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超次元大戦 第二十六話:七罪騎の最期
作者:亀鳥虎龍   2015/03/24(火) 23:28公開   ID:4NvP6DOXZSI
 テレンス・T・ダービーを撃破し、更に奥に進むジョルノ達一行。

部屋の奥の扉を開くと、

銀時「げっ!? 今度は階段かよ!?」

ナルト「んじゃ、早く登るってばよ」

ジョルノ「そうですね。 油を売る必要もないですし」

長い長い階段を、休むことなく登るのであった。
















―第二十六話:七罪騎の最期―














 その頃、塔の屋上では……

デスハート「そろそろ、頃合いのようだな」

そう言ってデスハートは、不敵な笑みを見せ、

デスハート「カルダ」

カルダ「はっ!」

デスハート「少し出かけて来る」

彼女はなんと、自身を3人に分かれた。

デスハート「秘術・闇分身」

『秘術・闇分身』……デスハートの使う魔法の一つで、彼女自身を3人に分ける禁術。

しかし彼女自身を3人に分ける為、本来の力を3分の1ずつに分けなければならないのである。

カルダ「どうするおつもりですか?」

その言葉にデスハートは、ドス黒い邪悪な本性をさらけ出した。

デスハート「『傲慢』、『強欲』、『怠惰』……この3人の七罪騎を始末する」

カルダ「!?」

デスハート「七罪騎が奴等に倒されている以上、あの三人が敗北するのは確定だ」

カルダ「その前に、ご自分で始末すると?」

デスハート「ふん、所詮は『駒』だ。 あんな奴らの替えなど、いくらでも利く」

カルダ「………」

デスハート「では、ここは任せたぞ」

そう言って、3人のデスハートはその場から消えたのだった。












 その頃、地下の書物室では、

DIO「………」

パシャッと、DIOが茨状のスタンドを纏った手で、ポラロイドカメラを軽く叩いた。

カメラから出て来た写真には、ジョルノの顔が写っていた。

DIO「遂に来たか。 とうとう、この塔へと来たか……ジョルノ」

邪悪な雰囲気を纏いし、暗黒の帝王。

DIO「もうすぐ6時……このDIOが自由に動ける時間だ」

その足をゆっくりと進ませる。

DIO「頃合いだ。 準備不足だが、軽い運動にはなるだろう」

遂に、邪悪の帝王が、解き放たれたのであった。














 階段を登っている途中、ジョルノは一度振り向いた。

ジョルノ「……………」

銀時「どうした?」

ジョルノ「いえ……今、誰かに見られた感触を味わった気がして」

当麻「気のせいじゃねぇのか?」

ジョルノ「だと、良いんですが……」

ナルト「お〜い、早く行くってばよ!」

銀時「何でオメェはそんなに元気なの!?」

こうして彼等は、そのまま上へと登っていたのだった。













 七罪騎には、『七つの大罪』に合わせて7人の実力者が存在する。

『暴食』、『嫉妬』、『憤怒』、『色欲』、『強欲』、『怠惰』、『傲慢』。

その中の4人――『暴食』、『嫉妬』、『憤怒』、『色欲』が敗れ、残り3人となった。

しかしこの3人は、七罪騎の中でも他4人とは比べ物にならない程の戦闘力を持っている。

強欲の槍騎士――グリー

怠惰の弓使い――ケディア

傲慢の剣士――プライ

この3人は、七罪騎の中でも最強クラスの実力者である。

しかし同時に、デスハートですら危険視するほどの冷静さと判断力を持ち合せている。

グリーは柔軟な発想力、ケディアは冷静な思考力、そしてプライは極められた判断力。

その為デスハートは、状況次第では彼等を抹殺するつもりであったのだ。

そして、その時が来たのだった。

デスハートA「女神どもなど、『私』で十分に始末できる」

デスハートB「駒共なぞ、もう用済みだ」

デスハートC「さぁて、連中を狩りに行くか」

こうして、3人のデスハートは散ったのだった。














 グリーは自身の部屋である『強欲の間』にて、壁に背中を預けていたが、

グリー「この気配……マジで来やがったか」

デスハート「ほう……主に向かってその言い草はないだろう?」

デスハートの出現と同時に、槍を構えた。

グリー「用済みという理由で、俺等を殺そうとしている奴には、言われたくはねぇけどな」

デスハート「気付いていたか………やはりお前達は始末する必要があったようだな」

デスハートは手に持った大鎌を構えると、ゆっくりと前へと進む。

デスハート「安心しろ、一瞬で終わらせてやるからな」

グリー「ほざけ! この槍で、貴様の心臓を貰い受けるぜ! いくぜ『ヴェノム』!!」

青い蛇のような姿のスタンドが、槍に巻き付いていき、

グリー「ウオラァ!」

グリーは、そのまま突進していった。













 グリーのスタンド『ヴェノム』。

その能力は、スタンドの口に生えた二本の牙で相手を噛みつき、牙から流れる毒で相手を毒死させる。

槍に巻き付かせる事で、攻撃の射程を補助している。

グリー「喰らいやがれ!」

放たれた槍は、総てを穿つ強靭な牙。

しかし、その時であった。

デスハートは手に持った大鎌を、まるでナイフを振るうかのように、軽々と振るったのだった。

そして―――、

グリー「…………っ!?」

彼の右腕は切断され、切断面から血が噴出した。

グリー「何……だとぉ!?」

デスハートB「フフフ……」

不敵な笑みを見せるデスハートであったが、グリーは残った左手で槍を強く握る。

