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東方大激戦 第17話:大きな事件をやらかす奴の動機は意外とショボ過ぎる
作者:亀鳥虎龍   2015/08/26(水) 22:02公開   ID:UWlCjzOLp/.
 お燐が博麗神社に訪れる数分前。

香霖堂で武器を物色していた銀時であったが、偶然あるものを見つける。

銀時「お、コイツは……」

それはチョコレートとビスケットで作られた、キノコの形をしたお菓子の箱であった。

銀時「『き○この山』じゃねぇか。 良く食ってたなぁ〜」

霖之助「そうなのかい? 外の世界では、派閥争いが絶えないほど人気だと聞いてるけど」

銀時「あ〜、アレだろ? 確か『た○のこの里』」

霖之助「そうそれ。 紫がたまに買いに来てたんだ、美味しいからって」

銀時「だろうな」

霖之助「懐かしいな。 幻想郷でもこのお菓子を広めようとした人がいたんだ。けど、そのせいで派閥争い絶えなかったんだ」

銀時「『き○この山』派と『た○のこの里』派の事だよな」

霖之助「紫も『き○この山』派だったから、『た○のこの里』派だった仕掛け人の人と激闘したらしいよ。 スペルカードを使ってまで」

銀時「……大人気ねぇな」

霖之助「因みにその人も、『た○のこの里』を3箱くらい買って行ったんだ」

銀時「そいつぁ、大層なもの好きだな。 けど、俺はどっちも好きだけどな」

軽い雑談を済ませ、銀時達は店の外に出る。

その際に銀時は、店の外に置いてあるロードローラーを見た。

銀時「何で、マカダム式ロードローラーがあるんだ?」








―大きな事件をやらかす奴の動機は意外とショボ過ぎる―








 お燐と共に、旧都へと辿りついた銀時達。

銀時「おいおい、ホントにここは地獄だったのか? 繁華街にしか見えねぇぞ?」

神楽「んじゃ、とっとと犯人をボコボコにしていくアル」

ニャル子「いえいえ、ここは半殺しでいきましょうか」

銀時「何言ってんだニャル子? ここは4分の3殺しだろうが」

クー子「……成程、流石は銀さん」

新八「4分の3って、それ殆ど死んでんじゃないですか!!」

真尋「お前等の頭の中は、それしかないのかそれしかぁぁぁ!!」

当麻「というか、お前等は発想が怖すぎるわぁ!!」

銀時やニャル子達の発想に、新八と真尋と当麻のツッコミが炸裂し、

インデックス「大丈夫かな?」

オティヌス「先が思いやられる」

ハス太「アハハハハ……」

シャンタッ君「み〜」

お燐「大丈夫かい?」

霊夢「う〜ん……」

魔理紗「ハァ……」

他は心配するしかなかった。









 街中を歩くと、そこには地底の妖怪達が倒れていた。

霊夢「地底の妖怪達を倒すなんて……」

魔理紗「早くニャル彦を止めないとな!」

ニャル子「急ぎましょう!」

そう言って彼等は走り出す。

しかしそこには、思いがけない事態が!

