ここは全年齢対応の小説投稿掲示板です。小説以外の書き込みはご遠慮ください。

超次元大戦 第二十三話:魂を奪う執事・その@
作者:亀鳥虎龍   2015/03/19(木) 10:02公開   ID:ddYUW.MG.4E
 アンデットゾーンの中枢部・漆黒の塔ダークタワー

銀時「遂に、ここまで来たんだな」

小さく呟いた銀時に、他の一同も同意であった。

門は鍵が掛かっていたが、静雄の怪力で容易く開いた。

敷地内に入ったが、警備は手薄だった。

ミスタ「随分と人の気配がねぇな?」

土方「けど、気を付けろよ。 敵が潜んでいるかもしれねぇ」

警戒しながらも、塔の扉を開いた。















―第二十三話:魂を奪う執事・その@―















 扉を開き、中を確認する。

サクラ「誰もいないわね?」

沖田「罠があるかもしれませんねぇ」

警戒しながら中へと入る。

ジョルノ「明らかに警備の者がいませんね」

当麻「罠の類もねぇぞ?」

一方通行アクセアレータ「チッ、これが明らかに“入って下さい”って言ってンのと同じじゃねェか」

暫く歩くと、奥に扉が見えた。

ナルト「この扉の向こうに、七罪騎が?」

ゴクリと唾を飲み込む一同。

ナルト「開けるぞ」

ジョルノ「ええ」

扉を開けた瞬間、そこに一人の男が立っていた。















 服装からして執事のようであるが、

???「守護女神御一行様、ようこそお越し下さいました」

そう言って彼はペコリとお辞儀をする。

ベール「確認しますが、アナタは七罪騎の者ですの?」

ダービー「いえ、私はDIO様の元で執事をさせて頂いています。 名をテレンス・T・ダービーと申します」

その名を聞いた当麻は、まさかという顔をした。

当麻「待てよ? “ダービー”って……アンタまさか!?」

ダービー「はい。 貴方がたに敗れた、ダニエル・J・ダービーの弟です」

神裂「成程、兄君の仇討ということですか?」

神裂がそう言うと、ダービーは表情を全く変えずにこう返した。

ダービー「兄は皆さんにこう言いませんでしたか? “賭けは人間関係と同じ。 イカサマを見抜けなかったのは、見抜けない人間の敗北、泣いた人間の敗北”だと。 そうです。 皆さんとの勝負に負け、敗北した兄が『悪』なのです。 ですから、恨みなどこれっぽっちもありませんよ。 兄は兄、私は私でDIO様をお守りするだけです」

