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東方大激戦 第20話:誇り高き血統!
作者:亀鳥虎龍   2015/08/28(金) 22:33公開   ID:UWlCjzOLp/.
 ジョルノの血を吸い取っていくDIO。

ジョルノ「こ……このぉ!」

すぐさまDIOを蹴り飛ばしたが、殆どの血を吸われしまった。

DIO「ふぅ……予想通り、息子であるお前の血は良く馴染む」

対照的にDIOは回復し、更にパワーアップしたのだった。

DIO「馴染む! この体にしっくり馴染み、パワーが前よりも上がっている!!」

ボリボリと血が噴き出すくらい、身体や頭を掻き毟る。

勿論、その傷も治癒される。

殆どの血を吸われたジョルノは、体がふらついてしまったのだった。

DIO「これで、貴様は用済みだ。 さらばだジョルノ!」

そう言ってDIOは、その場でナイフを投げ飛ばした。

しかし今のジョルノには、スタンドで防ぐ余裕が無かった。

このままでは、ナイフがジョルノへと突き刺さる。

だが、その時であった。

「させない!」

ドスッと、パープルハートが彼を護るように、自らナイフに刺されたのだった。








―誇り高き血統!―







 思わぬ出来事に、ジョルノは驚きを隠せなかった。

ジョルノ「ネプテューヌ!!」

パープルハート「ガハッ!」

ナイフは胸を刺し、パープルハートは膝を着いてしまう。

咄嗟に倒れそうになった体を、ジョルノがすぐに介抱する。

ジョルノ「ネプテューヌ、何故!?」

パープルハート「ガハッ! ……ジョルくん……ここで私が倒れても……決して怒っては……ダメよ……怒り任せで……戦えば……貴方は……自分を……不利に……追う込む事に……なるわ……」

震える手を彼の額に当て、パープルハートは補助魔法をかけた。

パープルハート「これで……DIOに……対抗……できる……事を……祈るわ……頑張って……ファイト……よ……」

そしてこれが最後の言葉となり、彼女は力尽きたのだった。

DIO「フン、無駄な事だ。 どうせ全員、このDIOに始末されるのだからな」

ジョルノ「…………」

ゆっくりとパープルハートを寝かせると、ジョルノは立ち上がった。

ゴゴゴゴゴと、場の空気が大きく変わった。

ジョルノ「(ネプテューヌ……君は言ってくれた。 “何があっても決して怒ってはダメだ”と……だけど、それにも無理というものがある……)」

仲間を傷付けられ、今までの怒りが湧き上がっていたジョルノ。

ジョルノ「仲間を傷付けられて、頭に来ない奴はいない!!」

それが遂に爆発し、DIOへと駆けだしたのだった。

ジョルノ「DIOォォォォォォ!!」

DIO「フフフフ……最終ラウンドだ!」

そしてDIOも駆けだし、遂に最終ラウンドが始まった。











 真っ向から走り出し、そのまま上空へと跳び上がった。

DIO「『世界ザ・ワールド』! WRYYYYYYウリィィーーー!!」

全ての時が止まり、DIOはその中を移動する。

DIO「1秒経過! 2秒……3秒……4秒……」

そして時間停止が11秒を経過した瞬間、

ジョルノ「くっ!」

ジョルノが動きだした瞬間、二人は互いのスタンドを発動させ、

ゴールド・E「無駄無駄無駄無駄ァ!」

ザ・ワールド「WRYYYYYYYY!」

凄まじい拳の連打を叩きこんだ。

この時ジョルノも、『時の腕輪』の効力で3秒まで動けるようになっていた。

ジョルノ「うおぉぉぉぉ!」

そして『ゴールド・エクスペリエンス』の拳が、『世界ザ・ワールド』の拳を砕いた。

DIO「ぐっ!」

受けたダメージの反動で、DIOの拳も砕かれた。

勿論、すぐに再生される。

この時、DIO時間停止は13秒を経過していた。

DIO「13秒経過! いいぞ、まだまだパワーも上がっていくぞ!! やはり思った通りだジョルノ、貴様の血は良く馴染むぞ!! 貴様も3秒は動けたようだが、そこまでが限界の様だなぁ?」

