スタンド使いの女を撃破した承太郎達。
ポルナレフ「アヴドゥル! 花京院!」
亡き友との再会に、ポルナレフは二人に抱き付く。
アヴドゥル「おっととと……久しぶりだな、ポルナレフ」
花京院「承太郎から聞いたよ。 あの戦いから生き残ったそうだね」
ポルナレフ「うぅ〜……久々に顔を見れて嬉しいぜ!」
そんな三人の元へ、ジョセフも歩み寄る。
ジョセフ「久しぶりじゃな、二人とも」
アヴドゥル「お久しぶりです、ジョースターさん」
花京院「あのDIOを倒したそうですね」
ジョセフ「だが、花京院。 キミが命を振り絞ったメッセージをくれたお陰じゃ。 ありがとう」
花京院「イギーもいますよ。 何時も通り、何処かを歩いてますが」
こうして、DIOとの戦いの旅に出た『ジョースター一行』が、再復活したのだった。
―ハメを外し過ぎるとロクな事はない―
女はジョースター一行を睨むと、ナイフを構える。
しかし彼等は、再会の喜びで気付いていない。
女「今度こそ、終わりだァァァ!」
そんな彼等にナイフを投げようとしたが、その時であった。
イギー「がぁう!」
女「何ィィィ!?」
突然現れたイギーが、跳びかかって来たのだった。
イギーは女の顔面に跳びかかると、
女「ギャァァァ! ヤメロォォォ! 髪を抜くなぁぁぁ!!」
そのまま女の髪の毛を毟っていく。
ポルナレフ「お、イギーじゃねぇか!」
ジョセフ「ホントじゃ。 今度はあの女の髪でも毟るようじゃな」
こうしてこの女は――、
女「ギニャァァァァ!」
髪を毟られた揚句、何発も屁を出されたのであった。
女のスタンド使い(本名不明)――
再起不能!
零児達と合流し、承太郎達は博麗神社に戻る。
茶の間にて、承太郎は怪我の手当てを受けていた。
小牟「敵のスタンド使いか……。 それは災難じゃったな」
零児「ナイフも深く刺さっていなかったおかげで、深手にならずに済んでるしな」
承太郎「まあな」
十六夜「それにしても、随分と賑やかになったな」
そう言うと十六夜は、アヴドゥルやポルナレフ達を見る。
ポルナレフ「そういや、自己紹介がまだだったな。 俺の名はジャン・ピエール・ポルナレフ。 宜しく」
ジョセフ「承太郎の祖父の、ジョセフ・ジョースターじゃ」
それを聞くと、殆どが「ん?」と言う顔をする。
雪泉「承太郎さんのお爺様ですか?」
千鶴「その割には、見た目が若いわね」
レオ「あの……ジョセフさんって、お幾つなんですか?」
ジョセフ「69歳じゃ」
小牟「その若さで69歳じゃと!? 詐欺じゃ詐欺! 外見年齢をサバ読みしとらんか!?」
零児「お前も人の事が言えんだろ」
ジョセフの実年齢に驚く小牟であったが、零児にツッコミを入れられてしまう。
因みに小牟の実年齢は765歳で、仙狐は1000歳を迎える事で一人前になるのである。
夜桜「皆さん、鍋が出来ましたよぉ〜」
こうして、賑やかな夕食が始まったのだった。
楽しい夕食会を通して、異世界から仲間達との交流を深めるメンバー。
ポルナレフ「ウメェ! やっぱ皆で食べるのは良いよな!」
ジョセフ「全くじゃな」
鍋に煮込まれた野菜や肉を口に運びながら、彼等の親睦を深める。
雪泉「こうやって、親睦を深め合うのも良いですね」
そんな中、雪泉の顔が赤くなっていた。
花京院「雪泉、随分と顔が赤いが……」
承太郎「大丈夫か? 風邪じゃあないのか?」
雪泉「ヒック……そんにゃワケ、ないじゃらいへふかァ。 ヒック」
顔は紅潮し、ろれつが回らないようなしゃべり方。
まさかと思った承太郎は、彼女のグラスを取ると、
承太郎「こ、こいつは……」
その匂いを嗅いだ。
承太郎「酒だ! 雪泉のグラスに、酒が入ってやがった」
霊夢「えぇ!?」
外の世界では、20歳になるまでは酒は飲めないのが常識。
雪泉の性格なら、未成年飲酒はしないはず。
つまり、誰かが彼女のグラスに酒を入れた事になる。
魔理紗「ったく、そんなに大げさになるか?」
首を傾げる魔理紗であったが、霊夢はある事に気付いた。
霊夢「そういえば魔理紗。 アンタ、雪泉の隣だったわよね」
魔理紗「そうだけど?」
霊夢「まさかアンタ、雪泉のグラスにお酒入れた?」
その問いに魔理紗は、当たり前のように答えた。
魔理紗「へ? 入れたけど?」
霊夢「アホかァァァ! 外の世界じゃ、酒を飲むのは大人になってからよ!! 何考えてんのよ!?」
魔理紗「霊夢、ここは幻想郷だぜ? そんな常識は捨てるべきだ。 無礼講だよ、無礼講」
