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東方大激戦 第5話:悪魔の妹と動かない図書館
作者:亀鳥虎龍   2015/08/08(土) 22:08公開   ID:L6TukelU0BA
〜3年Z組銀八先生〜

 Z組の教室では、こんな事態が起こっていた。

銀八「お〜いお前等、ちょっと教科書を閉じろ」

真尋を自身の隣に立させた銀八は、気だるそうな声でこう言った。

銀八「実はな、真尋の縦笛が盗まれた。犯人は他のクラスに居るかもしれんが、面倒なんでウチのクラスで済ませようと思う」

頭を描きながら、明らかに面倒そうな感じの銀八。

銀八「盗んだ奴は正直に手を挙げろ。 嘘でもいいぞ? 今なら真尋も、脳天にフォークを刺して『這いよれ!ニャル子さん』のアニメ主題歌『太陽曰く燃えよカオス』を1ワンコーラス演奏してくれたら、許してくれるってよ」

それを聞いたネプテューヌが、すぐさま抗議した。

ネプテューヌ「先生、それ自体が既にカオスです! 『超次元ゲイムネプテューヌ』のアニメ主題歌『Dimension tripper!!!!』にして下さい!!」

銀八「分かった。 じゃあ間を取って『銀魂』のアニメ第四期主題歌『DAYxDAY』でいこう」

ノワール「先生、真面目にやって下さい。 というか、縦笛で吹けるんですか?」

ノワールの正論に、銀八は気だるそうな顔でこう言った。

銀八「しぁーねーな、誰か笛貸せ。 俺が吹くから」

女子生徒「嫌です。 煙草臭くなるから」

すると、ニャル子が叫んだのだった。

ニャル子「いい加減にしてください皆さん! 先生は、犯人を探そうと必死なんですよ! 先生、私のを使って下さい! 大丈夫です! ヤニ臭くなっても私、2本持ってるんで!!」

それを聞いた銀八は、すぐさまニャル子の元へ歩み寄る。

銀八「………何で、2本も持ってんだ?」

ニャル子「………あっ」

“犯人は現場に舞い戻る”という言葉が出てくるが、ここまでマヌケなオチが来るとは思わなかった。

真尋「フッ……」

キラーンと、手に持ったフォークを光らせる真尋。

ニャル子「え、マジでやるんですか!? ま、待って下さい真尋さん! ちょっと――」

抗議も聞かず、ザクッと容赦無く脳天にフォークが刺さる。

ニャル子「ギャァァァァァ!」

この絶叫が教室中に響き渡り、最後に当麻はこう言った。

当麻「先生、保健室に行って良いですか?」











―悪魔の妹と動かない図書館―











 暫く廊下を走り、次の部屋へと入る。

そこには寝巻の様な服を着た少女と、金髪で奇妙な翼を背中に生やした少女が立っていた。

霊夢「アンタ達二人のコンビなんて、珍しい組み合わせね」

フラン「久しぶり、霊夢。 後の人達は初めまして。 私はフランドール・スカーレット。 フランでいいよ」

パチェリー「私はパチュリー・ノーレッジ、魔法使いよ」

銀時「坂田銀時。 銀さんでも銀ちゃんでもいいぞ」

ネプテューヌ「私はネプテューヌ」

ノワール「私はノワールよ」

当麻「上条当麻だ」

十六夜「逆廻十六夜だ」

寝巻姿の少女『パチュリー・ノーレッジ』は、突然本を開くと、

パチェリー「じゃあ、早速だけど……死んで」

魔法陣から火炎弾が放たれた。









 
 コレを見た銀時は、驚きを隠せなかった。

銀時「オイィィィィ! 流石にアレはやばいだろォォォォ!!」

しかしその時であった。

当麻「オラァ!」

パチュリー「え!?」

突き出された当麻の右手によって、火炎弾は打ち消された。

霊夢「当麻!?」

当麻「この手の相手は俺の専売特許だ。 任せろ!」

そう言ってパチュリーに向かう当麻。

そんな彼とすれ違うように、

フラン「じゃあ、銀ちゃん達は私と遊んでね♪」

無邪気な笑顔を見せるフランが立っていた。











(当麻vsパチュリー)

 真正面からパチュリーと向き合う当麻。

当麻「待たせたな。 アンタは俺が相手するぜ」

拳を握る当麻とは逆に、パチュリーは冷や汗をかいた。

先程放った魔法が、彼の右手に触れた瞬間、その場で消えたのである。

パチュリー「アナタ、一体何者?」

当麻「上条当麻。 ただの学生だよ!」

地を蹴り、当麻はパチュリーへと走り出した。

そんな彼に、パチュリーは咄嗟に構えた。

パチュリー「金符『シルバードラゴン』!」

魔法陣から銀色の竜を模した弾幕が3発放たれる。

咄嗟に当麻は、その中の一体を右手で打ち消す。

それを見たパチュリーは、再び驚いてしまう。

パチュリー「(まただわ! また私の弾幕が消された!? この少年、どういう能力を!? 触れただけで相手のスペルを打ち消す能力なんて、一度も聞いた事ないわ!)」

遂に距離を縮め、接近戦に持ち込もうとする当麻。

当麻「ウオォォォォ!」

真っ直ぐに拳を突きだそうとしたが、

パチュリー「くっ!」

咄嗟にパチュリーは、空中へと飛び上がった。











 空中へと回避したパチュリーであったが、すぐさま当麻の能力を分析した。

パチュリー「(どうやら、右手で触れた異能しか打ち消せないようね……だったら!)」

するとパチュリーは両手で巨大な火球を作り上げた。

それはまるで、太陽の様であった。

当麻「や、やばい!」

パチュリー「喰らいなさい! 日符『ロイヤルフレア』!!」

そして放たれた『ロイアルフレア』は、そのまま当麻へと向かっていく!

