当麻達と合流し、銀時達の元へと向かうジョルノ達。
因みに一方通行やミスタ達は、亀の中に入っている。
ナルト「ヒナタ、ホントに平気か?」
ヒナタ「うん、大丈夫。 ありがとう」
当麻「つーか、一体どこまで続くんだよこの階段」
ジョルノ「急ぎましょう、手遅れにならない内に」
―第三十二話:最終決戦! 輝く
鎮魂歌!!―
銀時達の目の前で、デスハートを殺害したカルダ。
そんな彼は、銀時を睨みながらこう言った。
カルダ「久しぶりだな、坂田銀時」
銀時「あん? 俺ぁ、テメェの事なんざ知らねぇぞ?」
カルダ「それもそうだ。 俺は仮面で素顔を隠していたのだからな」
そしてカルダは、自身の仮面をその場で外した。
銀時「!?」
その顔を見た銀時は、驚愕を隠せなかった。
その正体は――、
銀時「テメェは……陀絡」
陀絡「ククククク……」
宇宙海賊『春雨』の幹部、陀絡であった。
デスハートの側近カルダ。
その正体は、かつて銀時に倒された天人で、宇宙海賊『春雨』の陀絡であった。
銀時「テメェがいるという事ァ……『春雨』が関わってんのか!?」
桂「貴様の目的は何だ!?」
その問いに対し陀絡は、静かに答えた。
陀絡「俺は、あの日の恨みを今でも忘れていない……」
サスケ「恨みだと?」
陀絡「あの日……坂田銀時に敗れた俺は、半死半生の身で『春雨』に帰還した。 だがそんな上層部は、俺をゴミクズ当然の様に切り捨てやがった!! それどころか、新兵器の実験台にして、俺を転送装置の中にブチ込みやがった!!」
桂「転送装置!?」
陀絡「そうだ、元々お前達をこの世界に送り込んだ転送装置は、元々は『春雨』の開発したものでな。 奴等は異世界の奴等を自分達の仲間に引き込むため、アレを造ったのだ」
銀時「お前、よく生きてたな」
陀絡「最初は俺も死を覚悟したが、運は最後まで味方してくれた。 偶然落ちたところが、デスハートのいたトコロだったからな。 そしてデスハートは、このゲイムギョウ界を支配する話をして、それを聞いた俺はチャンスだと感じた。 “この女を使えば、『春雨』への復讐が出来る”とね」
不敵な笑みを見せる陀絡は、更に話を進める。
陀絡「まずデスハートの能力で、元の世界に戻った。 そして俺を処刑しようとした上層部を皆殺しし、転送装置を奪い取った。 殆どを攘夷志士共に売り、奴等を上手く泳がせたのだ。 そして計画は上手く成功し、貴様等がこの世界に来てくれたのだ」
銀時「そして、デスハートを用済みとして殺したのか?」
陀絡「そうだ。 そしてコイツで、俺は究極の存在となる」
小箱の黒い球体を飲み込んだ瞬間、陀絡の体に異変が起きた。
陀絡「ウオォォォォォォォ!!」
漆黒の竜巻が彼を包み込み、銀時達はゴクリと唾を飲み込んだ。
竜巻が晴れた瞬間、彼等は驚愕を隠せなくなった。
頭部には角が生え、額に眼が開き、背中には蝙蝠のような翼が生えた陀絡の姿がった。
陀絡「ハーーーハハハハハハハ!! やったぞ、これこそ俺が求めていた力だ!!」
シカマル「何だよあの姿は!?」
ネプギア「震えが……止まらない」
ユニ「あんな奴、今まで見た事がない!」
サスケ「………」
サスケと銀時以外は、その邪悪な雰囲気に恐怖を覚える。
陀絡「デスハートから奪い取った、アンデットゾーンの秘宝『ダーク・キャンディー』。 これを飲み込んだ俺は、究極の存在『デビル陀絡』となったのだ!!」
サスケ「どうやら、アンタが最後の敵という事になるな」
銀時「行くぜ陀絡! テメェの腐った根性、ここで叩き直してやらぁ!!」
草薙の剣を抜いたサスケと、木刀を握りしめた銀時が構えを取る。
陀絡「クククク……それじゃあ、ウォーミングアップついでに、貴様への復讐を果たすとしようか」
