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東方大激戦 第16話:黄金の旋風
作者:亀鳥虎龍   2015/08/25(火) 21:27公開   ID:UWlCjzOLp/.
 時刻は午後19時10分。

ネロと十六夜達がノーデーと戦っていた同時刻。

ジョルノ達は現在、人里に来ていた。

しかしここで、信じられない光景を目にしたのである。

里の大半が炎に包まれ、人々が逃げていく姿があった。







―黄金の旋風―






 里の殆どが火の海と化し、まるで地獄のような光景であった。

ネプテューヌ「酷い! 無関係の人達まで手を出すなんて!!」

ノワール「このままじゃ、里に人達が危険に晒されるわ!!」

ジョルノ「とにかく、逃げ遅れた人達の救助が先です!」

すぐに救助に入ろうとしたジョルノ達であったが、まさにその時であった。

??「おや、随分と大勢だね?」

全員「!?」

そこには、炎の様な赤い髪を腰まで伸ばした女性が立っていた。









クトゥ奈「私は『覆い尽くす混沌』に属する『三獣牙』の一人、クトゥグア星人のクトゥ奈だ。 アンタ達を潰すように命じられた」

クトゥ奈は手から炎を出し、戦闘本能をむき出しにする。

夜桜「という事は、ここでアナタを倒せば、この火災は収まるんじゃな!」

両手の拳をぶつけ、気合いを入れる夜桜。

クトゥ奈「まあ、そうなんだけどね……因みに紅魔館ってとこには、新入りが向かってるから」

ブチャラティ「新入り? そんな奴がいるのか?」

クトゥ奈「そうだよ。 一度死んだヤツを、ニャル彦が甦らせたんだけどね」

四季「ちょっ!? 一度死んだ奴を甦らせた!?」

ミスタ「んで、念の為聞くが、そいつの名前は?」

その問いに、クトゥ奈は答えたのだった。

クトゥ奈「確か……『DIO』って名前だったような」

ジョルノ「!?」

それを聞いたジョルノは過剰に反応した。

ジョルノ「DIO……だと!?」

そして彼の脇に抱えられた亀『ココ・ジャンボ』のスタンド『ミスター・プレジデント』の空間内にいたポルナレフも、

ポルナレフ「まさか……奴が!?」

そんな彼の反応に気付いたブチャラティは、肩に手を置きながらこう言った。

ブチャラティ「ジョルノ、お前だけでも行け」

ジョルノ「!?」

ブチャラティ「恐らく、お前でないと出来ない決着のハズだ」

その言葉にジョルノは、コクリと頷き、

ジョルノ「行ってきます!」

亀をブチャラティに託し、自身は紅魔館へと向かった。

クトゥ奈「逃がすと思うかい!」

クトゥ奈が火球を放ったが、それを女神化したノワールが剣で弾いた。

ブラックハート「負わせると思う?」

ベール「ネプテューヌ! アナタも同行さしあげて!」

ネプテューヌ「任せて!」

女神化したネプテューヌは、すぐさまジョルノの頭上へと飛ぶと、

パープルハート「ジョルくん! 捕まって!」

彼女が差しだした手を、ジョルノがすぐさま掴んだ。

そして二人は、そのまま紅魔館へと飛び去ったのだった。










 ジョルノとパープルハートがその場を去った事を確認し、ブチャラティ達は構えを取る。

ブチャラティ「いくぞ、覚悟はいいな?」

クトゥ奈「今更、聞いてんじゃないよ!」

炎の渦がクトゥ奈の体を覆い尽くし、渦が消えると彼女は、炎をイメージしたレオタードに身を包んでいた。

クトゥ奈「焼き殺してやるよ!」

ブチャラティ「やってみろ!」

『生きる炎』と呼ばれた邪神の火球が、彼らへと襲いかかった。

雪泉「させません!」

しかし雪泉の放った氷が、火球とぶつかった。

雪泉「敵が炎なら、氷を使う私が一番有効のハズ! ここは任せて下さい!!」

ブチャラティ「分かった。 皆、逃げ遅れた人達の救助に向かえ!! 出来るだけ三人一組になってだ!!」

全員「おう!」

すぐさまメンバーは救助に向かった。

しかし、ブチャラティとブラックハートだけは雪泉と一緒にいた。

雪泉「あ、アナタ方は何故?」

ブラックハート「一人よりは二人、二人よりは三人でしょ?」

ブチャラティ「それに、コイツを放っておくつもりはないからな」

そう言うと、彼の自身のスタンド『スティッキー・フィンガーズ』を発動させた。

青を基本色とし、ジッパーの様な装飾を付けた人間型スタンド。

『スティッキー・F』は構えを取ると、ブチャラティは二人に叫んだ。

ブチャラティ「いくぞ!」

ブラックハート「ええ!」

雪泉「はい!」








(アバッキオ&叢&ブラン)

