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超次元大戦 第十九話:両右手の魔女
作者:亀鳥虎龍   2015/03/08(日) 21:42公開   ID:L6TukelU0BA
 銀時、フーゴ、沖田、プルルート、美琴の5人は、

フーゴ「ここですね」

霧に包まれた奇妙な街に来ていた。

実はゲイムギョウ界でも知られていなかった謎の街が存在したという情報が入り、銀時達はそれを調査する為に来たのである。

沖田「何ですかぃ? まるで静寂そのものですねぇ」

美琴「薄気味悪いわね……」

しかし、彼等は知らなかった。

この街には、恐るべき敵が潜んでいる事を……。

















―第十九話:両右手の魔女―

















 街を探索する5人は、まず住人に話を聞く事にした。

銀時「すんませぇ〜ん。 ちょいと聞きてぇんだけどよ」

銀時が地面に座っている男に話をするが、返事が無い。

銀時「おい、おっさん――」

彼が男に触れた瞬間、まさにその時だった。

男はその場で倒れるが、問題はその表情にあった。

銀時「な、何だこりゃァァァァァァ!?」

4人「な!?」

男の顔は、絶望による恐怖を味わったかのような顔で死んでいたのだ。

口の中からは、ゴキブリが出て来たりもした。

フーゴ「完全に死んでますね」

落ち着いた表情で、フーゴは死体を覗きこむ。

フーゴ「とりあえずは、僕らだけでも状況を知る必要があるな。 現場を荒らさないように、死体を調べましょう」

沖田「そうですね」

そんな二人のやり取りに、銀時がすぐさま叫んだ。

銀時「オイィィィィ、ちょっと待てェェェ!! こう言うのは警察に任せるべきだろ!?」

それを聞いた沖田は、サラッとこう言った。

沖田「旦那、俺が警察ですぜぃ?」

銀時「あ、そうだった」













 死体の周囲を調べるが、争った形跡はない。

財布を調べると、貨幣が入っていた。

フーゴ「犯人は財布を奪っていない……物盗りの犯行ではないようだ」

沖田「マジですかぃ? じゃあ、何でこの男を殺ったんでしょうね?」

フーゴ「それを調べるのが、警察キミ等の仕事だろ?」

沖田「そうなんですがねぇ。 真選組俺達は基本的に過激派中心のテロリスト専門ですからねぇ」

冷静に調査する二人であったが、沖田があるものを見つけた。

沖田「おや? 何ですかぃ、コイツぁ?」

それは、胸部に10円玉くらいに空いた大きな穴であった。

沖田「どうやら、コイツが死因らしいですねぇ。 しっかし、妙ですねぇ」

フーゴ「確かに、コイツは妙だな」

美琴「な、何が妙なのよ!? 私等にも分かるように言ってよ!」

沖田「見て分からねぇんですかぃ?」

美琴「何がよ? 穴が空いてるくらいしか――」

沖田「はぁ、これだから素人は困りますねぇ」

美琴「な……何ですってぇ!!」

沖田の発言に激怒した美琴であったが、銀時とプルルートが答えた。

銀時「ビリビリ、この穴を見て変だとは思わねぇのか?」

プルルート「そうだよミーちゃん。 よく見てぇ〜」

美琴「誰がビリビリで、それにミーちゃんよ!!」

穴を見る美琴であったが、

美琴「……どうってこと無さそうだけど?」

サッパリ分からなかったが、呆れた銀時がこんな質問をした。

