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幻想伝説譚 第8話:ハメを外し過ぎるとロクな事はない
作者:亀鳥虎龍   2016/01/06(水) 13:53公開   ID:EMVWN4iz2mQ
 スタンド使いの女を撃破した承太郎達。

ポルナレフ「アヴドゥル! 花京院!」

亡き友との再会に、ポルナレフは二人に抱き付く。

アヴドゥル「おっととと……久しぶりだな、ポルナレフ」

花京院「承太郎から聞いたよ。 あの戦いから生き残ったそうだね」

ポルナレフ「うぅ〜……久々に顔を見れて嬉しいぜ!」

そんな三人の元へ、ジョセフも歩み寄る。

ジョセフ「久しぶりじゃな、二人とも」

アヴドゥル「お久しぶりです、ジョースターさん」

花京院「あのDIOを倒したそうですね」

ジョセフ「だが、花京院。 キミが命を振り絞ったメッセージをくれたお陰じゃ。 ありがとう」

花京院「イギーもいますよ。 何時も通り、何処かを歩いてますが」

こうして、DIOとの戦いの旅に出た『ジョースター一行』が、再復活したのだった。









―ハメを外し過ぎるとロクな事はない―








 女はジョースター一行を睨むと、ナイフを構える。

しかし彼等は、再会の喜びで気付いていない。

女「今度こそ、終わりだァァァ!」

そんな彼等にナイフを投げようとしたが、その時であった。

イギー「がぁう!」

女「何ィィィ!?」

突然現れたイギーが、跳びかかって来たのだった。

イギーは女の顔面に跳びかかると、

女「ギャァァァ! ヤメロォォォ! 髪を抜くなぁぁぁ!!」

そのまま女の髪の毛を毟っていく。

ポルナレフ「お、イギーじゃねぇか!」

ジョセフ「ホントじゃ。 今度はあの女の髪でも毟るようじゃな」

こうしてこの女は――、

女「ギニャァァァァ!」

髪を毟られた揚句、何発も屁を出されたのであった。

女のスタンド使い(本名不明)――









 零児達と合流し、承太郎達は博麗神社に戻る。

茶の間にて、承太郎は怪我の手当てを受けていた。

小牟「敵のスタンド使いか……。 それは災難じゃったな」

零児「ナイフも深く刺さっていなかったおかげで、深手にならずに済んでるしな」

承太郎「まあな」

十六夜「それにしても、随分と賑やかになったな」

そう言うと十六夜は、アヴドゥルやポルナレフ達を見る。

ポルナレフ「そういや、自己紹介がまだだったな。 俺の名はジャン・ピエール・ポルナレフ。 宜しく」

ジョセフ「承太郎の祖父の、ジョセフ・ジョースターじゃ」

それを聞くと、殆どが「ん?」と言う顔をする。

雪泉「承太郎さんのお爺様ですか?」

千鶴「その割には、見た目が若いわね」

レオ「あの……ジョセフさんって、お幾つなんですか?」

ジョセフ「69歳じゃ」

小牟「その若さで69歳じゃと!? 詐欺じゃ詐欺! 外見年齢をサバ読みしとらんか!?」

零児「お前も人の事が言えんだろ」

ジョセフの実年齢に驚く小牟であったが、零児にツッコミを入れられてしまう。

因みに小牟の実年齢は765歳で、仙狐は1000歳を迎える事で一人前になるのである。

夜桜「皆さん、鍋が出来ましたよぉ〜」

こうして、賑やかな夕食が始まったのだった。











 楽しい夕食会を通して、異世界から仲間達との交流を深めるメンバー。

ポルナレフ「ウメェ! やっぱ皆で食べるのは良いよな!」

ジョセフ「全くじゃな」

鍋に煮込まれた野菜や肉を口に運びながら、彼等の親睦を深める。

雪泉「こうやって、親睦を深め合うのも良いですね」

そんな中、雪泉の顔が赤くなっていた。

花京院「雪泉、随分と顔が赤いが……」

承太郎「大丈夫か? 風邪じゃあないのか?」

雪泉「ヒック……そんにゃワケ、ないじゃらいへふかァ。 ヒック」

顔は紅潮し、ろれつが回らないようなしゃべり方。

まさかと思った承太郎は、彼女のグラスを取ると、

承太郎「こ、こいつは……」

その匂いを嗅いだ。

承太郎「酒だ! 雪泉のグラスに、酒が入ってやがった」

霊夢「えぇ!?」

外の世界では、20歳になるまでは酒は飲めないのが常識。

雪泉の性格なら、未成年飲酒はしないはず。

つまり、誰かが彼女のグラスに酒を入れた事になる。

魔理紗「ったく、そんなに大げさになるか?」

首を傾げる魔理紗であったが、霊夢はある事に気付いた。

霊夢「そういえば魔理紗。 アンタ、雪泉の隣だったわよね」

魔理紗「そうだけど?」

霊夢「まさかアンタ、雪泉のグラスにお酒入れた?」

その問いに魔理紗は、当たり前のように答えた。

魔理紗「へ? 入れたけど?」

霊夢「アホかァァァ! 外の世界じゃ、酒を飲むのは大人になってからよ!! 何考えてんのよ!?」

