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東方大激戦 第7話:江戸っ子気質な死神
作者:亀鳥虎龍   2015/08/10(月) 13:12公開   ID:nLcsKa.6eNA
 霊夢達が紅魔館へ向かった同時刻。

魔理紗「それじゃ、冥界へ行くぜ」

そう言って魔理紗が箒を手に持つ。

しかしここで、雪泉の挙手が入った。

雪泉「あの、私とジョルノさんは飛べませんよ?」








―江戸っ子気質な死神―








 雪泉の意見に、魔理紗はうっかり忘れていた。

彼女とブラン、そしてベールは飛ぶ事が出来る。

しかし、雪泉とジョルノは飛ぶ事が出来ない。

ベール「でしたら、わたくしとブランが雪泉さんを運びますわ」

魔理紗「んじゃ、ジョルノは私が運ぶぜ」

雪泉「そ、そういう事でしたら……」

ジョルノ「それしかないですしね」

ブランとベールは女神化し、魔理紗は箒に跨る。

魔理紗「それじゃ、ジョルノ。 後ろに乗りな」

ジョルノ「はい」

箒に跨ると、魔理紗の体にロープを巻き付けた。

魔理紗「ジョルノ、何だよこれ?」

ジョルノ「命綱です。 落ちないように」

魔理紗「以外に用意周到だな」

ブランとベールも女神化すると、雪泉の手を片方ずつ握る。

ホワイトハート「それじゃ、いくぜ」

グリーンハート「準備は宜しいですか?」

雪泉「はい、お願いします」

一度空へと飛び上がるが、

魔理紗「それじゃジョルノ、振り落とされるなよ!」

ジョルノ「え――」

魔理紗がもの凄い速さで飛んで行った。

これには残された三人も唖然となり、

ホワイトハート「わ、私達はゆっくりで行こうぜ」

グリーンハート「そ、そうですわね」

雪泉「お、お願いします」

安全飛行で向かったのだった。










 白玉楼に着き、ゆっくりと着地する三人。

魔理紗「よっ、遅かったな」

ブラン「アナタが速過ぎるだけよ」

ベール「そうですわ。 せめて、わたくし達のペースに合わせて下さいな」

女神化を解いたブランとベールがそう言うと、雪泉はある事に気付いた。

同行していたジョルノの姿が無いのだ。

雪泉「ところで、ジョルノさんは?」

ジョルノ「ここに居ます」

顔を青ざめながらも、ゆっくりと深呼吸をするジョルノ。

雪泉「じょ、ジョルノさん!? 大丈夫ですか!?」

ジョルノ「ええ……」

一度だけ魔理紗を見た後、同行した時の事を思い出したのか、

ジョルノ「二度と……二度と魔理紗とは、一緒に飛ばない」

そう言って、心の中で決心したのだった。

魔理紗「えぇ!? 何でだよ!?」

それを聞いた魔理紗は疑問を覚え、

三人「(そうでしょうね)」

残りの三人も、同意するように呟くのだった。










 改めて一同は、白玉楼を見渡す。

正確には、白玉楼へ続く石段を見渡している。

桜の花が満開していて、風で花弁が散っている。

雪泉「綺麗ですね……桜が夏にも咲いてるなんて」

ジョルノ「石段があるという事は、この先の登る必要があるな」

ブラン「とにかく、行くしかなさそうね」

彼等は石段を歩いていくが、

??「おっと、こっから先は一方通行だよ」

癖のある赤い髪をツインテールにした、ロングスカートの様なデザインの青い着物を着た女性であった。

その手には、大きな鎌が握られている。

小町「まだ自己紹介がまだだったね。 あたいの名は『小野塚小町』幻想郷の死神さ」

ジョルノ「ジョルノ・ジョバァーナと申します」

雪泉「雪泉と申します」

ベール「ベールと申します」

ブラン「ブランよ」

軽い挨拶を済ませ、小町は手に持った鎌を構える。

小町「んじゃ、早速だけど……消えて貰うよ?」










