これまでのHOPE HEROは…
ホワイトレジスタンスという正義の組織に入った15歳のヒーロー少年、エスト。
怪奇現象を調べるべく、マッハとそのオトモ妖怪二匹と共に妖気の森へ行った。
突然襲いかかる不思議な現象に審判のグリモア所持者であり、怪奇現象の黒幕でもあるモノクマに出会ってしまい、大ピンチに!
しかし、バスターズ第1隊長仮面ライダードライブに助けられ、更に彼は星の力を秘める魔法のステッキでなんとかモノクマを倒したのだった…!!
怪奇現象を解決したエストは、マッハと二匹の妖怪と共にホワイトレジスタンスに戻った。
エスト「隊長〜!!」
白い魔法使い「戻ってきたか…」
ウィスパー「ええ、怪奇現象の黒幕を倒しました〜!」
ジバニャン「エストが魔法のステッキを使って倒したニャン!とってもかっこよかったニャン!!」
白い魔法使い「そうか…ついに覚醒したのか…。ところでマッハ、お前は何をしていた?」
白い魔法使いはマッハに何をしていたか尋ねる。
マッハ「え?フツーに調べていたんですけど?」
白い魔法使い「…正直に見えん」
ウィスパー「マッハさん、北側に行くと言ってあれから連絡がなかったです」
ジバニャン「そうだニャン」
マッハ「は、はぁ!?俺フツーにやってたぞ!?」
エスト「そうですよ。ですから、隊長も信じて下さい!」
白い魔法使い「分かった…。あとジバニャン…だったか?エストが魔法のステッキで倒したと言ったな?」
ジバニャン「そうニャン。なんか白い星の光みたいなステッキニャン」
白い魔法使い「…なるほどな。エスト、ウィスパー、ジバニャン、少し私の話に付き合ってくれないか?」
マッハ「へえ、俺は無視ですか。じゃあ先に帰りますんで、失礼♪」
と、マッハは先に帰った。
一方、エストたちはブリーティングルームへ。
白い魔法使い「…ここなら話が出来るだろう」
ウィスパー「あの…お話とは……」
白い魔法使い「エストのことだ」
エスト「え、僕ですか?」
白い魔法使い「エスト、よく聞け。お前は、眠っている星の力を覚醒したのだ」
エスト「眠っている、星の力…?」
白い魔法使い「その通りだ。だがこれは一歩に過ぎない。何しろお前は仮面ライダーを越える奇跡の種族、超次元……いや、話すのはまだ早いか……」
エスト「え?どうしてです?」
白い魔法使い「その話はもう少し後にする」
ウィスパー「うーむ、真実のいきなり話すのはあまりよくないことですね…」
ジバニャン「オレっちますます気になってきたニャン!」
エスト「僕が仮面ライダーじゃないなら…超新星とかリュウケンドーみたいな種族かな?」
三人はエストについての話題がとても気になってしまったようだ。
それから三人は、仕事を終え、シリウス荘に帰った。
ウィスパー「おお〜!ここがエスト君の部屋ですか!」
エスト「うん、シンプルすぎるけど…」
エストの部屋は、非常にシンプルで色は白と水色で統一されている。
エスト「じゃあ、ご飯作るね」
エストはこう見えて料理や家事がとても上手だ。時には人を招き入れて料理をもてなすこともあっただろう。
ジバニャン「オレっちはチョコボーで十分ニャン」
ウィスパー「ちょっと〜、チョコボーだけじゃ偏りますよ?ここはエスト君の料理を食べておくべきでうぃす!」
本来、チョコボーはネコにとって有害だが、ジバニャンは妖怪なのでたくさん食べている。しかし、ウィスパーはエストの料理の方が良いと思っていた。
エスト「お待たせ〜。今日はお寿司だよ!」
ウィスパー「お、お寿司!?」
ちなみにエストは料理が上手すぎるのか、寿司も握れる。しかもピザやパスタの生地も作れる。
ジバニャン「オレっちお寿司食べるニャン!」
ウィスパー「えー!?チョコボーは!?」
ジバニャン「今日はいらないニャン!」
エスト「それじゃあ、二人とも手を洗ってから食べようね!」
ウィスパー「うぃっす〜!」