銀時「じゃあ聞くけどよ。 何でその死体、こんなデカイ穴が空いてんのに、一滴も?」

美琴「!?」

その言葉に美琴は、再び穴に目を向けると、確かに死体には一滴も血が流れていなかった。

フーゴ「どうやら、これはただの殺人事件ではなさそうだ。 服を脱がせよう」

そう言ってフーゴが、死体の衣服に手を伸ばす。

それを見た美琴は、慌てた顔で叫んだ。

美琴「ちょちょちょちょちょっと待って!」

フーゴ「何ですか?」

美琴「脱がせるって、本気で言ってるの!?」

死体とはいえ、服を脱がせるのに抵抗感がある彼女であったが、フーゴは溜息交じりでこう言った。

フーゴ「では男性外科医が手術オペの時、女性患者の服を脱がせるのに抵抗感を持ちますか?」

美琴「うっ!」

フーゴ「そういう事です。 服を脱がしますよ」

今度こそフーゴが服を脱がせると、そこには、とんでもないモノが彼等の目に移った。

フーゴ・沖田「!?」

プルルート・美琴「なっ!?」

銀時「何じゃこりゃぁぁぁぁぁぁぁ!?」














 死体の服を脱がせた彼らであったが、先程と同じ大きさの穴が全身に空けられていた。

銀時「どうなってんだコイツは!?」

フーゴ「全身穴だらけの死体なんて、普通じゃあない!!」

プルルート「どういう事なのぉ!?」

美琴「な、何なのよこの死体!?」

沖田「まるで“仲良く喧嘩する猫とネズミのアニメ”に出てきそうなチーズみたいでさぁ」

この死体に5人は背筋を凍らせていた。

それと同時に、背後から何かが聞こえた。

5人「!?」

カツンカツンと、杖を突いて歩く音が響く。

振りかえるとそこにいたのは、

老婆「ようこそ、お越し下さいました」

左手に包帯を巻いた老婆であった。
















 彼女が呼んだ警官によって、男の死体は運ばれていく。

そんな銀時達は、老婆から宿を案内されていた。

老婆「はい、ここですじゃ」

案内された宿は、とても造りの良い豪邸であった。

銀時「マジで!? 俺達こんな豪邸に泊って良いの!?」

老婆「はい、どうぞ。 ごゆっくりなさいませ。 寝心地も、女将のわたくしが保証いたしますじゃ」

こうして彼等は、宿帳にサインをすると、

銀時「そんじゃ、ゆっくりさせて貰いますか」

各部屋へと向かったのだった。

部屋分けの順番は下記の通り。

銀時、沖田、フーゴ→各一人部屋。

プルルート、美琴→二人部屋。















 部屋のベッドで横になった銀時であったが、

銀時「あ、小便したくなった」

そう言ってベッドから立ち上がる。

しかし部屋にはトイレらしき部屋が無く、

銀時「んだよ、一階にあんのかぁ?」

そう思い、下の階へと向かったのだった。

その頃、美琴はというと……、

美琴「ちょちょちょちょちょっと、プルルート……」

アイリスハート「ん、なぁに?」

美琴「何で変身してるのよ!?」

そう言って女神化した彼女の前で、動かなくなっていた。

アイリスハート「だってぇ、ミーちゃんと二人っきりだからぁ、誰にも邪魔される事は無いでしょ?」

ペロリと唇を舐める彼女の笑顔は、明らかにドス黒いオーラが出ていた。

アイリスハート「大丈夫、たぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っぷりと愛でてあ・げ・る♪」

