プルルート(もといアイリスハート)に心身ともにボコボコにされた幽香。
彼女を保護し、一行は星から命蓮寺の現在の状況を聞かされる。
異変が起こったのは、少し前の事である。
平穏な時間を過ごしていた彼女達であったが、その時であった。
??「ここが命蓮寺か」
そう言って、一人の女が仲間を率いていて、
??「今からここは、我等の支配下にとなる!!」
命蓮寺に、総攻撃を仕掛けたのだった。
命からがら生き延びた星は、博麗神社に助けを求めに行ったのであった。
―最初のステージのボスキャラは雑魚! コレ常識!!―
それを聞いた霊夢達は、ゴクリと息をのんだ。
まさか、既に敵が動いていたとは知らなかったのだ。
魔理紗「どうすんだ、霊夢!?」
霊夢「とにかく、命蓮寺に行きましょう!」
全員が命蓮寺へ向かおうとするが、その時であった。
ジョルノ「その前に、一つだけ確認したい事があるんです」
全員「へ?」
ジョルノの言葉に、全員がその場で彼の方を見る。
霊夢「え〜と……確認したい事?」
ジョルノ「ニャル子、これは君を含む邪神達に良くある事なんです」
ニャル子「私達にですか?」
ジョルノ「ええ。 僕も、今気付いた事なんですが……君達邪神は、幻想郷の空気を少しでも吸うと……」
鼻の頭を指差すと、ジョルノはこう言った。
ジョルノ「鼻の頭に、血管が大きく浮かび上がるんだ」
ニャル子「へ!?」
ニャル子は咄嗟に鼻の頭を触る。
ネロ「ホントなのかジョルノ!?」
確認を取ったネロであったが、ジョルノの返答はこうであった。
ジョルノ「嘘ですよ。 だが、
マヌケは見つかったようだ」
彼が視線を向けた先には、
星「はっ!」
自分の鼻を触る星の姿であった。
“幻想郷の空気を吸った邪神”しか限定されていたにも関わらず、幻想郷の住人である星も鼻を触るのはおかしい。
簡単なハッタリに引っ掛かり、星の目付きが完全に変わった。
先程とは違う雰囲気を見せる星に、霊夢達は強い警戒を見せた。
霊夢「それにしてもジョルノ。 アンタ、よく星が偽者だって分かったわね?」
ジョルノ「いや、全く分からなかったよ」
霊夢「はぁ!?」
ジョルノ「ただ、偽者対策にこの方法は使えると思ったからだ」
真尋「成程……」
ハッタリで偽者を見抜くという策で、見事に敵を出し抜いたジョルノ。
そんな彼に星――彼女の姿のした偽星はこう言った。
偽星「やられたよ、こんな方法で正体を見抜かれるなんて。 確かに俺は寅丸星じゃない。 本物の彼女は命蓮寺でお寝んねのハズだよ」
ジョルノ「じゃあお前は、地獄の底で眠ってろ」
偽星「ククク……試してみな!」
その瞬間、偽星の姿が変貌したのだった。
長い銀髪に鋭い眼つき、そんな彼に何処かニャル子に近い部分がある。
真尋「まさかお前、ニャルトラルホテプ星人か?」
ナイアル「その通り。 俺はニャルトラルホテプ星人のナイアルだ」
ナイアル――恐らくニャルトラルホテプの別称である『ナイアルラトホテップ』からだろうと、真尋は察したのだった。
そんな彼等に、ナイアルは不敵な笑みを見せる。
ナイアル「流石にこの数は俺も危険と察したから、姿を変えて殺そうと思ったんだが、バレちまったんなら仕方ねぇ。 テメェ等全員、纏めて相手するしかないようだ」
十六夜「へぇ……じゃあ、俺が最初でいいな?」
そう言って十六夜は、その場にあった小石を手に取り、
十六夜「いくぜ、死ぬんじゃないぞ?」
ナイアル「はっ! 軟弱な地球人の投擲なぞ、この俺に通用するワケが――」
十六夜「ほい」
そのままナイアルに投げた。
すると、まさにその瞬間だった。
ドガァと、もの凄い爆発音が聞こえ、
ナイアル「ギャァァァァ!」
