一つだけ暗闇に照らされた小さな光。
その中で椅子に腰かけていた銀時は、こんな事を語りかけてきた。
銀時「「俺、今年のバレンタインは一個しか貰えなかった。 お母さんから」とか、「勝った。 俺は2個貰った、お母さんと姉ちゃんから」とか、ウキウキしながら不幸自慢大会しているやつ。 来年からお前達死刑!」
そんな彼の背後では、そういう話をする男子高校生の光景が映っていた。
銀時「そんなどうでもいいプチ自慢大会、もうとっくの昔に終わってんだよ! そんなことしなくても、お前等には来年も貰える事はねぇんだよ! うんざりなんだよ! そんな話は聞き飽きたんだよ! 次にそんな話した奴等、来年から全員死刑だ! ファイナルアンサー?」
この様子を偶然見ていたネプテューヌは、
ネプテューヌ「(何これ?)」
本気でそう思ったのだった。
―第十二話:聖人VS仙人―
2月14日はバレンタイン。
女の子が、好きな男の子にチョコを渡す日である。
ジョルノ「……銀時、新八。 イメチェンでもしたんですか?」
ジョルノは真顔で、銀時と新八にそう言った。
銀時「そう? 俺ァ、別にそんな気はしてねぇけど?」
新八「そうですよジョルノさん。 別にそんな事は無いですよ?」
ジョルノ「…………」
何故ジョルノがそんな事を言ったのかというと、今の二人は何故かホスト風の派手なスーツ姿になっていたのである。
明らかにこれは、バレンタインでチョコを貰いたいというアピールである。
今の二人の姿に、心から呆れるしかなかったジョルノ。
そんな中二人はというと、
銀時・新八「それじゃ、パトロールに行ってきます」
そう言って外へ出たのだった。
因みに銀時はインヴィとの戦いの後、プルルートと供にプラネテューヌに移住する事となった。
二人が出て行った後、イストワールはこんな事を聞いた。
イストワール「ところでジョルノさんは、バレンタインにチョコレートを貰った事はありますか?」
ジョルノ「ん〜……記憶にないですが、前に学校の靴箱の中に何個か入ってた事がありましたよ。 後は机の中に入ってたとか、直接渡された事も……」
イストワール「く、靴箱に入れるなんて、随分と古典的な事をする方もいるんですね!?」
ジョースターの血統であるジョルノは、女子にはかなりモテるのである。
ジョルノ「そういえば、こっちでもラステイションやグリーンボックスの教祖の女性方から送られてますよ?」
イストワール「各国の教祖からですか!? 凄過ぎますよ!?」
この時イストワールは、各国の教祖からも支持を受けているジョルノに驚きを受けていた。
パトロール(という名のチョコをくれる人探し)をしていた銀時と新八。
銀時「いねぇな」
新八「いませんね」
恐らく、このエピソードを読んでいる読者も思っているだろう。
“そんな都合のいい話があるか!”と。
???「あの……」
すると、一人の女性が歩み寄って来たのである。
長身でポニーテールに纏めた黒い髪、腰には刀を差したスタイル抜群の女性。
片足が切り取られたGパンに裾が結ばれたTシャツと、左右非対称とも言えるその格好に、
銀時・新八「(うおっ! エロッ!!)」
本気でそう思ったのだった。
女性「すみません、この国の教会に行きたいのですが」
銀時・新八「はい、お任せ下さい!!」
こうして二人は、女性を教会へと連れて行ったのだった。
プラネテューヌからラステイションに戻る途中だったジョルノは、
ジョルノ「………」
街中を見渡していた。
何かがおかしい――、嫌な予感を感じた彼であったが、
???「人避けの結界を張っておいたんだ」
突然の声に、すぐさま振り返る。
???「やあ」
そこには、顔に刺青のある神父姿の男がいた。
ジョルノ「新手の刺客……という事か?」
???「そう言う事だ」
ジョルノ「アンタ、誰だ?」
その問いに対して、男はこう名乗ったのだった。
ステイル「ステイル=マグヌスと名乗りたいところだけど、ここは『Fortis931』と名乗っておこうかな?」
ジョルノ「どういう意味だ?」
ステイル「強いて言うなら――」
