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東方大激戦 第18話:GIOGIOvsDIO・その@
作者:亀鳥虎龍   2015/08/27(木) 21:22公開   ID:L6TukelU0BA
 紅魔館へ向かう為、空を飛んでいたパープルハートとジョルノ。

そんな二人であったが、パープルハートは険しい顔をする。

パープルハート「ゴメン、ジョルくん。 下ろしても良いかしら?」

ジョルノ「ん? 構いませんけど」

ゆっくりとジョルノを下ろし、パープルハートは一息吐いた。

するとその時であった。

紫「お邪魔するわよ」

二人「!?」

突然、紫がスキマから出て来たのである。








GIOGIOジョジョvsDIO・その@―








パープルハート「どうしたの、ゆかりん?」

紫「ごめんねネプちゃん。 ジョルノ君とお話しがあるから、先に紅魔館へ向かってくれるかしら?」

パープルハート「でも……」

ジョルノ「行って下さい。 僕も追い付きますから」

パープルハート「………分かったわ」

こうしてパープルハートは、先に紅魔館へと向かった。

彼女が飛び去った事を確認したジョルノは、紫と顔を合わせる。

ジョルノ「それで、話というのは?」

紫「ジョルノ君、念のために調べてさせて貰ったわ。 アナタとDIOの関係を」

ジョルノ「…………」

紫「アナタ自身の口から確認したいの……その……」

ジョルノ「僕とDIOが、“実の親子というのは本当か”ですね?」

紫「え……ええ……」

ジョルノ「事実です」

紫「!?」

本人の口から知らされた紫は、驚きを隠せなかった。

ニャル彦が甦らせた邪神と、それを倒す少年が親子など、誰が信じ得られるのか。

紫「そう……気を付けてね」

ジョルノ「勿論……あっ、ついでに頼んでも良いでしょうか?」

紫「え?」

果たして、ジョルノが紫に頼んだ事とは!?









 パープルハートは一足早く、紅魔館に着いた。

パープルハート「!?」

しかし彼女は、そこで思いがけない光景を目にした。

DIO「ほう、貴様が女神の……確かネプテューヌだったな。 いや、今はパープルハートと呼ぶべきかな?」

腕を組み、余裕の表情を見せるDIO。

その周囲には、紅魔館の住人達が倒れていたのだ。

レミリア達の実力は、彼女が良く知っていた。

だから、一人の男相手に敗れるとは思えなかったのだ。

DIO「くくく……しかし、女神の血というのは、このDIOも口にした事がないからな……いい機会だ。 その血を吸わせて貰うぞ」

一歩ずつ歩んでくるDIO。

パープルハートは震えが止まらなかった。

顔を合わせただけで、背筋が凍りついたのだ。

恐怖で胃の内容物が吐き出されるような感覚に陥ったが、まさにその時であった。

ドガァと、レミリアが『スピア・ザ・グングニル』で屋敷の時計台を破壊したのだ。

パープルハート「!?」

DIO「ん? 何だ、あらぬ方向へと撃ちおって。 断末魔……最後の雄叫びを上げようとするか? 無意味な事を」

パープルハート「(レミリア……どうしてあんな事を!? 一体、何がしたかったの!?)」

そんな中、レミリア本人は、

レミリア「(わ、私の……出来る……事は……ここまでよ………お願い………これを………皆に………伝えて……ヤツの……能力の正体……を……)」

このメッセージが伝わる事を信じ、その場で倒れたのだった。

レミリア・スカーレット、フランドール・スカーレット、パチュリー・ノーレッジ、小悪魔、十六夜咲夜、紅美鈴……








 拳を強く握り締め、パープルハートは叫んだ。

パープルハート「ネクストフォーム、解放!」

その瞬間、パープルハートは更なる形態『ネクストフォーム』へと姿を変えた。

DIO「ほう、面白い能力だな」

パープルハート「女神の力、見せてあげるわ!」

DIO「良いだろう!」

遂に、邪悪の帝王と女神の戦いが始まった。

パープルハートは豪快に剣を振るったが、まさにその時であった。

DIO「『世界ザ・ワールド』!!」

突如としてDIOの体から、人型のスタンドが出現したのだ。

三角形のマスクを被ったような顔に、背中にパイプの様なものを付けた逞し肉体。

そして時計のマークが付いた拳が特徴的なスタンド。

タロットカードの21番目で、“完成”や“支配”を意味する。

これがDIOのスタンド、名を『世界ザ・ワールド』!

世界ザ・ワールド』は拳で弾き、もう片方の拳を突き出したのである。

パープルハート「!!」

それを見たパープルハートも、すぐさま後ろへと跳んだ。

パープルハート「(接近型のスタンドは、長くても射程距離は2メートル辺り。 それなら、距離をとって戦えば――)」

しかし、その時であった。

DIO「無駄だ」

パープルハート「なっ!?」

なんと『世界ザ・ワールド』は、パープルハートの近くまで移動していた。

その距離、約5メートル!

