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超次元大戦 第十六話:暴食の騎乗兵と皇帝の銃使いその@
作者:亀鳥虎龍   2015/02/25(水) 00:19公開   ID:g7U0m7NehaA
〜3年Z組 銀八先生〜

銀八「お〜い、ちょっと教科書閉じろ」

銀八はそう言うと、親指で美琴を指す。

銀八「実は今朝、御坂の縦笛が盗まれた。 犯人は他のクラスにいるかもしれないが、面倒なんでウチのクラスで済ませようと思う」

しかし、教室は沈黙であった。

銀八「盗んだ奴は正直に手を挙げろ。 嘘でもいいぞ。 今なら御坂も、ケツに縦笛突っ込んで、ジョジョの奇妙な冒険の第1部のアニメ主題歌『ジョジョ〜その血の運命さだめ〜』を1コーラス演奏してくれたら許してくれるってよ」

それを聞いた当麻が、真っ先に抗議した。

当麻「先生、そんなことされたら俺等、ケツに縦笛突っ込む運命さだめを受ける事になります。 第3部の前期主題歌『STAND PROUD』にしてください。 もしくはエジプト編の主題歌『ジョジョ その血の記憶〜end of THE WORLD〜』でお願いします」

銀八「わーったよ。 んじゃ、間を取って第2部の主題歌『BLOODY STREAM』にする」

近藤「先生、それはどう見たって先生と第2部のジョセフが同じ声優さんだからって理由でしょ? てか縦笛で吹けんの?」

近藤の疑問に対し、銀八は頭を掻く。

銀八「しょーがねぇな。 誰か笛貸せ、俺が吹くから」

神楽「先生、私のどうぞ。 壊れてファの音しか出ないけど」

そう言って神楽が、机から縦笛――ではなくちくわを取り出す。

銀八「壊れてるのは、お前の頭だ」

これに対し、銀八は冷淡なツッコミをする。

銀八「おい、誰か笛貸せ。 出来れば女子」

煙草を咥えた口から煙を吐く銀八に対し、女子生徒がすぐに反対した。

女子「嫌です」

女子「タバコ臭くなるから」

するとその時であった。

黒子「話は聞きましたわ!!」

突然、中等部の白井黒子が現れた。

銀八「おい、どこから話聞いてた?」

そんな銀八のツッコミをスルーし、黒子は自身の縦笛を取り出す。

黒子「お姉様の縦笛を盗んだ犯人をブチのめす為なら、わたくしも全力で協力いたしますわ。 さあ、先生。 わたくしの笛を使って下さい。 大丈夫ですわ、わたくし2本持ってますので」

