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幻想伝説譚 第3話:拳vs拳!
作者:亀鳥虎龍   2015/12/23(水) 14:01公開   ID:M0V529Vebs6
 前回のあらすじ。

吸血鬼の住む館『紅魔館』へ向かった霊夢達。

そこには、門番のホン美鈴メイリンが待ちかまえていた。

そんな彼女に対し、夜桜が霊夢達の前に出る。

夜桜「ではこの勝負、ワシが引き受けます!」









―拳vs拳!―








 ヒュゥゥゥと、乾いた風が吹きだす。

美鈴と夜桜は、拳を握りながら構える。

そんな二人を、零児達は緊張の中で見守る。

夜桜「月閃女学館が忍学生・夜桜! 鎮魂の夢に沈みます!!」

美鈴「華人小娘ホアレンシャオニャン・紅美鈴! 推して参ります!!」

地を蹴り、真っ直ぐに拳が放たれた。

ドガァ!と、二人の拳がぶつかり合った。










 ズドドドとぶつかり合う拳の連打。

ドガァと、最後の一撃と供に、二人は互いに後ろに吹き飛ぶ。

夜桜「くっ!」

美鈴「くっ!」

その光景を零児は、冷静に分析していた。

零児「拳を中心とした接近格闘同士の対決か……」

小牟「零児、何を冷静に分析しておる?」

零児「戦いの中で、敵や味方の動きを観察する事も大切だぞ」

そんな中、夜桜と美鈴が拳を構えていた。










 ジリジリと接近していく二人。

美鈴「やりますね、拳で私とやりあえるなんて」

夜桜「そちらこそ……門番をやってるだけありますね」

美鈴「ですが、それも終わりです!」

その瞬間だった。

美鈴は地を蹴ると、夜桜の懐まで接近していた。

ドガァと、掌底による一撃が放たれる。

更に蹴りの連打が放たれ、

美鈴「気符『地龍天龍脚』!」

震脚の衝撃で吹き飛ばし、追い撃ちの飛び蹴りが炸裂した。

吹き飛ばされた夜桜は、すぐさま体勢を戻すが、

夜桜「ぐっ!」

先程の一撃の衝撃が、内臓にも受けてしまう。

口から血を吐いてしまい、膝を着いてしまう夜桜。

零児「マズイ! 衝撃が内臓にまで達しているぞ!」

小牟「夜桜、ここは選手交代じゃ!!」

身を案じた零児と小牟であったが、夜桜が制するように叫んだ。

夜桜「平気です! わしはまだ、戦えます!!」

ゆっくりと立ち上がり、夜桜は拳を構える。










 その頃、ダンテとバージルは……、

ダンテ「森の中に入ったのは良かったが……何でコイツ等がいるんだ?」

バージル「知るか」

無数の異形達に囲まれていた。

彼等は二人の住む世界の魔界から来た悪魔で、中には死神の様な姿もいる。

悪魔「うおぉぉぉ……」

ダンテ「こっちは急いでんだ。 悪いが、潰させてもらうぜ」

バージル「魔天狼の切れ味、ここで試させて貰うぞ」

ダンテは愛銃のエボニーとアイボリー、バージルは魔天狼を構え、

悪魔達「シャァァァァ!」

無数の悪魔達が、二人に襲いかかったのだった。











 その頃、紅魔館の門前では……、

夜桜「デヤァァァァ!」

美鈴「ハァァァァァ!」

夜桜と美鈴の激戦が続いていた。

互いの一撃一撃が撃ち込まれ、徐々に体力が消耗しつつある。

承太郎「そろそろ、限界のハズだ。 だが、どちらも退く気配がねぇ」

承太郎の言う通りであった。

二人は既に、互いの体力が限界になっている。

しかし自分達の使命ゆえに、退く事を選ぶ気配を見せない。

美鈴「ハァ……ハァ……」

夜桜「ハァ……ハァ……」

拳を強く握り、二人は地を駆ける。

美鈴「ハァァァァ!」

夜桜「てやァァァ!」

真っ直ぐに放たれた拳は、ドガァと互いの顔に命中した。












 互いの顔に一撃が放たれた二人。

そのまま動く気配が見当たらない。

全員「…………」

沈黙の中で見守る中、まさにその時であった。

美鈴の体が傾き、バタリと地面へと倒れたのだ。

夜桜「ハァ……ハァ……良い勝負……でし……た――」

体力に限界が訪れ、夜桜の体も倒れていく。

零児「お疲れさん。 良い勝負だったぞ、夜桜」

しかし、その体を零児が支えるのであった。

拳と拳の勝負……勝者は夜桜となった。

紅美鈴――











 零児と小牟の応急処置を行ったが、夜桜は動ける程の状態ではなかった。

千鶴「マズイわね。 誰かが夜桜さんと一緒に居るべきだと思わ」

零児「だとすれば、誰が的確か……だな」

すると、クラウスが自ら挙手をする。

クラウス「では、私が残ろう。 ケガ人を一人にするワケにはいかない」

レオ「じゃあ、僕も残ります」

零児「そいつは重畳、では任せるぞ」

そんな中、遠くから誰かが現れた。

ダンテ「ん? 零児に小牟、それに裏嶋博士じゃねぇか?」

バージル「貴様等がいるということは、はやり『ゆらぎ』絡みか……」

零児「ダンテ、それにバージル!?」

小牟「兄弟そろってお出ましとはのぉ〜」

千鶴「あら? でも、懐かしわね」

嘗て『ゆらぎ』絡みの事件で、供に戦った仲間と再会したのだった。

更に上空から、魔理紗が現れる。

霊夢「それじゃ、今度こそ行くわよ」

負傷の夜桜をクラウスとレオナルドに任せ、零児達は紅魔館の門を潜ったのだった。


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