ジョルノ「クッ! ネプテューヌ、キミの忠告通りになってしまった。 けどまだだ! こんなものじゃ……こんなものじゃ、まだ怒り足りない!!」









 時は未だに止まったままで、DIOは今までないほど上機嫌であった。

DIO「んっん〜、実に清々しい気分だ! 歌でも一つ歌いたい程、いい気分だ!」

喜びのあまり、DIOは人差し指でコメカミを突き刺し、

DIO「14秒経過! 100年前に不老不死を手に入れ、さらにスタンド能力を手にしたが、ここまで晴ればれとした気分はなかったなァ〜!」

グリグリと突き刺した指を掻き回した。

DIO「本当にジョースターの血は、この体に良く馴染む! 最高に「ハイッ!」ってヤツだぁ! ハーハハハハハハ!!」

ジョルノ「くっ!」

DIO「15秒経過……。 遂に時を静止することも15秒を越えた。 しかし、時を止めるのも15秒が限界というところだなぁ〜」

ジョルノは『ゴールド・エクスペリエンス』を出そうとするが、

ザ・ワールド「WRYYYYYYYYY!」

世界ザ・ワールド』の素早い連打が叩きこまれ、

ジョルノ「ぐはっ!」

時が動き出したと同時に、ジョルノは吹き飛んでしまう。

DIO「スタンドのパワーを全開だぁ!! ジョルノ、さっき頭に来ているとかぬかしていたが、貴様の怒りなどそんなものだぁ!!」

ジョルノ「『ゴールド――』」

反撃しようとするジョルノであるが、『世界ザ・ワールド』は凄まじい連続蹴りを放った。

ザ・ワールド「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァ!!」

これによりジョルノは、地面へと落ちてしまった。

DIO「間髪入れずに最後の攻撃だァ! 正真正銘、最後の時間停止だ!」

ジョルノ「ぐっ――」

DIO「これより時を止めて! 15秒以内にカタを着ける! 『世界ザ・ワールド』、時よ止まれぇ!!」

そしてトドメに入らんと、DIOは時を止めたのだった。









 全ての時が、再び静止してしまう。

DIO「フン。 1秒経過……」

ジョルノ「!?」

そんな中DIOは、何故ゆえか姿を消した。

しかし、ジョルノは考える事をやめた!

DIOが、止まった時の中で何を策して来ようと!

数秒間動けるジョルノを、どのように攻撃してこようと!

動ける時間を使って、『ゴールド・エクスペリエンス』をブチかますだけだ!!

ジョルノ「「(僕が思うに確かな事は……DIO……僕はアンタの顔を見た瞬間、プッツンするだろうという事だ)」

覚悟と決意を固めたジョルノは、DIOの次の攻撃を待っていた。

DIO「13秒経過!!」

そして、DIOが次の攻撃をしかけたのだった。

この時DIOは!

DIO「ロードローラーだァァァァ!!」

なんと意外! マカダム式ロードローラーを上空から叩きつけたのだ!!

この瞬間、ジョルノの理性はプッツーンと切れ、

ジョルノ「うおぉぉぉぉぉ!」

『ゴールド・E』を全力で放った。

ゴールド・E「WRYYYYYYYYYY!!」

DIO「もう遅い! 脱出不可能よ!! 無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァーーーーーーー!!」

ロードローラーを隔てた、二人の連打のぶつかり合い。

しかし、ジョルノの活動時間が切れかけてしまう。

ジョルノ「うおぉぉぉぉぉぉ!!」

DIO「無駄無駄無駄無駄無駄! ラストスパートだァ! WRYYYYYYYYYY! ブッ潰れろォ!!」

DIOの最後の一撃が放たれ、ジョルノはロードローラの下敷きとなってしまう。

そして同時に、時間停止が15秒を経過したのだった。

DIO「15秒経過……。 やった……終わったのだ……『ゴールド・エクスペリエンス』は、我が『世界ザ・ワールド』の元に敗れ去ったのだ」

ロードローラーから降りたDIOは、天高く笑いながら叫んだ。

DIO「フハハハハハハ!! 不死身! 不老不死! スタンドパワー!! もう誰も、このDIOを超える者はいない事が証明された! 取るに足らん人間共よ、支配してやるぞ! 我が知と力の前に、ひれ伏すが良いぞ!!」

完全に勝利を確信したDIO。

しかも時間停止は16秒を経過していた。

DIO「16秒経過! そして時が止められるのも、16秒を経過した。 どれ、このままジョルノの死体を確認して血を吸い取っておくか。 吸い取れる血が残っているならな」

