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死んだら別の世界に行かされました! 第3話
作者:雲雀   2016/08/16(火) 10:29公開   ID:Px0ukxwNsLk
 
 ピチャン・・・・

暗い空間で、水の落ちる音がする。耳を澄ますと、何処からかメロディーが聴こえてきた。そのメロディーを聴いた少女は

?「懐かしい音がする・・・。私を、呼んでいるのか?」

と呟いた。

−−−−−
−−−−
−−−
ーー


パチン

オズは、懐中時計を閉じた。それと同時に流れていた音も鳴り止む。

その懐中時計はオズが拾ったものだ。

ーーー
ーー


チチチ

天気が良く、鳥の鳴いている声がする。

そんな中、ベザリウス家は騒がしかった。

「坊ちゃん!坊ちゃん!!何処ですか!?オズ坊ちゃん!オズ坊ちゃん、何処です!?オズ坊ちゃん!坊ちゃん!何処ですか!坊ちゃん!」

今日はオズの成人の儀なのだが、オズの姿が見当たらないらしい。Mrs,ケイトとメイドたちが廊下を走り回って必死で探している。

エ「ふふふ」

隠れている場所で、エイダが可笑しそうに笑い声を漏らす。

オ「シーッ」

オズがエイダの口を押さえる。

「全くもう!何処に行かれたのかしら!?」

バンッ

Mrs,ケイトが荒々しくドアを開ける。

「坊ちゃん!あ、ギルバート!」

部屋の中にいたギルバートに声を掛ける。

ギ「はい?」

「坊ちゃん付きの使用人の貴方なら、知っているでしょう!?」

ギルバートの肩を掴み、詰め寄る。

ギ「うわあ!みみみ、Mrs,ケイト!」

ギルバートは、怯えた声を出す。

「ギルバート〜、オズ坊ちゃんは何処の隠れているのですか〜!?」

恐ろしい声でギルバートに聞く。

ギ「オズ坊ちゃんが一体どうしたと?」

ギルバートは、恐る恐る聞いた。

「そろそろ式服にお召し替えの時間なのに、何処にも姿が見えないんですよ!まさか、今夜の儀式をボイコットする気なのでは!?」

そう言って叫ぶMrs,ケイト。

ギ「さ、さあ?実は僕も、朝食以降お会いしていないので・・・」

ギルバートは、目を泳がせながらそう言った。

「そういえば、ギルバート。坊ちゃんに聞いたわよ。貴方は、猫が大の苦手なんですってね!」

Mrs,ケイトは清々しい笑顔で猫を出す。

ギ「ひい!み、湖です!エイダお嬢様と湖に向かいました!」

ギルバートは、焦ったように言う。

「うふふ。湖ですね?さあ、捕まえに行きますわよ!」

Mrs,ケイト達は、慌しく湖のほうへ向かっていった。

ギ「坊ちゃん、いい加減出てきてください。」

ギルバートがどんよりした口調で言う。

「にゃあ〜」

猫が、ロッカーを引っかいている。すると、

オ「はは、ご苦労だったな!ギルバート!」

オズが笑いながら、エイダと共に出てきた。

ギ「うわあ〜!Mrs,ケイトに怒られる〜!!」

オ「ははは!大変だね、ギルは」

オズは他人事のように言い、

オ「さ、エイダ。次は、礼拝堂に行ってみよう。」

エイダを連れて、走り出す。

ギ「あ!待ってください!オズ坊ちゃん!」

ギルバートも、慌てて付いていく。

オ「あんまり叫ぶなよ、ギル。Mrs,ケイトに見つかるだろ。」

ギ「す、すみません!坊ちゃん」

オズとギルバート、エイダは礼拝堂に向かった。
 
ギ「手入れをして、見違えるよう綺麗になりましたね」

ギルバートが辺りを見渡しながら呟く。

ギ「とても古い建物とは・・・。坊ちゃんのために、洗い清めたんですよ」

オズに向かって、そう言った。

オ「大げさなんだよな、なんかさ」

オズは、どうでもよさそうに言った。

ギィィ

エイダが礼拝堂のドアを開け、オズたちと共に入っていく。

オ・ギ「おお〜!」

エ「綺麗!」

皆が声を上げる。

礼拝堂の中は、ステンドグラスによる窓から光が差し込み、とても綺麗だった。

ギ「今夜ここで、儀式が行われるんですね」

オ「ああ・・・」

ギ「何もかも、坊ちゃんを祝福してくれているみたいですよ」

ギルバートが話すが、オズは耳に入っていないように、礼拝堂の中にある動いていない時計をじっと見ていた。



















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