その瞬間、彼の手から炎が出現し、
ステイル「殺し名だよ」
ズバァとジョルノに向かって振り下ろしたのだった。
突然の攻撃だった為、ジョルノは紙一重でかわした。
ジョルノ「ぐっ!」
ステイル「ふぅん、やるじゃないか」
ジョルノ「(何だ、あの炎は!? あと数秒ほど遅れていたら、全身を焼かれていた)」
そう思いながらも、ジョルノは少しでも距離を取ろうと考えた。
ステイル「逃がすと思うかい?」
しかしステイルの背後から、とんでもないモノが出現したのである。
ステイル「いけ、『
魔女狩りの王』」
全身が炎と化した巨人『
魔女狩りの王』が、ここに降臨された。
「ゴォォォォォォ!」
咆哮と供に、『
魔女狩りの王』はジョルノに襲いかかる。
振り下ろされた一撃は、相当な破壊力を持っていた。
ジョルノ「(マズイ! まともに喰らったら、火傷だけじゃあ済まされない!!)」
スタンド使いではない“生粋の魔術師”と戦いに、ジョルノは初めて苦戦を強いられた。
そんな中、ステイルの口から、とんでもない言葉が出て来たのである。
ステイル「それにしても、DIO様も何を考えなんだろうね。 キミみたいな奴を始末しろって」
その言葉を聞いたジョルノは、驚きを隠せなくなったのだった。
ジョルノ「DIO……だと……!?」
ステイル「そうだ。 僕は人間だが、あの方に忠誠を誓った。 だからキミを殺す。 ああ、お仲間の事は心配しないでくれ。 キミを始末した後、すぐに後を追わせてあげるから」
自分を殺した後に、仲間を殺す。
ステイルからその言葉を聞いたジョルノは、先程とは違う目付きを見せた。
ラステイションの協力者としてはなく、パッショーネのボスとしての『覚悟』を持った目になったのだ。
ジョルノ「このジョルノ・ジョバァーナは、ギャングとして様々な戦いを経験している。 だから、その中にある……吐き気の催す邪悪を知っている!!」
キッとステイルを睨みながら、彼は『吐き気の催す邪悪』が何であると叫んだ。
ジョルノ「“悪”とは! 何も知らぬ無知なる者を! 己の利益の為だけに利用する事だ!! 貴様は今、この状況を知らない僕の仲間を、殺すと口にした!! 貴様の能力は、被害者にも法律にも裁く事が出来ない! だから、僕が裁く!!」
それを聞いたステイルは、笑い飛ばすように返した。
ステイル「悪? それは違うな。 悪とは“罪を犯した者”、正義とはそれを“罰する者”。 過程は問題じゃあない、DIO様に逆らう者全てが“悪”だ!! いけ、『
魔女狩りの王』!!」
襲いかかる『
魔女狩りの王』に対し、
ジョルノ「何、“罪を犯した者が悪”? それじゃあ、やっぱり! お前の方だぁ!!」
なんとジョルノは、その中へと飛び込み、そのままステイルの方へと近づいたのだった。
ステイル「何ぃ!? 『
魔女狩りの王』の炎を潜りぬけただとぉ!?」
驚くステイルであったが、『ゴールド・エクスペリエンス』の手が彼の首を掴んだ。
がっしりと掴まれたステイルは、抵抗を試みるが、
ジョルノ「無駄ァ!」
それよりも速く、『ゴールド・E』の拳が顔面を直撃し、そのまま連打が叩きこまれた。
ジョルノ「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァ! 裁くのは、僕のスタンドだぁーーーー!!」
ステイル「ぐあああああああああああああ!!」
トドメの一撃と供に、ステイルは吹き飛ばされてしまった。
ステイル「な、なんて……強さ………だ………」
ジョルノの強さを思い知り、彼はその場で気絶したのだった。
彼に歩み寄ったジョルノは、ゆっくりと腰を下ろすと、
ジョルノ「(しかし、何故彼はその名を知っていたんだ―――ん?)」
彼の額に何かを見つけ、ゆっくりと髪を掻き分ける。
そこには、グジュグジュと蜘蛛の様な肉片が動いていた。
ジョルノ「まさか……これは!?」
銀時と新八は、女性をプラネテューヌまで案内する。
銀時「さあさあ、こちらですよお嬢さん」
新八「足元に気を付けて下さい」
無駄に気障な雰囲気を出している。
ハッキリ言って、超うざい!