そう言って踵を返そうとした、その瞬間であった。

ドガァと、ロードローラーが爆発した。

DIO「!?」

咄嗟に振り返ったDIOであったが、何かが凄い速さで飛んできた事に気付き、

DIO「『世界ザ・ワールド』!」

すぐに『世界ザ・ワールド』で防ごうとした。

しかし、『世界ザ・ワールド』が拳を振るうよりも速く、それはDIOの顔を掠った。

DIO「バカな!? 『世界ザ・ワールド』が、捉えきれん程のスピードだと!?」

視線を後ろに向けると、地面にはサソリが転がっていた。

DIO「ま、まさか……」

サソリが飛んできた方向に目を向けると、そこには……

ジョルノ「真実から生まれた誠の行動は、決して滅びはしない」

DIO「何ぃ〜!?」

そこにはジョルノが空に浮かんでいて、

ジョルノ「この戦いに、僕は自分の『魂』を賭ける! DIO、アンタは滅びずにいられるかな?」

そしてスタンドの『ゴールド・E』も、姿が全く変わっていた。








 ジョルノ達の世界には、射抜いたものをスタンド使いにする事が出来る『矢』が存在する。

DIOもまた、その『矢』の力によってスタンド使いとなった。

しかし『矢』の力には、更なる効力が存在した。

それは、その強大な力を支配し、我が物とした者だけが使える能力。

スタンドを超えたスタンド、その名は『レクイエム』!

そしてジョルノもまた、矢の力を支配し、『レクイエム』を手にしたのである。

しかし『矢』は現在、『亀』の中に保管している為、『レクイエム』になる事は出来なかった。

だが紫から貰った白紙のスペルカードにより、ジョルノは再び『レクイエム』を解放したのだった。

その名は、『ゴールド・エクスペリエンス・レクイエム』! 









 目の前の状況に驚きながらも、DIOはジョルノを強く睨んだ。

DIO「いいだろう、ジョルノ! 貴様は、このDIOが完膚なきまでに叩き潰してやる!!」

ナイフを構え、『世界ザ・ワールド』の能力を解放させた。

DIO「『世界ザ・ワールド』! 我以外の時を止めよぉ!!」

全ての時が止まり、同時にDIOはナイフを投げ飛ばす。

ナイフはジョルノの目の前で止まり、DIOはそのまま跳び上がる。

DIO「貴様のスタンドが強くなろうと! 我が止まった時の中では全くの無意味!!」

しかし、その時であった。

DIO「!?」

突然ナイフが、鳥が、雲が、ビデオテープの巻き戻しの様に、逆行していったのである。

DIO「な、何だこれは!?」

初めて見る光景に、DIOは驚きを隠せない。

DIO「えぇい、構わん! ここで終わりだ! ジョルノ・ジョバァーナ!!」

世界ザ・ワールド』の拳が、ジョルノへと直撃しようとした。

だが、その時であった。

世界ザ・ワールド』の腕を引っ掛けるように、別の『腕』が現れた。

DIO「え?」 

コレを見たDIOが、後ろを振り向いた瞬間、

DIO「え?」

DIO「え?」

DIO「え?」

DIO「え?」

DIO「え?」

後ろにはDIOがいて、そのDIOが振り向いたら、その後ろにも何人ものDIOが同じように振り向いていた。

そして最後尾にいた方のDIOが驚いていた。

DIO「な、何だこれはぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」

すると止まった時の中で、『ゴールド・E・レクイエム』が自我を持ったかのように喋り出した。

レクイエム「コレが……」

DIO「!?」

レクイエム「コレが『レクイエム』……オマエが行オウトシテイルノハ、確カニ『真実』ダ…………確カニ、オマエノ能力ヲ破レル者ハ、イナイカモシレナイ………シカシ、オマエガ如何ナル能力ヲ持ッテイテモ、ワタシノ前デハ、決シテ『真実』ヘ到達スルコトハ出来ナイ……コレガ『ゴールド・E・レクイエム』……コノ事ハ……私ヲ操ル、ジョルノ・ジョバァーナサエモ、認識デキナイ」