 三人が走った方向には、逃げ遅れた子供がナイトゴーントに襲われていた。

すぐさまブランが、女神化して突進する。

ホワイトハート「させるかよ!」 

ナイトゴーントの一体を斧でふっ飛ばす。

ホワイトハート「大丈夫か!」

子供「ひぐっ……」

子供を救う事に成功した三人であったが、ナイトゴーントが後一体だけ残っていた。

アバッキオ「お前等、このガキ連れて先に逃げろ」

叢「何?」

ホワイトハート「どうする気だよ!」

アバッキオ「ガキに危険な思いをさせる気か? そうならないようすんのが当然だろ!」

叢「くっ……すぐに戻る、それまで持ちこたえろ!」

ホワイトハート「死ぬんじゃねぇぞ!!」

二人が子供を連れて逃げ去ったのを確認し、アバッキオは自身のスタンドを発現させた。

アバッキオ「『ムーディー・ブルース』!!」










 子供を安全な場所へと連れて行く叢とホワイトハート。

しかし、前方にはナイトゴーントの一匹が待ち受けていた。

ホワイトハート「野郎……待ち伏せしてたのかよ!」

するとその時であった。

後ろから別のナイトゴーントが現れたのだ。

叢「くっ! 挟み撃ちか!」

後方のナイトゴーントが、彼女達に襲いかかるが、

ナイトゴーント「シャァァァァ!」

何故か彼は、前方のナイトゴーントを攻撃した。

叢「何!?」

ホワイトハート「どういう事だ!?」

驚く二人であったが、するとそこに、

アバッキオ「ベネよし、上手くいったようだな」

アバッキオが彼女達の方へと歩み寄った。

叢「アバッキオ、アレは一体?」

アバッキオ「あれはナイトゴーントじゃねぇよ」

するとナイトゴーントは、徐々に姿が変わり始めた。

デジタル画面が額に着いた、紫のボディの人間型スタンド。

アバッキオのスタンド『ムーディー・ブルース』であった。

その能力は、自分を含んだ対象者の過去の出来事を“再生リプレイ”する事である。

このスタンドの戦闘力(主に破壊力とスピード)は高くない方であるが、

アバッキオ「いくぜ、『ムーディー・ブルース』!」

本体であるアバッキオがチーム内で腕っ節が強く、元警官がけあって戦闘自体は強い方である。

アバッキオと『ムーディー・ブルース』の連携を喰らい、ナイトゴーントは吹き飛ばされてしまう。

しかし、再び立ち上がるナイトゴーントであったが、

叢「逃がさん!」

ホワイトハート「喰らいやがれぇ!」

叢の槍とホワイトハートの斧を同時に喰らい、その場で消滅したのだった。









(ナランチャ&ベール&美野里)

