紅魔館の外。
クラウス「どうだね、怪我の方は?」
夜桜「はい、おかげさまで」
怪我を負った夜桜を看病しながら、周囲の警戒を行うクラウス。
レオナルドも『神々の義眼』を使って、館内を模索する。
レオ「館の最上階に、約4名以上の人影がいます」
クラウス「4人か……無事でいてくれればいいんだが」
―
朱の女王―
最上階に着いた零児達。
目の前には、大きな扉が閉じられていた。
霊夢「このまま行くわよ。 皆、準備は――」
十六夜「おっ邪魔しまぁ〜す!」
霊夢が言い終えようとした瞬間、十六夜が扉を蹴り破った。
霊夢「――って、何してんのよアンタはぁぁぁ!!」
十六夜「え〜。 だって、話しが長くなりそうだったし」
霊夢「場の空気ってのを読みなさいよ!!」
零児「落ち着け、霊夢」
??「全くその通りね」
突然の声に、全員が警戒を強める。
レミリア「初めまして、博麗の巫女御一行。 私はレミリア・スカーレット、この館の主を務める吸血鬼よ」
零児「吸血鬼か……久々に見るのはデミトリ以来か……」
小牟「あやつも元気にしとるじゃろうか?」
ダンテ「アイツの館でやったパーティーが懐かしいぜ」
千鶴「そうね。 ワインも料理も美味しかったし」
バージル「……フン」
雪泉「いや、冷静というか……呑気ですね」
そんな中、レミリアはパチンと指を鳴らした。
レミリア「全く……フラン、遊んであげなさい」
フラン「うん」
彼女の妹の『フランドール・スカーレット』は、無邪気な笑顔を見せた後、
フラン「いくよ」
真っ先に十六夜に突進したのである。
突進するフランを見た十六夜は、
十六夜「よっしゃ! ばっち来い!!」
既に構えた状態になり、彼女の突進を受けた。
そのまま二人は壁を突き破り、外へと出たのである。
空は赤い霧が太陽を遮っている為、吸血鬼も外に出られる状態である。
プルルート「い、十六夜く〜ん!」
コレを見たプルルートは、すぐさま二人を追った。
雪泉「ぷ、プルルートさん!!」
小牟「いかん! 零児、ワシ等は十六夜を追うぞ!」
零児「分かった、気を付けろよ!」
叢「我等も行くぞ、美野里」
美野里「うん!」
こうして雪泉と小牟、叢と美野里も十六夜の元へと向かったのだった。
そして今いるのは、零児、ダンテ、バージル、千鶴、霊夢、魔理紗、ザップの7人である。
零児「博士! 出来るだけこの場を離れて欲しい!」
千鶴「了解なのよね。 終わったら、呼んで頂戴ね」
そう言うと千鶴は、すぐさま安全地帯へと隠れた。
レミリア「彼女、本当に隠れたのね。 アレで良いの?」
零児「あれでもウチの上司にして、メカニック担当だからな。そんな事より、お喋りをしてて良いのか?」
レミリア「安心なさい、私も準備は出来ているわ」
するとレミリアの体を、赤黒い魔力が渦を巻くように包み込んだ。
渦が消えると共に、あり得ないモノが零児達の目に映った。
霊夢「アンタ……レミリア…なの?」
レミリア?「ええ、そうよ」
約20代前半に見えるスタイル抜群の長身で腰まで伸びた水色の髪、そして赤いドレス姿のレミリアが立っていた。
その手には、魔力で作った真紅の槍が握られていた。
その頃、館の外では……、
十六夜「いっつつ……やるじゃねぇか」
フランの突進を喰らって、外までふっ飛ばされた十六夜。
しかし本人は、至ってピンピンしていた。
フラン「その割にはお兄さん、すっごく楽しそうだよ?」
十六夜「当たり前だろ? だってお前みたいな奴と戦り合えるんだからよ。 だからよ、俺を楽しませて貰うぜ?」
すると、雪泉達もやって来たのだった。
雪泉「十六夜さん、大丈夫ですか!?」
十六夜「おうよ! それより、お前等も構えとけよ。 こっからが本番だぜ?」
フラン「それじゃ、行っくよぉぉぉ!」
こうして、フランドール・スカーレットと激突した。
スペルカードを発動した瞬間、
フラン「禁忌『フォーオブアカインド』!」
フランが4人に分身した。
十六夜「へぇ、随分と面白ぇじゃねぇか!」
雪泉「忍・転・身!」
叢「忍・転・身!」
美野里「忍・転・身!」
プルルート「いくよ〜」
小牟「やっちゃるかの!」
