ニンジャスレイヤーが如月の危機を救った同時期、川内型軽巡洋艦によって構成された第三水雷戦隊が襲撃された
スキャッターのその恐るべき速度に川内が犠牲になった・・・かに思われたが!
スキャッター「アバババババババー!」
???「オイオイ……こんなカワイイ嬢ちゃんを襲うなんざあとんだ三下ニンジャだな!」
川内「か、カワイイ……///」
鮮血をまき散らしたのは、スキャッター。スキャッターの横腹には数発の穴が空いていた。 撃ったのはコンブをメンポめいて巻いた190はあろうかと思われる片方義眼の白髪の大男だ!その手には大口径マグナムが握られ煙を吹いていた。
???「クロス刀のエンブレム・・・特徴的な煙突めいたUNIX内蔵型ヘルメット・・・間違いないな、暗黒シンジゲート《ソウカイヤ》所属《ソウカイシンジケート》のスキャッターだな?」
スキャッター「貴様・・・!なぜ貴様がここにいる!?貴様はキョート共和国のキョート・アンダーガイオンにいる筈……そして何故お前から『ニンジャソウル』が感知される!?」
???「まぁ、お前は既に死んでるから知らなかったんだよな……ドーモ、スキャッター=サン」
その男の影が飛び出し、カラスの姿を型どり飛び上がりながら舞うのを見ながら一同はその名を聞いた
???「タカギ・ガンドー……いや、ディテクティヴです!」
キョート共和国に住んでいる伝説の私立探偵《クルゼ・ケン》の後継者タカギ・ガンドー……もとい、ディテクティヴはかつての相棒の敵を撃つために敵ニンジャと戦ったのだが、簀巻きにされて頭部を打たれて死亡。
その後琵琶湖の底に沈められたタカギ・ガンドーが精神空間内で出会ったニンジャ・ソウル『カラス・ニンジャ』を契約憑依させた姿である!
アイサツはニンジャにとって遥か太古から続く神聖不可侵の行為であり、挨拶をされたら必ず返さなければならない!古事記にもそう書かれている。
そして先制の挨拶は油断ならない腕前の持ち主の証でもある!
スキャッター「ど、ドーモ、ディテクティヴ=サン。スキャッターです」
自分たちが怯えていた相手が、自分たちを助けに来たと思われる男に怯えている……唯一ニンジャ動体視力を持っていた大井はガンドーとスキャッターの実力の差を理解していた
それもそうだ……スキャッターのニンジャソウルが理解しているのだ!ディテクティヴの、タカギ・ガンドーのカラテとジツの力を!
ガンドー「嬢ちゃん達は離れてな……ここから始まるのはニンジャのイクサだからよ」
スキャッター「イヤーッ!」
両者が空高く飛び上がり、スキャッターはヤバレカバレのカラテをガンドーに叩き込もうとする中、ガンドーは49口径マグナムをもう一丁取り出してカラテの動きをした!
スキャッター「馬鹿め、マグナムがカラテに勝てると思っていたのか!」
一体、ガンドーは何をしようというのか!?
BLAMN!BLAMN!BLAMN!
スキャッター「グワーッ!」
ガンドー「刺激が強すぎるからな」
タツジン!ガンドーは両手に持っていた二丁の 49口径マグナムをダガーナイフの持ち手部分と両肩に撃ち込みづつ、その反動を利用してカラテを叩き込んだ。
暗黒武道ピストルカラテだ!
「イヤーッ!」「グワーッ!」「イヤーッ!」「グワーッ!」「イヤーッ!」「グワーッ!」「イヤーッ!」「グワーッ!」「イヤーッ!」「グワーッ!」「イヤーッ!」「グワーッ!」「イヤーッ!」「グワーッ!」「イヤーッ!」「グワーッ!」「イヤーッ!」「グワーッ!」「イヤーッ!」「グワーッ!」「イヤーッ!」「グワーッ!」「イヤーッ!」「グワーッ!」「イヤーッ!」「グワーッ!」「イヤーッ!」「グワーッ!」「イヤーッ!」「グワーッ!」「イヤーッ!」「グワーッ!」「イヤーッ!」「グワーッ!」「イヤーッ!」「グワーッ!」「イヤーッ!」「グワーッ!」「イヤーッ!」「グワーッ!」「イヤーッ!」「グワーッ!」「イヤーッ!」「グワーッ!」「イヤーッ!」「グワーッ!」「イヤーッ!」「グワーッ!」「イヤーッ!」「グワー!」「イヤーッ!」「グワーッ!」「イヤーッ!」「グワーッ!」「イヤーッ!」「グワーッ!」「イヤーッ!」「グワーッ!」
ガンドーがピストルカラテを行う度にスキャッターの全身の骨が砕かれていく……艦娘達はその動きを見逃さないように見ていた。もはや大井以外は残像しか見えない。
大井「これが……イクサ!」
北上「大井っち、アレ見えてるの!?」
大井「北上さんや、ほかの皆さんは……え?見えてないんですか!?」
大井のニンジャ動体視力は無意識に発動していたようだ。実際スゴイ
大井の言葉に第三水雷戦隊や吹雪たちも首を縦に頷いた
DBOOOOOOM!!
