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東方大激戦 第4話:悪魔の右腕と這いよる混沌
作者:亀鳥虎龍   2015/08/08(土) 20:40公開   ID:nLcsKa.6eNA
 ネロとニャル子に任せ、霊夢達は廊下を走る。

当麻「そう言えば、咲夜って女の能力って何だ?」

霊夢「咲夜は時を操る能力を持ってるのよ。 さっきの出現も、時を止めてから現れたの」

ネプテューヌ「ねぷっ!? そんなのチートレベルの能力だよ!?」

ノワール「それ以前に反則じゃない!?」

そんな中、銀時がこう言った。

銀時「なあ、霊夢。 その情報、ネロとニャル子にも教えたか?」

それを聞いた霊夢は、ピタリと止まってしまい、

霊夢「忘れてたァァァ!」

今思い出したという顔で頭を抱えたのだった。

銀時「今頃かよぉぉぉ!?」









悪魔の右腕デビルブリンガー這いよる混沌ニャルラトホテプ









 咲夜はナイフを構え、ネロとニャル子は構えを警戒する。

しかし、その時であった。

咲夜「無駄よ!」

一瞬だけ背景が変わり、咲夜の周囲が止まった。

そう、彼女が時を止めたのである。

そしてナイフを何十本も投げ飛ばすと、投げ飛ばされたナイフは二人の眼前で止まった。

咲夜「時は、動き出す」

時が動いたと同時に、ナイフが二人へと襲いかかった。

だがネロは素早くレッドクイーンを振るい、ニャル子はバールのようなものを振るった。

ニャル子「バカですね! この『名状しがたいバールのようなもの』で、ナイフなぞ叩き落としますよ!」

ネロ「いや、どう見てもバールだよな?」

咲夜「フフッ、面白い事をするわね」

ニャル子「さあ、こちらは二人! どう見てもアナタが不利のハズです!」

ニャル子の発言は正しいが、咲夜は呆れたような顔をする。

咲夜「やれやれだわ。 私が何時、だと言ったかしら?」

まさにその時であった。

ネロ「!?」

突然の気配に、ネロは避けようとするが、

ネロ「ぐっ!」

まるでダンプカーにぶつかったかのような一撃を喰らってしまう。

ニャル子「ネロさん!?」

壁を突き破り、そのまま外へとふっ飛ばされてしまったネロ。

彼を襲った衝撃の正体は……、

咲夜「彼女だって、伊達に門番をやってるワケじゃないわよ?」

さっきまで眠っていた美鈴メイリンであった。










 コキコキと首の骨を鳴らし、ゆっくりと歩き出す美鈴メイリン

咲夜「あの男は任せるわ。 そしたら、今回の居眠りの件は大目に見て上げる」

美鈴「勿論です」

ニャル子「(いつもは居眠りしてるですね)」

二人のやり取りを聞いて、ニャル子は本気でそう思った。

咲夜「さて、これでゆっくりと獲物を仕留められるわ」

ナイフを構える咲夜。

そんな彼女に、ニャル子はこう言ったのだった。

ニャル子「ですが咲夜さん。 私はアナタの能力に気付きました」

咲夜「?」

ニャル子「アナタの能力は、ズバリ! 時を操る能力ですね?」

咲夜「!?」

ニャル子「突然現れた場面……あれは一時的に時を止めて、そのまま扉を開けて入って来たんですよね? そしてナイフは、時を止めた瞬間に投げて、能力を解除した瞬間にナイフが突然飛んできたように見せた。 違いますか?」