そう、これが『ゴールド・E・レクイエム』の能力。

このスタンドの前では、全ての能力や動作が『ゼロ』へと戻ってしまう。

そのためジョルノへの干渉は、巻戻しの様に戻され、無効化されるのである。

即ちDIOの力は、完全に封じられてしまったのだった。

そして、時を止める前の出来事に戻り、

DIO「いいだろう、ジョルノ! 貴様は、このDIOが完膚なきまでに叩き潰してやる!!」

何故かDIOは、先程と同じ台詞を口にしていた。

DIO「(お、俺は何を言っている!? まさか、まさかこのDIOは!?)」

この瞬間、彼は気付いたのだ。

DIO「初めから、動いていなかったというのか!? このDIOがぁ!?」

全てが、『ゼロ』へと向かっていた事を。

まさに、その時であった。

ジョルノ「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァ!!」

ジョルノの叫びと共に、『ゴールド・E・レクイエム』の連打が叩きこまれたのだった。









 吹き飛ばされたDIOは、そのまま地面に倒れてしまう。

DIO「おのれぇ!」

すぐさま立ち上がるが、いつの間にか『ゴールド・E・R』が接近し、

ゴールド・E・R「無駄ぁ!」

バキィと、DIOの足に蹴りを放った。

DIO「ぐぎっ!」

これによりDIOは、再び地面へと倒れ込んでしまう。

DIO「ハァ……ハァ……」

足からは出血、時間停止も無力。

完全にDIOは、ジョルノに押されてしまったのだ。

ジョルノ「アンタに対する慈悲に気持ちは全く無い。 アンタを可哀相とも思わない。 だが、今からアンタを嬲っていたぶるのは僕自身の後味に良くない。 今から立ち上がるのに何秒かかる? 立ち上がった瞬間に『ゴールド・E・レクイエム』をお前に叩きこんでやる!!」

DIO「!?」

ジョルノ「西部劇のガンマン風に言うなら、「抜きな、どっちが早いか試してみようぜ」というヤツだ」

それを聞いたDIOは、心の中でこう呟いた。

DIO「(コケにしやがって……しかしジョルノ、貴様の考えはやはりジョースターと同じだ。 ごく短い時の中でしか生きられない人間の考え方だ! “後味に良くないものを残す”とか、“人生に悔いのないものを残す”とか……便所のネズミの糞にも匹敵すその考え方が命取りよ! フフフフ……このDIOにはそれがない。 あるのは、ただシンプルに……“勝利して支配する”……それだけだ、それだけが満足感よ!!)」

ゆっくりと立ち上がっていくDIO。

DIO「(過程や……方法など……)」」

そして、その時であった。

DIO「どうでも良いのだァァァ!」

足の傷口から出た血が噴出し、ジョルノの両目にかかったのだ。

ジョルノ「ぐっ!」

DIO「どうだ! この血の目潰しは!!」

怯んでしまったジョルノに、DIOは『世界ザ・ワールド』を発現させ、

DIO「勝った! 死ねぇ!!」

上段蹴りを叩き込んだのだ。

しかしジョルノも『ゴールド・E・レクイエム』を発現させ、

ジョルノ「無駄ァァァ!」

拳からの渾身の一撃を放ったのだった。










 ドガァと、互いのスタンドの一撃がぶつかり合う。

ピキッと、『ゴールド・E・レクイエム』の拳に亀裂が入り、

ジョルノ「くっ!」

そのダメージがジョルノへと跳ね返る。

DIO「フン!」

対してDIOは、勝利を確信した笑みを見せた。

だが、まさにその時であった。

世界ザ・ワールド』が蹴りを放った足から、ビキリと大きな亀裂が入ったのである。

DIO「なっ!?」

そして亀裂は足から上半身へと伝わり、

DIO「なぁぁぁぁぁぁ! 何ぃぃぃぃぃ!」

その反動は、本体であるDIOにも伝わった。

DIO「バカなぁぁぁぁ! このDIOがぁぁぁぁ! このDIOがぁぁぁぁぁ!?」

そして絶叫の中、DIOの肉体は爆発の如く粉々になった。

ジョルノ「このまま朝日を待てば……塵となる。 アンタの敗因は、たった一つだぜ……DIO。 最もシンプルな理由だ……」

残っているDIOの死体を見下ろしながら、ジョルノは呟いたのだった。

ジョルノ「アンタは僕を……怒らせた」





DIO……完全敗北・死亡...

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■作者からのメッセージ
 ゴールド・E・レクイエムの能力で殴られた者は、“死んだ”事さえも『ゼロ』になるんですけど、スペルカードのルール上、その設定を使わなかったので、決して忘れていたワケではありません。

念の為に。

ニャル子「あの能力で“死に”続けるラスボスキャラはディアボロで十分ですからね。 おや、丁度ご本人が! では早速!!」

ディアボロ「俺の傍に近寄るなぁーーー!!」
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