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超次元大戦 第十七話:暴食の騎乗兵と皇帝の銃使いそのA
作者:亀鳥虎龍   2015/02/28(土) 23:10公開   ID:.T.XHKIbJ8o
 地面が血で真っ赤に染まり、土方の意識は朦朧としていた。

土方「(くそっ……意識が遠く感じまう)」

そんな彼に対し、ホル・ホースは『皇帝エンペラー』の銃口を向ける。

ホロ・ホース「じゃあな」

バンと弾丸は放たれ、彼へと向かっていく。

しかし、その時であった。

別の弾丸が放たれ、そのまま『皇帝エンペラー』の弾丸とぶつかった。

ホル・ホース「!?」

驚くホル・ホースであったが、弾丸の放たれた方へと顔を向ける。

そこにいたのは――、

ミスタ「ったく、買出しの途中でこうなるたぁよぉ……」

スタンド『セックスピストルズ』を出現させたミスタが、

ミスタ「銃が相手なら、俺の『ピストルズ』が向いてるぜ!」

銃を構えて立っていた。







―第十七話:暴食の騎乗兵と皇帝の銃使いそのA−







 プッ、と地面に吐き捨てた煙草を踏みつけるホル・ホース。

ホル・ホース「驚いたな……俺の弾丸を弾いたたぁ、相当な腕前のようだな」

ミスタ「そいつぁ、どうも」

そんな彼への警戒を緩めないミスタ。

すると、ミスタの後ろからジョルノとコンパとアイエフが現れる。

ジョルノ「ミスタ」

ミスタ「気ぃ付けろ、ジョルノ。 あの二人が敵だ。 そばに土方がいる」

土方のそばにいるホル・ホース、二人から少し離れたファーメ。

しかしジョルノは、ミスタにボソリと呟いた。

ジョルノ「時間稼ぎ、お願いできますか」

ミスタ「ああ、任せろ」

このやり取りが終わった直後、ミスタは弾丸を放った。






1「ヤロー共ォ! 狙エぇ!!」

1の合図と共に、『ピストルズ』に蹴り飛ばされた弾丸は速度を上げた。

ホル・ホース「ほう、弾丸に憑り付くスタンドか。 面白ぇ!」

ホル・ホースが構えた瞬間、

「きしゃぁー!」

弾丸は『ゴールド・エクスペリエンス』の能力で、コブラへと姿を変えたのである。

ホル・ホース「何ぃ!?」

驚くホル・ホースは、咄嗟にコブラを避ける。

しかし、まさにその時だった。

ブロォォォ!とトラックが走り出し、そこの助手席から手を伸ばしたアイエフが、

アイエフ「土方さん!」

土方「!?」

土方の手を掴み、そのまま引き上げたのである。

そしてトラックはそのまま、走り去って行った。

だが、それを見たファーメもバイクを走らせた。

ホル・ホース「成程な、やりやがるぜ」

感心するホル・ホースであったが、視線をすぐさまミスタへと向ける。

ミスタ「追っかけねぇのかよ?」

ホル・ホース「射程距離外にいるからな。 仮に撃ったとしても、弾の威力がなくなるしな」

皇帝エンペラー』を構えたホル・ホースは、ニヤリと小さく笑う。

ホル・ホース「それに、自分と同じタイプのスタンドを見るってのは、今までなかったしな」

ミスタ「つまりアレか? ようは、俺と真っ向勝負がしたかった――って事で良いのか?」

ホル・ホース「そういうことだ」

スタンド能力を活かした拳銃対決。

それを聞いたミスタは、ため息を吐きながらこう言った。

ミスタ「タロットで4番目のカードの暗示である『皇帝』のスタンドか……。 俺ァ、数字の『4』は嫌いなんだけどよ、そうは言ってらんねぇな」

子供時代の実体験で、『4』を不吉の象徴として見ているミスタにとって、まさに『皇帝エンペラー』のタロットを暗示するホル・ホースは天敵そのものであった。

ミスタ「アンタの能力は、ポルナレフから聞いてるからなぁ。 一度は会ってみてぇとは思ったぜ。 アンタは憶えてるだろ? ジャン=ピエール・ポルナレフ。 今、ウチのナンバー2なんだけどよ」

