異変が片付き、現在彼等は博麗神社にて合流した。
銀時「第35回『チキチキ! 異変解決の会議をしよう大作戦』!!」
明らかにおふざけ100%のボケをかます銀時。
勿論彼等は、そんな事もスルーし、
霊夢「それじゃ、状況をまとめるわよ」
会議へと入ったのだった。
―女王様を怒らせてはいけません!!―
霊夢達がレミリアから聞いた情報では……。
異変を起こす前の夜、レミリアはぐっすりと眠っていた。
その際に、彼女は夢の中であるものを見た。
それは黒く、全てを包み込みそうな『闇』であった。
その『闇』が接近してきた瞬間、黒いオーラを纏ったのである。
そして朝、起こしに来た咲夜と美鈴が感化された。
魔理紗達も、幽々子から聞いた話も同様である。
ジョルノ「つまり紅魔館も白玉楼も、夢の中でその『闇』を見ていた事になりますね」
雪泉「つまり犯人は、相手の夢の中に侵入する事が出来るって事でしょうか?」
霊夢「夢の中に侵入……つまり犯人は『貘』ね」
銀時「貘? 貘って、あの動物の?」
霊夢「ええ。 でも妖怪伝説の貘は、夢を喰らうの。 もし、犯人が『貘』か……」
ネロ「もしくは、そいつを仲間にしてる組織か……」
こればかりは、流石に彼等も頭を悩ませた。
すると、その時であった。
??「ごめんくださ〜い」
突然の声に、一同は外を出たのだった。
外に出ると、菖蒲色の長い髪を三つ編みにした少女が立っていた。
その少女を見たネプテューヌが、思わず叫んだのだった。
ネプテューヌ「プルルン!?」
??「あれ〜? ネプちゃん、久しぶり〜」
おっとりとした口調に、殆どの力が抜けてしまう。
銀時「ネプ子、知ってんのか?」
ネプテューヌ「うん、別次元でプラネテューヌの女神やってる子」
プルルート「プルルートっていうの〜。 宜しくね〜」
銀時「おう、宜しくな」
霊夢「所で、何でアンタはここに居るの?」
その問いにプルルートは答えた。
プルルート「実はね〜、紫って人から〜、頼まれたの〜」
それを聞いた霊夢は、すぐに納得したのだった。
霊夢「すぐに理解できたわ。 とりあえずは上がって、お茶くらいは出すわよ?」
プルルート「うん、お邪魔しま〜す」
お茶を啜りながら、一同は事件の調査会議を行う。
魔理紗「んで、次は何処に行くんだ?」
ノワール「まだ行ってないところとか無いの?」
霊夢「沢山あるけど、いま気掛かりなのは命蓮寺ね」
ジョルノ「命蓮寺?」
魔理紗「人里の外れにある寺でな、人間と妖怪の共存を方針にしてるんだぜ」
十六夜「へぇ。 んじゃ、
博麗神社よりは結構な信仰者がいるんだな」
霊夢「十六夜ぃ〜、それはどういう意味ぃ〜」
するとその時であった。
??「たのもぉ〜!」
雪泉「え?」
外からの声に襖を開けると、
??「霊夢さんはいますでしょうか?」
虎の体色のような黒のメッシュが入った金髪に、虎柄の腰巻を巻いた女性が現れた。
霊夢「あんた、命蓮寺の」
星「寅丸星です。 実は頼みがあって来ました」
霊夢「?」
銀時「とりあえず、入れた方が良いんじゃねぇか?」
霊夢「そうね、茶ぐらいは出すわよ」
星「では失礼します」
そう言って星が上がろうとしたが、まさにその時であった。
全員「!?」
背筋がゾクリと感じるほどの、鋭い悪寒が走って来たのだ。
全員が目を向けると、そこには……、
??「あら、ごきげんよう」
緑色のセミロングに白のカッターシャツ、その上にチェック柄のベストを羽織った女性が現れた。
銀時「おい、誰だオメェ?」
幽香「風見幽香と申します」
手に持っていた日傘を杖のように持ちながら、不敵な笑みを見せる。
それを見た十六夜も、楽しそうな笑みを見せた。
十六夜「いろんな奴等と出会ったが、アンタはそん中でも面白そうだな」
幽香「あら、嬉しいわね。 でも、ある人に頼まれたのよ」
その瞬間、幽香から凄まじい殺気が放たれた。
幽香「“アナタ達を潰せ”ってね!!」
放たれた殺気に、殆どが冷や汗が止まらなかった。
ただし、一人を除いて。
十六夜「いいねいいね! 面白そうじゃねぇか!!」
魔理紗「何で十六夜は、幽香の殺気に驚かないんだ?」
銀時「寧ろ、喜んでやがる」
霊夢「怖いもの知らずよ、アイツ」