 救助に向かったナランチャ達三人であった、

ナイトゴーント「グ〜……」

ナイトゴーントの集団が襲いかかって来たのである。

ベール「随分と大人数ですわね」

ベールはすぐさま女神化し、

美野里「いっくよ! 忍・転・身!」

美野里も忍転身を行う。

ナランチャ「いくぜ! 『エアロスミス』!!」

そしてナランチャは、プロペラ機を思わせる外見のスタンド『エアロスミス』を発動させた。









 次々と倒していく三人であったが、

グリーンハート「くっ! 倒してもキリがないですわ!!」

美野里「美野里も数えるのが嫌になったよ〜」

ナイトゴーント達の数が多く、先程以上に動きのキレが良かった。

美野里「これじゃ、攻撃が出来ないよ!」

グリーンハート「くっ! 何処かに司令塔がいる筈ですわ! それを倒せば……」

グリーンハートの意見は最もであるが、どこに司令塔があるかは不明なのである。

しかし、その時であった。

ナランチャ「見つけた!」

そう言ってナランチャが、『エアロスミス』を操作した。

すると、他よりも身長が高めのナイトゴーントに機銃が定まった。

ナランチャ「息が一番荒い奴! テメェだな! コイツ等の『親玉』はぁ!!」

ナイトゴーント「ぐっ!」

知能があるのか、そのナイトゴーントは人間の言葉を理解できたようだ。

そしてナイトゴーントは、すぐさまナランチャに襲いかかった。

ナランチャ「!?」

美野里「あっ!!」

グリーンハート「しまった!」

ナランチャの首を絞めたナイトゴーントの手は、徐々に力を強めていく。

ナイトゴーント「フン、どうだ人間? これが邪神の力だ――」

ナランチャ「――と、思ったか?」

ナイトゴーント「へ?」

ナランチャ「怯むとと、思ったか? コレしきの事でよぉぉぉぉ!!」

ナイトゴーント「ひっ!」

ナランチャの気迫に圧倒され、ナイトゴーントはうっかり手を放してしまった。

しかし、この一瞬を彼は見逃さなかった。

ナランチャ「行けぇぇぇ! 『エアロスミス』!!」

『エアロスミス』の体当たりで、そのままナイトゴーントを上空へと押し上げていく。

そして、そのまま機銃が遂に火を噴いたのだ。

ナランチャ「ボラボラボラボラボラボラボラボラボラボラボラボラボラボラボラボラボラボラボラボラボラボラボラボラボラボラボラボラボラボラボラボラボラボラボラボラボラボラボラボラボラボラボラボラボラボラボラボラボラボラボラボラボラボラボラボラボラボラボラボラボラボラボラボラボラボラボラボラボラボラボラボラボラボラボラボラボラボラボラボラ……」

そのまま今度は、急降下していき、

ナランチャ「ボラーレ・ヴィーア吹っ飛んで行きな!!」

最後には地面へと激突したのだった。

司令塔を失ったナイトゴーント達は、とうとう慌ててしまい、

ナランチャ「いくぜぇ!」

グリーンハート「チャンスですわ!」

美野里「行っくよ!」

三人に殲滅されたのだった。










(フーゴ&四季&プルルート)

 フーゴ達の前に現れたのは、無数のナイトゴーント。

四季「もう、一体何匹倒せば気が済むの!? 全然減った感じがしないんだけど!?」

アイリスハート「全くよ。 これじゃ、疲れてしまうだけじゃない」

女神化したプルルートや四季であったが、無数の敵の前に体力が消耗してしまう。

ナイトゴーント達「シャァァァァァ!」

ナイトゴーント達が一斉に襲いかかるが、フーゴが自身のスタンドを発動させた。

フーゴ「『パープル・ヘイズ・ディストーション』!!」

パープル・ヘイズ「グジュルルル〜……」

透明のバイザーで顔を覆い、紫を基本にした毒々しい姿、そして口で縫われた口から涎を垂れ流す人間型スタンドが現れた。

これがパンナコッタ・フーゴのスタンド、その名を『パープル・ヘイズ』。

フーゴ「プルルート! 四季を抱えて空に飛んでくれ!!」

アイリスハート「ん? 構わないけど」

四季を抱え、アイリスハートは上空へと飛んで行く。

二人が空へと飛んだ事を確認したフーゴは、遂にスタンドの本領を発揮した。

フーゴ「行け、『パープル・ヘイズ』! 殴れ!!」

パープル・ヘイズ「ブッシャァァ!」

『パープル・ヘイズ』が殴り飛ばした瞬間、拳のカプセルがパキンと割れたのである。

そう、まさにその瞬間だった。

ナイトゴーント「グギャァァァァァ!!」

ナイトゴーントの体が崩れていったのである。

勿論、彼に触れたナイトゴーント達にも、同じ症状が発症した。

これぞ、『パープル・ヘイズ』の能力。

その能力は、殺人ウィルス!