するとダービーの体から、人型の虚像が出現した。

テレンス・T・ダービーのスタンド『アトゥム神』である。













 スタンドを見たジョルノも、すかさず『ゴールド・エクスペリエンス』を出現させる。

拳を構えた『ゴールド・E』であったが、ダービーの口からとんでもない台詞が出て来た。

ダービー「賭けよう! 『ゴールド・E』の最初の攻撃は、右のストレートパンチだ」

ジョルノ「!?」

突然の言葉に驚くジョルノであったが、

ジョルノ「無駄ァ!」

『ゴールド・E』のストレートパンチが、『アトゥム神』へと放たれた。

しかし、右ではなく左からであった。

だが、その時であった。

『アトゥム神』はパンチが繰り出されるよりも速く、体を動かしたのだ。

それにより、『ゴールド・E』のパンチを避けたのである。

ガシリと腕を掴む『アトゥム神』。

これには全員が驚いた。

ミスタ「何だと!?」

フーゴ「『ゴールド・E』のパンチを避けた!?」

『アトゥム神』は『ゴールド・E』の腕を払いのけると、そのままダービーの体へと戻った。

ダービー「私も賭け事が好きなのですが、兄と違って上手く行かなくて」

不敵に笑うダービーであったが、ジョルノは驚きを隠せなかった。

ジョルノ「(どういうことだ? 彼は自分で右のパンチを予想していた。 しかし、僕が左のパンチを放った瞬間、それを予期したように避けた!?)」

ダービーに対して疑問が浮かんだジョルノであったが、ダービー本人は小さく笑うとこう言った。

ダービー「DIO様をお守りする私としては、貴方がたを追い払う必要があるのですが、ここはどうでしょう? 私と賭けをしませんか?」













 賭けをするという言葉に、殆どが疑問を向けた。

銀時「賭けだと?」

ダービー「そうです」

するとダービーは、テーブルに置かれたテレビゲームに視線を向ける。

ダービー「賭けと言っても、テレビゲームで私と勝負をしたいのですが」

一方通行アクセアレータ「テメェ……TVゲームで俺達に勝つ自信があるってンのかァ?」

ダービー「Exactlyその通りで御座います!」

浜面「そんな悠長な事やってられっか!」

美琴「同感ね。 ここでアンタを倒せば良いだけの話よ!」

浜面や美琴が戦闘態勢に入るが、ダービーは余裕の笑みを隠さなかった。

ダービー「言っておきますが、貴方がたにはその選択肢しかありません。 何故なら、ジョルノは既に私の術中に嵌っています」

ジョルノ「何?」

神楽「どういうことアルか!」

ダービー「フフフ、ジョルノの右腕を見れば分かります」

そう言ってジョルノの右腕を指さす。

ジョルノは右腕の袖をまくりあげると、

ジョルノ「な!?」

そこには手のようなものが、彼の右腕を掴んでいるようか形になっていた。

ダービー「私のスタンドの『手』を貴方の腕に掴ませて貰いました。 ここから逃がさないようにね」

ジョルノ「確かに……異物感も痛みも感じない……ただ“腕を握りつぶせそうな感覚”を感じる」

右腕の中の『手』を眺めた後、ジョルノは袖を元に戻した。













 ダービーの策に嵌った一行であった、インデックスがあるものに目を付ける。

それは、テーブルの奥にある棚に並べられた人形であった。

インデックス「ねぇ、あの人形は何? なんか、妙な感じがするんだよ?」

ダービー「ほう、そちらの小さなレディはお目が高い。 これは私の自慢のコレクションでしてね」

当麻「コレクション?」

ダービー「そうです。 兄のコレクションはつまらなかった。 ただ『魂』をコインに変え、眺めるだけでしたからねぇ」

ジョルノ「!?」

ダービー(兄)の話を聞かされたジョルノは、まさかという顔をする。

そして次の瞬間、彼の予感は的中した。

人形「あ……ああ……」

全員「!?」

人形「ダービー……何か……お話……して……」

銀時「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

土方「人形が喋ったぁぁぁぁ!?」

突然人形が喋り出し、銀時と土方は驚いてしまう。

神裂「兄君との戦いでもそうでしたが……ダービー、アナタの能力はまさか!?」

ダービー「そう、私との『賭け』に負けた者は魂をスタンドに抜かれ、人形に入れられる……ばらしてしまいますが、これが私の能力です」

平然と能力を説明するダービーであったが、全員は更に警戒を強めた。

当麻「兄弟揃って、ふざけた能力だ。 いや、兄貴の方がまだマシに見えるな、こんなモノを見せられたら」

ダービー(兄)と戦った経験がある当麻達は、彼の方がまともに見えた。

神裂「紳士の仮面を被っただけで、とんだサイコパスですね!」

ジョルノ「貴様!」

ダービー「さあ、貴方がたの誰が、私とのゲームを楽しみますか?」













 イスに座り、不敵な笑みを見せるダービー。

すると、一行の中でネプテューヌが口を開いた。

ネプテューヌ「分かった。 最初は私がやる」

全員「な!?」

それを聞いた一行は、驚きを隠せなかった。

ネプギア「お姉ちゃん、本気で言ってるの!?」

ジョルノ「別にアナタからやる必要は」

ネプテューヌ「大いにあるよ。 特にジョル君は、腕にそんなもの付けられて、ゲームに集中できるとは思えないし」

ジョルノ「……」

右腕にある『アトゥム神』の手を見て。ジョルノは少し黙りこむ。

ネプテューヌ「大丈夫。 TVゲームなら自信はあるし、そのテーブルのソフトも、最近の人なら「もう飽きた」って言うのがあるから」

そう言って彼女は、女神化と同時に一本のソフトを手に取る。

パープルハート「この『F-MEGA』での対戦を希望するわ」

ダービー「………」

パープルハート「賭けるわ、私の魂を」

ダービー「グッド」

この言葉が合図となり、ダービーとの戦いが始まったのだった。















TO BE CONTINUED

■作家さんに感想を送る
■作者からのメッセージ
 という事で、ダービー(弟)戦の始まりです。
テキストサイズ:6008

■作品一覧に戻る ■感想を見る ■削除・編集
Anthologys v2.5e Script by YASUU!!− −Ver.Mini Arrange by ZERO− −Designed by SILUFENIA
Copyright(c)2012 SILUFENIA別館 All rights reserved.