ムゲン地獄で、ホワイトレジスタンスに潜んだ魔法少年のスパイである仮面ライダーマッハ、そして本来の自分を取り戻した仮面ライダーエターナルと出会ったエストたち。彼らは今、戦わなければならないことになっていた。
マッハ「オレは願いをためならどんな手段も選ばない。たとえお前ら死んでもな!!」
エスト「それだから、僕たちを騙したんですか……?酷い!!仮面ライダーは、そんな人な訳ないでしょ?どうしてそんなことをするんですか!!」
マッハ「だから、オレは願いのためにいるんだよ。邪魔をするようなお前らは必要ねぇんだ!!」
ドライブ「マッハ、そうか……。あの時事故で死んだ姉を愛していたよな。だからと言って、そんなことしていいのか……」
ドライブは悲しげにマッハのことを呟いた。
鎧武「姉がいる?まさか、その願いは……」
マッハ「そうさ。オレの願いは、姉ちゃんを復活させること!!そのためには……犠牲だって、払う!!姉ちゃんはオレにとってかけがえのない存在だからね!!」
エターナル「ほう、それで俺を利用しようとしたのか。フッ、お前も悪い仮面ライダーになったな……」
ドライブ「霧子を蘇らせるには、どんな力も使うのか。たとえそれが悪であろうとしても……!!
マッハ、お前は願いにすがりすぎだ!いくらなんでも、それは間違ってると思う!!」
マッハ「うるせぇよ、ゴキブリども……!!アンタらなんて、全員ぶっ殺してやる!!」
すると、マッハは突然踊り出した。なぜ踊るのか、エストたちはわからなかった。その時だった、エターナルから重い一撃が食らってしまった。あのダンスに影響があるのか。
エスト「ダ、ダンスを踊っただけで!?」
マッハ「オレは戦車のグリモア所持者でね。こういう踊りで強くさせるんだぜ」
エターナル「そして、俺は悪魔のグリモア所持者。さっきマッハに渡されたが、なかなか良い代物だよ」
ディケイド「ふざけやがって……!!」
エターナル「なに、我々はふざけてなんかない。お前らを潰すためなら何度でも使うつもりでな!!
呪いの瘴気!!」
エターナルは、瘴気という不思議な煙を出すと、エストたちを呪わせるような痛みを与えた。
エスト「そんな、エターナルさん……」
「私が、早く気づいていれば……」
隣にいた女性の魂も、さっきのことに対し、後悔していた。
エターナル「ほう、これが悪魔のグリモアの力……。気にいったぜ」
ウィスパー「ああ、えっと……呪いは攻撃は攻撃するとダメージを受けるという厄介なものです!!」
エターナルの瘴気に、マッハの恐るべきダンス。彼らが苦しむのは当然だ。
マッハ「おっと、呪いの後はこうしないとね!カースサンバ!!」
マッハは、さっきの瘴気の後に追加攻撃をした。しかも状態異常のせいでダメージが重く感じた。
鎧武「くそっ……。こいつ、追撃すんのかよ……」
ウィスパー「さすが、追跡!撲滅!と言ったところですかね……」
ジバニャン「これじゃあ負けるニャン!どうすればいいんだニャン!」
エターナル「さて、お楽しみはここからだ。病の暴走」
すると、エストたちは精神が突然おかしくなり、さらに体も苦しみ始める。
エターナル「これは状態異常なら動く度にじわじわと体力を奪う。つまり、死ぬ時が来る……」
マッハ「あとオレも忘れんなよ!チェイスサンバ・ワイド!!」
さらに、マッハの追撃でエストたちを苦しめた。
二人のその隙の無い攻撃になすすべも無い。
エスト「くっ……僕は、ずっとあなた達のことを信頼……してた、のに……!!」
ジバニャン「そうニャン!なんでこんなことになるんだニャン!」
エターナル「何、決まってるだろ。俺達にとって邪魔だからだ」
ディケイド「なんだと……!?」
エターナル「さあ、消えてもらおうか。我、汝を弄ぶ……!!」
すると、エストたちの体は思うがままに動かなくなり、まるで操り人形のように弄ばれてしまった。
エターナル「ははは!もうこれでお前たちは動けまい!マッハ、あとはやれ」
マッハ「はいよ。ラッシュビート!!」
なんと、マッハはエスト狙いで他の3人を攻撃せず、ただ彼を攻撃し続けた。
エスト「う、ううっ……!!」
マッハ「ほらどうしたぁ〜?お前、星のように輝く力を持ってるんじゃないのかよ!」
鎧武「まさか、お前エストを……」
マッハ「潰すんだよ!!」
マッハは強力なフックをエストの腹に放つ。あまりに強すぎるのか、エストはとうとう動けなくなった。
ウィスパー「エストくんっっ!!」
鎧武「ウソだろ……。エストが……」
ドライブ「マッハ、何をしてくれたんだ……!!」
