漆黒の塔・最上階にて、
デスハート「このままでは埒があかん」
残りの七罪騎とカルダが、デスハートの前に膝を突く。
デスハート「奴等に全面戦争を仕掛けるぞ」
七罪騎&カルダ「はっ!」
そんな中、部屋の隅で壁に背を預けていたDIOは、
DIO「(全面戦争か……ふん、その程度で倒せるならおめでたいな)」
心の中で呟き、不敵に笑った。
DIO「(このDIOは知っている。 ジョルノもまたジョースターの血統……そして、ジョースターに関わった連中の中にある『強靭な精神』を。 全面戦争程度では奴等には勝てん)」
嘗ての宿敵であるジョースターの血統、その中にある『黄金の精神』を彼は知っていた。
だからこそ、ジョースターの血統に対しては全力で倒すと決めている。
そして彼は一瞬だけ、デスハート達を見ると、
DIO「(あの女神は知らんようだな、己が既に利用されている事に……)」
そう呟き、彼女達より先に部屋を出たのだった。
果たして、この言葉の真意とは!?
―第二十一話:地獄のカーチェイス・その@―
突然上空から魔法陣が出現し、そこからデスハートの声が聞こえた。
デスハート『ゲイムギョウ界の女神達よ、久方振りだな』
ノワール「その声は、デスハート!?」
デスハート『我が刺客達を倒すとは、称賛に値するぞ?』
ベール「それで、今度はアナタ自身が相手をなさるのかしら?」
ブラン「それならそれでこっちも手間が省けるけど、そう簡単にはいかないのよね?」
デスハート『フフフフ……ルウィーの女神の言うとおりだ。 だから、我が領域『アンデットゾーン』にある中心部『漆黒の塔』に来るが良い。 そこで全面戦争をしてやろうじゃないか』
ネプテューヌ「つまり、私達と最終決戦をするって事だね!」
デスハート『フハハハハハハ! その通りだ! しかし、アンデットゾーンには私が送り出した刺客達がいるから、無事に辿り着ける事を祈るぞ』
そう言い残し、デスハートは通信を切った。
銀時「どうやら、向こうはマジみてぇだな。 んで、お前等はどうする?」
銀時の問いに、殆どが答えた。
静雄「決まってんだろ?」
ナルト「今度こそ、ケリ着けてやるってばよ」
ジョルノ「引き下がるワケにはいかない。 僕自身の『夢』のためにも!」
当麻「約束したしな。 アイツの歪んだ幻想を、ぶち殺すってよ」
それを聞いた女神達も、互いに頷き合い、
ネプテューヌ「じゃあ行こう! アンデットゾーンへ!!」
こうして、最終決戦の場へと向かったのだった。
車を調達した一同は、現在アンデットゾーンの草原を走っていた。
車内にいるのはジョルノと静雄と銀時、ノワールの3人である。
因みに運転は銀時で助手席にはノワール、後部座席にはジョルノと静雄が座っていた。
そして残りはというと――、
ステイル「しかし、この亀の能力……思ったより広いんだね」
ココ・ジャンボのスタンド『ミスター・プレジデント』の中にいた。
そんな中、サスケ達やポルナレフは自分達がやって来た経緯を説明していた。
土方「転生装置だぁ!?」
沖田「俺等と同じ状況ですねぇ」
一方通行「チッ、どォなってやがる」
驚く土方や一方通行であったが、ポルナレフの場合は違った。
謎のタロットカードが光り出した――というもので、信じ難い話であった。
問題のタロットカードにも、今のところ変化はなかった。
そして今度は、ネプテューヌ達が現在の状況を説明した。
それを聞いたポルナレフは、ゴクリと唾を飲み込んだ。
ポルナレフ「DIO……まさか、奴が甦るとは……」
嘗て、空条承太郎等と共にエジプトへの旅をしたポルナレフにとって、DIOは最悪にして最凶の敵であった。
戦闘者として、再起不能となった彼はもう戦えない。
しかしジョルノはDIOの息子でありながら、ジョースターの『黄金の精神』を受け継いでいる。
ポルナレフ「(俺に出来るのは、ジョルノを……ここにいる皆を信じて見守る事だ。 それが、俺の唯一の“戦い”だ)」
皆を信じ、戦いを見守る事を決意した。
車内では、ジョルノがずっと後ろを見ていた。
静雄「ん? どうしたジョルノ」
ジョルノ「いえ、刺客が来る気配がないので、奇妙な気分で」
ノワール「そうね、最近は連戦続きで、次はどこから襲って来るかって思うものね」
すると、銀時が急にブレーキを掛けたのである。
ノワール「ちょっ、何してんのよ銀時!?」
銀時「いや、あれ……」
3人「へ?」
銀時が指を指した方へと目を向けると、
ロン毛「へい、タクシー!」