ナイトゴーント「グオォォォォ!」

ナイトゴーントの集団が、彼等の前に立ちはだかったのだ。

銀時「邪魔だボケぇ!」

神楽「ほわちゃぁぁぁ!」

ニャル子「失せやがれですよ!!」

クー子「……消えなさい」

だが、波乱万丈の万事屋と邪神の4人に掛かればどうって事は無かった。

当麻「……もう、アイツ等だけで解決じゃね?」

本気で思う当麻であった。









 地霊殿に入った一同が見た先には、

霊夢「さとり!?」

お燐「さとり様!」

傷だらけのさとりが倒れていた。

さとり「霊夢……さん……良かった……連れて来てくれたのね……お燐……」

銀時「後は俺達に任せて、オメェは休んでろ」

さとり「き、気を付けてください」

お燐にさとりを任せ、一同は最奥部へと向かった。









 最奥部に行くと、そこにはニャル彦が立っていた。

ニャル子「とうとう追い詰めましたよ、ニャル彦!」

銀時「テメェの野望もここまでだ!」

当麻「てめぇの幻想を、ぶち殺しに来たぜ!」

霊夢「観念しなさい!」

各作品の原作主人公格が並ぶと、ニャル彦は不敵な笑みを見せた。

ニャル彦「くははははは! 私を追い詰めただと? もう遅い! 既に準備は整った!!」

まさにその瞬間、彼の背後にあった巨大な石像が動き始めたのだった。

アンモナイトを三つ横に重ねたものを背負った甲殻類の様な輪郭に、頭部にはチョウチンアンコウのような口、そしてその口の下に目が二つあるような外見の巨体。

ニャル彦「見るがいい! これが幻想郷に封じられた邪神『ガタノゾア』だぁぁぁぁ!」

コレを見た銀時は、思わず叫んでしまった。

銀時「これって……どう見ても『ウル○ラマ○テ○ガ』の『ガ○ノ○ーア』じゃねぇかぁぁぁぁ! 確かにあれもクトゥルー神話の邪神がモチーフだけど!!」

石像は徐々に亀裂が入っていき、

ニャル彦「さあ、甦るがいい! ガタノゾア! こ奴等を! 幻想郷を破壊するのだぁぁぁ!!」

邪神が復活した――筈であった。

ガシャァァァンと、石像はその場で砕けたのだった。

全員「…………え?」

これには全員が唖然とし、

新八「どうして、こうなったぁぁぁぁぁぁ!!」

新八のツッコミが響いたのだった。









 ガタノゾアの石像が砕き、ニャル彦が驚きを隠せなかった。

ニャル彦「どういう事だぁぁぁ!?」

銀時「いや、そう言われてもな……」

すると、何かが銀時の方へと舞い落ちた。

銀時「何だこりゃ?」

それは何かの封筒で、“博麗霊夢様へ”と書かれていた。

銀時「霊夢、オメェ宛てだ」

霊夢「ん?」

封筒の裏を見ると、“貴方の師匠より”と書かれていた文字があった。

霊夢「師匠?」

開けると、中には手紙が入っていた。

その手紙には、先代博麗の巫女が記した内容が書かれていた。

先代『霊夢へ。 この手紙を呼んでいるという事は、石像化した邪神は砕けているでしょう。 この邪神は当時、全てを闇に包みこもうとした邪悪の化身です。 時空を越え、幻想郷にやって来た光の巨人によって倒され、その大いなる光の前に石化という形で敗れ去ったのです。 PS.因みにこの石像は、光の巨人と私以外が解くと、自動的に粉々に砕けるようになっています(笑)♪』

全員「…………」









 手紙を読み終え、一度は沈黙した一同であったが、

銀時「笑えるかぁ(怒)!」

銀時が部屋中に響くほどの雄叫びを上げた。

ニャル彦「わ、私の最終兵器がぁぁぁぁ!」

真尋「うるせぇ!」

ニャル彦「ぷとてぃらっ!」

同じく雄叫びを上げたニャル彦であったが、真尋のフォークが眉間に突き刺さったのだ。

当麻「ふざけんなっ! 俺達の今までの緊張感を返せぇぇ!」

ニャル彦「へぶしっ!」

更に当麻の右手から繰り出す鉄拳で、殴り飛ばされしまう。

ニャル彦「くそぉぉぉ! これでは、八雲紫への復讐がぁぁぁぁ!」

霊夢「アンタ、紫とどういう関係なの?」

ニャル彦「ふん、答えるとでも思って――」

霊夢の問いを拒否しようとしたニャル彦であったが、まさにその時であった。

「どうでもいい理由でしたよ」

全員「!?」

突然の声に、全員が振り返った。

そこには、お燐に肩を貸して貰うさとりの姿があった。

魔理紗「どうでもいい理由って、どういう事だよ?」

さとり「実はですね……」

魔理紗の問いに、さとりはニャル彦の目的を話した。

さとり「当時の話です。 幻想郷に訪れたニャル彦は、『た○のこの里』というお菓子を幻想郷に広めようとしたんです。 ですが、その頃『き○この山』派だった紫さんが中断させようと、激戦を繰り広げたそうです」

霊夢「………で、その結果は?」

さとり「紫さんの勝利で、ニャル彦も幻想郷を追放されました。」

それを聞いた全員が、一度は沈黙する。

その中で銀時は、霖之助との会話を思い出す。

――幻想郷でもこのお菓子を広めようとした人がいたんだ。

銀時「あれ、お前だったんかいぃぃぃぃぃ!!」

真尋「まさか、ニャル彦の目的を三行でまとめると……」

さとり「紫さんとの喧嘩で負けてしまったニャル彦は、
その仕返しにこの異変を起こして紫さんを倒し、
自身が幻想郷の頂点になって『た○のこの里』を広めようしただけです」

ニャル彦の目的を三行でまとめたさとり。

インデックス「じゃあ、ノーデンスやアトラは?」

さとり「同じ派閥のお菓子を好む同志だそうです」

彼女の説明を聞いた一同は、怒りを露わにし、

銀時「それって、ただのガキの喧嘩そのものじゃねぇか!」

当麻「思いっきりショボい理由で異変を起こしてんじゃねぇ!」

真尋「ふざけんなボケェ!!」

銀時の木刀と当麻の右ストレート、そして真尋のフォークが見事にヒットし、

ニャル彦「ぶらかわにっ!」

ニャル彦もクリーンヒットを受けたのだった。











 三人の息の合った攻撃を喰らい、ニャル彦はその場で気絶したのだった。

銀時「――ったく、しょうもねぇ理由で大掛かりな事件なんか起こしてんじゃねぇよ」

当麻「全くだ」

真尋「疲れた」

三人はそう言ってため息を吐く。

後はニャル彦このバカをニャル子達に拘束して貰えば、全てが終わる。

誰もがそう思った。

しかし、さとりが叫んだのだった。

さとり「それよりも皆さん! 早く紅魔館に向かって下さい!!」

銀時「え、何で?」

さとり「ニャル彦一派の最後の一人が、紅魔館を襲撃しているんです!」

真尋「どうせ、そいつもしょうもない理由で集まった同志だろ?」

さとり「違います! あの男――『DIO』だけは違います! あれは……あれは『邪悪の化身』です!!」

そう、さとりは読んでしまったのだ。

DIOの心にある、邪悪な本性を……。










 その頃の紅魔館。

夜は吸血鬼にとって、十分に活動できる時間であった。

DIO「ここか……吸血鬼が主を務める館というのは……」

それを眺めていたDIOは、不敵な笑みを浮かべる。

DIO「素晴らしい……このDIOの拠点にするに相応しいぞ」

門を見るが、人の気配が全く無かった。

DIO「門番がいると聞いていたが、気のせいであったか」

門を跳び越え、敷地内に入る。

すると、その時であった。

レミリア「やっと来たのね、待ってわよ? 『覆い尽くす混沌』さん」

DIO「ん?」

そこには、紅魔館の面々が立っていたのだ。

レミリア「一人で現れるとは、随分な御身分ね。 だけど、それも終わりよ」

咲夜「ここで、終わりにします」

その瞬間、咲夜が時を止めたのである。



続く...

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