……特別な能力チカラを持っているようだねぇ? 一つ、私に見せてくれると嬉しいのだが……」

男の声を聞いた二人は、信じられない感覚に陥ってしまった。

彼の言葉を聞くと、なんと心が安らぐのだ。

『悪魔の囁き』という言葉がある。

己の行動が間違っていると考えてしまった人間の耳元で、別の自分の声が聞こえてしまう。

ステイルと神裂はまさに、悪魔の言葉に耳を傾けていたのだった。

ゆっくりと近付く男に対し、ステイルが取った行動は、

ステイル「見せてやる、その時はお前の最後になるがな!!」

手から発した炎で、男を焼き尽くそうとした。

しかし、まさにその時だった。

ドガァと彼は後ろの壁に激突していた。

ステイル「な!?」

突然の事にステイルは、頭の中が混乱していた。

攻撃を仕掛けたのは自分なのに、何故吹き飛ばされているんだと――。

神裂「ステイル!?」

突然の事に神裂も驚きを隠せなかったが、その時は既に男が近付いていた。

神裂「!?」

???「さぁ、キミはどんな能力チカラを持っているのかい?」

目が合った瞬間、神裂は地面に膝を着いてしまった。

世界で20人しかいない『聖人』の自分でも、目を見ただけですぐに分かった。

勝てる相手ではないと――。






 神裂火織の頭の中は混乱していた。

目の前の男から発する『途轍もない邪悪』。

それは自分では絶対に勝てないと――。

否、世界の全ての人間では太刀打ちできないと――。

ガタガタと身体の震えが止まらない。

神経にも脳髄にも伝わった恐怖で、涙をこぼしてしまった。

神裂「あ……あああああ…………あああ……」

まともに声が発する事出来ない程、恐怖が彼女を支配していた。

すると男は、そっと彼女の頬に手を添える。

その行動に、ビクッと驚いてしまった神裂。

しかし、男の口から出た言葉はこうだった。

???「怖がる事は無いのだよ、友達になろうじゃあないか?」

神裂「!?」

その言葉を聞いた神裂は、全ての思考を止めた。

心の底から安心感を得た彼女は、

神裂「私は、貴方様に従います」

遂に彼女は、完全に男の手に堕ちたのだった。







TO BE CONTINUED

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■作者からのメッセージ
 新たな敵に、遂に『彼』が登場!!

銀時「おい、もしかしてこいつは!?」

虎龍「秘密です」


登場人物たちの各世界に名称を付けておきました。

銀魂の世界→侍の世界

ジョジョの世界→スタンド使いの世界

とあるシリーズの世界→科学と魔術の世界

NARUTOの世界→忍の世界

デュラララ!!の世界→カラーギャングの世界
テキストサイズ:7150

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