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東方大激戦 第9話:天衣無縫の亡霊VS黄金体験
作者:亀鳥虎龍   2015/08/12(水) 22:02公開   ID:nLcsKa.6eNA
 門を潜り、敷地内を歩きだすジョルノ。

ジョルノ「………」

和風の木造りで、日本文化の世界に迷い込んだような感覚に陥ってしまう。

すると、その時であった。

??「妖夢を倒すなんて……アナタも、アナタの仲間も凄いわね」

ジョルノ「!?」

三角巾が着いたようなデザインの帽子を被り、水色の和装姿の女性が現れたのだ。

幽々子「初めまして。 この白玉楼の主、西行寺幽々子よ」

ジョルノ「ジョルノ・ジョバァーナです」

未知なる能力を持つ相手に対し、ジョルノは緊張をするのであった。










―天衣無縫の亡霊VS黄金体験ゴールド・エクスペリエンス










 飄々した雰囲気とは想像つかない凄味を感じさせる幽々子。

ジョルノは、この『凄味』に冷や汗が出る。

ジョルノ「(まずは、様子を見る必要があるな)」

『ゴールド・エクスペリエンス』を出し、構えをとるジョルノ。

そんな彼を見た幽々子は、周囲から蝶の様なものを出現させた。

否、正確には蝶の形をした弾幕である。

幽々子「それじゃ、いくわよ」

無数の弾幕を放った幽々子。

それを見たジョルノは、咄嗟に弾幕を避ける。

ジョルノ「(まずい! この弾幕、絶対に何かある!!)」

弾幕を避けられている幽々子は、不敵な笑みを浮かべていた。

幽々子「(私の能力を知るまでは、弾幕を喰らわないようにしてるようね。 賢明な判断だわ、だけど……)」

まさにその時であった。

ジョルノの左右前後へと、蝶の弾幕が飛んで来たのだった。

コレに気付いたジョルノであったが、既に遅かった。

紙一重でかわそうとしたが、後ろからの弾幕に触れてしまったのだ。

ジョルノ「!?」

ドクンと、心臓の鼓動音が弱くなったような感覚を覚え、ジョルノはその場で倒れ込んだのだ。

ジョルノ「こ……この……感……覚は……ま……まさ……か………!?」

幽々子「ウフフフ……ご名答よ。 でも、ここで終わりよ」

そう言うと幽々子は、ジョルノが力尽きる様子を見下ろすのだった。










 雪泉との戦いに敗れ、そのまま気絶した妖夢。

妖夢「う、う〜ん……」

ゆっくりと目を覚ますと、魔理紗達が仁王立ちをしていた。

魔理紗「よう、目が覚めたか?」

妖夢「え、えぇ……何だか頭の中がスッキリした気分です」

小町「そりゃ良かったじゃないか」

すると妖夢は、彼女達の中にジョルノがいない事を知る。

妖夢「あの、魔理紗さん。 ここに、金髪の男性がいたのですが……」

魔理紗「ジョルノの事か? アイツなら、白玉楼に入ったぞ?」

妖夢「!? 一人でですか!?」

魔理紗「ん? ヤバかったか?」

妖夢「ヤバイも何も! 魔理紗さんは、幽々子様の能力をご存じのハズでしょ!?」

魔理紗「幽々子の能力……はっ、しまった!!」

うっかり忘れていた、という顔をする魔理紗。

ベール「あの、その方の能力がどうしたのですの?」

妖夢「幽々子様の能力は、『死を操る程度の能力』! この能力を受けた人間は、抵抗するなく死を迎えてしまうんです! しかも、この能力で死んだ魂は、幽々子様の支配下になってしまうんです!!」

