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HOPE HERO.tvei エピソード15『裏世界、消滅!?』
作者:モナカ   2016/11/16(水) 17:31公開   ID:zGBJcPhgj5o
第6の神魔王、ウロボロスゾディアックを倒したエストたちだったが、駒虎に衝撃的なことを告げられた。



駒虎「俺には、仮面ライダーと神魔王の血が流れている」

エスト「う、うそ…!?」

その言葉に思わず凍りつくエスト。

駒虎「つまりだ。お前らが倒す神魔王の仲間でもあるんだよ」

そう告げた彼の瞳には闇に染まっている。エストは体を震えながら駒虎の元を離れていく。

エスト「あんたが…神魔王の、味方!?」

駒虎「エスト、俺が神魔王の血を継いでること…これだけは誰も言うな」

エスト「うん…」






翌日、神魔王との戦いで疲れを取ったエストたちは再び校長室へ。

クウガ「よく頑張ったね。第6の神魔王を倒してくれてありがとう。でも、本当はあの魂が原因だったのか…」

らぁら「はい。ザナークって言いました」

クウガ「本当の魂が本当の肉体に食べられるのは珍しいケースだよ」

USAピョン「しかし、奇跡的に魂は成長して別の魂を追い出したんダニ」

トリン「ふむ、それも珍しいケースだ」

だが、残る神魔王は第1の神魔王と第0の神魔王だ。その謎も解いておかなければならない。

クウガ「しかし、第1の神魔王は人や生物を愛するものの…ストレスが溜まると八つ当たりしてしまうかもしれない。
それに、第0の神魔王は……」

ほんのわずかだが、クウガは曇ったような表情でうつ向いた。

ゴースト「どうしたんですか?」

クウガ「あのね、第0の神魔王は…裏世界そのものを破壊するかもしれない」

エスト「えぇ!?」

エックス「う、裏世界を…ですか!?」

第0の神魔王が裏世界を破壊すると聞いて、エストたちは目を丸くした。

クウガ「奴の目的は余分なものを完全に消すこと。それが裏世界だとしたら……」

ジバニャン「もう裏世界に未来も希望もないってことニャン?」

コマさん「オラ、ここで死んじゃうズラ?そんなの嫌ズラ〜!!」

エスト「コマさん、泣きたいのは僕もだよ。ディケイドさんも、捕らわれているし……」

クウガ「…ディケイド?どうして、君が?」

エスト「えっと、それは…」

エストは表世界でディケイドに会ったこと、そして魔法少年たちとの戦ったことを話した。

クウガ「なるほど…ディケイドは運命のパワーを手にいれ、君たちと協力して魔法少年たちの野望を止めた…と」

トリン「それに、黒幕がディケイドの息子だったとは……」

ウィスパー「すべては鎧武様を救うためだったのですけどね」

ジバニャン「その鎧武様をさらったのも、フライングという悪い魔法少年ニャン!」

クウガ「鎧武も成長したんだね。久しぶりに会いたいな」

エスト「……そうですか」

ジバニャン「ん?エスト…」

エストは悲しげな表情だったがすぐに笑顔に戻った。

エスト「ううん、なんでもない!」

ウィスパー「エストくん、なんかおかしいですよ?」

ゴースト(きっと、大切な仲間のことを思ってるんだな…)