魔理紗「霊夢、ここは幻想郷だぜ? そんな常識は捨てるべきだ。 無礼講だよ、無礼講」

楽しげに笑う魔理紗であったが、零児が彼女の襟元をお持ち上げる。

魔理紗「ちょっ!? 何すんだよ零児!?」

零児「いくら無礼講とはいえど、未成年に酒を飲ませるのは感心せん!」

魔理紗の体の重心を左腕で抱え、彼女のお尻を右に向ける。

そして零児は、右手を平手にして構えており、

零児「覚悟は良いか?」

この構えに魔理紗は、思わず顔を青ざめた。

魔理紗「ま、待ってくれ零児! それは親父にされて以来、トラウマになって――」

零児「成敗!」

バシィィィンと、零児の尻叩きが炸裂し、

魔理紗「ギャァァァァァァ!」

コレを受けた魔理紗の絶叫が、部屋中に聞こえたのだった。

花京院「昔は悪い事をした子供が、よくお尻を叩かれるのが定番でしたが……」

ポルナレフ「スッゲェ、痛そうだぜ……」

ジョセフ「Oh No……」

四季「ある意味じゃ、ゲンコツより効果はあるんじゃい?」

因みに尻叩きは、約30回も続いた。










 零児のお仕置きを喰らった魔理紗は、

魔理紗「………」

チーンという音が聞こえてしまうほど、真っ白になってしまった。

ジョセフ「Oh My God! これ程の効果とは!」

アヴドゥル「流石に、この年齢で尻を叩かれたくないな。 精神的に」

すると、承太郎がある事に気付いた。

承太郎「そういや、バージル。 ダンテはどうした?」

バージル「外で涼んてくるそうだ。 本当に、アイツも雰囲気が変わったものだ」

年季を重ね、心身ともに成長した弟に、バージルは深く息を吐いたのであった。









 博麗神社の外にて、

ダンテ「月見酒も、悪くないもんだな」

そう言って、酒の入ったグラスを口に付けるダンテ。

紫「お邪魔するわよ」

すると、紫がスキマから出現した。

ダンテ「よう、改めて見ると、ホントに良い女だな」

紫「アラアラ、随分と口が上手いわね♪」

ダンテ「どうだ? アンタも飲むかい?」

紫「それじゃ、お言葉に甘えて」

ダンテがグラスに注いでくれた酒を、紫はゆっくり口に付けた。

紫「まさか、あの人の息子が現れるなんてね。 それも双子」

ダンテ「ん? 親父を知ってるのか?」

紫「嘗て、幻想郷に暗黒王が現れた時、供に戦ったから」

ダンテ「そいつは、初めて聞いた話だぜ」

紫「あの話も、お伽話として忘れ去られたから」

昔の事を振り返り、紫は小さな笑みを見せる。

紫「でも、バージルが魔天狼の所有者に選ばれた事は納得はいくわね」

ダンテ「元々は霊夢が、行きつけの質屋に売っ払ったのが始まりだそうだぜ? そこの店主から聞いた」

紫「呆れた話ね。 あんな大事なものを売るなんて」

ダンテ「まあ、閻魔様もそれにはブチ切れたみたいでよ。 あれは笑えない冗談だったぜ」

紫「映姫様も、あの戦い参加してたから仕方ないのよ」

すると、今度はバージルも出てきた。

ダンテ「どうした?」

バージル「これ以上は、あのバカ騒ぎに付き合ってられん。 ガラじゃないしな」

ダンテ「それもそうか」

神社の方では、承太郎達が賑やかに親睦を深め合っている。

その光景を見て、ダンテは深く思った。

ダンテ「こういうのも、悪くないもんだな」

そう言って、満月を見上げるのだった。









 翌日、ジョセフはゆっくりと目を覚ます。

ジョセフ「ん? いかん、あのまま寝てしまったのか……」

そう言って外を見ると、まだ夜のままであった。

その証拠に満月が照らされている。

ジョセフ「深夜まで寝とったのかのぉ?」

ポリポリと頬を掻くが、他のメンバーも目が覚めたのである。

クラウス「Mr.ジョースター、アナタもお目覚めですか?」

ジョセフ「そんな所じゃ。 ところで、今は何時かのぉ……え〜と――」

そう言ってジョセフは、自身の時計を見る。

時計を見ると、時刻は7時半。

ジョセフ「!?」

コレを見たジョセフは、驚きを隠せなかった。

ジョセフ「承太郎! お前の時計、今は何時じゃ!?」

承太郎「ん? 今は7時半――な!? おい、ジジイ!?」

このやり取りに首を傾げた一同であったが、ジョセフは思わず叫んでしまう。

ジョセフ「なんという事じゃ!? ワシ等は宴会後のすぐに寝て、深夜に起きたと思った! しかし今の時刻は、もう朝の7時を過ぎておった!!」

全員「!?」

ジョセフ「それなのに、それなのに何故じゃ!? 何故、夜が明けようとしない!?」

外の満月を睨むジョセフ。

ポルナレフ「ちょちょちょちょちょっと待てよ!? まさか、まさかコレが!?」

霊夢「次の……異変ね!」

こうして、新たな異変が始まったのだった。






TO BE CONTINUED...

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