 突然の台詞と共に、小町から殺気が放たれた。

するとその時であった。

ジョルノ「!?」

突然小町が、いつの間にかジョルノの前に来ていた。

小町「ほらよ!」

豪快に大鎌を横に薙ぎ払う小町。

ジョルノ「くっ!」

咄嗟にジョルノは、下へとしゃがむ。

小町「おや、中々な判断力じゃないかい?」

ジョルノ「URYYY!」

『ゴールド・エクスペリエンス』を出し、その拳を放つジョルノ。

小町「速い! だけど!」

しかしその時であった。

今度は小町が、ジョルノから離れたのである。

ジョルノ「何!?」

何時の間にか距離が離れていて、ジョルノですら驚きを隠せなかった。

雪泉「魔理紗さん、あの方の能力は一体!?」

その問いに、魔理紗はすぐさま説明をした。

魔理紗「小町の能力は『距離を操る程度の能力』だ。 空間操作に類する能力で、自身の居る地点と目的地との距離を自由に制御できるんだぜ」

ベール「距離を操る!?」

ブラン「成程、さっきのはジョルノを『目的地』と認識し、自身との距離を操作したということね」

雪泉「そんな! 距離を操られたら、攻撃の使用が無いじゃないですか!? 距離を取ろうとも、近付こうとも、彼女には無意味では!?」

ブラン「どうするのよ」

魔理紗「弾幕ごっこなら、対等のルールで戦えるんだが、コイツは明らかに『殺し合い』だ。 簡単にはいかないぜ」

そんな中でジョルノは、一度しゃがんだ瞬間、

ジョルノ「『ゴールド・E』!!」

『ゴールド・E』の拳を、地面に打ち込んだ。

ジョルノ「いくぞ!」

そしてそのまま、小町へと走り出したのである。

小町「来てくれたとこ悪いけど――ん?」

能力を使おうとした小町であったが、足元に違和感を感じた。

小町「げっ!?」

足元を見ると、突然現れた蔦が足に絡まっていた。

小町「何だいこの蔦は!? 何時の間に生えてたんだい!?」

驚く小町は、能力を使う余裕が無かった。

そしてその瞬間、

ジョルノ「無駄だぁ!」

『ゴールド・E』の拳が、彼女の顔に命中した。









 殴られた小町であったが、ここでありえない事が起きた。

小町「!?」

それは何と、周囲のものがゆっくりに見えていたのだ。

小町「(な、何だいコイツは!? 全てがゆっくりに見える!?)」

再びジョルノが攻撃を仕掛けるが、

小町「(ま、まずい! 早く避けないと――!?)」

ゆっくりに見える為、すぐさま回避しようとする。

しかし『ゴールド・E』の拳は、彼女の頬に密着した。

小町「!?」

否、これは密着ではなかった。

メキメキと、徐々に痛みが伝わって来たのだ。

小町「ぐえっ!? す、鋭い痛みがゆっくりやってきてる!? な、何だいコイツの能力は!?」

この時、小町はようやく気付いたのである。

最初の攻撃の時に、既に勝負が決まっていた事に。

小町「ま、まさか!? 周囲が遅く見えたのは、!? あたいの体が……のか!?」

その凄まじい痛みは、奥歯が折れてしまい、そのまま飛んで行く程のものであった。

小町「がぁぁぁぁ!」

この一撃により、小町は容赦なく吹き飛んだのだった。

ジョルノ「ベネよし! 上手くいった!!」










 小町に一撃を叩き込んだジョルノ。

これには魔理紗達も、驚きを隠せなかった。

魔理紗「ジョルノ! お前、小町に何したんだよ!?」

その問いに対し、ジョルノはこう言ったのだった。

ジョルノ「その前に一つだけ言ってきます。 スタンドには、一つ一つによって能力が違うんです」

雪泉「え? どういう意味なんですか?」

ジョルノ「僕の知ってるスタンドの中には、“刺した対象を風船のようにペラペラにするスタンド”や、“鏡を使って異空間を作り出すスタンド”がいました」

ブラン「つまり、ジョルノの『ゴールド・E』にも、特殊な能力が備わってるの?」