楽しげに笑う魔理紗であったが、零児が彼女の襟元をお持ち上げる。
魔理紗「ちょっ!? 何すんだよ零児!?」
零児「いくら無礼講とはいえど、未成年に酒を飲ませるのは感心せん!」
魔理紗の体の重心を左腕で抱え、彼女のお尻を右に向ける。
そして零児は、右手を平手にして構えており、
零児「覚悟は良いか?」
この構えに魔理紗は、思わず顔を青ざめた。
魔理紗「ま、待ってくれ零児! それは親父にされて以来、トラウマになって――」
零児「成敗!」
バシィィィンと、零児の尻叩きが炸裂し、
魔理紗「ギャァァァァァァ!」
コレを受けた魔理紗の絶叫が、部屋中に聞こえたのだった。
花京院「昔は悪い事をした子供が、よくお尻を叩かれるのが定番でしたが……」
ポルナレフ「スッゲェ、痛そうだぜ……」
ジョセフ「Oh No……」
四季「ある意味じゃ、ゲンコツより効果はあるんじゃい?」
因みに尻叩きは、約30回も続いた。
零児のお仕置きを喰らった魔理紗は、
魔理紗「………」
チーンという音が聞こえてしまうほど、真っ白になってしまった。
ジョセフ「Oh My God! これ程の効果とは!」
アヴドゥル「流石に、この年齢で尻を叩かれたくないな。 精神的に」
すると、承太郎がある事に気付いた。
承太郎「そういや、バージル。 ダンテはどうした?」
バージル「外で涼んてくるそうだ。 本当に、アイツも雰囲気が変わったものだ」
年季を重ね、心身ともに成長した弟に、バージルは深く息を吐いたのであった。
博麗神社の外にて、
ダンテ「月見酒も、悪くないもんだな」
そう言って、酒の入ったグラスを口に付けるダンテ。
紫「お邪魔するわよ」
すると、紫がスキマから出現した。
ダンテ「よう、改めて見ると、ホントに良い女だな」
紫「アラアラ、随分と口が上手いわね♪」
ダンテ「どうだ? アンタも飲むかい?」
紫「それじゃ、お言葉に甘えて」
ダンテがグラスに注いでくれた酒を、紫はゆっくり口に付けた。
紫「まさか、あの人の息子が現れるなんてね。 それも双子」
ダンテ「ん? 親父を知ってるのか?」
紫「嘗て、幻想郷に暗黒王が現れた時、供に戦ったから」
ダンテ「そいつは、初めて聞いた話だぜ」
紫「あの話も、お伽話として忘れ去られたから」
昔の事を振り返り、紫は小さな笑みを見せる。
紫「でも、バージルが魔天狼の所有者に選ばれた事は納得はいくわね」
ダンテ「元々は霊夢が、行きつけの質屋に売っ払ったのが始まりだそうだぜ? そこの店主から聞いた」
紫「呆れた話ね。 あんな大事なものを売るなんて」
ダンテ「まあ、閻魔様もそれにはブチ切れたみたいでよ。 あれは笑えない冗談だったぜ」
紫「映姫様も、あの戦い参加してたから仕方ないのよ」
すると、今度はバージルも出てきた。
ダンテ「どうした?」
バージル「これ以上は、あのバカ騒ぎに付き合ってられん。 ガラじゃないしな」
ダンテ「それもそうか」
神社の方では、承太郎達が賑やかに親睦を深め合っている。
その光景を見て、ダンテは深く思った。
ダンテ「こういうのも、悪くないもんだな」
そう言って、満月を見上げるのだった。
翌日、ジョセフはゆっくりと目を覚ます。
ジョセフ「ん? いかん、あのまま寝てしまったのか……」
そう言って外を見ると、まだ夜のままであった。
その証拠に満月が照らされている。
ジョセフ「深夜まで寝とったのかのぉ?」
ポリポリと頬を掻くが、他のメンバーも目が覚めたのである。
クラウス「Mr.ジョースター、アナタもお目覚めですか?」
ジョセフ「そんな所じゃ。 ところで、今は何時かのぉ……え〜と――」
そう言ってジョセフは、自身の時計を見る。
時計を見ると、時刻は7時半。
ジョセフ「!?」
コレを見たジョセフは、驚きを隠せなかった。
ジョセフ「承太郎! お前の時計、今は何時じゃ!?」
承太郎「ん? 今は7時半――な!? おい、ジジイ!?」
このやり取りに首を傾げた一同であったが、ジョセフは思わず叫んでしまう。
ジョセフ「なんという事じゃ!? ワシ等は宴会後のすぐに寝て、深夜に起きたと思った! しかし今の時刻は、もう朝の7時を過ぎておった!!」
全員「!?」
ジョセフ「それなのに、それなのに何故じゃ!? 何故、夜が明けようとしない!?」
外の満月を睨むジョセフ。
ポルナレフ「ちょちょちょちょちょっと待てよ!? まさか、まさかコレが!?」
霊夢「次の……異変ね!」
こうして、新たな異変が始まったのだった。
TO BE CONTINUED...