この状況で御坂美琴は、ある人物の顔を思い浮かべる。

自分を“お姉様”と呼んで慕う百合っ気のある後輩、白井黒子の顔である。

彼女の変態ぷりは相当なものであるが、アイリスハートと比べればマシな方でもあった。

美琴「あ……あああああ……」

顔を青ざめ、震えで体が動かない美琴は、

アイリスハート「ミーちゃぁ〜〜〜〜〜ん♪」

美琴「イヤぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

アイリスハートにたっぷりと愛でられたのであった。

後に彼女は、一生癒えぬトラウマを負う事になった。

因みに、各部屋にいたフーゴと沖田は、

フーゴ「ん? 騒がしいな」

沖田「なんでぇ? あのビリビリ女、ゴキブリでも見て騒いでんのかぃ?」

全く気にしてはいなかった(笑)。

チャン、チャン♪













 一方その頃、銀時はというと……

銀時「うおっ! 何だ…ビリビリのヤツ、Gを見て騒いでんのか?」

美琴の悲鳴を偶然聞きながらも、下へと降りていた。

階段を下りると、女将の老婆がいた。

老婆「おやお客さん、どうかなさいましたか?」

銀時「便所に行きてぇんだ。 バアさん、何処にあるか知らね?」

それを聞いた老婆は、奥にあるドアを指す。

老婆「はい、あの扉の奥ですよ」

銀時「助かったぜ、んじゃなぁ」

ドアの方まで歩く銀時。

すると彼は途中で止まると、そのまま踵を返した。

銀時「そうだ、バアさん。 ちょいと聞きてぇんだけど――」

だが、まさにその時であった。

老婆「きえぇぇぇぇぇ!」

銀時「うおっ!」

突然老婆がハサミを持って襲いかかり、銀時は木刀で防いだ。

銀時「オイィィィィィ! イキナリすんだこのババァ!!」

老婆「やかましい! あたしぁDIO様の命で、テメェ等を始末しに来たんだよ!!」

銀時「何ぃ!?」

遂に正体を見せた老婆――エンヤ婆は、そのままハサミで攻撃し、銀時も木刀でそれを防ぐ。

エンヤ婆「DIO様には向かう者は、全員嬲り殺しじゃぁぁぁぁぁ!!」

銀時「くっ!」

何とかエンヤ婆の攻撃をしのぐ銀時であったが、彼女の背後から何かが出現した。

それはなんと、死体の集団であった。

その中には、銀時達5人が発見した死体の男もいた。

エンヤ婆「スタンドは『一人一体』じゃが、ワシのスタンド『正義ジャスティス』は、ほんのちょっとの傷を付けるだけで、そいつの体を操る事が出来るのじゃよぉ」

銀時「オイオイオイオイ、まるでホラー映画の世界を体験させられた気分だ―――ぜっ!!」

この状況を見た銀時は、すぐさま背を見せ、逃げる事を選んだ。

エンヤ婆「待て、この腐れ天然パーマがぁぁぁぁぁ!!」

勿論、エンヤ婆も彼の後を追った。

エンヤ婆「テメェはここでぶっ殺してやる! 生皮剥ぎ取ってやる! タマキン引き千切ってやる!! 内臓を引きずり出してたるぅぅぅぅぅ!!!」

老人とは思えぬその脚力は、かの女性ランナー『フロー●ンス・グリ●ィス=ジョ●ナー』に匹敵するほどである。

エンヤ婆の身体能力に対し、銀時は恐怖を覚えた。

銀時「(お、恐ろしいぃぃぃぃぃぃぃぃ! これがババアの脚力だってのかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!)」

エンヤ婆「きえぇぇぇぇ!」

エンヤ婆はハサミを投擲するが、それより速く銀時が奥の部屋に逃げ込んだ。














 椅子でドアノブを固定し、銀時は辺りを見渡す。

銀時「くっそぉ〜! 掠り傷一つでも付けられたらアウトって、流石にマ●オでもソ●ックでもロッ●マンでも無理だろうが! ノーコンテニューでステージクリアするよりもムズいぞ!」