銀時「やってみやがれ! 返り討ちにしてやらぁ!!」
サスケ「それ以前に、ウォーミングアップで終わらせてやる」
そう言って二人は、陀絡へと突進したのだった。
究極の存在となった陀絡と戦って約30分。
銀時「ハァ……ハァ……」
サスケ「…………」
ロム「…………嘘(ブルブル)」
陀絡には、全く傷一つ付いていなかった。
銀時「テメェ……まさか、本気でやってねぇな?」
陀絡「言っただろう、ウォーミングアップだと」
銀時「ざけんじゃねぇ!!」
豪快に木刀を振るった銀時。
その一撃は、陀絡の首を直撃した。
銀時「なっ!?」
しかし、首の骨よりも先に、木刀の刀身が折れてしまった。
その瞬間、陀絡の拳が、
陀絡「ふん!」
ドガァと、銀時の体に叩きこまれたのだった。
銀時「がっ―――!?」
そのまま後ろの壁に激突し、ズルリと地面に倒れてしまった。
新八「銀さん!?」
神楽「銀ちゃん!?」
この光景に、誰もが驚きを隠せなかった。
サスケ「はぁぁぁぁぁぁ! 千鳥!!」
サスケは真っ先に、陀絡へと千鳥を放った。
だが陀絡の体には、掠り傷一つも付いていなかった。
サスケ「ちっ!」
一旦後ろへと跳ぶと、サスケは警戒を強めた。
陀絡「ふん、無駄だ。 何度攻撃しても、貴様等には俺に傷一つも付ける事は出来ん」
まるで虫けらを見るような目で見下す陀絡。
しかし、その時であった。
???「そんなの、やってみなきゃ分からないわ!」
???「お待たせしましたってばよ!」
???「テメェの幻想、ブチ殺しに来たぜ!」
???「いくぜ!」
???「ここで、決着をつけるぞ!」
ジョルノ、パープルハート、ナルト、当麻、静雄がやって来たのである。
亀から出て来た一方通行や浜面達は、陀絡の姿を見て驚く。
一方通行「おい、何だアリャ?」
浜面「ま、まさか悪魔じゃねぇよな!?」
パープルハート「だったら、余計にいい方だわ」
そんな彼等に対し、サスケは呆れた口調で呟く。
サスケ「やっと来たか。 遅いぞ、このウスラトンカチ」
ナルト「悪ぃ、後は任せるってばよ」
それを聞いて彼は、小さな笑みを浮かべる。
サスケ「ああ、選手交代だ」
ナルト「おう!」
パープルハート「後は、私達に任せて」
当麻「行くぜ皆!」
静雄「動けねぇ奴は、俺がしっかり守るから、安心していいぜ!」
ジョルノ「行こう、皆! 最終決戦だ!!」
そしてジョルノ達は、陀絡へと立ち向かったのだった。
印を組み、ナルトは九喇嘛に話しかける。
ナルト「いくぜ、九喇嘛!」
九喇嘛『ああ! 存分に暴れてやれ!!』
瞬間、ナルトの姿が全身が黄色に輝き、羽織を纏った姿へと変わった。
究極の形態『九喇嘛モード』へと、姿を変えたのである。
ナルト「いくぜ、六道仙人の力、見せてやらぁ!」
パープルハート「女神の力もよ!」
二人は陀絡の横へと回り込み、
ナルト・パープルハート「ハァァァァァァァ!」
挟み撃ちの要領で攻撃する。
しかし、陀絡は片手のみで攻撃を抑えつけた。
ナルト「な!?」
パープルハート「そんな!?」
陀絡「フンっ!」
更に陀絡は、そのまま二人を地面に叩きつけた。
ナルト「がぁ!」
パープルハート「ぐっ」
当麻「やろぉ!」
静雄「テメェ!」
当麻と静雄が拳を振るうが、陀絡はそれすらもかわし、
陀絡「バカめ!」
二人を一撃で吹き飛ばした。
当麻・静雄「がぁ!」
ジョルノ「くっ! 『ゴールド――』」
ジョルノも『ゴールド・エクスペリエンス』で攻撃しようとするが、
陀絡「無駄な事だ!」
ジョルノ「グアァァ!」
陀絡によって地面に叩きつけられた。
圧倒的な強さ、これを見た新八は、ここから思ったのだった。