それを聞いたホル・ホースは、心の中で焦っていた。

ホル・ホース「(何ぃ〜〜〜!? ポルナレフって、あのポルナレフか!? 何でアイツの名前が出て来てんだよ!?)」

ジャン=ピエール・ポルナレフ……エンヤ婆の息子、J・ガイルに殺された妹の仇を討つためにジョースター一行とエジプトを旅した男。

『戦車』のカードを暗示するスタンド、『銀の戦車シルバーチャリオッツ』による剣捌きを得意とする。

イタリアでは、先代のパッショーネのボスに敗れ、命を落としてしまったが、現在は幽霊という形でパッショーネのナンバー2に就任している。

ホル・ホース「(クソッ! ポルナレフがいるって事は、ジョースターとも関わってるって事かよ! ちっ、とんでもぇ事になっちまったぜ――だが、そいつァ後で良いか)」

しかし、二人はすぐさま思考を切り替えた。

ホル・ホース「来な、どっちが速いか勝負ってヤツだぜ?」

ミスタ「どっちのスタンドが強ぇか、思い知らせてやる!」

グイード・ミスタとホル・ホース――スタンド使いによる拳銃対決が、ここに始まったのだった。






 人の気配のない工場跡の廃墟。

ジョルノ「あの出血で死なないとは……不幸中の幸いですね」

土方「ウル……セェ……な」

トラックの荷台でコンパの治療を受ける土方。

しかし、ジョルノは違和感を覚える。

自分達を追いかけた筈のファーメの姿が無いのである。

ジョルノ「(……何処に行ったんだ?)」

追跡をやめたワケではない筈。

だからと言って、戦闘を放棄したとは思えない。

ジョルノ「(一体、彼女は何が目的なんだ?)」








 ジョルノ達のいる廃墟を眺めるファーメ。

ファーメ「さぁて、スタンドを使いますか」

ナイフで人差し指をピッと切り、傷口から出た血を紙人形に塗った。

まさにその瞬間であった。

紙人形は、右手に鋭い爪を持った豹のような姿の人間型スタンドへと変わった。

これが彼女のスタンド『ワイルドハーツ』。

果たして、その能力とは?






 ファーメの行動が気になり、一度廃墟を出るジョルノ。

ジョルノ「(一体何処に?)」

辺りを暫く歩いていたが、まさにその時であった。

「シャァァァ!」

ジョルノ「!?」

一瞬でジョルノの喉が切り裂かれたのである。

ジョルノ「な!?」

喉を攻撃され、声が出なくなってしまったジョルノ。

仲間に助けを求める事も、状況を報告する事が出来ない。

ジョルノ「くっ!」

『ゴールド・E』を出現させ、周囲を警戒するジョルノ。

ジョルノ「(速い……一体、何処に!?)」

しかし、その時であった。

今度は一瞬にして、右目を抉り取られたのだ。

ジョルノ「ぐっ!」

更にそのまま、左足も斬り落とされ、

ジョルノ「(し、しまっ……)」

そして後ろから腹部を貫かれたのだった。

これによりジョルノは、その場で倒れてしまった。






 豹の如き姿をするスタンド『ワイルドハーツ』。

分類は『遠隔自動操作型』で、ある条件を満たす事で広い射程距離で攻撃が出来る。

しかもスタンドが受けたダメージは、本体には影響が無い。

しかし弱点としては、本体を護る術に徹していないことである。

自身のスタンドの欠点を補う為、ファーメは銃器による遠距離戦を学んだ。

そんな彼女の『ワイルドハーツ』の能力は、本体と意識を同調させることである。

だが同調する分、カロリーを大幅に減らす為、再度スタンドを発現させるには約48時間を経過しなければならないのである。

スタンドに己の意識を『乗せる』能力。

その為彼女は、スタンドの視点から相手の様子を窺う事が出来るのである。

ファーメ「(ウフフフ……これで一人ね、後はあの中の3人)」

ファーメはそのまま3人のいる廃墟へと向かうが、まさにその時であった。

ザシュッザシュッ、と足音が聞こえたのである。

振り返ると、そこには……、

ジョルノ「喉と目を潰し、そして足を落とすか……暗殺者以上の腕だな」

ジョルノがゆっくりと歩み寄って来たのである。

斬り落とされた左足が結合され、裂かれた喉も治っていた。

ファーメ「バカな!? あの怪我をこの短時間でどうやって!?」

驚いたファーメであったが、ジョルノがある行動を取ったのである。

胸のブローチを取ると、手の上で『眼球』を生み出したのだ。

そして目を抉られた顔の右側に『嵌め』込んだのだ。

これによりジョルノが、抉られた右目を治したのである。

これこそが、『ゴールド・E』の本領。

物質に『生命』を与える事で、欠損した肉体の部位を生み出し、その部位を『治す』事が出来るのである。

ファーメ「(肉体の部位を治す能力だと!? この男、まだこんな切札を!?)」

ジョルノ「このジョルノ・ジョバァーナには『夢』がある。 ここで負けるワケにはいかない!!」

遂に、反撃の狼煙が上がったのだった。









TO BE CONTINUED


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