ジバニャン「OKニャン!」
二匹は手を洗い、エストと仲良く寿司を食べた。
寿司のラインナップは、赤身のマグロにサーモン、エビに卵など色々あった。まるで店に並ぶ寿司のようだ。
ウィスパー「いやいや〜、エスト君の握るお寿司はおいしいですね〜!」
ジバニャン「できればトロも食べたいニャン♪」
エスト「あはは、ごめんね。トロは売り切れちゃって…」
ウィスパー「よし、明日はもっと頑張りましょう!!」
エスト「ちょっとウィスパー!何僕の台詞取ってんだよ〜!!」
ジバニャン「オレっちも頑張るニャン!!」
こうして、楽しい一夜はあっという間に過ぎた…。
翌日。
白い魔法使い「エターナル、法王様が拉致された情報を教えろ」
エターナル「ええ、残念だけど…。まだその理由は分かってなかったの」
エスト「えぇ!?」
エターナルは、法王の鎧武が拉致されたことを調べたが、まだ詳しいことは知らなかった模様。
ウィスパー「鎧武様…一体どうなされたのでしょう。ああ、不安です…!」
ジバニャン「オレっちもだニャン…」
エスト「そっか…二人は法王様のオトモだったよね」
二匹にとって、鎧武は必要な存在であろう。エストも少し不安になってきた。
エターナル「でも、これからよ!必ず解決方法を見つけて見せるわ!!」
白い魔法使い「以上だ。それでは、任務を開始する。サイガとイクサは法王の間の警備を、エターナルとマッハは事件の情報を調べること、そしてエストは昨日起こった事件を調べてもらう」
ウィスパー「おお!エスト君にとって“初めての一人で事件解決!”ですね!!」
エスト「えぇ?僕一人で…?」
エストは一人だけで解決する事件に急に不安になった。
ジバニャン「大丈夫ニャン!オレっちたちがついてるニャン!!」
と、ジバニャンは不安なエストを励ました。
エスト「…ありがとう。それじゃあいってきます!」
白い魔法使い「ああ、頼んだぞ」
エストたちは事件解決へとホワイトレジスタンス本部を出た。白い魔法使いはそんんな彼らを見送った。
___虹色坂
エスト「ここかな?」
事件が発生した場所は、虹色坂という七つの坂があるところだった。
ジバニャン「事件ってなんだニャン?」
ウィスパー「ええと…あ、あった!」
事件によると、謎の液体が昼夜問わずうごめいているということだ。
ウィスパー「とはいえ、謎の液体ってなんでしょうね?」
エスト「うん…」
しかし、すでに彼らに魔の手が迫ってきた。彼らが気づかない間に何かが近づいてくる音がする…。
ジバニャン「ニャ…水溜まりかニャン?」
エスト「水溜まり…だよね?」
エストたちが何かに気づき、後ろを振り返るが水溜まりなんじゃないかと勘違いしていた。
ウィスパー「なーんですか、ただの水溜まりでしょ!」
ジバニャン「いや、ちょっと待つニャン…!!」
ジバニャンはあの水溜まりが怪しいと思い、様子を伺う。すると、その水溜まりは急に動き出したのだ。
エスト「な、何!?」
ジバニャン「こいつ…まさか!!」
その水溜まりはだんだん人の形に変えてゆく。そして、水溜まりはやがて一人の少年に変わった。そう、この水溜まりこそが謎の液体の正体だったのだ!
エスト「うわあぁぁ!!」
「ぬるふふふ〜。ボクちんはスライム・マギカ〜。第50の魔法少年だよ〜♪」
ゆるそうな口調でしゃべるその少年は、青い髪にのんきそうな顔立ちをしたのんびりした雰囲気をしていた。
ウィスパー「てかこいつ喋るんですかぁ!!?」
スライム「そうだよ〜。魔法少年だから〜」
エスト「ま、魔法…少年!?」
ジバニャン「確か、魔法少年はグリモアを作ることが出来る…まさかこいつもグリモアを持ってるニャン!?」
スライム「持ってるよ〜。でもその前に…」
エスト「その前に…?」
スライム「キミの力をいただくよ〜!」
と、スライム・マギカは体を液体に変え、彼らに襲いかかってきた!