海面に勢い良く叩きつけられたスキャッターの体には火花が散っていた
スキャッター「アバッ……オレは……オレは……ニンジャ……なのに!」
海面に降り立ったスキャッターはボロボロながら立ち上がっていた。
頭部のUNIXからは火花が散っていた
ガンドー「オイオイ……もう立てるのかよ!?」
それは一瞬の出来事だった、吹雪の隣にいて背後を警戒していた少女……睦月をターゲットにしたのだ!
スキャッター「イヤーッ!」
睦月「あ……!」
ターゲットにされた睦月は後ろを向いた時には既に死んでいるだろう
ニンジャ動体視力を持つ者と、ニンジャが居なければの話だが
大井「北上さん!」
北上「いくよ!」
吹雪「酸素魚雷……いっけぇー!!」
ガンドー「オイオイ……狙いがバレバレだぜ!」
夕張「今こそ……この新兵器の出番よ!」
川内「今よ!みんな行くよ!」
那加「当たってー!!」
神通「……このタイミングで!」
いつの間にかニンジャ動体視力を適合させた吹雪や北上に大井を筆頭に、キャスターに一斉攻撃を仕掛けたのだ!
その隙にガンドーは睦月を安全な場所に移動させていた
ガンドー「嬢ちゃん、もう大丈夫だぜ」
睦月「怖かったよぉ……!」
ガンドー「済まなかったな、だけど……もう終わりだぜ!このままあいつにトドメを刺すがこのままいけるか!?」
睦月は一瞬迷ったが決意を決めて言った
睦月「怖いけど……怖いけどこのままお願いします!」
ガンドー「(オイオイ……最近の若い子はいい度胸が有るじゃねえか)なら、このまま行くぜ!」
北上と大井が蹴りあげ、吹雪が酸素魚雷を後頭部にぶつけ、夕張がナニカサレタヨウナ魚雷を打ち込み、第三水雷戦隊はフォーメーションを組んで攻撃を行う。
それでも止まらないスキャッターに先回りして睦月を抱えたガンドーが最後の一撃を放った
スキャッター「……こんなバカなコトが!」
ガンドー「子供を殺そうとするのは見過ごせないからな。あばよ……ソウカイヤの亡霊!」
BLAMN!!
マグナムから放たれたのは、影から生み出されたカラスを弾丸として発射……起動コントロールが可能なカラテミサイルの一種でありジツの1つ『カラス弾』。
その無慈悲な一撃がスキャッターの心臓を貫いた
スキャッター「サヨナラ!」
KBOOOOOOOOOOOOOOOOOOOM!!!
心臓を貫かれたスキャッターのニンジャソウルが暴走……溢れたエネルギーが爆発してスキャッターは死んだ。
ニンジャソウルを宿したものの最期……爆発四散したのだ
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ニンジャスレイヤー「なにも知らぬ子どもを殺そうとしたことを後悔しながら、サンズリバーへと去るがいいソウカイヤの亡霊め!サツバツ!」
オフェンダー「グワーッ!サヨナラ!」
KBOOOOOOOOOOOOOOOOOOOM!!!