それを聞いたベール達は、背筋を凍らせてしまった。

ベール「そ、そんな! 死を操るなんて、チートにも程がありますわ!!」

雪泉「そんな反則技、流石のジョルノさんでも!!」

ブラン「おい、魔理紗! テメェ、何でそんな大事な情報を伝えなかったんだよ!!」

小町「はぁ!? アンタ、そんな大事な事を伝え忘れたのかい!? あたいはてっきり、アンタと同行してるから既に知ってると思ったよ!?」

こればかりは、流石に魔理紗も反論できない。

魔理紗「す、すまねぇ! 異変の解決だけに囚われてて……」

ベール「とにかく、今はジョルノさんを信じるしかありませんわ! 雪泉ちゃんの怪我は、まだ治りきっていない以上は」

彼女達はジョルノを信じ、その勝利を祈るのであった。









 ジョルノが倒れた事を確認した幽々子。

幽々子「ふう、もう少し楽しみたかったけど……仕方ないわね。 私の『死を操る程度の能力』の前では、全てが死にゆくから」

そう言いつつ、魔理紗達の元へ行こうと踵を返す。

しかし、その時であった。

??「死を……操る能力か……成程……理解……出来たよ」

幽々子「!?」

突然の声に、彼女は振り返った。

そこには、死んだと思っていたジョルノが立っていたのだ。

この光景に幽々子は、驚きを隠せなかった。

“死”は決して取り除く事の出来ない存在。

ましてや、それを操る自分の能力で死ななかった人間はいなかった。

幽々子「ど、どうやって……」

驚く幽々子に対し、ジョルノは胸のブローチを手に取った。

その瞬間、ブローチはテントウムシへと生まれ変わったのだ。

幽々子「!?」

ジョルノ「“死を操る程度の能力”か……正反対だ。 “生命を操る能力”を宿す、僕の『ゴールド・E』と! 全くの逆の能力!!」

実はあの時ジョルノは、スタンドの能力を使って自身に『生命』を与えておいたのだ。

それにより、幽々子の“死を操る程度の能力”を回避する事に成功したのだ。

ジョルノ「この感覚……僕の『ゴールド・E』は、まだまだ成長できる!! 更なる可能性を見い出せる!」

“死を操る能力”を持つ幽々子と、“生命を操る能力”を持つジョルノ。

嘗てない、壮絶な戦いが始まったのだった。










 真っ向から突進していくジョルノ。

幽々子はそれを見て、すぐさまま弾幕を放った。

しかしジョルノは、『ゴールド・E』を出すと、

ゴールド・E「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァ!!」

『生命』を集中させた拳で弾いたのだった。

幽々子「まずい!」

危険を感じた幽々子は、その場から飛び上がった。

幽々子「まさか、生命を操る能力を持ってたなんて! あの少年、私とは相性が悪いわ!! 悪過ぎる!!」

それを見たジョルノは、すぐさま敷地の石に触れる。

ジョルノ「生まれろ、生命よ」

その瞬間、石は木へと生まれ変わり、

幽々子「な!?」

そのまま幽々子と同じ位置まで成長したのだった。

幽々子「スペルカード――」

咄嗟にスペルを発動させようとするが、

ジョルノ「遅いぜ!」

それよりも速く、ジョルノが攻撃を放ったのだった。

『生命』を過剰投与され、幽々子の感覚は暴走する。

幽々子「この子の能力……破壊力は……大したもの……じゃない……。 だけど、それが逆に恐ろしい! この能力は不味い、流石の私でも――死ぬ!!」

“死”という恐怖が、彼女の思考を崩壊させ、

ジョルノ「グラッツェありがとう、西行寺幽々子。 アナタが僕の『敵』で良かった。 おかげで僕は、ほんのちょっぴりだけど、再び『成長』できた気がするよ」

ジョルノの迷いなき攻撃が、放たれたのだった。

幽々子「い……イヤァァァァァァ!!」

ゴールド・E「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄……」

凄まじく、そして素早い連打が放たれ、

ゴールド・E「無駄ァ!!」

トドメの一撃と共に、幽々子の体は地面へと叩きつけられたのだった。

ジョルノ「アリーヴェデルチさよならだ……西行寺幽々子」

これにより、彼女から黒いオーラが消えたのだった。









 白玉楼の上空数メートルの空。

??「流石ね、アナタは期待以上だったわ。 ジョルノ君」

金髪の女性『八雲紫』はそう言って、二人の戦いを見届けていた。

彼女こそ、ジョルノ達をスキマで送った張本人である。

そんな彼女の式神『八雲藍』も、戦いを見届けていた。

藍「まさか、幽々子様と対になる能力を持っていたなんて……生命を操る能力……ですか……」

紫「自身に『生命』を与えて、幽々子の能力から逃れた。 生命の力は、まさに驚異的ね」

ジョルノの戦いぶりに、紫は大きく評価する。

藍「確かに生命を操る事態が、既に人間のできる領域ではありません」

紫「まあ、一番面白いのは逆廻十六夜君ね。 白夜叉様も人が悪いわ、あんな子を箱庭に呼ぶなんて」

藍「“天地を砕く恩恵”と“恩恵を破壊する能力”が両立……出所・効果・名称の三拍子が詳細不明か……」

紫「もし彼が異変を起こしたら、間違いなく霊夢は負けるわね」

藍「ほ、本気で言ってるんですか!?」

紫「当たり前よ。 あの強さ、アレでも数分の一程度なのよ? 今の霊夢じゃ、彼の足元――いえ、足の裏にも及ばないわ」

藍「デタラメを絵に描いたような人物ですね……」

クスリと笑いながら、紫は十六夜のデタラメさを評価した。

紫「でも最も興味深いのは、上条当麻くんね」

藍「幻想を打ち消す能力……ですが場合によってあの能力は、幻想郷を危険に招きかねない能力ですよ!?」

藍の意見は最もであるが、呆れた笑みを見せながら紫は答えた。

紫「まさか藍、アナタは当麻君がこの世界を破滅する存在だと考えてたの?」

藍「い、いいえ! そ、そんなつもりじゃ!!」

紫「安心なさい。 あの子はそんなつもりはないと思うわ。 寧ろ、彼は世界を救ってくれるわ」

藍「根拠はあるんですか?」

紫「簡単よ。 彼は人々の闇という幻想を、あの右手で撃ち殺している。 そして、救いの手を差し伸べてるわ」

主が言うのなら、間違いないと感じた藍。

すると彼女は、紫にこんな質問をした。

藍「ところで紫様、ホントに“彼女”を幻想郷に?」

紫「………ええ、アレしか方法が無かったもの」

藍「ホントに良かったんですか!? “あの姿”になった時の彼女は、私や紫様でも手がつけられなかったんですよ! 寧ろ、彼女が敵に見えるくらいに!!」

紫「敵になるよりは、まだいいと思ったし…………多分」

果たして、“彼女”の正体とは!?





白玉楼編……完


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■作者からのメッセージ
 次回は、“彼女”も登場します。
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