幽香「さて、誰が私の相手に?」
そんな中、プルルートが前に出た。
プルルート「それじゃ〜、あたしがやる〜」
そう言って、何だか楽しそうな顔をする。
幽香「ウフフ……後悔しなくてよ?」
プルルート「うん、大丈夫〜。 これでもあたし〜、女神だから〜」
こうして、幽香vsプルルートの対決が始まった。
プルルートは手にぬいぐるみを持つ。
カエルのぬいぐるみの様であるが、
銀時「なあ……アイツ、ぬいぐるみで戦う気? 戦い舐めてんの?」
そう言って銀時は、呆れた顔をする。
そんな中、戦いは始まっていた。
幽香「喰らいなさい!」
傘から弾幕を放った幽香。
一方のプルルートは、
プルルート「それぇ〜!」
ぬいぐるみを振りまわし、弾幕を弾いていた。
銀時「舐めてたのは俺だったぁぁぁ!! 最近のぬいぐるみってスゲェ!」
これには銀時も、驚きを隠せなかった。
ネプテューヌ「そういえばぷるるんって、基本的な武器はぬいぐりみなんだよね」
魔理紗「ぬいぐるみを武器に使うって……アリスもびっくりだぜ」
霊夢「ある意味、とんでもないヤツよね」
以外と戦闘のセンスは良かったので、霊夢も魔理紗も驚きを隠せなかった。
幽香「へぇ、見た目の割に、随分と変わった事が出来るのね。 でも……」
すると、幽香は日傘を前方に向けると、
幽香「これはどうかしら?」
先端から凄まじい妖力が集中され、そして……
幽香「マスタースパーク」
極太のレーザーが、プルルートの体を飲み込んだのだった。
幽香の『マスタースパーク』を喰らい、プルルートは倒れこんでしまう。
プルルート「う……」
ネプテューヌ「ぷるるん!!」
幽香「へぇ……私の技を喰らって、よく生きてたわね? それじゃ、たっぷりといたぶってあげるわ」
ドス黒い笑みが零れる幽香。
コレを見たネプテューヌは、すぐさま女神化する。
パープルハート「させないわ!」
刀を振るうが、幽香は日傘で防いだ。
パープルハート「なっ!?」
幽香「遅い!」
ドガァと、膝蹴りが腹部に直撃し、
パープルハート「がっ――」
幽香「そらぁ!」
そのまま地面に叩きつけられたのだった。
予想外の強さに、パープルハートは身動きが取れなかった。
幽香「あら? この程度なの? 女神も大した事ないわね」
パープルハート「つ、強い……」
幽香「つまらないわ、もっと抵抗しなさいよ!」
パープルハート「ガァァァ!」
そう言って幽香は腹部を思いっきり踏みつけ、パープルハートは痛みで苦しんでしまう。
ノワール達は助けに行きたいが、恐怖で動く事が出来なかった。
すると、その時であった。
プルルート「やめて〜……」
先程まで倒れていたプルルートが、既に立ち上がっていた。
しかし、先程とは何処か雰囲気が違う。
何かを感じ取った幽香は、何かの悪寒を覚える。
幽香「(何? この悪寒は!?)」
するとその時だった。
プルルート「ネプちゃんを〜……いじめるな〜!!」
プルルートの体が突如、光に包まれていき、
??「でないと、酷い事になるわよ?」
ボンテージの様な衣装を纏い、妖艶さのある雰囲気の女性が立っていた。
銀時「おい……」
魔理紗「ちょっと待てよ……」
霊夢「あれって……」
三人「誰だァァァァ!?」
これには銀時と霊夢、そして魔理紗の三人がツッコんだのだった。
目の前の状況に、誰もがついて来れなかった。
光に包まれたハズのプルルートが、妖艶さのある大人の女性へと変わったのだ。
その姿は、明らかにSM女王である。
おっとりで天然の少女から、妖艶さのある女性。
どう見てもあり得ないものであった。
銀時「なあ……念の為聞くけど……あれって、女神化した……」
ノワール「プルルートよ。 因みにあの姿の彼女は、『アイリスハート』って呼ばれてるわ」
銀時「やっぱそうなのか!?」
魔理紗「ありえねぇだろ!? どう見たって女王様だろ!?」
そんな中、アイリスハートがゆっくりと歩み寄る。
アイリスハート「さあ、楽しい
調教をしましょう?」
ペロリと唇を舐める彼女に、幽香はパープルハートから足を退ける。
幽香「
調教ねぇ……いいわ、やってやろうじゃない!!」
風見幽香vsアイリスハート、夢のドS対決が始まったのだった。