新八「そんな……おしまいだ」
圧倒的な強さに、ジョルノ達は倒されてしまう。
陀絡「くくくく……くはははははは!! どうだ、思い知ったか? これが究極の力だ!!」
誰もが戦意を喪失しかける。
しかし、ナルトやジョルノは違った。
ナルト「ふざけんなよ……俺達はまだ、諦めちゃいねぇんだ」
当麻「勝手に……勝利宣言してんじゃねぇ!」
ジョルノ「ここにいる誰かが諦めない限り、お前に屈する者はいない!」
ジョルノは一本の『矢』を握りしめると、
ジョルノ「『ゴールド・E』!!」
そのまま『ゴールド・E』の胸に突き刺したのである。
全員「!?」
これを見たミスタ、フーゴ、ポルナレフ以外は驚くが、
陀絡「フン、何をするかは知らんが、この俺に勝つ事は決してないのだぁぁぁ!」
陀絡が指先から光線を放ったのだ。
パープルハート「ジョルくん、逃げて!!」
パープルハートは叫ぶが、それよりも速く、
陀絡「死ねぇ!」
光線が、ジョルノの体を飲み込んだのだ。
この光景を目にしてた者達は、絶句し、
陀絡「ハーーーハハハハハハ! これで一人は消したぞ!!」
陀絡は歓喜の笑いを上げる。
しかし、その時であった。
陀絡「!?」
何かの気配を察知し、陀絡はすぐさま振り向いた。
それと同時に、何かが飛んで来たのだった。
陀絡「!?」
陀絡はそれを交わすと、壁にぶつかり、そこからサソリがコロンと転がる。
これには誰もが驚き、上を見上げると、
ノワール「ジョルノ!」
更なる姿と化した『ゴールド・E』と共に宙に浮く、ジョルノの姿がそこにあった。
射抜いた者をスタンド使いに変える『矢』。
この『矢』のパワーの先を手にしたスタンド使いは、スタンドを超えたスタンド『レクイエム』へと進化させる事が出来る。
そしてこれが、ジョルノの『レクイエム』。
ジョルノ「真実から生まれた『誠の行動』は、決して滅びはしない。 皆と共に過ごした時間と、戦いの日々……これは決して無駄でもない、そして滅ぶ事は無い。 さあ……アンタ果たしては、滅びずにいられるかな?」
その名は――『ゴールド・エクスペリエンス・レクイエム』。
スタンドの最強形態を目にした一行は、驚きを隠せなかった。
フーゴ「あれが『レクイエム』」
ミスタ「そういや、お前はアレを見るのは初めてだったな」
ステイル「アイツ……まだあんな切札を隠してたのか!?」
神裂「格が違い過ぎる」
当麻「すげぇ……」
ナルト「今まで感じた事のねぇ力だってばよ」
九喇嘛『この力……ワシより上だと!?』
聖人である神裂や、九喇嘛ですら格の違いを感じ取る。
その姿に対し、陀絡は怒りを露わにする。
陀絡「いいだろう……このデビル陀絡の力、とくと思い知るが良い!!」
まさにその瞬間、全てが闇に包まれた。
世界そのものを闇に包む込む、デビル陀絡の最強の技『ダークネス・フィールド』。
闇は全てを破壊する。
肉体も、感情も、そして
精神を――、
陀絡「この世界は俺の支配下! 簡単に解く事は出来ん!!」
全てを破壊する、邪悪な技である。
陀絡「フハハハハ! これが、俺と貴様等カス共の決定的な差だ!!」
ジョルノへと接近していく陀絡。
しかし、その時であった。
陀絡「!?」
彼の視界に映るもの全てが、まるでビデオテープの巻き戻しの様に逆流していた。
人も、鳥も、ましてや雲も、あらゆるもの全てが、逆流していったのだった。
陀絡「ど、どうなっている!?」
驚く陀絡であったが、すぐさまジョルノに近付き、
陀絡「死ねぇ! ジョルノ・ジョバァーナ!!」
豪快に拳を振るった。
陀絡の拳は、ジョルノへと容赦なく放たれた。
だが、その時であった。
彼の腕を引っ掛けるように、別の『腕』が現れた。
