七罪騎が遂に4人も撃破され、デスハートも歯軋りをする。
デスハート「おのれぇ〜……」
カルダ「如何なさいましょうか?」
仮面を被った側近の男――カルダに問われ、彼女は叫んだ。
デスハート「カルダ、お前は残りの七罪騎を呼べ」
カルダ「デスハート様は?」
デスハート「私はDIOを呼ぶ」
そう言って彼女は、その場を立ち去ったのであった。
―第二十話:集いし者達―
アンデットゾーンの中枢部『
漆黒の塔』。
その地下にある書物室へと向かうデスハート。
デスハート「全く、ここはあまり明かりを使わないから目が慣れん」
カツンカツンと歩くと、何かが足に当たった。
近くで見ると、それは女の死体であった。
その数は6〜7人で、首筋には何かで突き刺した痕がある。
デスハート「くっ、DIOの食事の『吸いカス』か」
この女性の死体を目にしたデスハートは、頬から汗が流れてしまう。
デスハート「(クソッ、この私が死体如きで恐怖するとはな。 しかし、この娘達の行動原理というものが分からん。 無理矢理ではなく、自分達から血を捧げているのだ。 全くもって、普通じゃあない)」
邪悪さが強い者ほど、狂信者が集っていく。
人はこれを『悪魔の人望』と呼ぶだろう。
書物室に入ると、すぐさまDIOを探すデスハート。
実を言うと、書物室はあまり使われていない為、この部屋がDIOの寝室のような場所になっているのである。
探すのに時間がかかると思っていたが、その手間は省かれた。
???「どうしたのだ?」
デスハート「!?」
彼女の前に、一人の男が現れた。
凍りつくような眼差し、黄金色の頭髪に透き通るような白い肌。
そして、男とは思えぬ妖しい色気。
この男こそ、DIOこと『ディオ・ブランドー』である。
彼の顔を見た瞬間、デスハートの全身は凍りつくような悪寒を感じた。
デスハート「(お、落ち着け……この男は、一度死んでいる。 一度死んだ男など、私の敵ではない)」
自分にそう言い聞かせたデスハートは、ゆっくりと口を開いた。
デスハート「ほ、報告があって来た」
DIO「報告だと? 普段はカルダとやらに任せている筈だが……まあいい。 それで、報告とは?」
デスハート「え、エンヤ婆が倒された。 や、奴等も戦力を強めているようだ」
DIO「……………それで?」
デスハート「そ、それだけだ」
ゴクリと唾を飲み込むデスハートに対し、DIOはゆっくりと歩み寄る。
DIO「“それで?”――というのは、お前の事だデスハート」
デスハート「!?」
DIO「状況報告なら、誰にでもできる! 私が言いたいのは、“それでお前はどうするつもりだ?”と聞いているのだ」
遂に目の前まで近付き、DIOが彼女の顔を覗きこむ。
DIO「まさか…アレだけ甦らせた私の部下を使っておきながら、奴等に倒され、臆しているというのか!!」
デスハート「!!?」
ゾクリと全身が凍りついた。
しかしDIOは、彼女の後ろにあった蝋燭の火に両手の指を近付けた。
ジュッと人差し指に小さな火傷が出来ると、DIOはその指を彼女に見せた。
DIO「見よ、この両の指を」
吸血鬼の特性で治癒能力の高いDIOであるが、左手の指が右手より治る速度が遅く感じた。
DIO「この首から下は100年前、私を追い詰めた宿敵『ジョナサン・ジョースター』という男の
肉体を奪ったもの。 我が息子、ジョルノ・ジョバァーナの生物学上の父にあたる男でもある」
デスハート「な、何が言いたい!?」
DIO「左の指の治りが遅いのは分かるだろう? これは甦ったと同時に、能力の殆どが生前より減少している明かしてでもある。 この肉体が我が首に馴染んでいない証拠だ」
