漆黒の塔の最上階を目指していた銀時達。
銀時「何だこりゃ?」
扉を開けると、そこは長い廊下になっていて、
新八「もしかして、罠が仕掛けられてるんじゃ?」
新八は罠を想定するが、銀時と土方と桂がこれを否定した。
銀時「バ〜カ、こんなのが罠って言えるのか?」
土方「そうだぜ。 お前等、少しは考え過ぎだぜ」
桂「俺達はこの程度を罠とは一度も思っておらんぞ」
自信満々の3人であったが、まさにその時だった。
ガシャンと、扉が自動的に閉じられたのだった
銀時・土方・桂以外の全員「………………」
新八「…………へ?」
―第三十一話:黒幕が登場だからってソイツがラスボスになるとは限らない!―
最初は沈黙だった一行であったが、アイエフとサクラのツッコミが炸裂した。
アイエフ「ちょっとォォォォォォ! 自動的に扉が閉じたじゃない!!」
サクラ「これって、明らかに罠でしょ!?」
銀時「んなワケねぇだろ?」
土方「そうだぜ、ありゃオートロックだよ」
桂「全くだ、これだから素人は」
サクラ「いや、明らかにおかしいでしょ!? 何でアンタ達、そんなに罠を否定したがるの!?」
するとその時であった。
天井からウィーンと、モニターが降りて来た。
そして画面には、デスハートの顔が映っていた。
それを見た一行は、警戒を強くする。
ネプギア「デスハート!?」
デスハート『良く来たな貴様等。 でも、それも今日で終わりだ。 何故なら、この通路には危険なわ――』
しかし、デスハートが全部言い終えようとした瞬間だった。
ドガァと、銀時と土方と桂がモニター画面を破壊した。
全員「……………」
これを見た一行は唖然としたが、今度はいののツッコミが炸裂した。
いの「ちょっとォォォォォ! 明らかに“罠”って言いかけたわよ!?」
これに対して3人は、否定するようにこう言った。
銀時「バカかオメェは?」
土方「アレは『罠』って言おうとしたんじゃねぇ」
桂「“私のワインがありますよ”と言いかけたのだ」
新八・アイエフ「英語の教科書か!?」
すると、壁から出現したモニター画面から、デスハートが怒った顔で映った。
デスハート「貴様等ぁぁぁぁぁ!! 普通、人が言い終える前に壊すか普通は!? 最後まで人の話を聞けぇ! いいか? この部屋にはな、私の全財産の3/1を注ぎ込んで作ったわ――」
しかしまたも言い終える前に、3人にモニター画面を破壊された。
3人「はっ! はっ!」
この光景を見た新八達は、
新八「是が非でも『罠』とは認めないつもりだ」
ユニ「どんだけ負けず嫌い!?」
シカマル「……メンドくせぇ奴等だな」
そう言って呆れるしかなかった。
銀時と土方、そして桂がモニターを破壊している間、
近藤「とにかく、ここから先は罠に気を付ける必要がある。 いくぞ!」
そう言って近藤が、足を一歩進める。
しかし、その時であった。
ポチッ!と、何かを押した音が聞こえた。
近藤「え?」
その瞬間、天井から巨大な丸太が出現した。
近藤「えええええええええええええええええ!?」
新八「ちょっとォォォォ! 言った本人が罠に嵌ってどうすんですか!?」
振り子の要領で近付く丸太であったが、
3人「!!」
銀時、土方、桂の3人が息の合った一撃で粉砕した。
この光景に、誰もが唖然とした。
桂「銀時、土方……これは断じて、罠とは言わんな」
土方「気が合うな、桂。 俺も同じ事を思ったぜ」
銀時「ああ、コイツは罠なんかじゃあねぇ……」
3人「イタズラだぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
叫びながら、三人は罠へと突進した。
桂「俺達は大人として、子供のイタズラに付き合う義務がある! そうだろう、銀時! 土方!」
土方「ああ、そうだ! 最近のガキは頭を使う事を知る事で、更なる才能を伸ばす事が出来る!!」
銀時「その通りだ! そして大人には、それに付き合う義務がある!!」
次々と向かって来る罠を、彼等は当たり前のように破壊していく。
桂「そうだ! つまり!」
土方「コイツは断じて!」
銀時「罠なんかじゃあねぇ!」
3人「全部、イタズラなんだぁぁぁぁぁぁぁ!!」
全ての罠を破壊した三人に、誰もがは思わず拍手をしてしまう。
桂「フン」
土方「チョロイもんだぜ」
銀時「全くだ」
しかし頭上から、大きな石板が落ち着て来たが、
三人「うおっ!?」
三人はすぐさま受け止め、
桂「ほ……本当に……」
土方「可愛い悪戯だぜ」
銀時「手が込んでんじゃねぇか」
汗だくになりながらもそう言った。