他のみんなもエストが動かなくなったことにショックを受けた。彼はみんなにとって最高の仲間だ。当然、悲しむのも当たり前だろう。
ディケイド「よくも、よくも俺の仲間を……!!ぶっ殺してやる……テメェなんてぶっ殺してやる!!!」
前から彼を信用してなかったが、なぜか彼といると強くなれる気がする……。
そんな無慈悲に仲間を殺すマッハに、ディケイドの怒りは爆発した。
ディケイド「くそっ!この変なやつ……!!」
ディケイドは必死にもがいた。が、なかなか四肢が思うように動かない。
エターナル「無駄だ。この技は簡単には解くことが出来ない。もはや手段など無い程度にな」
鎧武「ディケイド、落ち着け!いくらエストがやられたからって……」
ディケイド「黙れ!!俺は大事なパートナーを倒したこいつらを許さない!!お前もそうだろ!?」
鎧武「俺も、そうだけど……」
エターナル「フッ、さあお喋りもそこまでだ。ここで全員、死ぬがいい!!」
すると、エターナルはさっきの技で3人の体を操った。
潰し合ったり、体をぶつけ合ったり、そうやってエターナルは3人を苦しめた。
ディケイド「ぐはっ……」
彼らの強力な力のせいで、もう動くことも難しい状態になってしまった3人。挙げ句の果てにエストは意識を失っている。
もはや絶望しかなくなってしまった。
ウィスパー「そ、そんな……」
ジバニャン「みんな、鎧武様、しっかりするニャン!」
鎧武「す、すまない……。力に、なれなくて……」
二人の妖怪も、彼らを倒そうとしても結局やられるだけだ。
もはやここで終わりだろう……。
と、誰もが思った。
エスト「う、んん……。ここは……?」
気がつくと夢の中にいたエスト。彼の目の前には黒髪の少女がいた。
「星の戦士……超次元マイスターエスト」
エスト「超次元マイスター?一体何を?」
「お前の種族のことだ。お前は何より星のように輝き、希望と夢を運ぶ。それは、絶望の中にある希望の光……それは星そのものだ」
エスト「絶望の中にある希望の光……」
「そう、星は闇が深いほどよく輝く。お前もこの星を愛しているはずだ」
エスト「うん、僕も日星が、この世界が、大好きだよ!」
「そうか。ま、星は大アルカナで言うところの、希望と夢の象徴だからな。
それより、今はお前の仲間が危ない。二人の仮面ライダーに苦しんでいる。だからこそ、その星の力を、真の力を使う時だ!」
エスト「でも、僕はあの二人を助けたい。だってあの人たちは心の奥で悲しんでいる……。だから、僕は二人の苦しみをこの手で救いたい!!」
「……やはり言うと思ったよ。今のお前ならあの二人を助けることが出来る。
さあ、行け!超次元マイスターエスト!!」
エスト「うん!!僕は、みんなの未来を救ってみせる!!そして、星のような輝かしい希望を灯す!!」
その時、不思議なことが起こった。エストは生き返ったかのように起き上がり、さらに全身に光が放たれたのだ。これは奇跡とも言えよう。
エターナル「くっ……何!?」
マッハ「!!?」
ディケイド「エスト……?」
エスト「僕は、星のように輝き、未来を照らす!!それが僕、エスト……!
超次元マイスターエストだ!!」
すると、エストは新たなるアルカナチップをライヴフォンにかざし、やがて新たな姿へと変えた。
『ハイパースターシンカ!エンジェルフォルム・エスト!!』
エストは、天使のような大きい翼と、神々しく美しい鎧を纏った姿になり、手には新たな武器、シャイニングスターバトンを持っていた。その光景に、誰もが目を丸くする。
エターナル「な、なんだその姿は……!!」
エスト「これは、みんなの希望と夢が詰まった星の力!!この力で、お前を倒す!!」
白い翼を大きくはためかせ、バトンを大きく振る。
エターナル「クッ……!!この強さ、普通じゃない!!?」
バトンは叩きつけるだけでもその威力は高い。さらにエストは、バトンに新たなグリモアチップをセットする。
エスト「バトンチェンジ!ソードモード!!」
すると、バトンに鋭い光の刃が付き、さらに神々しさを増した。
マッハ「お前、これで何が出来るというんだぁぁぁぁぁ!!!」
エスト「無駄だよ!!」
エストはバトンでマッハの攻撃を防ぐ。そして横に振り、マッハを凪ぎ払った。
マッハ「ぐわあぁぁぁっ!!」
「エスト……」
エスト「この苦しみ、僕にちゃんと伝わったよ。だから、あなたの苦しみは僕は消す!!」
エストは、シャイニングスターバトンを大きく振り、大きな白い星をたくさん出した。そして星の光を纏った必殺技を放つ!