デスハートB「ほう……隻腕で挑むのか?」

グリー「はっ! テメェなんざ、片腕で十分なんだよ!!」

地を蹴り、グリーは突進していく。

グリー「うおぉぉぉぉぉぉ!!」

デスハートB「フン、愚か者め。 最後に見せてやろう、我がスタンド『サイレント・フォース』の恐ろしさを!!」

手に持っていた鎌の刀身から、ギョロリと一つの眼が開いた。

まさにその瞬間であった。

グリーの動きが、まるでスローモションのように動いていたのだった。

デスハートのスタンド『サイレント・フォース』。

その能力は、『時の流れを遅くする』事であった。

時の流れは知らない内に、速く感じる事がある。

しかしこのスタンドは、そんな時の流れをスローモーションのように遅くすることが可能である。

例えるなら、一般の人間にとっての一秒が、彼女にとっては一分に感じるのである。

デスハートB「終わりだ」

ドン――と、グリーの急所に『サイレント・ハート』の刀身が、見事に突き刺さったのだった。

時が元に戻ると同時に、グリーはその場で倒れてしまった。

デスハートB「さようなら、我が忠実な駒だった騎士よ」

デスハートはそう言い、その場を去った。

意識の遠ざかる中、グリーは心から思った。

自身の欲していたモノ。

『戦い』でもなければ、『勝利』でもない。

『金』でも『地位』でも『名誉』でもない。

それは、とても近くあって気付かないモノ。

傲慢プライ”と“怠惰ケディア”との友の繋がりであった。

グリー「(ハハッ……欲しいモノってのは、簡単にゃ手に入らねぇな)」

強欲のグリー……死亡












 プライは自身の部屋『傲慢の間』にて、既にデスハートと交戦していた。

しかし、グリーの死を気配で感じ取った。

プライ「そんな……グリー!?」

一瞬だけ動揺してしまったプライ。

しかし、その一瞬が仇となった。

ザァンと、デスハートに体を裂かれ、その場で倒れてしまった。

プライ「あ……」

流れる血を眺めながら、彼は意識が薄れていくの感じだ。

プライ「(すまない……グリー……ケディア)」

『傲慢の剣士』が、この場で倒れた瞬間であった。

デスハートA「ふん、七罪騎最強もここまでか」

傲慢のプライ……死亡。















 ケディアの部屋である『怠惰の間』。

ここでは、ケディアとデスハートの戦いが始まっていた。

グリーとプライの死を感じ取った彼女であったが、

ケディア「くっ!」

精神が揺らぐ事なく、右手の籠手に装着されたボウガンで距離を取る。

デスハートC「ふははははは! 怠惰の攻撃など、生温いわ!!」

しかしデスハートは、大鎌で矢を全て弾き落とす。

デスハートC「どうした? 怠け過ぎて力が衰えたか?」

ケディア「(……仕方ない、こうなったら!)」

高笑いをするデスハートであったが、まさにその時であった。

???「“怠惰”とは即ち、怠ける意味を持つ大罪。 しかし怠惰を司るものが、『怠ける』自体を全て捨てた時、驚くべき真価を見せる」

ゾクリと、二人の背筋が凍った。

そして、次の瞬間。

ドスンと、デスハートの背中に何かが突き刺さり、

デスハートC「ぐがぁぁぁぁぁぁ!!」

彼女は絶叫を上げてしまう。

ズキュンズキュンと、何かが吸い取られるような感覚。

そしてデスハートは、後ろを振り向いた。

そこには、DIOがいた。

DIO「折角だ。 女神の血の味、堪能させて貰うぞ」

デスハート「あ……あ………」

背中に突き刺した指から、血を吸い取っていくDIO。

遂に皮と骨のみとなったデスハートは、その場で倒れるのであった。

ペロリと指に付いた血を舐めると、DIOはケディアに目を向ける。

DIO「残りの七罪騎は、貴様一人のようだな」

ケディア「…………」

DIO「折角だ。 私のウォーミングアップに、付き合ってくれないかな?」

その瞬間、スタンドのヴィジョンがDIOの背後に出現した。

逞しい肉体と三角形のマスクを被ったような頭部、そして時計のマークがある拳。

タロットカードの21番目ラストナンバーで“完成”と“総合”、そして“約束された成功”を暗示するスタンド。

その名は、『世界ザ・ワールド』!!













 DIOのスタンドを目にしたケディアは、

ケディア「どうやらもう……怠けるのは無理なようね」

雰囲気が一気に変わり、それを見たDIOも、

DIO「ほう……素晴らしいな」

楽しそうに、不敵な笑みを見せた。

怠惰とは、あらゆる物事を放棄する大罪。

しかし、その放棄する事自体をやめた時、怠ける事自体を怠けた時、

ケディア「見せてあげるわ、DIO。 これが……プライとグリー以外……デスハートですら把握しきれなかった、私の真の能力チカラだ!!」

今までにない驚異的な闘気と殺気を放ち、真っ向から受け止めたDIOも笑う。

DIO「くははははは!! 面白い、こうでなくてはなぁ!!」

遂に! 最強の七罪騎と最凶の幽波紋スタンド使いの戦いが、幕を開けたのだった!!















TO BE CONTINUED


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■作者からのメッセージ
 強欲の槍騎士・グリーと傲慢の剣士・プライは、登場していきなり退場になりました。

次回はケディアvsDIOです。
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