DIO「言い忘れたが、我が『世界ザ・ワールド』の射程距離は、最大で10メートルだ」

ザ・ワールド「無駄ぁ!」

放たれた拳を避け、パープルハートは空中へと飛び上がった。

パープルハート「(接近型のスタンドなのに、射程距離が10メートル!? 反則過ぎでしょ!?)」

DIO「ふん、逃がすか!」

だがその瞬間、DIOも空へと飛び上がった。

パープルハート「(嘘っ!? 空まで飛べるのアイツ!?)」

驚きを隠せなかったが、彼女はある事を思い出す。

それは、レミリアが取った“時計台を破壊”という行動であった。

パープルハート「(そういえば、レミリアはどうしてあんな事を? 何かのメッセージを伝えたかったというの? まさか、あの状況の中で、DIOの能力を見抜いたというの?)」

考えれば、一つ疑問が浮かんだ。

時を操れる咲夜がいたのにも拘らず、何故レミリア達は敗れたのか。

パープルハート「(時計台を破壊する事で何を伝えたかったの? 時計台を破壊する……時計台を破壊……時計を壊す……時間を止める――え!?)」

この瞬間、パープルハートは一つの答えに辿りついた。

パープルハート「まさか……まさかDIOの能力は、時間を!? 時を止める!? 止まった時の中を動ける能力なの!?」

驚きを隠せなかったパープルハート。

しかし、これなら合点がいったのである。








(回想)
 
 咲夜が時を止め、DIOの周囲にナイフを投げ飛ばす。

そして彼女が時を動かそうとした瞬間、まさにその時であった。

咲夜「!?」

突然、体が動かなくなったのだ。

DIO「5秒か……大した女だ。 時を止められるだけでなく、そこまで動けるとはな……」

そう言ってDIOは、ナイフの包囲陣をゆっくりと避けていく。

DIO「どんな気分だ? 動きたくても、動けない気分というのは?」

咲夜「くっ……」

DIO「しかし、時を支配する事に関しては、このDIOの方が上だったな」

そう言うと、『世界ザ・ワールド』が拳の連打を叩き込んだ。

ザ・ワールド「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァ!!」

その凄まじい破壊力と速度は、咲夜の肉体にダメージを与えた。

DIO「ククク……コレが『世界ザ・ワールド』だ」

そのままレミリア、フラン、パチュリー、小悪魔、美鈴を倒したのである。

そして時が動き出し、彼女達は吹き飛ばされたのだった。

コレが、紅魔館の面々が倒された真相である。









 レミリアのメッセージが伝わったが、パープルハートは恐怖を憶えてしまう。

まさか、咲夜と同じ能力を持つ者がいるとは思わなかったのだろう。

パープルハート「時を止める能力……ヤバいわ! この男、ヤバ過ぎる!!」

しかし、DIOの姿がいつの間にか消え、

パープルハート「え――!?」

ドガァと、背中を殴られたのである。

凄まじい衝撃を背中に受け、パープルハートはそのまま地面へと墜落してしまった。

パープルハート「ぐっ……な……なんて……パワー……なの………」

地面には大きなクレーターが出来るほどのダメージを負うが、パープルハートはすぐさま立ち上がった。

DIO「ふん、鬼ごっこは終わりか?」

パープルハート「そうね……だから、ここでアナタを倒すわ!」

刀を構え、地を駆けていき、

パープルハート「この一刀! 受け止められるなら、受けてみなさい!!」

DIO「良いだろう、来るがいい!」

パープルハート「ハァァァァァァ! 『次元一閃』!!」

次元をも斬り裂く一閃が、DIOへと放たれたのだった。









 ネクストフォーム限定の必殺技『次元一閃』。

今この技が、DIOを捉えようとした。

パープルハート「(捉えた! この距離なら!!)」

勝利を確信したパープルハートであったが、まさにその時であった。

DIO「WRYYYYウリィーーー! 貧弱貧弱ぅ!!」

バシィと、DIOは白刃取りで受け止めたのだ。

それも片手で!