振りかえるとDIOは、そのまま椅子に座り、
DIO「いずれはジョルノと正面対決になる。 しかしそれまでには、嘗ての力を取り戻す必要があるのだ。 正確に言おう、私は奴等と戦うのに準備が必要なのだ。 だからこそ、貴様には期待しているのだ」
そう言って本に目を通すのだった。
しかしデスハートは、奥歯を噛み締めた。
デスハート「(“期待している”だと!? ふざけるな! お前を甦らせたのはこの私だぞ!! この私に対して、“期待している”だと!! ふざけるのも大概にしろ!!)」
DIOの態度に対し、デスハートは手に持った大鎌を構える。
デスハート「(この私を侮ったな。 この私を侮った事、ここで公開させてやる。 その首、ここで刈り取ってやる)」
一瞬で首を落とそうとしたデスハートであったが、まさにその時であった。
DIO「ほう、本気で私を殺す気か?」
バタンとDIOの姿は無く、先程彼が呼んでいた本が椅子の上に落ちていた。
デスハート「な!?」
これにはデスハートも驚きを隠せず、彼女の後ろからDIOの声が聞こえた。
DIO「気に入ったぞ。 殺す瞬間、汗を掻いてはいない。 見事なものだ、本気で私を殺そうとしたのはホル・ホース以来だ」
そう言ってDIOは立ち去ると、同時にデスハートの全身から汗が滝のように流れ出た。
デスハート「い、何時の間に私の後ろに回った……いや、それどころか、どうやって私の攻撃を避けたのだ!? 全く理解できん!!」
自身が嘗て支配した世界でも、DIOのような能力はいなかった。
寧ろ、存在しなかった。
デスハート「奴等と戦うのに、準備が必要だと!? ホントに準備の必要があるというのか!! ふざけるな、十分に奴等を倒せるではないか!!」
地面に両手と膝を着き、デスハートは項垂れてしまう。
デスハート「私は……とんでもない怪物を……甦らせてしまったのか!?」
ナルトの住む『忍の世界』。
サクラ「ここね、ナルトとヒナタが消えた島って」
シカマル「そのようだな」
サスケ「………」
うちはサスケや春野サクラといった、木の葉の同期メンバーが島に来ていた。
それは、数日前に遡る。
サクラ「ナルトとヒナタが行方不明!?」
カカシ「あ、ああ……二人を目撃したとかいう情報もないんだ」
シカマル「それで、二人の任務のはどんな内容だったんスか?」
任務の内容を聞き、一同はその場所へと向かい、現在に至るのである。
島中を探し回る同期メンバー。
いの「全然見つかんないわね」
キバ「二人のニオイもだ」
赤丸「くぅ〜ん」
そんな中、サスケがあるものを見つける。
サスケ「みんな、コイツを見てくれ」
皆が集まると、目の前には何かの装置があった。
中は10人以上は入れるスペースはある。
彼等は中に入ると、すぐさま辺りを見渡す。
すると、サイが何かを発見する。
何かの説明書である。
サイ「キバ、キミの後ろに赤いボタンがあるだろ?」
キバ「ん、これか?」
キバはそのボタンを押すが、サイがとんでもない事を言った。
サイ「そのボタン、装置の起動ボタンらしいから押すな――言いたかったんだけど」
キバ「へ!?」
次の瞬間、装置が作動したのである。
サスケ・シノ・サイ以外「えええええええええええええええええええええええええええええええ!?」
キバ「おまっ! それをもっと早く言えぇぇぇぇぇぇ!!」
サイ「言おうとしたけど、もうキミが押したみたいだから」
サクラ「どどどどどどどうすんのよぉーーーーーーーーーー!!」
『転移まで、あと10秒――』
シカマル「やべぇ! 兎に角、ここから出るぞ――」
『――と見せかけて0!!』