陀絡「え?」
陀絡がそれを振り向いた瞬間、
陀絡「え?」
陀絡「え?」
陀絡「え?」
陀絡「え?」
陀絡「え?」
後ろには陀絡がいて、その陀絡が振り向いたら、その後ろにも何人もの陀絡が同じように振り向いていた。
そして最後尾にいた陀絡が驚いていた。
陀絡「な、何だこれはぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
すると、闇に包まれた世界の中で、『ゴールド・E・レクイエム』が自我を持ったかのように喋り出した。
レクイエム「コレが……」
陀絡「!?」
レクイエム「コレが『レクイエム』……オマエが行オウトシテイルノハ、確カニ『真実』ダ…………確カニ、オマエノ能力ヲ敗レル者ハ、イナイカモシレナイ………シカシ、オマエガ如何ナル能力ヲ持ッテイテモ、ワタシノ前デハ、決シテ『真実』ヘ到達スルコトハ出来ナイ……コレガ『ゴールド・E・レクイエム』……コノ事ハ……私ヲ操ル、ジョルノ・ジョバァーナサエモ、認識デキナイ」
そう、これが『ゴールド・E・レクイエム』の能力。
このスタンドの前では、全ての能力や動作が『ゼロ』へと戻ってしまう。
即ち陀絡の力は、完全に封じられてしまったのだった。
陀絡「はっ!?」
そして、『ダークネスフィールド』を放つ前の出来事に戻り、
陀絡「いいだろう……このデビル陀絡の力、とくと思い知るが良い!!」
陀絡は先程と同じ台詞を口にしていた。
陀絡「(お、俺は何を言っている!? まさか、まさか俺はは!?)」
この瞬間、彼は気付いたのだ。
陀絡「この俺は、初めから動いていなかったというのか!? この陀絡様がぁ!?」
まさに、その時であった。
ジョルノ「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァ!!」
ジョルノの叫びと共に、『ゴールド・E・レクイエム』のラッシュが叩きこまれたのだった。
レクイエム「オマエハモウ、真実ヘ到達スルコトハナイ……決シテ」
ラッシュを放たれた陀絡は、そのまま屋上から落下したのだった。。
新八「やった!」
土方「いや、まだだ!! 野郎の生死を確認しねぇと!」
銀時「おい、ジョルノ。 ヤロウは倒したのか!?」
銀時が聞くと、ジョルノは静かに答えた。
ジョルノ「ああ、もう終わった」
銀時「え、マジで?」
ジョルノ「僕自身『レクイエム』の能力は認識できなかったが、これだけは言える……陀絡は決して、『真実』へ到達する事はない」
ネプテューヌ「どういう……意味なの?」
その問いに、ジョルノはユックリと口を開いた。
ジョルノ「“終わりがないのが終わり”……それが、『ゴールド・E・レクイエム』」
その頃、陀絡はというと……
「ど、どうなっている!?」
塔から落下した同時に、地面に激突して死んだ。
しかし次の瞬間、彼はは夜の街にいた。
だが訪ねて来た通行人の犬が吠えた瞬間、体が勝手に道路へと跳んでしまい、通行中の車にはねられた。
痛みは全て本物であった。
否、これが『ゴールド・E・レクイエム』の能力の恐ろしさであった。
この能力で殴られた者は、決して己が『死んだ』という真実へと辿り着けなくなってしまい、何度も『死に』続けるのだった。
陀絡「ま、まさか……まさかそんな!!」
無限に“死に続ける”恐怖を味わいながら、陀絡は震えて続ける事になる。
陀絡「俺の……俺のそばに近寄るなぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
こうして、ジョルノ達の決戦は、ここで幕を閉じたのだった。
TO BE CONTINUED