エスト「僕の想いよ、届け!!ミラクルホープ・スターゲイザー!!」
たくさんの星が一斉に降り注ぎ、その星はエターナルに放たれた。最後はエストがバトンを大剣のように大きく振り、一撃を放つ。
エターナル「バ、バカな……うわああぁぁぁぁぁ!!!」
エターナルの邪悪な心は浄化され、その魂は天に昇った。
エターナル「……これが、星の力……。なんてきれいだろう……」
最後は蛻の殻となったエターナルに少女の魂を入れ、これで無事にエストが知っているエターナルに戻った。
エターナル「ありがとう。なんか、申し訳ないわね」
エスト「ううん、いいんです。あなたがこうして元気でいて欲しいんですから!」
鎧武「いや、安心するのは早い。まだマッハが……」
確かに、マッハには何もしていない。だがどこか様子がおかしい。
マッハ「オレは、願いを叶えてやる……!!姉ちゃんを復活するために、オレのこの体の機能全部捧げてやる!!!」
すると、マッハはムゲン地獄の奥にあったクリスタルの方へ向かい、その願いを捧げた。
ウィスパー「あー!確かムゲン地獄には妖怪クリスタルというものがあり、なんでも願いを叶えてくれるもの!しかもムゲンだけにあった何度でも願いごとを叶えれるようです!!」
エスト「えぇっ!?」
マッハ「さあ、クリスタルさんよぉ!オレの体の機能全てと引き換えに、オレの姉ちゃんを復活させろおぉぉぉぉ!!!」
クリスタルはマッハの願いに答え、強烈な光を放った。
エスト「うわあぁぁぁっ!!」
ドライブ「おい、無茶なこと言うな!!」
マッハ「もう遅いんだよ!!オレの願いは叶っ……た……!!ぐああぁぁぁぁぁ……」
それから、なんとかムゲン地獄を脱出したものの、マッハは意識を失った。エターナルは無事で何よりだったが、当然エストたちはこれで満足しなかった。
エストたちはマッハを抱え、ホワイトレジスタンスに戻った。
白い魔法使い「ほう、エターナルは元に戻せたが……」
エスト「マッハさんが、体の機能全部捧げると言って、意識を失いました……」
ドライブ「あいつ、姉の霧子を復活させるためなら自分がどうなっても良かったんだな」
鎧武「あ、それより……。あの少女の魂って何だったんですか?」
鎧武はエターナルにとりついていた魂について尋ねる。
白い魔法使い「今なら話せるようだな。では、話そう。彼女は、カサブランカ・アーチという月の民だった。
しかし、魔法少年たち悪の集団が月を襲撃し、彼女はエターナルによって命を落とした。その時、私は月にいたのだ」
ウィスパー「えー!?月の民って……魔王という奴等を倒すあの月人ですか!?」
白い魔法使い「その通りだ。私はあまりにも冷酷なエターナルを倒した。そして、彼が二度と悪さをしないように、彼の本体を昏睡状態にし、その代わりカサンブランカの魂を憑依させた」
ディケイド「なるほど、元々エターナルは魔法少年の仲間であり、特に危険な奴ってことか……」
白い魔法使い「彼は、精神だけでなく肉体でさえ狂わせる……。私はそんな彼に黙ってはいなかったのだ」
ドライブ「では、マッハは何故ホワイトレジスタンスに……?」
白い魔法使い「私はすでに魔法少年の仲間だと知ってたがな。しかし、私はそんな彼を止めようとはしなかった」
エスト「なんでですか?」
白い魔法使い「彼に刃を向けた瞬間、愛する者が悲しむからだ。その愛する者は……」
ドライブ「詩島霧子……。マッハの姉である女性警官だ」
白い魔法使い「私はこれ以上二人を悲しませるわけにはいかないと、マッハに何も手を出さなかったのだ」
ジバニャン「そうだったニャンね。マッハはお姉さんを蘇らせらせるためにエターナルを利用したのかニャン……」
白い魔法使い「だが、問題はマッハだ。彼は、確か姉を蘇らせるために体の機能全てと引き換えて願いを果たした。もう彼はもう何もすることも出来ない」
ドライブ「光も音も、何も感じることが出来なくなったもんな」
ベルト「願いのためなら手段を選ばない……。姉の霧子に会いたい気持ちは確かだが……」
エスト「マッハさん……」
新たな力を手にいれたエスト。仮面ライダーエターナルは無事だったものの、マッハは体の機能を全て願いに使ってしまい、意識不明の状態に。
このまま、一体どうすればいいのか……