当麻「くっ!」

咄嗟に当麻は、右手を突き出して受け止めた。

しかし、その質量は凄まじく高く、

当麻「(や、ヤバイ! 打ち消すのに……時間が……)」

パチュリー「思った通り、質量の高い異能とは相性が悪いようね」

パチュリーは勝利を確信し、地上へと降りたのだった。。

『ロイアルフレア』は小さくなっていくが、打ち消せる程の大きさにはなっていない。

しかし、ここで当麻は思いがけない行動にでた。

当麻「ウオォォォォ!」

何と彼は、思いっきり地面に叩き落としたのだ。

ドガァと、地面に叩きつけられた『ロイアルフレア』は消滅。

パチュリー「なんてデタラメな!?」

驚くパチュリーであったが、当麻が真っ向から走り出す。

パチュリー「マズイ!」

咄嗟に空中へ逃げようとするが、それよりも速く、

当麻「逃がすかよ!」

パチュリー「!!」

当麻が右手で、彼女の手首を掴んだのである。











 右手で手首を掴まれたパチュリー。

パチュリー「(なんて、頭の回転の速い……)」

彼女は本気でそう思った。

上条当麻の能力の要は、恐らく右手である。

そして右手で相手の体に触れて置けば、その人物は能力を使えなくなる。

身体能力の高い者なら分かるが、パチュリーは喘息持ちの体。

無理に抵抗すれば、発作が酷くなるだけ。

すると当麻は、パチェリーにこんな事を聞いた。

当麻「なあ、一つ聞いて良いか?」

パチェリー「何?」

当麻「お前は、誰の為に戦うんだ?」

パチュリー「え?」

その言葉に、パチュリーは思わず唖然とする。

「何を言ってるんだ?」という顔をするが、当麻は構わず話を進めた。

当麻「コレは俺の見間違いなら良いんだけど……お前……誰かに助けを求めてないか?」

パチュリー「!?」

その言葉に、パチュリーは驚愕する。

パチュリー「わ、私が泣きそうな顔を? 何を根拠に行ってるの!?」

当麻「じゃあお前は、何で涙なんか流してんだ!」

パチュリー「え?」

指摘を受け、パチュリーは掴まれていない方の手で顔に触れる。

パチュリー「うそ……」

当麻の言う通りで、無意識に涙を流していた。

ポンと彼女の頭に手を置き、当麻は笑いながらこう言った。

当麻「苦しいんなら、素直に助けを求めろ。 俺もできるだけ、力になるからさ」

その優しさにパチュリーは、

パチュリー「うぐっ……えぐっ……あり……がとう………」

抑え込んでいた涙を流したのだった。












(銀時&霊夢&ネプテューヌ&ノワールVSフランドール)

 無邪気な笑顔を見せるフランドール。

フラン「それじゃ、いっくよぉ!」

そう言うと、彼女はスペルカードを発動させた。

フラン「禁忌「フォーオブアカインド」!」

するとフランドールは、4人に分離したのだった。

銀時「影分身んんんん!? もしかしてお前の父ちゃんはナル――」

ノワール「ボケてる場合じゃないでしょうが!!」

銀時のボケをツッコむノワール。

すると、フランドールの表情が凶悪な笑みへと変わり、

フラン1「いくよ」

フラン2「アナタはもう……」

フラン3「コンテニュー……」

フラン4「出来ないのさ!」

4人同時に、銀時達に襲いかかったのだった。











 4人同時に襲いかかったフランドール。

しかし、ここでとんでもない事が起こった。

銀時「遅ぇぜ!」

パープルハート「甘い!」

ブラックハート「隙だらけよ!」

霊夢「遅過ぎる!」

フラン「キャァァァァ!」

銀時達4人の圧倒的な強さの前に、4人のフランドールは圧倒されたのだった。

霊夢「らしくないわね、フラン。 アンタがここまで弱くは無いでしょ?」

霊夢の指摘を受けたフランドールであったが、

フラン「あ、気付いてた?」

元の一人に戻った後、先程の無邪気な笑顔を見せた。

フラン「え〜とね、霊夢に頼みがあったんだけどね」

霊夢「アンタの姉……レリミアの事ね?」

フラン「やっぱり分かってた?」

霊夢「勘だけどね」

どうやらパチェリーとフランドールは、今回の異変の正体を知っていたようだ。

紅魔館に何があったのか、遂に明かされたのだった。

因みに銀時達は、

銀時「そう言えば、十六夜は?」

霊夢「あれ?」

十六夜がいつの間にかいなかった事に、今頃気付いたのだった。



続く...


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 次回、レリミアvs十六夜です。
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