オ●Q『乗せてってよ!』
アロハ「頼むにゃー」
和装で黒のロングヘアーの男とアロハシャツの上に学ランを羽織った金髪の少年、そして如何にも『オ●Q』のパクッたような生物が立っていた。
明らかにヒッチハイクのようであるが、銀時はロン毛の男に叫んだ。
銀時「何でヒッチハイクなんかやってんだ、ヅラ!」
ロン毛「ヅラじゃない、桂だ! あっ」
すると、亀から出て来た当麻も叫んだ。
当麻「何でお前までいるんだよ、シスコンアロハ」
アロハ「カミヤン、シスコンアロハじゃねぇ! シスコン軍曹にゃー!」
桂小太郎とペットのエリザベス、そして土御門元春の3人であった。
銀時が桂を乗せるのを嫌がるも、3人を亀の中に入れたのだった。
当麻「んで、桂さんだっけ? アンタ、何で土御門と一緒にいたんだ?」
桂「ふむ、あれは……」
場の空気が一変し、桂は沈黙中で口を開いた。
桂「……………………何時だったっけ?」
新八&アイエフ「こっちが聞きたいわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
桂「ぐはぁぁぁぁぁぁ!」
イキナリのボケをかました桂に、新八とアイエフがツッコミと共にアッパーカットを放った。
アイエフ「アンタ、この状況で大ボケかましてんのよ!!」
新八「少しは空気読めや!!」
桂「す、スマン。 やっとの出番だったのでな、ヒッチハイクをしながらスタンバッてたんだ」
土方「どれだけ暇人だよ!?」
土御門「にゃー。 じゃあ、まずは俺から説明するぜよ」
そう言って土御門が説明に入るのだが、
神楽「もしボケたら、そのグラサンかち割ってレンズで眼球刺すからな」
土御門「………スンマセン、真面目に説明します」
神楽の脅迫紛いの台詞に、顔を引きつってしまい、
新八「お前もボケる気だったんかいぃぃぃぃぃぃぃぃ!!」
新八のツッコミも、室内に響いたのだった。
土御門の時はこうであった。
最近、学園都市で奇妙な連中がうろついているという情報を耳にし、土御門は単身でそれを調査していたのだ。
土御門「コイツがそうか」
連中が設置していた装置を見つけ出し、中に入ってみる。
土御門「(コイツは、学園都市の技術で造られたもんじゃねぇ……コイツは一体――)」
しかし、その時であった。
ピッと何者かが起動ボタンを押したのである。
土御門「なっ!? しまっ―――」
気付いた時には、土御門の姿は学園都市にはなかったのだった。
桂小太郎とエリザベスの時はこうであった。
最近、攘夷志士の中に、天人の技術を使ってテロ行為を企む一団がいるという情報を元に、その攘夷集団のアジトに向かったのである。
そのアジトにいた攘夷志士達を倒し、二人は装置の中に入ったのである。
桂「ん、何だこのボタンは?」
壁にあった赤いボタンが目に入った桂であったが、
エリザベス『桂さん、そのボタンは起動ボタンらしいですよ』
桂「え?」
エリザベスの忠告が出る前に、桂は既にボタンを押してしまった。
そしてその後、二人の姿は江戸から消えたのである。
三人がゲイムギョウ界に来た経緯を聞いた一同であったが、
新八「聞けば聞くほど、桂さんが銀さんですら呆れるほどバカだってことが分かりました」
呆れながらそう言った新八に、全員が同意した。
桂「いやぁ〜////」
それを聞いた桂は、嬉しそうに照れるが、
土方「誰も褒めてねぇよ!!」
これには土方もツッコミを入れてしまう。
桂「兎に角、この世界にやってきてしまった俺とエリザベスは、偶然出会った土御門君と共に会議を開いたのだ」
土御門「そう言う事ぜよ」
真剣な顔になった桂と土御門であったが、
メイド(お帰りなさいませ、ご主人様)
桂(ご主人様じゃない、桂だ!)
メイド(追加料金で、メイドと遊ぶ事が出来ます)
土御門(やるやるー)
エリザベス(『オムレツで“エリザベス君”て書いて下さい』)
彼等の背後の回想シーンには、メイド喫茶で楽しく過ごしている三人の姿があった。
新八「オイィィィィィィ! 回想がおかしすぎだろぉぉぉぉぉ!!」
アイエフ「明らかにこれって、メイド喫茶ではっちゃけてるだけよね!? どこに会議してる場面があるのよ!?」
これを見た新八とアイエフは、即座にツッコミを放った。
桂「失敬な! 店中はともかく、俺達は真面目に会議をしたぞ!!」
真剣な顔で叫ぶ桂であったが、彼の背後の回想シーンでは、
メイド(最初は)
桂(グー)
メイド・桂(ジャンケンポン)
メイド(あっちむいてホイ!)