ナイアルは絶叫上げてしまう。
全員「………」
それを見た全員が唖然となり、十六夜はパンパンと手を叩く。
十六夜「よし、行くか」
銀時&魔理紗「待て待て待て待てぇぇぇ!!」
十六夜「何だよ?」
銀時「「何だよ?」じゃねぇよ!?」
魔理紗「一体どんな投げ方すれば、あんな破壊力が生まれるんだ!?」
十六夜「何言ってんだよ、あれでも手加減した方だぞ?」
銀時「どんな力加減だよ!?」
雪泉「地面にクレーターが出来てますけど!?」
十六夜「細かい事は気にすんな♪」
ネプテューヌ「気にするから! どう見てもコレは気にする状況だから!!」
そんな中、ナイアルが起き上がったのだった。
ナイアル「あ、侮った! 地球人を本気で侮った!! まさか、第三宇宙速度レベルの速さと威力の投擲ができるとは!! 以外!!」
ジョルノ「いや、それが出来るのは彼だけです」
ジョルノがそう言うと、十六夜以外が肯定の意味で頷いた。
ナイアル「しかし、この俺もニャルトラルホテプ星人のはしくれ! 見せてやろう、俺の『フルフォースフォーム』を!!」
その瞬間、ナイアルの姿が一気に変わったのだった。
フォルフォースフォームとは、ニャルトラルホテプ星人が“自身の最強の姿”を思い描いた姿。
そして、ナイアルのフルフォースフォームは……、
ナイアル「これが、俺のフルフォースフォームだ」
右手に槍、左手に盾を装備した、西洋の甲冑騎士の様な姿であった。
ナイアル「フフフフ……この姿になった俺は、誰にも止められない! 死ねぇぇぇ!!」
ナイアルは突進を仕掛けるが、まさにその時であった。
ジョルノの『ゴールド・エクスペリエンス』が、それよりも速く攻撃した。
ゴールド・E「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァ!!」
ナイアル「ぶぎゃぁぁぁ!」
反撃の隙も与えず、ジョルノの攻撃が見事に決まった。
そして地面に叩きつけられたナイアルは、その場で気絶したのだった。
ナイアルが目を覚ますと、体はロープで巻きつけられていた。
更に目の前には、アイリスハートが立っていた。
アイリスハート「ウフフフ……さ〜〜〜て、お姉さんと良い事しましょうか?」
ナイアル「ひっ!?」
この時、ナイアルは本能で恐怖を感じた。
彼女の手には、鞭が握られており、
アイリスハート「さあ、豚の様にブヒブヒ泣きなさい!!」
ナイアル「ぎゃぁぁぁぁ!」
何度もナイアルに叩き付けた。
ナイアル「や、止めてください! 女王様ぁぁぁ!!」
アイリスハート「女神様とお呼び!」
ナイアル「ああああああああああああああ!!」
その光景を遠目で見ていた銀時達。
銀時「じ、自業自得とはいえ、ちょいとだけ同情するぜ」
ネプテューヌ「ぷるるんの方が、邪神よりも邪神っぽいかも」
殆どが恐怖を感じ取り、
ナイアル「も、もっとぶってください! 女王様ぁぁぁぁ!!」
アイリスハート「女神様だと、まだ分からないのかい!!」
ナイアル「あ〜〜〜〜ん!!」
銀時「遂にドMに覚醒しちゃったんだけどぉぉぉ!?」
ナイアルは遂にマゾに覚醒してしまったのだった。
その頃、八坂家では……
ハス太「まだ、見つかってないようだね」
クー子「ニャル子……少年……」
クトゥグア星人の『クー子』と、ハスター星人の『ハス太』が困った顔をする。
ニャル子と真尋が行方不明となり、心配していたのだ。
シャンタッ君「ミー」
ニャル子のペットのシャンタッ君も、寂しそう顔をする。
しかしその時であった。
クー子「ん?」
ハス太「え?」
シャンタッ君「み?」
三名の足元に、大きなスキマが開かれ、
三名「!?」
その中へと消えたのだった。