すると、ナルトと静雄が現れた。
ナルト「よう、銀ちゃん」
静雄「お前等……何してんだよ?」
銀時と新八の気障っプリに、二人は呆れて次の台詞が出なかった。
しかし、その時であった。
ナルト「!?」
ナルトが辺りの異変に気付いたのである。
神裂「人避けの結界は、既に張っていますから」
その瞬間、彼女が腰の刀を構えたのである。
神裂「七閃」
地面を引き裂く、無数の斬撃。
ナルト「うおっ!」
静雄「ちっ!」
ナルトと静雄は反射的に避けたが、
銀時・新八「うおぉおおお!?」
銀時と新八はビックリして尻餅をついてしまった。
銀時「テメェ! 侍ならワイヤーじゃなくて刀使え!!」
神裂「……七閃の正体に気付いたようですね」
得意技の正体を見抜いた銀時に、神裂は表情を変えずに構えるが、
静雄「おい……」
顔の血管が浮き出るほどキレていた静雄は、自販機に手を添えていた。
静雄「俺は女を殴る趣味はねぇ……だがな、そんなもん振りまわすってんなら、テメーが潰される覚悟は出来てんだろうなぁぁぁぁぁ!!」
そして自販機を持ち上げると、その場で投げたのだった。
神裂「!?」
驚いた神裂であったが、すぐさま刀で自販機を両断した。
しかし同時に、ナルトが接近して、
ナルト「螺旋丸!」
懐に螺旋丸を叩き込んだ。
乱回転した螺旋の弾丸を喰らい、神裂は勢いよく吹き飛ばされた。
後ろの外壁が半壊するほどの威力で吹き飛んだ神裂であったが、ムクリと立ち上がった。
シャツの腹部が破け、腹部に赤い螺旋状の傷が出来ていた。
神裂「まさか、これ程とは……やりますね」
ナルト「全然効いてねぇ気が」
顔を引きつってしまったナルトであった、
ナルト「仕方ねぇ、アレを使うしかねぇな」
そう言ってある手を思いついたが、静雄が隣りに現れる。
静雄「何か方法があったのか?」
ナルト「ああ。 ただ、条件満たすに時間が掛かっけど」
静雄「んじゃ、それまで俺が時間稼ぎをしてくらぁ」
そう言って静雄は、サングラスを胸ポケットに仕舞い込んだ。
ナルト「んじゃ、頼むってばよ」
そう言ってナルトは、座禅を組んだのであった。
彼に背を向けた静雄は、軽く肩を回すと、
静雄「さぁて、行くぞゴラァ!!」
そのまま神裂へと突進した。
神裂は刀を構え、何時でも攻撃る体勢に入る。
静雄は地を蹴り、拳を強く握り締め、
静雄「オラァァァァァァ!!」
ストレートでパンチを叩き込んだのだった。
しかし、神裂はそれをも避け、
神裂「そこ!」
すれ違い様、抜刀からの一閃を彼に放った。
静雄「いっつ!!」
神裂「!?」
しかし、刃物が5mmしか刺さらない静雄にはあまり効果は無く、
神裂「(バカな!? 深く斬ったつもりだったのに、大して斬れていない!?)」
一撃で倒せなかった事に驚く神裂であった。
静雄「こんのぉ!!」
遠心力を活かした回し蹴りを放った静雄であるが、神裂はすぐさまそれを回避した。
しかし静雄の猛攻は止まらない。
例えるなら、獲物を狩る為に全力を出す獣である。
『聖人』である彼女にとって、刀が通用せず、自分と渡り合える人物がいただろうか?
