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幻想伝説譚 第5話:朱の女王
作者:亀鳥虎龍   2015/12/25(金) 17:32公開   ID:M0V529Vebs6
 紅魔館の外。

クラウス「どうだね、怪我の方は?」 

夜桜「はい、おかげさまで」

怪我を負った夜桜を看病しながら、周囲の警戒を行うクラウス。

レオナルドも『神々の義眼』を使って、館内を模索する。

レオ「館の最上階に、約4名以上の人影がいます」

クラウス「4人か……無事でいてくれればいいんだが」








朱の女王スカーレットクイーン








 最上階に着いた零児達。

目の前には、大きな扉が閉じられていた。

霊夢「このまま行くわよ。 皆、準備は――」

十六夜「おっ邪魔しまぁ〜す!」

霊夢が言い終えようとした瞬間、十六夜が扉を蹴り破った。

霊夢「――って、何してんのよアンタはぁぁぁ!!」

十六夜「え〜。 だって、話しが長くなりそうだったし」

霊夢「場の空気ってのを読みなさいよ!!」

零児「落ち着け、霊夢」

??「全くその通りね」

突然の声に、全員が警戒を強める。

レミリア「初めまして、博麗の巫女御一行。 私はレミリア・スカーレット、この館の主を務める吸血鬼よ」

零児「吸血鬼か……久々に見るのはデミトリ以来か……」

小牟「あやつも元気にしとるじゃろうか?」

ダンテ「アイツの館でやったパーティーが懐かしいぜ」

千鶴「そうね。 ワインも料理も美味しかったし」

バージル「……フン」

雪泉「いや、冷静というか……呑気ですね」

そんな中、レミリアはパチンと指を鳴らした。

レミリア「全く……フラン、遊んであげなさい」

フラン「うん」

彼女の妹の『フランドール・スカーレット』は、無邪気な笑顔を見せた後、

フラン「いくよ」

真っ先に十六夜に突進したのである。










 突進するフランを見た十六夜は、

十六夜「よっしゃ! ばっち来い!!」

既に構えた状態になり、彼女の突進を受けた。

そのまま二人は壁を突き破り、外へと出たのである。

空は赤い霧が太陽を遮っている為、吸血鬼も外に出られる状態である。

プルルート「い、十六夜く〜ん!」

コレを見たプルルートは、すぐさま二人を追った。

雪泉「ぷ、プルルートさん!!」

小牟「いかん! 零児、ワシ等は十六夜を追うぞ!」

零児「分かった、気を付けろよ!」

叢「我等も行くぞ、美野里」

美野里「うん!」

こうして雪泉と小牟、叢と美野里も十六夜の元へと向かったのだった。

そして今いるのは、零児、ダンテ、バージル、千鶴、霊夢、魔理紗、ザップの7人である。

零児「博士! 出来るだけこの場を離れて欲しい!」

千鶴「了解なのよね。 終わったら、呼んで頂戴ね」

そう言うと千鶴は、すぐさま安全地帯へと隠れた。

レミリア「彼女、本当に隠れたのね。 アレで良いの?」

零児「あれでもウチの上司にして、メカニック担当だからな。そんな事より、お喋りをしてて良いのか?」

レミリア「安心なさい、私も準備は出来ているわ」

するとレミリアの体を、赤黒い魔力が渦を巻くように包み込んだ。

渦が消えると共に、あり得ないモノが零児達の目に映った。

霊夢「アンタ……レミリア…なの?」

レミリア?「ええ、そうよ」

約20代前半に見えるスタイル抜群の長身で腰まで伸びた水色の髪、そして赤いドレス姿のレミリアが立っていた。

その手には、魔力で作った真紅の槍が握られていた。










 その頃、館の外では……、

十六夜「いっつつ……やるじゃねぇか」

フランの突進を喰らって、外までふっ飛ばされた十六夜。

しかし本人は、至ってピンピンしていた。

フラン「その割にはお兄さん、すっごく楽しそうだよ?」

十六夜「当たり前だろ? だってお前みたいな奴と戦り合えるんだからよ。 だからよ、俺を楽しませて貰うぜ?」

すると、雪泉達もやって来たのだった。

雪泉「十六夜さん、大丈夫ですか!?」

十六夜「おうよ! それより、お前等も構えとけよ。 こっからが本番だぜ?」

フラン「それじゃ、行っくよぉぉぉ!」

こうして、フランドール・スカーレットと激突した。









 スペルカードを発動した瞬間、

フラン「禁忌『フォーオブアカインド』!」

フランが4人に分身した。

十六夜「へぇ、随分と面白ぇじゃねぇか!」

雪泉「忍・転・身!」

叢「忍・転・身!」

美野里「忍・転・身!」

プルルート「いくよ〜」

小牟「やっちゃるかの!」

フランA「いっくよ!」