前と同じ様にオフェンダーは両腕をカラテで切り落とされて、首を跳ね飛ばされてから爆発四散した
ニンジャスレイヤー「……まさか私が殺したニンジャが生き返っているとは……オヒガンに登ったはずでは?」
ナラク『フジキドよ、あの神と名乗る男が言っておったことを忘れたか!』
ニンジャスレイヤー「異世界で復活した、だから私達が呼ばれたのか……」
ニンジャスレイヤー達がこの世界に来た理由は、この世界で復活したニンジャの抹殺であった。本来あの時の流れで死ぬのはドラゴン・ゲンドーソー一人だけであった。しかし逸脱した時の流れのせいでその場にいた全員が爆発に飲まれるという状況になった。それを知った神が歴史の修正をする間にこの世界に現れた悪しきニンジャを倒して欲しいと頼まれたのだ。
ナラク『しかしフジキドよ、そこの小娘はニンジャソウルに似たものを持っているが少し聞いてみろ』
ニンジャスレイヤー「お前が聞けばいいだろうが」
ナラク『私が聞いたら絶対怖がるだろう』
この野郎……いざと言う時には役に立たないボケソウルめと内心で悪態をつくのを我慢した
ニンジャスレイヤー「とりあえず聞いておく、ナラクはフートンでも敷いて寝てろ……さて」
ニンジャスレイヤー……本名フジキド・ケンジは如月に話を聞くことにしたのだが泣きじゃくってくっ付いていたのだ
如月「怖かった、怖かったよぉ……!」
ニンジャスレイヤー「怖かったか。もう少し早く来ていればこんな思いをさせずに済んだのに……ところで知り合いや友達はいないのか?」
如月「あっちに……あっちにいる」
ニンジャスレイヤー「そうか、1つおヌシに聞きたい事がある……なにか特別な魂を宿していないか?」
如月「私の……前世です」
ニンジャスレイヤー「前世?」
如月の説明を聞いたニンジャスレイヤーとナラクは驚いた。
艦娘とニンジャソウルが似通っていたことがあるのだ。
艦娘は前世で種別に分かれた戦艦の魂が転生した存在、ニンジャソウルはニンジャソウル本体が死んだ後にその所属階級『ニンジャクラン』によって適合する人間に憑依して転生する。
互いに知っていることを話した。
ニンジャスレイヤー「なるほどな……この世界の戦争で沈んだ戦艦等の魂の一つがおヌシだったのか」
ナラク『まあワシの方がすごいがのぅ』
ニンジャスレイヤー「黙っていろナラク……さて、如月=サン。どうやら私の仲間が君の仲間と一緒に合流している様だ。方向を指示してくれないか?」
如月「……なんでこの態勢なんですか?」
ニンジャスレイヤー「おヌシの腰が抜けているからだ」
ニンジャスレイヤーは如月をお姫様抱っこしていたのだ。実際、如月の顔は赤い。
そもそもニンジャを見てしまった者は急性NRS(ニンジャ・リアリティ・ショック)を引き起こしてしまい良くて気絶、悪くて心停止になってしまうので如月は運が良かったのだ。
ニンジャスレイヤー「しっかりと捕まってくれ……WassHoi !」
如月「うひゃあ!」
夕焼けの中に一人の少女を抱えた赤黒のニンジャが海を駆けた
ニンジャスレイヤー「……いい景色だな、如月=サンはいつもこの景色を見ているのか?」
如月「はい、ここでの景色もいいですけど鎮守府にはもっといい場所があるんです!」
ナラク『ほう?では楽しみにしているぞ?』
そう言ったナラクはまた静かになった
ニンジャスレイヤー「ならば如月=サンの仲間と早く合流しないとな……だが」
地平線まで続く夕焼けの光とそれに照らされる海の輝きは、ネオサイタマでは見られないこの景色でありニンジャスレイヤーにとっても、まだ起きて見ているだろうナラクにとっても新しい感覚をもたらした。
ニンジャスレイヤー「暁の水平線か……この世界だけでも私達の世界にはしたくないな……」
如月「ニンジャスレイヤー=サンの世界……マッポーの世……」
絶対にあの世界を増やしてはならない……この如月のような子供のためにも、《ニンジャスレイヤー》と似た存在を生み出さないためにもニンジャを殺す。とニンジャスレイヤーは心を新たにしてこの世界でやることを決めた。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
???「……どうやら貴方の弟子が一緒にいるようだドラゴン・ゲンドーソーさん」
???「そうか……さてワシらも出迎えの準備とするか。ユカノ、ナンシー=サン、シモン、ガイ」
此処は横浜鎮守府……夕焼けの中に佇む艦娘の基地。
その司令室にいるのは、提督代理をしている長門型1番艦の艦娘《長門》、そしてサポートを務める長門型2番艦《陸奥》だ。そしてその隣に立って窓を見つめているのは、ニンジャスレイヤーのセンセイであるリアルニンジャ《ドラゴン・ゲンドーソー》と色々と訳ありの孫娘《ドラゴン・ユカノ》、ニンジャスレイヤーの仲間であるヤバイ級ハッカー《ナンシー・リー》、そして異世界の二人の英雄……《穴堀シモン》と
究極の破壊神の勇者《獅子王凱》。
翌日……ここが世界に新たな風を呼ぶ