それを聞いた銀八は、すぐさま彼女の傍に近寄る。

銀八「……何で、2本も持ってんだ?」

黒子「………はっ!」

“犯人は現場に戻る”という言葉は聞いた事はあるが、その犯人が間抜けすぎだった。

美琴「うふふふ……」

笑顔であるが、逆に恐ろしさを窺わせる美琴。

彼女の手にある縦笛が、一瞬だけキランと光ったように見えた。

黒子「え!? お姉様!? マジでやる気ですの!? ちょっと、お待ちくだ――」

抵抗も虚しく、黒子のお尻に縦笛がブスリと刺さった。

黒子「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

その光景を眺めながら、浜面は小さく呟いた。

浜面「……後で保健室に行こう」





















―第十六話:暴食の騎乗兵と皇帝の銃使いその@―

















???「ぷはぁ〜……満腹♪」

青い髪をなびかせた女が、ペロリと唇を舐める。

???「随分と食べるんだな、暴食の姐さん」

西部劇のガンマン風の男が、煙草を咥えながらそう言った。

???「聞かなかったから言わなかったけど、私の能力は燃費が悪いの。 だから沢山食べないと本領が発揮できないの♪」

椅子から立ち上がった女は、持参のバイクに跨る。

???「んじゃ、行きましょうか? ホル、準備は?」

名前を呼ばれた男は、小さく笑った。

???「へいへい。 何時でもいいですよ、ファーメの姐さん。 アンタの『騎乗兵』のスタンド『ワイルドハーツ』と、俺の『皇帝』のスタンド『エンペラー』がいりゃな」

七罪騎の一人『ファーメ』と、ジョルノと世界のスタンド使い『ホル・ホース』。

遂に二人のスタンド使いが、動き出したのだった。


















 椅子に腰掛け、ジョルノは深く考えていた。

ジョルノ「(七罪騎は3人も撃破した………。 残るは4人……彼等の能力が『七つの大罪』に因んだモノなら……残るは4人)」

彼は考えた。

七罪騎、デスハートに使える7人のスタンド使い。

彼等のスタンドがもし、キリスト用語の『七つの大罪』に基づいているのなら、残りは4人となる筈だと。

七つの大罪……キリスト教で、最も重いとされる『罪の源』で、これらは七つ存在する。

傲慢、色欲、暴食、憤怒、怠惰、嫉妬、強欲。

その内の3つである『色欲』、『嫉妬』、『憤怒』の罪を露わすスタンド使いは撃破した。

そして残りは『暴食』、『強欲』、『怠惰』、『傲慢』の4つになる。

ジョルノは思った。

ジョルノ「(向こうも動き出す筈だ。 DIOもまた、何かしらの策を練って来る筈だ)」

しかし、彼等は知らなかった。

この予感が、当たってしまうという事を……。

















 土方は暇を持て余す為、街を歩いていた。

特に変わりないと思っていたが、まさにその時であった。

土方「!?」

前方から気配を感じ取り、すぐさま警戒する。

その前方には、西部劇のガンマン風の格好をした男が立っていた。

土方「ほう…堂々と現れるたぁ、随分と肝っ玉のデケェじゃねぁか」

そんな彼に対し、彼――ホル・ホースは小さく笑う。

ホル・ホース「“銃は剣よりも強し”……ん〜、名言だなこりゃ」

土方「あぁ!?」

ホル・ホース「俺の名はホル・ホース、DIO様からアンタ等を始末するように頼まれたんだ」

それを聞いた土方は、何時でも刀を抜ける体勢に入った。

土方「話が分かる奴で助かったぜ。 来いよ、自慢のスタンドとやらを見せな」

ホル・ホース「そう急かすなよ。 戦う前に、俺のスタンドを教えておいてやるぜ」

そう言うとホル・ホースは、右手で指鉄砲を作る。

ホル・ホース「“銃は剣よりも強し”! ん〜、名言だなこりゃ」

土方「はぁ? だから、どういう意味だそりゃ?」

ホル・ホース「つまりだな、俺のスタンドは『ハジキ』だ。 だからあんさんの剣じゃ、俺を倒す事は出来んぜ?」

自身のスタンドの特性を教えたホル・ホースに対し、

土方「ナニィ? だぁ〜?」

土方はわざと聞こえなかったフリをした。

その後二人は、

土方「クハハハハハハハ……」

ホル・ホース「アヒヒヒヒヒヒ……」

土方・ホル・ホース「ワーハハハハハハハハ……」

空に響く程の大笑いをするのだった。

















土方・ホル・ホース「ワーハハハハハハハハ……」

暫く笑っていた二人であったが、

土方・ホル・ホース「野郎! ぶっ殺す!!」

目付きが変わり、戦闘体勢に入ったのだった。

ホル・ホース「甘く見たな、土方十四郎!」

するとホル・ホースの手から、メギャン――と一丁の拳銃が出現した。

これが彼のスタンド『皇帝エンペラー』である。

ホル・ホース「やはり、テメェの負けだぁ!!」

銃口から放たれた弾丸は、真っ先に土方へと飛んで行く。

それを見た土方は、すぐさま刀を抜いた。

土方「(へっ、何が“銃は剣よりも強し”だ! この程度の弾丸、容易く弾いて―――)」

銃を使うテロリストを相手にしていた経験もある土方にとって、弾丸を弾く事などは動作も無かった。

但し、普通の弾丸であればの話である。

見た目は銃でも、『皇帝エンペラー』はスタンド。

そして今、土方はそれを侮った。

刀身が当たる寸前、ポワンと弾丸が軌道を変えたのだ。

土方「何ぃ!?」

そして弾丸は、ドン――と土方の右足に命中した。

















土方「ぐっ!」

撃たれた右足を抑えながらも、土方は必死に立っていた。

そんな彼に対し、ホル・ホースは小さく笑う。

ホル・ホース「フン。 弾丸だって、スタンドなんだぜぇ。 そこを見落とした、あんさんの命取りよ」

痛みに耐えながらも、土方は戦う意志を見せる。

土方「まだだ。 まだ俺は負けてねぇ!!」

しかしその時であった。

ドン――と、銃声が彼の後ろから聞こえた。

土方「え?」

貫通された腹部からは、血が溢れ出ている。

後ろを振り返ると、深紅のライダースーツに身を包んだ女が、銃を手にしていた。

土方「テメェ……仲間が……いやが……った……の……か………よ」

膝が地面に着き、土方はその場で倒れてしまう。

ホル・ホース「悪いな。 俺は一度も「一人で来ました」なんて言ってねぇぜ。 ついでに言っておくが、俺のスタンドは暗殺向きなんだ。 誰かとコンビを組む事で、初めて真価を発揮する。 『一番より2』、それがこのホル・ホースの人生哲学だ。 文句あるか?」

土方「ち……ちく……しょう………」

そして、土方の意識はその場で途切れたのだった。

















TO BE CONTINUED














〜オマケ〜

 パンナコッタ・フーゴのスタンド『パープル・ヘイズ』。

殺人ウィルスを内包したカプセルを、両手の拳に宿したスタンド。

その能力の恐ろしさから、『獰猛』の呼び名を持つスタンドである。

そんな彼であるが、意外な一面がある。

パープル・ヘイズ「!」

足に着いた汚れに気付いて、すぐさま拭き取っているのだが、

パープル・ヘイズ「!?」

涎で更に汚れてしまい、すぐさま拭き取ろうとする。

そう、『パープル・ヘイズ』は綺麗好きなのである――のだが、

フーゴ「知能が獣並みなんだよ、アイツ」

ノワール「ダメじゃん!!」

チャンチャン♪

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■作者からのメッセージ
 七罪騎から、『暴食の騎乗兵』のファーメが登場です。

因みに『ファーメ』とは、イタリア語で『空腹』という意味だそうです。
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