霊夢「幻想郷最凶のドS妖怪と……」
ノワール「ゲイムギョウ界最凶のドS女神……」
霊夢&ノワール「ある意味、夢の対決だわ……」
顔を青ざめた霊夢とノワールがそう言うが、
銀時「いや……『夢』でもありゃ、『悪夢』だと思うぞ」
それを聞いた銀時が、青ざめながらそう言った。
日傘を豪快に振るい、幽香は接近戦に持ち込む。
それを見たアイリスハートも、手に持った剣を振るう。
ガキィンと互いの武器がぶつかり合う。
幽香「やるわね、まさか力を隠してたなんてね」
アイリスハート「隠してたわけじゃないわ。 面倒だっただ〜け」
そのままアイリスハートは、幽香を豪快に弾き飛ばした。
幽香「くっ!」
吹き飛ばされた幽香は、すぐさま体勢を立て直すが、
アイリスハート「そうら!」
アイリスハートの剣は、刀身を鞭のように伸ばしたのだ。
所謂、蛇腹剣である。
幽香「しまっ――!」
防御する暇も無く、幽香はこの攻撃により、地面へと叩きつけられたのだった。
うつ伏せで倒れてた幽香は、すぐさま起き上がろうとする。
しかし、上からアイリスハートが踏みつける。
幽香「がっ!」
アイリスハート「ウフフフ……ダメよぉ、まだ立ちあがっちゃ」
幽香「まさか……私が………」
アイリスハート「アナタ、思った以上に頑丈ね。 これなら、いじめ甲斐がありそうで楽しめそうだわ♪」
この瞬間、幽香は顔を青ざめた。
というより、この場に居る全員が青ざめた。
アイリスハート「さぁて、覚悟は良いかしら?」
幽香「ま……て………お願い待って――」
アイリスハート「負け犬が人間の言葉を喋るんじゃないわよ!」
電撃を帯びた蛇腹剣を鞭のように振るい、それを幽香に放った。
幽香「がぁぁぁぁ! き、貴様……こんな……敗者に……鞭打つ……ような……真似を」
アイリスハート「生意気に口を開くんじゃないわよ!」
幽香「ぐあぁぁぁ! あ、あなた……ホントに……女神……なの?」
アイリスハート「“女神”ですって? あたしの事は〜……“女神様”とお呼び!!」
幽香「ぐあぁぁぁぁぁ!」
アイリスハート「アハハハハハ! まだまだ、ここからが本番なのよ!!」
こうして、アイリスハートの一方的な責めが始まった。
この光景を見ながら、銀時はノワール達に問い掛けた。
銀時「おいノワール、止めて来いよ」
ノワール「わ、私が!? 絶対に嫌よ!!」
銀時「じゃあ、ブランで」
ブラン「私も嫌よ!」
銀時「ベール――」
ベール「わたくしも嫌ですわ!」
銀時「即答で答えんなよ!」
魔理紗「でも銀さん、ノワール達の気持ちも分かるぜ? あの状況の中で、プルルートを止められるのか?」
魔理紗に問われ、銀時は顔を青ざめながら、
銀時「うん……無理だね」
即答で頷いたのだった。
そんな中、アイリスハートの責めはエスカレートしていく。
アリスハート「アハハハハ! アーーハハハハハ!!」
その姿はまさに、女王様そのものであった。
幽香「グアアァァァ! お願い、止めて……止めて……ください」
何度も責められていく幽香。
しかし、その時であった。
ジョルノ「その辺にしてあげてください」
そう言ってジョルノが、アイリスハートの手を掴む、
アイリスアート「あら? 何のつもりかしら?」
ジョルノ「彼女には聞きたい事が山ほどある。 ここで再起不能にするワケにはいきません」
アイリスハート「ふぅん、ジョルくんがそう言うなら仕方ないわね」
ジョルノの説得を聞き入れ、アイリスハートは攻撃を止めるが、
幽香「あへ……あう……あ………」
過激に責められ続けため、幽香は既に精神が崩壊していた。
そして最後は力尽き、そのまま気絶したのだった。
魔理紗「じょ、ジョルノのお陰でやっと終わったけどよ……ある意味で怖かったぜ」
霊夢「あの幽香が、精神を崩壊されるほどだもの。 あれは絶対に、トラウマは確定ね」
銀時「アレだけ一方的に責め続けて、決してトドメを刺さねぇ……無駄に高い技術だぜ」
ノワール「というより、あのプルルートを止めたジョルノが凄過ぎるわ」
ブラン「怖いもの知らずにも程があるわね」
ベール「ハッキリ言って、プルルートよりもあの方が恐ろしいですわ」
こうして、幽香との戦いは終わったのだった。
続く...