自身の能力を見破ったニャル子に対し、咲夜は余裕の表情を見せる。

咲夜「流石ね、私の能力を見破るなんて……。 だけど、知ったところで対策法を見つけたわけでもないでしょ?」

ニャル子「試して……見ますか?」

ダッと地を蹴り、そのままニャル子はバールで攻撃する。

ニャル子「ハァァァァ!」

素早く豪快に振るうが、咲夜は右足のホルダーから抜いたナイフで防ぐ。

咲夜「成程、中々やるわね。 だけど、それが何だというの?」

ニャル子「そこだぁ!」

豪快な一閃を放つが、咲夜はヒラリとかわす。

咲夜「もう良いわ、満足よ。 このまま終わりにしてあげるわ! 時よ止まれ!!」

それと同時に、時が止まったのだった。











 全ての時が止まり、咲夜はニャル子へと近づく。

咲夜「ウフフフ……これで、今度こそ終わりよ」

手に持ったナイフを振るおうとするが、その時であった。

ピクッと、ニャル子の右手が動いたのである。

咲夜「う、動いた!? 今、腕が動いた!?」

まさかという顔をする咲夜であったが、

咲夜「くっ! 時間切れね」

その場で時が動き始めたのだった。

ニャル子「ありゃ?」

攻撃されていなかった事に、ニャル子は不思議に感じていた。

そんな彼女に、咲夜は叫んだのだった。

咲夜「見えているの?」

ニャル子「へ?」

咲夜「見えているのかと聞いてるの!」

ニャル子「なぁ〜んの事か、さっぱりですねぇ〜」

ざわとらしく肩をくすめるニャル子であったが、

咲夜「くっ! 良いわ、アナタが動けようと関係ない! ここで仕留めるわ! 時よ止まれ!!」

再び咲夜は、時を止めたのだった。












 時を止めた状態で、ニャル子に近付く咲夜。

そして彼女のある部分を見て、

咲夜「ウフフフフ……アハハハハ!」

思わず笑ってしまった。

そして自身の腕に付いていた『何か』を、ニャル子の右手に近付ける。

すると『ソレ』は咲夜の手から離れ、ガチンとニャル子の右手に吸いついた。

否、正確には彼女の手にあった磁石が、咲夜の磁石とくっ付いたのである。

咲夜「やられたわ。 まさか私が、こんな悪知恵に騙されるとはね。 さっきのバール攻撃の時に、私の腕に付けた様ね。 でも、それは動けないという証拠!」

ナイフを構え、咲夜は振り下ろした。

咲夜「タネが分かれば、こっちのもの! 今度こそ終わりよ!」

しかし、その時であった。

ニャル子「知ってますか? 相手が勝ち誇った時、その人は既に敗北しているんですよ?」

咲夜「!?」

なんとニャル子は、当たり前のように動いていたのだ。

元いた世界で、時間凍結オーバーフリーズと呼ばれる銀河系の現象を経験している彼女にとって、止まった時の中を動けるなど容易い事である!

というか、何でもなりなのである!

きたない、流石は邪神きたない!

