前回のあらすじ。
遂に始まった、ジョルノとDIOの因縁の対決。
戦いの中、ジョルノの『ゴールド・エクスペリエンス』が止まった時の中を一瞬だが動く事が出来た。
それを知ったDIOは、両手に数多のナイフを持つ。
これを見たジョルノは、上空へと跳び上がるが、
DIO「無駄だ! 貴様は既に、私の“
詰み”に嵌ったのだ! 『世界ザ・ワールド』!!」」
『
世界』によって、時は止まったのだった。
―第二十九話:GIOGIOvsDIO・そのB―
跳び上がると同時に、DIOはジョルノの周囲にナイフを投げつけた。
DIO「さあ、ジョルノ! このナイフの雨を避けられるかァ!?」
投擲されたナイフは、ジョルノの間近でピタリと止まった。
DIO「フフフフ……気付いているのに動けないのは、逆に恐怖だな」
前後左右に投げられたナイフ。
すれら全てが、ジョルノの間近で止まる。
その瞬間、『ゴールド・E』が拳を振るった。
しかし、動けるのはほんの一瞬であった故、その場で時が止まった。
DIO「何だ、それだけしか動けんのか? これで一瞬しか動けない事が判明したな。 カントダウンだ」
そう言ってDIOは、指を三本立てると、ゆっくりと折り曲げながらカントダウンを行う。
DIO「3……2………1………」
そして指を全て折り曲げた瞬間、
DIO「時は動き出す」
再び時は動き出した。
時が動き出すと同時に、ナイフの一斉射撃が放たれた。
ジョルノ「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァ!!」
『ゴールド・E』の連打が、ナイフを弾き落としていく。
しかし、全てを弾けたワケではなかった。
ドスッと、ジョルノの身体に何本かのナイフが刺さった。
ジョルノ「がっ!」
これによりジョルノは墜落するが、DIOは更なる追い撃ちを仕掛けた。
DIO「終わったな、ダメ押しにもう一本!」
ジョルノ「!?」
残りの一本を投げ飛ばすと、ジョルノの顔へと命中した。
落下していくジョルノを見下ろしながら、DIOは小さく呟く。
DIO「正直言って、お前を殺せてホッとしているぞ。 ジョースターの次なる脅威を、この手で抹殺できたのだからな」
ドォンと地面に落下したジョルノ。
ジョルノ「くっ!」
しかし彼は、辛うじて生きていた。
地面に激突する瞬間、『ゴールド・E』のパンチで衝撃を半減させたのだ。
最後に放たれたナイフも、歯で上手く受け止めていた。
だが、身体にはナイフが刺さっていた。
右肩に一本、右の脇腹に一本、そして左足に一本……合計3本のナイフが刺さっていた。
ジョルノ「(マズイな……飛び道具を警戒して……さっきの店から拾った雑誌を服の中に隠しておいたが……あんなに投げてくるとは思ってもよらなかった)」
するとその時だった。
ジョルノの生死を確認するために、DIOが降りて来たのだ。
DIO「ほほう、まだ生きていたか。 やはりジョースターの血統は、強運に恵まれているな」
ジョルノ「くっ!」
ジョルノが生きていると確認したDIOは、地面に片膝を着けるようにしゃがむと、
DIO「だが、それもここまでよ!」
ドスッと、指を彼の左胸に突き刺したのだ。
ジョルノ「ぐあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
胸に指を突き刺され、ジョルノは絶叫を上げてしまう。
特に左胸は、最も心臓に近い箇所。
そこを突き刺されてしまっては、誰でも無事では済まない。
ズキュンズキュンと、そのままDIOはジョルノから血を吸い取っていく。
DIO「
URYYYYYYY! 皮と骨になるまで搾り取ってくれる!!」
邪悪な笑みを浮かべるDIO。
このままでは、体中の血液を吸い取られてしまう。
ジョルノ「ご……『ゴールド・E』!!」
しかし、その時だった。
胸のブローチが、ピラニアへと生まれ変わり、DIOに襲いかかった。
ピラニア「シャァァァァ!」
DIO「むっ!」
これを見たDIOは、ジョルノからすぐに離れたのだった。
追い詰められた保険の為に、『生命』を与えたブローチでの反撃。
成功したお陰で、ジョルノは危機を脱する事が出来た。
しかし代償として、本来の7割程の血液を吸い取られてしまった。
ジョルノ「くっ!」
血を吸い取られ、一瞬だけ身体がふらついてしまう。
DIO「惜しいな……全て吸い取った後、貴様を
屍生人にしてやろうと思ったんだがなぁ」
邪悪な笑みを見せるDIOに対し、ジョルノはギリッと奥歯を強く噛み締める。
そんな彼とは裏腹に、DIOは今までにない喜びを感じでいた。
DIO「う〜ん……馴染む、馴染むぞ実に! フハハハハハハハハハハハハハ!!」
ボリボリと血が噴き出すくらい、身体や頭を掻き毟る。
勿論、その傷も治癒される。
DIO「思った通りだ! 息子であるお前の血は、この身体に良ぉ〜く馴染むぞ!!」
ゆっくりと立ち上がり、ジョルノは拳を強く握り締めた。
ジョルノ「DIO……貴様……」
プラネテューヌへと向かっていた最中、彼はポルナレフにこう言われた。
ポルナレフ(いいか、ジョルノ。 何があっても、決して怒り任せで戦おうとするな。 ヤツの思い通りになってしまうぞ。 それではDIOには勝てん、冷静になるんだ)
しかし今のジョルノは、怒りが爆発する寸前であった。
彼自身は必死に冷静になろうとするが、まさにその時だった。
DIO「安心しろ。 貴様を殺した後、女神共や貴様の仲間達もあの世に送ってやる。 貴様の腕の中で死んだ、あの
虫ケラの様に」
ケディアを『虫ケラ』と呼んだ瞬間、ジョルノの中の何かがプッツンと切れた。
虫ケラ……誇りを持って闘った者に対し、明らかな侮辱の言葉だった。
この言葉を聞き逃さなかったジョルノは、真っ向からDIOへと走り出した。
ジョルノ「(あんな言葉を聞かされて、怒らない人間はいない! DIO、僕を……怒らせたなぁ!!)」
地を蹴り、鋭い眼光は、邪悪の帝王である実の父を強く睨んだ。
ジョルノ「DIOォォォォォォォォ!」
DIO「クククク……最終ラウンドだ。 いくぞ!!」
遂に、真のラストバトルが始まったのだった。
助走から上空へと跳び上がったジョルノとDIO。
二人は互いのスタンドを発動させ、拳の連打を叩きこんだ。
ジョルノ・DIO「
URYYYYYYY!!」
ドガドガドガとぶつかり合う拳と拳。
ジョルノ「うおぉぉぉぉ!」
ドガァと次の一撃で、『ゴールド・E』の拳が『
世界』の拳を砕いた。
DIO「ぐっ!」
受けたダメージの反動で、DIOの拳も砕かれた。
勿論、すぐに再生される。
DIO「いいぞ、パワーも上がっていくぞ!! やはり思った通り、貴様の血は良く馴染むぞジョルノ!!」
ジョルノ「ポルナレフさん、アナタの忠告通りになってしまった。 けどまだだ! こんなんじゃ、怒り足りない!!」
果たしてジョルノは、DIOに勝つ事が出来るのか!?
TO BE CONTINUED