 ウィルスが殆ど感染した事を確認したフーゴ。

フーゴ「聞こえてるかどうかは分からないが、教えておいてやるよ。 『パープル・ヘイズ』の拳のカプセルには、感染者を死に至らしめる“殺人ウィルス”が内包されてる。 一度感染した瞬間、助かる方法はない!」

それを聞いた二人は、顔が引きつってしまう。

四季「殺人ウィルスって……超ヤバい能力じゃん!?」

アイリスハート「流石のあたしも、こればかりはドン引きね」

当時の『パープル・ヘイズ』は、フーゴ自身でも制御は難しかった。

しかし、彼の精神的な成長によって、スタンドも『パープル・ヘイズ・ディストーション』へと進化したのである。

感染を免れた二体の内の一体がフーゴに襲いかかり、もう一体が四季とアイリスハートへと襲いかかった。

アイリスハート「行くわよ、四季ちゃん!」

四季「勿論! 行くよ、プルちん!」

しかしアイリスハートは、四季を前方へと投げ飛ばすと、彼女と同じ速度で飛んで行く。

四季&アイリスハート「ハァァァァァ!」

アイリスハートの蛇腹剣と四季の鎌の連携攻撃により、ナイトゴーントは消滅する。

勿論、アイリスハートも四季の手を掴んだのだった。

一方のフーゴも、ナイトゴーントの攻撃を避けると、

フーゴ「やれ、『パープル・ヘイズ』!」

『パープル・ヘイズ』が喉元を掴み、拳を豪快に叩きこんだ。

同時にウィルスが感染し始めたのだ。

ナイトゴーント「ガァァァァ!」

もがき苦しむナイトゴーントであったが、

フーゴ「そのままくたばれ! この、腐れ脳ミソ邪神がぁぁぁ!!」

パープル・ヘイズ「グルルルル……バッシャァァァァ!!」

『パープル・ヘイズ』の拳の連打に敗れてしまう。

フーゴの凶暴性のある内面を具現化したようなスタンド『パープル・ヘイズ』。

この能力を知る者は、その恐ろしさを一言でこう述べている。

獰猛”……爆発するかのように遅い、嵐のように立ち去る!!









(ミスタ&夜桜&白夜叉)

 逃げ遅れた人々の確認をする三人であったが、

ナイトゴーント「シャァァァァァ!」

ナイトゴーントの集団と正面衝突であった。

ミスタ「いけ、『ピストルズ』!」

1「ヨッシャァ! ガンガン行クゼ!!」

2〜7「オーーーー!」

6人一組の群体型スタンド『セックス・ピストルズ』が、弾丸に憑り付きながら飛んで行く。

数は1から7の六人。

因みに本体であるミスタの影響で、『4』は存在しない。

『ピストルズ』の蹴り飛ばした弾丸は、軌道を変え、速度を上げながら打ち抜いていく。

夜桜「ハァァァァ!」

夜桜も籠手を纏った拳を放ち、ナイトゴーント達を殴り飛ばしていく。

白夜叉「ハーハハハ! 私を倒そうなぞ、100年早いわい!!」

白夜叉も幼い外見を生かし、素早い身のこなしと体術で倒していく。








 殆どのナイトゴーントを倒していき、ミスタが『2』を呼ぶ。

ミスタ「2、何かいたか?」

2「イヤ、全クナシダゼ!」

ミスタ「そうか」

夜桜「しかしコイツ等……全く減った気がしませんね」

一向に減らないナイトゴーントの群れに、三人は苛立ちを隠せなかった。

そんな中、白夜叉がこんな事を言った。

白夜叉「こうなったら、この里そのものを破壊するかの」

ミスタ&夜桜「アホかァァァァ!」

それを聞いたミスタと夜桜は、すぐさま拳骨をお見舞いした。

白夜叉「じょ、冗談じゃ冗談。 少しはノリというものを憶えんか」

ミスタ「冗談でも、流石に今のはキツ過ぎるわ!」

夜桜「少しは考える気はないんかおんしには!!」

流石にこの冗談は、ノリの良い方のミスタや、真面目な夜桜には通じなかった。

ミスタ「とにかく、コイツ等をブッ倒すぜ!」

夜桜「勿論です!」

白夜叉「うむ!」

そして3人はナイトゴーントの群れへと突進したのだった。









(ブチャラティ&雪泉&ノワール)