ニャル子「いっきますよぉ! 超・変・身!!」

そしてニャル子は、最強形態『フルフォースフォーム』へと変身したのだった。

ニャル子「さあ、お前の罪を数えろ!」











 時が元に戻った瞬間、ニャル子は咲夜を豪快に殴りつける。

咲夜「ぐっ!」

ニャル子「このまま行きますよ! 生体時間加速クロックアップ!!」

常識を越えたスピードで動ける、ニャル子の得意技。

ニャル子「コレで決まりです!」

その高速から放たれた拳の連打が、咲夜へと放たれたのだった。

ニャル子「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ……」

凄まじく、素早く、そして隙のない連打。

ニャル子「オラァ!」

ドガァと、最後の一撃が放たれ、

咲夜「ぐあぁぁぁぁぁ!」

咲夜はそのまま吹き飛ばされ、壁へと激突したのだった。

そのまま気絶した彼女に対し、ニャル子は呟いた。

ニャル子「絶望が、アナタのゴールです」

十六夜咲夜――再起不能リタイア











 ニャル子が咲夜と戦っていた同時刻。

ネロ「いっつ……まるでダンプにでもぶつかった気分だ」

敷地で倒れていたネロは、ゆっくりと起き上がる。

美鈴「驚きました。 あの一撃に耐えられるのは、霊夢さんくらいかと思いましたけど」

ネロ「生憎、こっちは悪魔退治で慣れてるんでね」

そんな中、ネロは美鈴の後ろに視線を向ける。

レッドクイーンは吹っ飛んだ所為で、外壁の近くに落ちていた。

右に視線を向けると、ブルーローズが吹っ飛んだ際に懐から遠くへと落ちていた。

ネロ「仕方ねぇ、純粋な殴り合いになるな」

拳を握り、構えを取るネロ。

同じく、美鈴も構えを取る。

ネロ「デビルハンター・ネロ、推して参る」

美鈴「紅魔館門番・紅美鈴、来なさい!」

互いに地を蹴り、そして真っ向から、

ネロ「うおらぁぁぁぁ!」

美鈴「はぁぁぁぁぁ!」

互いの拳がぶつかり合った。










 拳と拳がぶつかり合う。

魔剣教団時代からの経験で、体術の心得を学んでいるネロ。

しかし美鈴は、それ以上であった。

本来彼女は弾幕勝負では、幻想郷でも最弱である。

だが、それはあくまでも弾幕による遠距離戦。

彼女の本分は、接近戦にある。

美鈴「はぁ!」

拳を強く握り、美鈴はネロの腹部へと一撃を放った。

ドガァと、一撃が叩きこまれ、

ネロ「うぐっ!」

鋭い激痛が、ネロの全身を電流の様に流れ出した。

ネロ「(な、なんて一撃だ!? 普通なら、死んでもおかしくねぇぞ!?)」

美鈴「自慢じゃないですが、これでも武術の心得を持っていましてね」

不敵な笑みを見せる美鈴であったが、ネロは小さな戸惑いを見せた。

ネロ「(どうする……『アレ』を使うか……)」

そんな彼に、美鈴がこう言ったのだった。

美鈴「ネロさん……でしたっけ? どうしてを使わないんです?」

ネロ「!?」

気付かれたと感じたネロは、冷や汗が止まらなかった。

ネロ「(ちぃ……バレてたか)」

美鈴はネロの腕を交互に見ていた。

左腕の袖は何時もまくっているのに、右腕の袖だけは下ろしたままである。

コレを見た美鈴は、右腕に秘密があると感じた。

美鈴「出し惜しみは、しない方がいいですよ」

構えを取り、徐々に距離をとる美鈴。

美鈴「でないと、死にますよ?」

そして地を蹴り、ネロに突進したのだった。










 美鈴が突進してくる中、ネロは不敵に笑う。

ネロ「出し惜しみか……」

徐々に右腕の袖をまくっていき、

ネロ「良いぜ……望み通り、使ってやる!」

放たれた美鈴の一撃を、その右腕で防いだのだった。

それを見た美鈴は、驚きを隠せなかった。

ネロの右腕は、左腕とは全く違っていた。

赤い皮膚に覆われ、指先が青白く光っていた。

これが、ネロのもう一つの切札。

その名を『悪魔の右腕デビルブリンガー』。

ネロ「いくぜ、ここからはR指定だ!」

遂に彼の中の、悪魔の力が解き放たれた。










 右の拳を強く握り、ネロは豪快に振り下ろした。

無論、美鈴が咄嗟に避けた。

だがしかし、その時であった。

ドガァと、地面に大きなクレーターが出来たのだ。

美鈴「!?」

咄嗟に距離を取り、弾幕攻撃に持ち込もうとした。

しかしネロの行動は、彼女の予想を大きく超える。

ネロ「逃がすかよ!」

ネロが右腕を突きだした瞬間、腕が伸びたのである。

正確には、腕の幻影が伸びたのである。

美鈴「腕が!?」

ネロ「見惚れてる暇は、ねぇぞ!」

手を開くと、そのまま美鈴の体を掴む。

ネロ「これで……」

腕を動かすと同時に、幻影の腕も連動する。

ネロ「終わりだぁ!」

そしてそのまま一気に、美鈴を地面へと叩き付けたのだった。










 ドガァという一撃共に、大きなクレーターが敷地にでき上がり、

美鈴「きゅ〜……」

そして美鈴は、その場で気絶したのだった。

レッドクイーンとブルーローズを回収すると、

ネロ「やべぇ……楽し過ぎて、狂っちまいそうだ」

そう言って、ニャル子の元へと合流するのであった。

ホン美鈴メイリン――再起不能リタイア




続く...


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■作者からのメッセージ
ニャル子さんは、やっぱりいろんなネタを使うので疲れます。
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