メイドと『あっちむいてホイ』を楽しんでいる姿があった。
土方「思いっきり遊んでんじゃねぇかぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
土御門「いやぁ〜////」
土方「褒めてねぇよ!!」
桂と
土御門がボケのハーモニーを奏でてしまうので、この場のメンバーがついて行けなくなってしまったのだった。
一方の車内では、ジョルノは未だに落ち着かない様子であった。
因みに車は今、森の中を走っていた。
銀時「ったく、木ばっかで全然抜けた気がしねぇ」
森の中を暫く走っていたので、銀時は徐々に苛立ちを見せるのであったが、
静雄「あ、あそこに看板がある」
そこには『この先、出口』と書かれた看板があった。
銀時「マジで、ラッキー!!」
嬉しさのあまり、アクセルを全開にし、スピードを上げた銀時。
ノワール「ちょっ! もう少しスピード落として運転しなさいよ!!」
遂に森を抜けた一同であったが、その先にあったのは、
ジョルノ「何っ!?」
静雄「な!?」
ノワール「えぇ!?」
銀時「マジでぇ!?」
意外! そこは崖だった!!
咄嗟に急ブレーキを掛けた銀時。
キキィー!と、車は前輪が崖からはみ出る寸前で止まった。
銀時「あ、危なかった」
ノワール「あんなにスピード上げるからこうなったのよ!」
ジョルノ「兎に角、車をバックさせましょう」
銀時が車をバックさせようとした、まさにその時だった。
ドガァ!と何かが車に激突した。
ノワール「なっ!? 今度は何!?」
まさかという顔でジョルノは後ろを振り向くと、別の車が後ろから体当たりを繰り出していた。
静雄「後ろに車がいやがる!?」
ジョルノ「バカな、さっきまでは姿はなかったのに!? 一体、どうやって!?」
驚く4人であったが、後ろの車は途轍もない馬力で押しだしてきた。
ジョルノ「マズイ、僕等を落とす気だ!」
銀時「くそっ!」
銀時が思いっきりアクセルを踏むが、彼らの車が力負けしてしまう。
遂には、前輪部が崖へと傾いた。
銀時「やべぇ! このままじゃマジで落とされちまう!! お前等、車から降りるぞ!!」
咄嗟にドアを開け、車から降りようとした銀時。
その行動に、ノワールがすぐさま叫んだ。
ノワール「ちょっと銀時! 運転手が皆より先に車から離れたらダメよ普通は!? 誰がアクセルを踏ん張るの!?」
銀時「あっ……」
ノワールの指摘を受けて、自分の過ちに気付いた銀時であったが、
銀時「ご……ゴメ〜ン!」
既に遅く、遂に車は崖から落ちてしまった。
銀時のミスにより、ジョルノ達の車は崖から転落。
このままでは、車体は地面に激突し、彼らもお陀仏である。
しかし、ノワールが咄嗟の行動を取った。
ブラックハート「任せて!」
外に出ると同時に女神化し、そのまま車のワイヤーウィンチを引っぱった。
そして先程の車のバンパーに引っ掛けたのだった。
ブラックハート「やったわ!」
銀時「おぉ〜! 流石ノワール、俺達では出来ない事をやってのける!! そこに痺れるぅ、憧れるぅ!!」
ジョルノ「ナイスですノワール!」
車はウィンチのおかげで宙づり状態。
そんな中静雄は、窓ガラスを割ると、
静雄「ふっ、やるなノワール。 ところでお前、相撲は観るか?」
そのまま車体から手を伸ばし、ウィンチを掴む。
静雄「特に土俵際の駆け引きを!」
彼の腕力によって、車はガオンと上へと引っ張られる。
静雄「手に汗握るよなぁぁぁぁぁ!!」
更に崖の上の車に拳を叩き込むと、反動で車も上へと吹き飛んだ。
吹き飛んだ反動で、二台の車は入れ替わり、
???「うわぁぁぁぁ!」
そのまま車は崖下に落ち、ジョルノ達の車は崖の上へと着地した。
ブラックハート「え……えぇ、知ってるわよ相撲。 でも静雄、拳で殴るのは反則じゃなかったかしら?」
静雄「へっ」
TO BE CONTINUED