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俺の片目は戦争兵器 学生イベント学園祭! 
作者:青木   2016/05/05(木) 08:32公開   ID:aD/bcO1hwWA
 ついに学園祭当日。
 早朝から準備に取りかかっている。
 「今、何時?」
 俺は教室の時計を覗く。針は七時を指していた。
 「七時です」
 「あと一時間ね、急ぎましょう」
 遠市さんは手の動きを早める。
 そんなこんなで一時間後。
 一行は無事に準備を終え、用意していた椅子に腰掛ける。
 俺たちは締め切り寸前で出店用紙を提出したためか、出店には不向きな一階の学習室しか残っておらず、やむを得ずここで出店することにしたのだ。
 この教室は普段、生徒の自主勉強に使用する教室なのだが隅にあるため存在が薄い。
 「疲れたでしょう?」
 「突然でしたからね」
 「トイレ行ってくるわ」
 将錯は準備が終わるのを見計らってトイレのため退室。      
 「蝉島君はここで待っててね。私も荷物持ってくるから」
 そう言うと遠市さんもすたすた、と退室。俺は一人残された。
 俺は椅子から立ち上がり、三歩前進する。そして身を翻す。
 完全にこれは海の家だ。どこからどう見ても海の家だ。実際の海の家とはスケールは劣るが販売する商品といい、テーブルと椅子の配置といい海の家そのものだ。
 「あれ? 蝉島一人だけか」
 裏から突然声がする。振り向くとそれは校長兼理事長の足谷さんだった。
 「鷹巳と遠市はどこ?」
 「将錯はトイレ、遠市さんは荷物を取りに行くって」
 「そうか・・・・・・かわいそうだな、お前も」
 「えっ?」      
 「私は見回りに来ただけだ次に行かなくては」
 足谷さんは颯爽と退室。     
 そんなこんなで九時になりついに学園祭が始まった。
 俺たち海水浴部の海の家に客は来てくれるのだろうか?
 「どうよこれ、似合ってる?」
 青色で海とかかれた茶色のTシャツに太ももの大部分が見えるショートのジーパンという涼しげな服装。それにしても綺麗な太ももだ。
 「あれ反応薄いわね、水着の方がよかった?」
 「そういうわけでは・・・・・・ははは」
 苦笑いするしかなかった。見とれてたなんて本人の前で口に出せる訳がない。
 俺たちも同様のTシャツに短パンという似たような服装。遠市さんがTシャツを用意してくれたのだろう。
 ズボンは前々から要求され持参してきたのだ。
 企画は遠市さんの独占権で、俺たちは口出しできなかった。私に決めさせて、とせがまれたら断りずらいからだ。
 「なぁ蝉島?」
 将錯が俺に耳打ちしてくる。
 「遠市さんって見た目のわりに胸でかいんだな」
 「太ももは綺麗だけど・・・・・・・って言わせんな」
 将錯は悪戯っぽく笑う。はめられた誘導尋問だ。
 「私客引きしてくるわ、客の接待はお願いね二人とも」
 「ちょっと待っ・・・・・・」
 遠市さんはのぼりを携えて教室をあとにする。
 「どうする蝉島?」
 「確か将錯って料理できるよな」
 親指を立てて前に出す将錯。
 「なら作るのはお前に頼んだ」
 「蝉島に客のオーダー取れるのか」
 それくらいできるわ。
 俺はカウンターに置いてある手帳とペンを手に取る。・・・・・・客が来ないのではやることがない。
 将錯とお互いを見合う。
 「つれてきたよー客」
 遠市さんの声だ。客をつれてきたらしい。
 「成さんのもてなしじゃー」
 「メイド服じゃー」
 違う趣旨で来てるんですけど。
 一気に十人程度はつれてきただろうか? すごいな遠市さんの人気は。
 それからと言うもの客が途絶えることはなく大盛況になった。
 しかし、その多くが男。それも遠市先輩の二の腕〜! 太もも〜、とかほざいてるやつもいたな。完全に遠市さん目当てだろう。
 瞬く間に時間は十二時。
 「疲れたでしょ。ありがとう収入の大半はあなたたちに与えようかな」
 「いえいえ遠市さんの人気があってこそですよ」
 「蝉島君から休憩取っていいわよ一時間だけだけど」
 「いいんですか! お言葉に甘えて」
 そして午後の部がスタートした。
                 
 携帯を鞄から取り出す。
 気づかれないように体育館裏で通話する。
 『何? プラス』
 『準備は整いました。あとはタイミング見計らうだけです』
 『そうありがと。紅もそっちに向かってるからよろしくね』
 『承知しました』
 通話を遮断する。ひとつ深呼吸、興奮が抑さえられない。
 「革命の時間だ!」
 頬を叩き気合いを入れ直し、持ち場へ向かった。

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