鋭い爪を構え、豪快に腕を振るった一人目のフランであったが、

十六夜「遅ぇ!」

フランA「キャァァァァ!」

十六夜の跳び蹴りを喰らい、そのままふっ飛ばされる。

二人目のフランがスペルを活動するが、

雪泉「秘伝忍法『黒氷』!」

フランB「きゃっ!」

雪泉の忍法で自身ごと吹っ飛ばされてしまう。

プルルート「ぶーめらん!」

更にプルルートがぬいぐるみを思いっきり投げ飛ばし、

フランC「あ〜れ〜!」

三人目のフランが大きく飛ばされる。

因みにぬいぐるみは、ブーメランの様に戻って来た。

フランD「このっ!」

四人目のフランが弾幕を放つが、

小牟「甘いぞ! 『シルバー』、『白金プラチナ』!」

二丁の拳銃を手にした小牟が、弾丸でそれを相殺させた。

更に後ろから、叢と美野里の攻撃が来るが、

フランD「うわっ!」

咄嗟に避け、元の一人に戻ったのである。

だが、その瞬間だった。

十六夜「中々、面白かったぜ!」

フラン「え!?」

十六夜の踵落としが見事に決まり、ドガァとフランは地面に落とされたのだった。










 その同時刻、紅魔館の最上階では……、

霊夢「アンタ……本当にレミリアなの!? 姿が変わるなんて、アンタのスペルカードにそんなモノは!?」

スカーレット「そうね……今の姿を呼ぶなら……『スカーレットクイーン』と呼ぼうかしら?」

零児「そいつは重畳。 それなら、区別が付きやすいな」

ダンテ「とりあえず、そっちのお嬢さんは戦わないのか?」

そう言ってダンテは、寝巻の様な服の少女『パチェリー・ノーレッジ』に目を向ける。

パチェリー「私はレミィから「一人で十分」と言われたから。 まあ、見物と彼女の後方支援はするつもりだけど」

バージル「お喋りは終わりだ。 とっとと終わらせるぞ」

スカーレット「それもそうね。 だから……」

その瞬間、スカーレットは背中の翼を大きく広げ、

スカーレット「私を! 存分に楽しませなさい!!」

真っ直ぐに飛行してきたのだった。










 飛行してくるスカーレットに、ザップはジッポを手に取った。

ジッポには針が付いており、その針で自身の手を刺す。

すると、傷口から出た血が、

ザップ「斗流ひきつぼしりゅう血法けっぽう・カグヅチ」

一本の赤い刀へと変化した。

ザップ「刃身ノ壱『焔丸』」

スカーレット「シャァァァ!」

ザップ「オラァ!」

真っ直ぐに放たれた槍を、ザップは刀で防ぐ。

スカーレット「血の剣とは、面白い能力ね」

零児「こっちを忘れるな! 火燐!」

そう言って零児が、抜刀と同時に放った赤い太刀。

だがスカーレットは、それを容易く避けた。

霊夢「くっ! 『夢想封印』!」

スペルを発動させた霊夢の弾幕が、一斉に放たれるが、

スカーレット「甘い!」

だがスカーレットは、その巨大な翼で打ち消した。

魔理紗「だったらコレだ! 『マスタースパーク』!」

ミニ八卦炉から放たれた、魔理紗の十八番のスペル。

ドガァと命中はしたが、スカーレット本人は、

スカーレット「なに?」

全くの無傷であった。











 全く無傷の体に、吸血鬼としての身体能力。

これらを持ったスカーレットは、まさに怪物であった。

その姿に、魔理紗は恐怖で動けなかった。

スカーレット「さぁて……少しだけ、私のスペルを喰らって貰うわよ」

そう言うと、手に持った槍を構え、

スカーレット「魔槍『スピア・ザ・ジャベリン』」

魔理紗へ目掛け、豪快に投げ飛ばしたのだ。

ダンテ「魔理紗!」

咄嗟にダンテは、彼女を突き飛ばしたが、

ダンテ「ぐっ!」

胸に槍が突き刺さり、そのまま壁に張り付けられてしまった。

魔理紗「だ、ダンテぇぇぇぇ!」









〜オリジナルキャラ紹介〜

・スカーレットクイーン

性別:女性

身長:176cm

体重:不明

二つ名:麗しき朱い月の女王

詳細:本作において、レミリア・スカーレットが得た新たな姿。
霊夢曰く「姿を変えるスペルを持っていないはず」とのことで、その収入経緯は不明。
主なスペルは、レミリアのスペル『神槍『スピア・ザ・グングニル』』の強化版『魔槍『スピア・ザ・ジャベリン』』。
その破壊力はと投擲速度は、標的となった相手の心臓を確実に狙える程である。


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■作者からのメッセージ
 次回、あの武器をダンテが使います!
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