すると静雄は、その場に会った乗用車に近付くと、それを蹴り上げ、
静雄「ッラァ!!」
そのままサッカーボールのように、神裂へと蹴り飛ばしたのだった。
これには流石の神裂も、すぐさま車体を両断するしかなかった。
静雄「クソッ!」
神裂「くっ!」
攻撃を避けられる静雄は苛立ちを覚えるが、神裂の場合は、
神裂「(刀が通じない……自販機を投げ飛ばす……乗用車を蹴り飛ばす……一体、あの細身のどこにそんなデタラメな強さが!?)」
本能で静雄は危険な相手だと判断した。
互いに戦闘態勢に入った二人であったが、まさにその時であった。
ナルト「サンキューな、バーテンの兄ちゃん」
静雄に背を向けるように、ナルトが前に立った。
その目には朱い隈取が浮かび出て、瞳は蛙にように黄色であった。
ナルトのもう一つの奥の手『仙人モード』である。
ナルト「待たせちまったな。 こっからは俺が相手だってばよ」
ようやくかという顔をした静雄は、サングラスを掛けると、
静雄「んじゃ、銀さんと新八のとこに行ってくるわ」
ナルト「ああ、任せろってばよ」
静雄が離脱した事を確認したナルトは、
ナルト「そんじゃ、暴れるぜぇ!」
そのまま神裂に突進したのだった。
仙人と聖人、今までにない戦いが始まったのだった。
ナルトは跳び上がると同時に蹴りを叩き込むが、神裂はそれを防ぐと、
神裂「七閃!」
ワイヤーによる中距離戦に入った。
ナルト「くっ!」
ナルト自身は肩を斬られた程度であった為、大したダメージを受けなかった。
ナルト「影分身の術!」
影分身3体出現させ、左右前後に攻撃するが、
神裂「無駄です」
神裂の常識外れの強さに前に、圧倒されてしまった。
ナルト「ぐっ!」
吹き飛ばされたナルトは仙人モードが解けてしまう。
戦って1分も経たず、一気に劣勢を強いられてしまった。
神裂「あの青年と違い、貴方の戦いは読みやすい。 すぐに終わらせます」
再び構えを取る神裂であったが、ナルトは再び立ち上がる。
しかし、次の打対策を考えるのに精一杯であった。
ナルト「(くそっ! どうすればいいんだ!!)」
すると、ナルトの頭の中で声が聞こえた。
???『考え事なんざ、お前らしくねぇぞナルト!』
ナルト「!?」
それはナルトの中に封じられた尾獣、『九尾の妖狐』の
九喇嘛であった。
九喇嘛『あの女はお前の強さを甘く見てる。 お前はお前らしい戦い方で勝てばいいんだよ』
ニィと笑う九喇嘛の言葉に、ナルトも小さく笑う。
ナルト『ああ、ありがとな』
九喇嘛『やっと元気になったか。 んじゃ、思う存分に暴れてやれ』
九喇嘛の言葉がキッカケになり、
ナルト「ハアアァァァァァァァァァァァァァァ!!」
己の中にある、ありったけのチャクラを練り込んだ。
ありったけのチャクラを練ったナルトは、
ナルト「多重影分身の術!!」
神裂「!?」
神裂を驚愕させるほどの、一万人以上の影分身を出現させたのだった。
ナルト「待たせちまったな! こっからが、うずまきナルト忍法帳の始まりだぜ!!」
神裂「(な、なんて分身の数!? あの青年、こんな奥の手を隠してたなんて!?)」
流石の神裂も、複数の分身を相手にするのは骨が折れてしまう。
ナルト「いっくぜぇぇぇぇぇぇ!!」
本体の合図とともに、分身達は一斉に飛び掛かった。
分身A「う!」
分身B「ず!」
分身C「ま!」
分身D「き!」
影分身4人が蹴り上げると、残りの分身達が一斉攻撃を放った。
ナルト「ナルト一帯連弾!!」
神裂「ぐあっ!」
これにより、神裂は地面に叩きつけられる。
だが、これで終わりではなかった。
ナルト「まだまだぁ!!」
仙人モードとなったナルトと影分身達は、手に螺旋丸を構え、
ナルト「仙法・超大玉螺旋多連丸!!」
影分身&仙術による、螺旋丸の一斉攻撃が放たれたのだった。
神裂「ぐあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
静雄との戦いでの疲労が災いし、避ける事も出来ず、神裂はその場で倒されたのだった。
その後、ナルトと静雄は神裂を病院に運ぶと、ジョルノと合流する事になった。
病室にて、医者に診て貰うと、
医者「こりゃ、とんでもないモンが埋め込まれているね」
そう言って神裂の額を大きく見せると、額には蜘蛛の様な肉片が付いていた。
ナルト「な、なんだってばよ、コイツは!?」
静雄「!?」
驚くナルトと静雄であったが、ジョルノはこの肉片の事をこう呼んだ。
ジョルノ「『肉の芽』……」
ナルト「肉の芽?」
ジョルノ「ええ。 『DIO』という男の細胞から作られたものです。 これが脳に突き刺す事で刺激され、DIOに対してカリスマに対するそれのような憧れの感情を抱くようになり、忠実に従う部下と化す。 所謂、洗脳コントローラーです」