隠れる場所を探す銀時であるが、ドアが蹴破られるのも時間は掛からない。

銀時「よし、この部屋に隠れるか!」

そう言って銀時は、その部屋に入ったのだった。

その数分後、エンヤ婆が操る死体達によって、ドアが蹴破られたのだった。

死体達が各部屋を探索する。

銀時「(ヤバいぜぇ〜、奴等は今俺を探してやがる……。 ここはやり過ごすしかねぇようだ)」

ドアの下の隙間から見える足を確認しながら、銀時はゴクリと唾を飲み込んでしまう。

だが彼は同時に、自分が入った部屋を見渡す。

そこはどう見てもトイレであった。

銀時「(つーか……よく見たらこの部屋、便所じゃねぇか! 何で便所に入っちまったんだ俺ァ〜。 それも汚ねぇ便所だしよぉ……)」

すると、いつの間にか足音が消えていて、

銀時「(あれ、行っちまったのか?)」

恐る恐る鍵穴から外を覗いた。

だが、まさにその時だった。

死体「…」

銀時「げっ!」

ギロリと死体の目が出現し、口から伸びた舌の攻撃で、

銀時「し、しまったぁ!」

舌を攻撃されてしまった。

エンヤ婆「やったぁ! 攻撃が決まったわい!!」

正義ジャスティス』によって、銀時の舌には小さな穴が空けられ、

エンヤ婆「これで思う存分、お前を操ってやる!」

舌を操られた事により、銀時は天井に叩きつけられてしまう。

銀時「ぐえっ!」

するとエンヤ婆は、とんでもない事を口走った。

聞いた者がゾッとするような台詞を。

エンヤ婆「ついでじゃ、ここの便所を舌で綺麗に掃除して貰おうかのう」

銀時「え!?」

それを聞いた銀時は、顔が真っ青になってしまう。

エンヤ婆「ほうれ、レロレロレロレロぉ〜〜」

正義ジャスティス』の支配下におかれた銀時の舌は、徐々に便器へと近づいていく。

銀時「(そ、それだけは……それだけは………それだけはぁぁぁぁぁぁ!!)」

必死で抵抗するが、遂に舌は便器の間近まで迫って行き、

銀時「(助けてくれぇ〜〜〜〜!!)」

心から助けを求める銀時であった。

すると、その時であった。

ドガァと、沖田が入って来たのである。

事前にドアを閉め、何事もなかったように装うエンヤ婆。

エンヤ婆「な、何ですかいきなり!? せめてノックはして下さいな」

沖田「万事屋の旦那を探してんですがねぇ。 それから、ノックはしましたぜ。 何かに夢中になって気が付かなかっただけじゃないですかぃ?」














 突然の沖田の登場に、エンヤ婆は焦りを見せた。

エンヤ婆「(この小僧……意外と抜け目がない。 恐らくワシの動揺を窺って、探り出すに違いない。 ええい、面倒だわい。 こうなったらホントの事を言って、後ろを見せたところをハサミでグサリじゃ!)」

冷静を取り戻したエンヤ婆は、沖田に銀時の居場所を教える。

エンヤ婆「えぇ、知ってますとも。 銀時さんなら何処にいるか、よぉ〜く御存じですよ総悟さん」

沖田「へぇ」

エンヤ婆「トイレです。 この扉の向こうのトイレに行かれましたよ」

沖田「………」

エンヤ婆「………」

沖田「なんでぇ、トイレですかぃ。 この奥で良いんですね?」

エンヤ婆「はい、そうでございます。 その扉の奥にいますよ」

沖田が背を向けた瞬間、エンヤ婆はハサミを握りしめ、そのまま襲いかかった。

エンヤ婆「(このヌケサクがぁ! やはりまだガキよの!! テメェはここであの世行きじゃぁぁぁぁぁ!!)」

しかし、その時であった。

沖田「そうそう、忘れてましたぜぃ」

沖田が足を引っ掛けた瞬間、つまづいたエンヤ婆はそのまま地面に倒れ込む。

エンヤ婆「ぐえっ!」

沖田「ん、どうしたんですかぃ? 転んじまったようですけど」

振りかえる沖田とは対照的に、エンヤ婆は地面に刺さったハサミにゾッとする。

エンヤ婆「あ、危ねぇ……」

沖田「おー、確かに危ねぇな。 ハサミ持ったまま転んだんですかぃ? 危うく大事故になるところでしたねぇ。 よかったよかったぁ〜」

エンヤ婆「…………」

全身の汗が流れ出し、エンヤ婆は再び焦りを見せた。

沖田「転んだままでスマねぇが、質問に答えて貰いますぜぃ。 アンタ、どうして俺の名前が『総悟』って分かったんですかぃ? 俺ぁ一度も名乗っちゃいねぇし、誰もアンタの前で俺の名前を呼んじゃあいねぇぜぃ?」