それを見た新八は、ジト目で呟いた。
新八「ホントに可愛い人達ですね」
やっとで最上階へと辿り着いた一行。
そこには、青筋をピクピクさせるデスハートが立っていた。
デスハート「やっと来たようだな、貴様等」
土方「おい、何で怒ってんだよ?」
デスハート「当たり前だぁぁぁぁぁぁ! 人が最後まで言おうとしているのに、その途中でモニターを壊すか普通は!!」
銀時「だって、面倒だし」
デスハート「そんな理由でモニターを壊すな! あと、良くも私が設置した罠を破壊してくれたな!!」
桂「え? あれって、イタズラじゃなかったのか?」
デスハート「アレをイタズラで済ませるか普通はぁぁぁぁぁぁぁ!!」
土方「いちいち大声を出すなよなぁ、ウルセェっての」
デスハート「誰のせいだと思ってるんだ!!」
『銀魂』の定番である大ボケ炸裂攻撃に、流石のデスハートもツッコミをせざるおえなかった。
寧ろ、キャラが崩壊しそうになった。
デスハート「まあいい……貴様等の命もここまでだ」
デスハートは大鎌を構えると、
デスハート「この『サイレント・フォース』で、貴様等の首を落としてやる。 処刑の時間だ」
それを聞いた銀時は、笑いを堪えていた。
銀時「処刑の時間? 何カッコつけてんの? 中二病なの?」
ブチりと、デスハートはマジギレしたのだった。
スタンド『サイレント・フォース』の時間低速能力が発動し、周囲の動きがユックリとなった。
一行「!?」
銀時達は異変に気付くが、体が思うように動かない。
デスハート「もう遅い! 貴様等の『時』は、スローモーションと同じだ!!」
豪快に大鎌を振るったデスハート。
その凶刃は、銀時の体を斬り裂いた。
ブシュゥと、傷から血が噴き出した銀時。
銀時「!?」
新八「銀さん!?」
膝を着いた銀時は、眼前のデスハートを睨む。
デスハート「ハーハハハハハ! どうだ? これが私の力だ!」
しかしその時だ。
サスケ「その能力、確か無敵だが……アンタ自身が自信家過ぎる」
サスケが愛刀の『草薙の剣』を振るった。
デスハート「クッ!」
サスケ「どうしたよ? 今の攻撃も、能力でかわせば良いだろう?」
不敵な笑みで挑発するサスケに対し、慌てるような顔をする。
デスハート「ふ、ふん! 貴様の様な小童の攻撃、能力など使わなくてもかわせるわ!」
慌てたような顔をするデスハート。
表情を一つも変えないサスケは、左手に集中したチャクラをスパークさせる。
地を蹴り、デスハートへと突進し、
サスケ「千鳥」
ドガァと、最強の必殺技を放った。
千鳥の一撃で、壁に大穴を空けるほどの破壊力を見せたサスケ。
サスケ「成程な、どういうことか」
デスハート「!?」
サスケ「アンタの能力、時の流れを低速にするようだが……それが出来るのに、制限があるな」
デスハート「!?」
事実を突かれたデスハートは、冷や汗が滲み出ていた。
サスケ「図星だな」
サスケの言う通りである。
『サイレント・フォース』の時間低速は、約5秒間しか能力を発現できない。
更に刀身の“眼”が開いた時でないと発動できないため、眼を閉じている間は能力が使えないのである。
サスケの奇襲の際は、丁度刀身の“眼”が閉じていた状態だったため、能力を発動できなかったのだ。
スタンドの弱点を見抜かれたデスハート。
デスハート「くっ! こうなったら……」
すると彼女は、背を向けた瞬間、
デスハート「逃げる!」
そう言ってもの凄い速さで走り去ったのだった。
一行「…………」
これを見た銀時達は沈黙するが、新八のツッコミが響いたのだった。
新八「何でだぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
屋上へと逃走したデスハートは、そこでカルダと合流する。
カルダ「どうしましたか!?」
デスハート「緊急事態だ! アレを使う!!」
そう言われたカルダは、懐から小箱を取る。
中には黒い球体が入っていた。
デスハート「クフフフフ……見ているがいい、コイツを使えば――」
デスハートはその球体に手を伸ばそうとした瞬間、ドスッという音が聞こえた。
デスハート「………え?」
良く見ると、急所にナイフが刺さっていた。
カルダ「ご苦労だったデスハート。 これは私が――いや、
俺が使わせて貰うぞ」
デスハート「き……さ………ま………」
バタンと、デスハートはその場で死亡した。
彼女を追って、屋上へと向かった銀時達であったが、
銀時達「!?」
丁度その時に、その光景を目にしたのだった。
TO BE CONTINUED