ジョルノ「そうです。 僕の『ゴールド・E』の能力は、『生命を操る能力』です。 殴ったモノや触れたモノに『生命』を与えてね」

四人「!?」

ジョルノのスタンド能力を聞いた魔理紗達は、驚きを隠すしかなかった。

まさか、生命を操る能力を使う者がいるとは思わなかったのだ。

ジョルノ「論より証拠ですよ」

そう言うとジョルノは、胸に着いているテントウムシのブローチを取ると、ブローチは本物のテントウムシに生まれ変わった。

これには、魔理紗達も驚愕するしかなかった。

ベール「生命を操るなんて……まさに神に等しい能力ですわ」

ブラン「女神の私達よりも、余程神らしいわね」

雪泉「では、小町さんの足元の蔦も?」

ジョルノ「ええ。 一度殴って生み出し、彼女の足に絡ませました。 逃走できないように」

魔理紗「でもさ、前に『ゴールド・E』のパワーは高くないって言ったよな? でも、小町をふっ飛ばすほどのパワーはあったんだな」

魔理紗がそう言うと、ジョルノは更に補足説明をした。

ジョルノ「『ゴールド・E』の能力に殴られた者は、過剰な『生命』を与えられ、感覚が暴走するんだ。 鋭い痛みが、ゆっくりやって来るほどね」

ベール「何ですのそれは!?」

ブラン「じゃあ、さっき小町が吹っ飛んだのも」

魔理紗「過剰に与えられた『生命』のせいだって事か…」

雪泉「敵に回し無くない能力ですね」

この時魔理紗達は、ジョルノを敵にしたくないと感じたのだった。










 小町が目を覚ますと、体はロープで拘束されていた。

小町「あの〜……これってなんだい?」

ジョルノ「見ての通り、拘束させて貰いますよ? あと、保険の為に武器は没収します」

魔理紗「さあ、知ってる事を喋って貰うぜ!」

ジョルノ「言っておきますが、質問は既に拷問に変わっていますからね?」

小町「え?」

この瞬間、ジョルノの口から重みの掛った台詞が出てきた。

ジョルノ「アナタ、覚悟してる人ですよね? 人を始末するって事は、逆に自分が始末される……そういう危険を、既に『覚悟』してる人ってわけですよね?」

それを聞いた小町や魔理紗達は、背筋が凍ってしまった。

雪泉「(まさかジョルノさんは……本気で……)」

ブラン「(小町を始末するだった!!)」

ベール「(この方には……)」

魔理紗「(る言ったらやるという……)」

「「「「『凄味』がある!!」」」

これには小町も涙目になり、

小町「分かった分かった! 喋るから、喋るから殺気を放たないでおくれ!!」

知ってる事を洗いざらい喋るのであった。

果たして、その内容とは!?



続く...









〜オマケ〜

 ブランは、雪泉の胸をじ〜っと見ていた。

雪泉「あの、ブランさん?」

ブラン「(大きい……一体何を食べれば、こんなに大きくなるのかしら?)」

秘訣があると察し、彼女は雪泉にこんな質問をした。

ブラン「ねえ、雪泉。 アナタの胸って、サイズはどのくらいなの?」

雪泉「え? 確か、92センチですね」

ベール「あら、わたくしと同じですわね」

雪泉「でも、私よりも大きい人もいますよ?」

それを聞いたブランは、恐る恐る聞いてみた。

ブラン「因みに……最大で何センチの人がいるの?」

雪泉「確か……105センチくらい……ですかね」

ドゴォーンと、背後に稲妻が走るような衝撃を受け、

ベール「わ、わたくしのアイデンティティが……」

ブラン「何だよ105センチって!? 何を食えばそんなデケェ乳になるんだよぉ!? もはや『爆乳』じゃねぇ! 『魔乳』じゃねぇか!!」

ベールは敗北感を感じ、ブランはブチ切れたのだった。

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