エスト「うわあぁぁ!?そんな無茶なぁぁぁ!!」
ウィスパー「えーと、ここは…」
エスト「逃げろ〜!!」
ジバニャン「えぇぇっ!!逃げるのかニャン!!?」
エスト「それだけしかないから!!」
と、エストは速やかに逃げた。ウィスパーとジバニャンも仕方なくエストと一緒に逃げることになった。
スライム「ふふふ〜♪逃がさないよ〜!」
しかしスライム・マギカは生きた餌を追うハイエナのように追ってくる。
エスト「うわあぁぁぁ!!」
エストも必死に逃げるが、スライム・マギカの動きは止まらない。
ウィスパー「ちょっと!何逃げてばっかりいるんですか!!」
ジバニャン「そうだニャン!戦うニャン!!」
エスト「で、でも〜〜!!」
その時、エストは小石にうっかりとつまずいてしまった。スライム・マギカはそれをチャンスだと思い、彼らに襲いかかろうとした!
スライム「おとなしくしてあげる〜!!」
エスト「うわ…もうダメだぁぁぁ!!」
と、次の瞬間…!
『黒く光る運命よ、今ここに!ディスティニータクト!!』
何者かが黒いステッキを出しながら現れ、そのステッキでスライム・マギカをこ攻撃した。
スライム「うわあぁぁ〜!?」
エスト「!?」
「全く、これだから…」
その何者かは、マゼンダのボディにエメラルドグリーンの眼をした仮面ライダーだった。
スライム「だ、誰だぁ〜!」
「俺は、仮面ライダーディケイド。通りすがりの仮面ライダーだ、覚えておけ!!」
黒いステッキ、ディスティニータクトを持ったその者は、仮面ライダーディケイドと名乗った。
エスト「ディケイド…なんかかっこいい…」
ウィスパー「ええと、ディケイドはですね…。あ、ありました!ディケイドは世界の破壊者と呼ばれる仮面ライダーです!!」
ジバニャン「は、破壊者!?」
ディケイド「さて、終わりにしてやるか」
ディケイドはどこか手に入ったか知らないが、丸いチップを出した。
エスト「グ、グリモアチップ!?」
それはグリモアチップだった。しかし、なぜディケイドの手にあるのか。
ディケイド「グリモアチップ!ブラックディスティニー!!」
ディケイドはそのグリモアチップをステッキのスキャン口に差した。そして魔法陣を描くと、ディスティニータクトを振る。
ディケイド「この運命で定めてやる!ブラックフォーチュン・ディメイション!!」
と、魔法陣から黒い光が放たれ、スライム・マギカを一気に包みこんだ。
スライム・マギカ「う、うそだ…うわあぁぁぁ……」
スライム・マギカはその光に敵わず、消し去った…。
ウィスパー「あ、あの…エストくん。どうしましょう…」
エスト「え、えっと…ここはお礼を言った方がいいかな?」
ディケイド「礼などいらない。それに、俺はお前を助けに来たんじゃないからな」
ディケイドは冷たい水のような言葉をエストたち浴びせた。それはまるで冷徹な仮面ライダーがいたかのように。
ディケイド「最後に言っておく。…お前はまだ自分の真実を知らないままでいる…」
と、エストに言い捨ててディケイドは去っていった。
エスト「もう!!なんだよこいつ!!酷いこと言うなんて、仮面ライダー失格だよ!!」
ジバニャン「そうだニャン!!」
ウィスパー「まあまあ、ここはとりあえず、戻りましょうか」
結局、エストたちは何を出来ずに仕事を終えることになった…。
___翌日
急遽ブリーティングルームに集められたホワイトレジスタンスの隊員たち。
白い魔法使い「諸君、今日から新しい仲間を紹介する」
エスト「仲間?いったい誰かな〜」
白い魔法使い「…来い」
「はいはい」
エスト「…あ!!」
その新しい仲間とは、昨日出会った仮面ライダーディケイドだった。
ディケイド「今日から、ここで世話になる仮面ライダーディケイドです。よろしくお願いします」
ウィスパー「ちょっと!なんであんたが!?」
ジバニャン「なんでこいつがオレっちたちのところに!?」
三人ともディケイドの姿に目を丸くした。すると、ディケイドはエストに近寄り、こんなことを口に出した。
ディケイド「お前がエストだったか?まさか、お前みたいな使えないヘッポコがここにいるとはな」
その言葉を聞いて、エストはカンカンに怒った。
エスト「誰がヘッポコだよさっきはあんな酷いこと言った癖に!!!」
サイガ「エ、エストサン落ち着いてくだサーイ…」
エスト「こんなの落ち着けませんよーだ!!この最低冷血漢め!!!」
ディケイド「はいはいそうですか!だからお前はバカだ!」
エスト「うぎーっ!!誰がバカだぁーーっ!!!」
こうして、エストにとって嬉しくない、ディケイドがホワイトレジスタンスに入った…