フランA「いっくよ!」
鋭い爪を構え、豪快に腕を振るった一人目のフランであったが、
十六夜「遅ぇ!」
フランA「キャァァァァ!」
十六夜の跳び蹴りを喰らい、そのままふっ飛ばされる。
二人目のフランがスペルを活動するが、
雪泉「秘伝忍法『黒氷』!」
フランB「きゃっ!」
雪泉の忍法で自身ごと吹っ飛ばされてしまう。
プルルート「ぶーめらん!」
更にプルルートがぬいぐるみを思いっきり投げ飛ばし、
フランC「あ〜れ〜!」
三人目のフランが大きく飛ばされる。
因みにぬいぐるみは、ブーメランの様に戻って来た。
フランD「このっ!」
四人目のフランが弾幕を放つが、
小牟「甘いぞ! 『
銀』、『
白金』!」
二丁の拳銃を手にした小牟が、弾丸でそれを相殺させた。
更に後ろから、叢と美野里の攻撃が来るが、
フランD「うわっ!」
咄嗟に避け、元の一人に戻ったのである。
だが、その瞬間だった。
十六夜「中々、面白かったぜ!」
フラン「え!?」
十六夜の踵落としが見事に決まり、ドガァとフランは地面に落とされたのだった。
その同時刻、紅魔館の最上階では……、
霊夢「アンタ……本当にレミリアなの!? 姿が変わるなんて、アンタのスペルカードにそんなモノは!?」
スカーレット「そうね……今の姿を呼ぶなら……『スカーレットクイーン』と呼ぼうかしら?」
零児「そいつは重畳。 それなら、区別が付きやすいな」
ダンテ「とりあえず、そっちのお嬢さんは戦わないのか?」
そう言ってダンテは、寝巻の様な服の少女『パチェリー・ノーレッジ』に目を向ける。
パチェリー「私はレミィから「一人で十分」と言われたから。 まあ、見物と彼女の後方支援はするつもりだけど」
バージル「お喋りは終わりだ。 とっとと終わらせるぞ」
スカーレット「それもそうね。 だから……」
その瞬間、スカーレットは背中の翼を大きく広げ、
スカーレット「私を! 存分に楽しませなさい!!」
真っ直ぐに飛行してきたのだった。
飛行してくるスカーレットに、ザップはジッポを手に取った。
ジッポには針が付いており、その針で自身の手を刺す。
すると、傷口から出た血が、
ザップ「
斗流血法・カグヅチ」
一本の赤い刀へと変化した。
ザップ「刃身ノ壱『焔丸』」
スカーレット「シャァァァ!」
ザップ「オラァ!」
真っ直ぐに放たれた槍を、ザップは刀で防ぐ。
スカーレット「血の剣とは、面白い能力ね」
零児「こっちを忘れるな! 火燐!」
そう言って零児が、抜刀と同時に放った赤い太刀。
だがスカーレットは、それを容易く避けた。
霊夢「くっ! 『夢想封印』!」
スペルを発動させた霊夢の弾幕が、一斉に放たれるが、
スカーレット「甘い!」
だがスカーレットは、その巨大な翼で打ち消した。
魔理紗「だったらコレだ! 『マスタースパーク』!」
ミニ八卦炉から放たれた、魔理紗の十八番のスペル。
ドガァと命中はしたが、スカーレット本人は、
スカーレット「なに?」
全くの無傷であった。
全く無傷の体に、吸血鬼としての身体能力。
これらを持ったスカーレットは、まさに怪物であった。
その姿に、魔理紗は恐怖で動けなかった。
スカーレット「さぁて……少しだけ、私のスペルを喰らって貰うわよ」
そう言うと、手に持った槍を構え、
スカーレット「魔槍『スピア・ザ・ジャベリン』」
魔理紗へ目掛け、豪快に投げ飛ばしたのだ。
ダンテ「魔理紗!」
咄嗟にダンテは、彼女を突き飛ばしたが、
ダンテ「ぐっ!」
胸に槍が突き刺さり、そのまま壁に張り付けられてしまった。
魔理紗「だ、ダンテぇぇぇぇ!」
〜オリジナルキャラ紹介〜
・スカーレットクイーン
性別:女性
身長:176cm
体重:不明
二つ名:麗しき朱い月の女王
詳細:本作において、レミリア・スカーレットが得た新たな姿。
霊夢曰く「姿を変えるスペルを持っていないはず」とのことで、その収入経緯は不明。
主なスペルは、レミリアのスペル『神槍『スピア・ザ・グングニル』』の強化版『魔槍『スピア・ザ・ジャベリン』』。
その破壊力はと投擲速度は、標的となった相手の心臓を確実に狙える程である。