シカマル「機械にカマ掛けられた!?」
この瞬間10人+一匹は、その場で姿を消したのだった。
スタンド使いの世界。
そこにあるパッショーネのアジトにいる一匹の亀。
名は『ココ・ジャンボ』。
パッショーネで飼われている亀で、スタンド使いである。
甲羅の溝に嵌め込まれている鍵の中に、空間を生み出すスタンド『ミスター・プレジデント』を持つ。
そしてこの空間内に、一人の男がいる。
柱のように整えられた銀髪に眼帯を付けた右目、両脚が義足という特徴を持つ男。
彼の名はジャン=ピエール・ポルナレフ。
歴戦のスタンド使いで、現在は幽霊でありながらパッショーネの2を務める。
ポルナレフ「(ジョルノとミスタ、そしてフーゴが行方不明……まさか、新手のスタンド使いか?)」
3人が姿を消した事に不安を持つパッショーネの中でも、戦闘経験を積んでいた彼だけは冷静沈着だった。
ポルナレフ「(組織の方はペリーコロが纏めてくれている。 問題は3人の消えた理由だ)」
ミスタの次の幹部である、ジャンルッカ・ペリーコロなら大丈夫だろうと確信したポルナレフであったが、
ポルナレフ「ん?」
タンスの引き出しが光っているのを発見した。
白く発光していて、彼は引き出しを開けてみた。
中にはタロットカードが入っていた。
ポルナレフ「何故こんなモノが?」
しかしその時であった。
突然カードが光り出したのだ。
ポルナレフ「こ、これは!?」
その瞬間、ポルナレフと亀の姿は消えた。
プラネテューヌにて、
銀時「第40回『アンデットゾーンを壊滅しよう大作戦』、はっじまりまぁ〜す」
神楽・近藤「いえぇ〜〜〜〜〜い!」
当麻「すいません、第40回って何? そんなに作戦会議なんてしてないよね?」
銀時「ばっか、こういうのはノリだよ」
ミスタ「ノリで作戦会議開くのもどうかと思うぞ?」
という感じで、作戦会議が始まったのだが、
「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
銀時・当麻「へ?」
ヒュゥゥゥという音が聞こえ、銀時と当麻の頭上から、
銀時・当麻「んがっ!」
約10人&1匹の男女と犬と亀が落ちて来たのである。
サクラ「いったぁ〜……」
シカマル「マジで死ぬかと思った」
チョウジ「流石に今のは驚いたよ」
ナルト「皆、どうしたんだってばよ!?」
ヒナタ「だ、大丈夫なの!?」
シノ「!? ナルト、ヒナタ!?」
いの「アンタ達、やっと見つけたわ」
テンテン「もう、心配してたんだからね」
リー「御無事でなによりです!!」
同郷の仲間達から、色々言われたが、
ナルト「え〜と、文句は後で聞くからよぉ〜……そのぉ……」
ヒナタ「皆、早く降りた方がいいよ。 下敷きになってる人が……」
苦笑する二人に対して、唯一先に降りていたサスケは、
サスケ「お前等、早くした方が良いぞ」
そう言って一番下に視線を向ける。
そこには銀時と当麻が、今にも死にそうな感じであった。
サイ・シノ以外「げっ!」
すぐさま降りた一同であったが、二人は虫の息の状態であった。
新八「おいぃぃぃぃ! 二人とも大丈夫かぁぁぁぁぁ!?」
しかもよく見ると、当麻は地面に『不幸だ』と書いていた。
土方「いや、何ご丁寧にダイイングメッセージみたいな文章残してんだよ!? 早く起きろぉぉぉ!!」
そんな彼等とは対照的に、
ジョルノ「ポルナレフさんも来てたんですか」
ポルナレフ「どうやらそのようだ。 心配したぞお前等」
ミスタ「ソイツは悪かったよ」
フーゴ「埋め合わせはちゃんとしますから」
と、再会と共に軽い会話をするパッショーネメンバーであった。
TO BE CONTINUED