パープルハート「そ、そんな……」

驚きを隠せなかったパープルハートであったが、この一瞬に隙が出来てしまった。

DIO「その一瞬が命取りよ!!」

拳を構えた『世界ザ・ワールド』が、凄まじい連打を叩き込んだのだ。

ザ・ワールド「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァ!!」

防御する暇も無く、パープルハートは吹き飛ばされてしまった。

パープルハート「ぐっ……」

切り札のネクストフォームでも太刀打ちできなかった事に、強いショックを受けてしまう。

遂に彼女の眼前まで歩み寄ったDIO。

DIO「さて、そろそろ終わりにするか」

この瞬間、パープルハートは実感した。

仮に他の女神達が駆けつけてくれても、この男には勝てる気がしないと――。

DIO「さらばだ、女神よ」

世界ザ・ワールド』の拳が放たれた。

パープルハート「(ノワール……ブラン……ベール……ぷるるん……そしてネプギア……ごめんなさい)」

目の前の邪悪に敗れ、遂に死を覚悟したパープルハート。

しかし、その時であった。

「『ゴールド・エクスペリエンス』!!」

別の拳が、『世界ザ・ワールド』の拳とぶつかったのだ。

DIO「むっ!」

コレを見たDIOは、咄嗟に後ろへと跳んだ。

パープルハートが隣りを見ると、

ジョルノ「やれやれ、どうやら間に合ったようだ」

爽やかな黄金の風と共に、ジョルノ・ジョバァーナが参上したのだった。











 パープルハートを庇うように、彼女に背を向けるジョルノ。

そんな彼は、真っ向からDIOを睨む。

DIO「貴様が、ジョルノ・ジョバァーナか。 ニャル彦とかいう男から聞いていたが、実際に会えるとはな」

ジョルノ「僕は……こういう時が来るのを、待っていた様な気がする」

するとDIOは、自身の首筋を見せる。

DIO「このジョナサンの肉体の……『星の痣』が、見えない糸で貴様の存在を教えてくれた」

背中にある首の付け根に、星の形をした痣があった。

それを見たジョルノも、自身の首筋を見せる。

彼の首筋にも、星の形の痣があった。

DIO「やはりな……不思議だったのだ。 貴様は、このDIOに近いようでもあり、遠いようでもある。 その疑問が、確信へと変わった」

ジョルノ「それは、僕とアンタが……実の親子であることだろ?」

DIO「フン、やはり気付いたか」

パープルハート「!?」

このやり取りを聞いたパープルハートは、驚きを隠せなかった。

まさかDIOとジョルノが、実の親子だとは思わないだろう。

しかし、あの時のジョルノの反応を見れば、その疑問も解消される。

ジョルノ「ポルナレフさんやスピードワゴン財団、そして空条承太郎さんから聞いていたが……思ってた通りの“邪悪そのもの”だな」

DIO「ポルナレフに承太郎か……随分と懐かしい名前が出て来たな……やはりジョースターと関わっていたか……まあいい」

邪悪な笑みを見せ、DIOはジョルノを睨みつける。

DIO「スタンドのパワーを更に上げるには、息子である貴様の血が有効かもしれんなぁ……」

ジョルノ「やってみろ。 僕も全力で叩き潰す」

その瞬間、『ゴールド・E』が攻撃をしよとした。

しかしそれよりも速く、『世界ザ・ワールド』が足へ目掛けて蹴りを放った。

足に一撃を喰らった『ゴールド・E』。

その反動は、本体であるジョルノにも跳ね返った。

ジョルノ「ぐっ!」

DIO「ノロいノロい。 パワーもスピードも、『世界ザ・ワールド』の方が上だったようだな」

ジョルノ「僕の『ゴールド・E』と同じ接近パワー型のスタンドか。 遠くまではいけないが、パワーとスピードに秀でている」

DIO「貴様のスタンドがどんなものかをちょいと試してみたかったが、試す必要はなかったようだな」

ジョルノ「試すというのは、こういうの事か? 確かに大したもんだよ、ズボンが破けたけどな」

明らかに挑発であったが、それを聞いたDIOは呆れたような顔をする。

DIO「承太郎もそうだったが、やはり貴様もジョースターの血統だな。 どうしてジョースターというのは、こうも負けず嫌いが多いのだ」

そして肩をくすめ、余裕のある笑みを見せた。

DIO「ハァ! 下らん挑発に乗ってやって、もう少しばかり試してやるか!!」

ザ・ワールド「フン! フン!」

世界ザ・ワールド』が拳を放つが、『ゴールド・E』がそれを防ぐ。

そして『ゴールド・E』が拳を放つが、『世界ザ・ワールド』の顔を掠っただけである。

勿論、その反動でDIOの顔にも傷が出来た。

ゴールド・E「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァァァ!!」

ザ・ワールド「フン! フン!」

目で追うことのできないスピードで、二人のスタンドが拳をぶつけ合う。

DIO「フン、突きラッシュの速さ比べか」

顔の傷に手を添えたDIO。

そして手を離した瞬間、顔の傷は綺麗に治ったのである。

ゴールド・E「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄……」

ザ・ワールド「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄……」

凄まじいスピードで放たれた、拳と拳のぶつかり合い。

GIOGIOジョルノとDIO……次元を越えた親子のぶつかり合いが始まったのだった。





TO BE CONTINUED...


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■作者からのメッセージ
 真のラスボスは、DIOでした!!

ニャル彦はコミカルパートのラスボスなら、DIOはシリアスパートのラスボスです!!
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