ナルト「の、脳に直接刺さってんのかよ!?」
ジョルノ「そして数年後には、脳を食いつくされて命を落とす」
厄介なものが彼女の脳に刺さっていると知ったナルトや静雄は、背筋が凍りついてしまう。
ナルト「じゃあ、この姉ちゃんを助ける事はできねぇのかよ!?」
まさに打つ
術がない。
そう思ったが、ジョルノがとんでもない事を言ったのだった。
ジョルノ「いや、まだ方法はある!」
『ゴールド・エクスペリエンス』を出現させると、神裂の頭部を抑え込んだ。
ジョルノ「僕のスタンドで引っこ抜く!」
ナルト「ジョルノ!?」
ジョルノ「騒がないでください、彼女の脳に傷一つ付けずに引き抜く」
『ゴールド・E』が摘まんだ瞬間、肉の芽が触手をジョルノの手に突き刺した。
それどころか、このまま彼の脳へと侵入し始めた。
その最中に、神裂が目覚める。
神裂「な、何……を!?」
ジョルノ「動かないでくださいね? 動けばアナタの脳はお陀仏だ」
触手は遂に、ジョルノの顔まで這い上がっていく。
しかしジョルノは動じなかった。
体内を侵入されているにも関わらず、冷静さを失わず、スタンドも徐々に肉の芽を引き抜いていく。
そして、無事に肉の芽が神裂の脳から取り除かれ、
ゴールド・E「URYYYYYY!!」
触手もすぐさま引っ張り出され、日光が差しかかった外へと放りこまれた。
肉の芽はその場で消滅し、神裂も大事には至らなかった。
ジョルノ「ふぅ……」
背を向けるジョルノであったが、
神裂「な、何故です!? あの貴方は、自分の身を危険に晒してまで、私を助けようと!?」
神裂からそんな問いに、彼は肩をくすめながらこう言った。
ジョルノ「さあ、僕も何故か助けたくなったんだ」
扉を開けたジョルノは、サラッとこんな事を言った。
ジョルノ「あ、そうそう。 アナタと同じ状況に陥った神父さんがいますので、彼と同じ部屋にしときますね」
その頃、アンデットゾーンの何処かの屋敷では、
???「初めてこの写真を見たとき……この男だけは他とは違うと感じた。 このDIOに近いようでもあり、遠いようでもあると……そして部下に調べさせ、遂に知った。 この男から感じた『運命』を!!」
彼は一度眺めていたジョルノの写真を机に投げ捨てると、階段を登っていく。
DIO「良いだろう、ジョルノ・ジョバァーナ! 我が息子よ! 我が血を引くジョースターの血統よ! 貴様は、貴様だけは、このDIOが必ず叩き潰す。 この宿命、必ずや取り除かなければならん。 既に、手は打った」
そう言い残し、『DIO』は闇の中へと消えて行く。
デスハートによって甦った邪悪の化身。
世界の王を目論む、悪のカリスマ。
多くの悪人達から狂信された、悪の救世主。
ジョルノの実父にして、ジョースターの宿敵。
黄金の精神を持つジョルノとは対極の、漆黒の邪悪。
最強最悪のスタンド使いが、このゲイムギョウ界に甦った。
TO BE CONTINUED
〜オマケ〜
その夜、銀時と新八は落ち込んでいた。
銀時「はぁ、結局チョコは貰えなかったぜ」
新八「僕もです」
すると、静雄はチョコを口に運んでいるのが見えた。
新八「え、静雄さん!?」
銀時「おまっ! そのチョコどうした!?」
その問いに静雄は、普通に答えた。
静雄「ん? ブランから、何時も妹の相手をしてくれてる礼だとか言ってよ。 そこまでする必要はねぇとは思うけどよ、貰わねぇと悪いしな」
それを聞いた二人は、稲妻が落ちるほどの衝撃を受ける。
考えたら静雄は、あのデタラメな強さを除けば漢気が溢れる優しい性格の持ち主。
彼に好意を寄せない女がいない筈がない。
銀時・新八「(そういやコイツ、イケメンじゃあねぇかぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!)」
すると、今度はナルトが通りかかった。
ナルト「何してんだってばよ?」
銀時「なあ、ナルト。 オメェ、誰かからチョコ貰ったか?」
その問いにナルトは、頬を赤らめながら答えた。
ナルト「あ、ああ。 貰ったってばよ、ヒナタから/////」
それを聞いた二人は、再び稲妻が落ちるような衝撃を受ける。
銀時・新八「(そうだったぁぁぁぁぁぁぁぁ! コイツ、
恋人がいたんだったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!)」
無理にイメチェンして、チョコを貰おうと目論んだ万事屋のマダオ二人は、精神的な意味で完全に敗北したのだった。
チャンチャン♪