 クトゥ奈は苦戦を強いられていた。

雪泉「そこ!」

自身の炎を氷で相殺させる雪泉、

ブチャラティ「そこだ!」

頭の回転の速さで、次の攻撃を予想するブチャラティ、

ブラックハート「ハァァァァ!」

空中戦を仕掛けるブラックハート。

流石に邪神といえど、3対1はきつい方であった。

クトゥ奈「こいつら、こうなったら!」

するとクトゥ奈は、手をブチャラティの方へと向ける。

ブチャラティ「ん?」

クトゥ奈「クトゥグア星人にはね、こんあ攻撃法があるんだよ!」

その瞬間、ブチャラティの周りを炎の渦が包みだす。

ブチャラティ「まさか!?」

クトゥ奈「死ねぇ!」

拳を握るように手を操作した瞬間、炎の渦はブチャラティを押しつぶしていき、

ブチャラティ「ぐあぁぁぁぁぁぁ!」

彼を完全に消滅させた。









 ブチャラティが消滅した事に、雪泉とブラックハートは驚きを隠せなかった。

雪泉「そ、そんな……」

ブラックハート「ブチャラティぃぃぃぃぃ!!」

クトゥ奈「これでまず、一人目ね。 私の宇宙CQC『全てを焼き尽くすフレイムストーム』を喰らったのだ。 死なないはずがないがな」

ブラックハート「このぉぉぉぉ!」

雪泉「ハァァァァ!」

二人が攻撃するが、クトゥ奈はそれをものともせず、

クトゥ奈「無駄だ!」

ブラックハート&雪泉「キャァァァァ!」

逆に二人を圧倒したのである。

クトゥ奈「クハハハハ! 所詮は人間だ! 邪神である私に勝てるワケが無かろう!!」

もはや、立ち上がる程の力を持っていなかった二人。

しかし二人は、それでも立ち上がった。

クトゥ奈「あん? まだ戦うのかい? いい加減に諦めれば良いものを」

ブラックハート「だれが……諦めるもんですか!」

雪泉「そうです……霊夢さんと約束したんです。 この世界を護って見せると!」

クトゥ奈「約束だと? そんなちっぽけな理由じゃ、奇跡は起きないぞ?」

見下すように、そして嘲笑うかのように二人を見るクトゥ奈。

しかし雪泉は、希望を捨てずに叫んだ。

雪泉「ちっぽけではありません。 なぜなら、誓ったんですから……」

クトゥ奈「誓っただと?」

雪泉「そうです、誰でもない……私自身の……魂にです!!」

まさにその時であった。

パチュリーから貰った腕輪が、強く光り出したのである。

その瞬間、雪泉の姿が大きく変わった。

見た目は覚醒形態の『氷王』に似ていた。

しかし髪は腰まで長く、手には氷で出来た日本刀が握られていた。

彼女の新たなる覚醒形態『氷神』が、ここに降臨した。









 目の前の状況に、クトゥ奈は驚きを隠せなかった。

クトゥ奈「くっ! こんなもの、焼き尽くしてやる!!」

炎を放とうとするが、まさにその時であった。

??「させると思ったか?」

クトゥ奈「!?」

まさにその時であった。

ブチャラティ「『スティッキー・フィンガーズ』!!」

クトゥ奈が振り返ったと同時に、ブチャラティの攻撃がヒットしたのだ。

クトゥ奈「ば、バカな!? 何時の間に私の後ろに!? いや、どうやって私の攻撃から!?」

彼女は全く知らなかった。

『スティッキー・F』の能力が、触れたものにジッパーを取り付ける事が出来る事を。

あの時、炎の渦にのまれそうになったブチャラティ。

その寸前に、『スティッキー・フィンガーズ』の能力で地面の下へと脱出したのである。

雪泉「行きますよ、ノワールさん!」

ブラックハート「ええ! これで決めるわよ!」

地を蹴り、二人は刃を構え、

雪泉&ブラックハート「ハァァァァァァ!」

ザァンと、クトゥ奈に一閃を放ったのである。

クトゥ奈「ガァァァァァ!」

しかし、これだけでは終わらなかった。

ブチャラティ「テメェの敗因は、“人間を舐め過ぎた事”だ」

クトゥ奈「!?」

ブチャラティ「これで終いだぜ! 『スティッキー・フィンガーズ』!!」

『スティッキー・フィンガーズ』の拳が、隙のない速さで放たれたのだ。

クトゥ奈「い……イヤァァァァァァ!!」

スティッキー・F「アリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリ……」

圧倒的なパワーとスピードによる連打が続き、

ブチャラティ「アリーヴェデルチさよならだ!」

ドガァと、トドメの一撃を叩き込んだのだった。

コレにより、クトゥ奈はその場から吹き飛ばされたのだった。

クトゥグア星人のクトゥ奈……遥か彼方へふっ飛ばされ、!!




続く...


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