エンヤ婆「え!?」

沖田「なのに、何で分かったんですかぃ?」

この質問に対し、エンヤ婆は更なる焦りを見せた。

沖田「答えてくだせぇ。 俺ァ職業柄、相手の顔色を窺っちまう癖がありましてねぇ。 気になると、つい調べちまうんでさぁ」

エンヤ婆「………」

それを聞いたエンヤ婆は、すぐに口を開いたのだった。

エンヤ婆「な、何をおっしゃいますか? 宿帳に書いたじゃないですか!」

沖田「宿帳? コイツの事ですかぃ?」

そう言って沖田は、宿帳を彼女に見せた。

エンヤ婆「そうです、それでございま―――え!?」

宿帳を確認するエンヤ婆であったが、一つだけ全く知らない名前が書かれていた。

銀時の名前の下に、『沖村総一』と。

沖田「何処にも『沖田総悟』なんて書いてないですぜぃ? 初めてあった時、まともな性格してたアンタを見て、怪しいと思ってたんでさぁ」

エンヤ婆「な!?」

沖田「だから他の連中にも、出来るだけ俺の名前を呼ばないように頼んだんでさぁ。 宿帳に違う名前を書きこんだにも関わらず、俺の名前を知ってるって事は……」

エンヤ婆「ぐっ!」

沖田「誤魔化しても無駄ですぜぃ。 アンタが敵だっていうのは、とっくにバレてんですでさぁ?」

正体を見抜かれたエンヤ婆は、本性を現すかのように顔つきが変わった。

沖田「どうしたんですかぃ? アンタの十八番、見せて貰いますぜぃ」

挑発する沖田であったが、後ろの扉から、

エンヤ婆「とっくに見せとるわぁぁぁぁ!」

エンヤ婆の操る死体達が出現したのだった。













 襲いかかって来る死体の軍団であるが、沖田は抜刀と同時に死体達をバラバラに切り刻んだ。

エンヤ婆「うぐっ……」

その強さに怯みかけたエンヤ婆であったが、

エンヤ婆「ん! ウケケケケケケ!!」

突然笑い出したのだった。

沖田「ん?」

ザクリと、沖田の足を赤ん坊の死体が舌で刺していたのだった。

エンヤ婆「ワシのスタンド『正義ジャスティス』は霧を操る。 ほんのちょっぴりで良い、ちょっぴり傷を付ければ、後はワシの思うがままだ」

沖田「ありゃま」

エンヤ婆の背後には、彼女のスタンド『正義ジャスティス』の像が出現する。

その姿は、王冠を被った髑髏頭で、両手も彼女に反映して両方とも右手である。

銀時「は、早く逃げろォォ! 足に穴が空くぞぉぉぉぉ!!」

奥の部屋から銀時が叫ぶが、沖田は溜息交じりでこう言った。

沖田「あのですね旦那ぁ。 どうやって逃げろというんですかい? 拳で霧を殴れますかぃ? 剣で霧が斬れますかぃ? 銃で霧が撃ち抜けますかぃ?」

エンヤ婆「さあ、どうする? お前の足もワシの支配下になるぞ?」

勝ち誇るエンヤ婆であったが、沖田は鞘に刀を収めた。

沖田「いきますぜぃ。 アンタが一呼吸する内に、その首落としてやりまさぁ」

エンヤ婆「何、一呼吸する内にだと? やってみやがれこのスカタン野郎め、すぐしてや――」

エンヤ婆が呼吸しようとした、まさにその瞬間だった。

沖田の抜刀が、それよりも速く放たれた。

エンヤ婆「ほげっ――」

ズルリとエンヤ婆の首は地面に落ち、断面図からは噴水のように血が噴出したのだった。

エンヤ婆……死亡。













 その後、一同はロビーに集まっていた。

銀時「え、何処舐めさせられただって? バカ、そんなくだらねぇ事聞くんじゃねぇよ」

エンヤ婆の能力を聞いたフーゴ達3人は、舌を操られた銀時から舐めさせられた場所を聞き出そうとする。

銀時「ゲホゲホ――便器……ゲホゲホ」

アイリスハート「え、何処舐めさせられただって?」

銀時「いいから、舌を消毒してぇから薬くれよ!」

わざと耳を傾けるアイリスハートに、銀時は薬の要求をする。

美琴「い、今……小さい声で“便器”って聞こえたけど?」

アイリスハート「プククク……」

美琴がそう言うと、アイリスハートは笑いを堪えていた。

アイリスハート「実は、もう知ってるのよ。 こんな面白い事、からかわずにいられないでしょ?」

美琴「うわぁ……」

銀時「あ、さては既に聞いてるな! こんニャロ、からかってやがったなぁ! もう薬はいらねぇ!!」

からかわれた事に気付いた銀時であったが、アイリスハートがすぐに制止する。

アイリスハート「ご、ごめんなさい銀ちゃん。 すぐに舌を消毒してあげるから、放っておくとバイ菌が入るわよ」

銀時「ん?」

するとアイリスハートは、わざとらしく彼のマネをする。

アイリスハート「ゲホゲホ――便器……ゲホゲホを舐めたから」

銀時「げぇ!!」

アイリスハート「アハハハハハ!」

腹部を抑えながら爆笑するアイリスハートに、銀時も怒りが込み上がるが、

フーゴ「皆、こっちに来てくれ」

フーゴに呼ばれた為、一同は外を見る。

そこはなんと墓場であった。

フーゴ「どうやらあの婆さん……スタンドの能力の己の執念で、墓場を街に変えていたようだね」

それを聞いた銀時は、顔を真っ青に染める。

銀時「は、墓場の死体達と……俺達はお話ししてたのか!?」

この事件以降、銀時はトイレに行く事に抵抗を感じたり、一晩中うなされた事は別の話である。











TO BE CONTINUED


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■作者からのメッセージ
 今回は沖田が活躍しました。

銀さん、南無
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