クウガとの話も終わり、エストたちは校長室を出た。

らぁら「なんか最後の戦いが近くなってきたね」

バルバトス「そうだね」

USAピョン「このままだとエストや他の妖怪たちも帰れなくなるし、ミーたちも危ないダニ…」

裏世界は彼らにとって大切な場所だ。滅んでしまえば、絶望しか道はないだろう。
エストもそう思っているが、何よりも仲間が消えてしまうのが一番嫌だった。

ウィスパー「…エストくん?」

エスト「ディケイドさんが、消えるなんて…嫌だ」

バルバトス「ディケイドって、破壊者だよね?なんでそいつのこと思ってるの?」

らぁら「ちょっと、言い過ぎだよ…」

エックス「エスト。今は神魔王のことを…」

すると、エストはエックスの手を強く振り払った。

エスト「あんたらは黙ってろよ!!」

ジバニャン「エスト…」

ウィスパー「あ、エストくん?ここはお菓子でも食べて…」

エスト「もういいよ、あんたらなんかもう知らないっ!!!」

と、エストは怒ってエックスたちから離れ、走って逃げていった。

らぁら「エストくん…」

ジバニャン「バルバトス!お前言い過ぎニャン!!」

バルバトス「だって、ディケイドはさ…」

エックス「バルバトス、それ以上言うな。ここは私が…」

ゴースト「いや、ここは俺が行くよ」

ウィスパー「私もついていきます!」

ジバニャン「オレっちもニャン!」

コマさん「オラも」

エックス「…でも」

ゴースト「大丈夫、俺にはちゃんと分かってるから」

ゴーストと妖怪3匹はエストの後を追った。






___屋上



青空がきれいな日だったが、エストの心は雨模様だった。

エスト「ディケイドさんに会えないなんて…」

彼にとってディケイドなかけがえのない存在だ。これまで力を合わせ、世界を救えたのもディケイドがいたからこそである。

エスト「もう、嫌だよ…。ディケイドさんがいない世界なんて、めちゃくちゃにされたっていいんだから……」

「それは…どうかな?」

すると、隣で景色を見ていた白い仮面ライダーが近づいてきた。あれは、かつてゴーストを救い、イバラの森で偶然出会った仮面ライダー斬月・真だった。

エスト「真さん…」

斬月・真「ディケイドを救いたい…そう考えてるよね。私も同じ。ディケイドは、愛する息子や仲間のために、耐え続けている」

エスト「じゃあ、ディケイドさんは生きているってことですか!?」

斬月・真「そういうこと。でも、一筋縄では通用しなくてよ」

エスト「どういうこと…?」

斬月・真「彼はね……」

「記憶を消されている」

エスト「!?」

すると、複数の少年たちが現れた。それを見てエストは、ハッと思い出す。

エスト「イナズマレジスタンス!?どうしてここに!?」

「斬月・真…ようやく見つけたぞ。キナコ・ナノバナを殺した悪魔!!」

エスト「あ、悪魔!?」

斬月・真「…悪魔は困るね。私はただ、キナコちゃんの願いのためにここに来ただけさ」

エスト「あ、あの!キナコの願いのためってどういうことですか!?」

その時、斬月・真は静かな声で信じられないことを口に出した。

斬月・真「そう。私はキナコちゃんの願いを叶えるために来たの…未来からね!」

エスト「み、未来!?」

斬月・真「さ、別の話に移ろうかな♪この世界は第0の神魔王に滅ぼされ、やがて表世界も滅ぶことになります」

エスト「表世界まで!?」

斬月・真「ですが、第0の神魔王を殺すには第1の神魔王からドロップする殺神刀をゲットしなければなりません。
それにねー、君たちこの白いバラ…意味は知ってる?」

と、斬月・真は手のひらから純白なバラの花を出した。

「…お前、何者だ!?」

斬月・真「…知らないよね。このバラはクイーンセレニティと呼ばれる珍しいバラの一種です。その花言葉は誕生と正義を意味します。
私は外見が綺麗だけじゃなくて、気高く強く生きるお花が大好きなんだよねぇ」

エスト「へ…?」

「だからなんだ…お前は一体何者だと聞いてるんだぞ!?」

斬月・真「ふーん、何者か…ねぇ。ところで君たち、お月様って好き?」

「月…?」

すると、斬月・真が動くたびに白いバラの花が咲いた。

斬月・真「私は好きだよー。暗い夜で一生懸命に輝いているし、癒されるんだよねー。
でも、その優しさの中には正義ってもんがある。君たちのような別世界から来た奴なら当然分かるでしょ?」

なんと、イナズマレジスタンスたちは、別世界から来たのだった!

斬月・真「ま、私は月と誕生を司る第1の神魔王だから当然なんだけどさ。特別に君たちの心を覗いてあげる。
君たちは必ず、私を倒そうと思っている!
でしょ?」

「…あぁ。お前を倒し、裏世界を平和にしてみせる!」

斬月・真「しかし、私は同時に世界の秩序を守るもの。必ずしも神魔王は最低一人存在しなければなりません。君たちは神魔王をただ倒すと思っているものの、神魔王を事実を知らなければハッピーエンドは…無い」

斬月・真は前へ体を向けると、優しげに左手を掲げた。そして……



斬月・真「…裁きを受けなさい」


と、白く巨大なイバラが一瞬にしてエストを除く全員を圧倒した。

エスト「…!!」

その時エストは斬月・真の恐ろしさを味わった。

斬月・真「大丈夫。こいつらは私を殺そうとしていただけ。最低神魔王が一人でも生きるのは本当だからね。
それに、ディケイドが記憶を奪われたのも本当のこと。異次元獣にされたんだから」

エスト「え…!?」

斬月・真「まぁまぁ安心してよ、私は反対だからさ!」

エスト「ディケイドさんが…異次元獣に!?」

ディケイドがさらわれた後の真実を知り、エストは体の震えが止まらなくなった。

エスト「嘘だ…嘘だ……嘘だあぁぁぁぁぁ!!!」

エストの悲しい声が、こだまに響いた……。





その頃……



駒虎「この世界は神魔王によって滅んでしまう…。俺は一体どうすれば……」

駒虎は悲しげに胸に手をそえた。











エスト「どうして、どうして……」

エストは異次元になったディケイドを救うか倒すか、葛藤していた。

「あ、いた!」

その時、ゴーストたちがやっとのことでエストを見つけた。

ゴースト「エスト、探したんだよ?どうしたの?」

エスト「ゴースト…僕、どうすればいいのかな…」

ウィスパー「エストくん?」

エスト「ディケイドが、異次元獣になって、この世界を、破壊してしまったら!!」

コマさん「もんげ〜!?ディケイドさんが!?」

ジバニャン「ニャニャ!?」

エストが知った真実を聞いて妖怪たちは驚いた。

ゴースト「エスト…そのディケイドさんって、仲間なの?」

エスト「うん…」

すると、ゴーストはエストの体をそっと抱いた。

ゴースト(分かる…この気持ち。ディケイドさんは彼にとって、大切な仲間なんだ…!)

ジバニャン「何やってんだニャン?」

ウィスパー「えぇと、む!彼は相手の体に触れることで気持ちが分かるそうです!」

ディケイドを救いたい…でも、異次元獣になった彼をどう受け入れるか…。葛藤してるエストの心がゴーストの心にも響いた。

ゴースト「エスト。ディケイドさんを救おう」

エスト「え?」

ゴースト「君には、強い星の力がある。その星の力で救えばいいよ!」

エスト「ゴースト…。うん!僕、ディケイドさんは大切な仲間だもん!だったら救うしかないっしょ!!」

ウィスパー「よかったでうぃす。再び元気に彼に戻って!」

ジバニャン「一見落着ニャン!」

ゴースト「さあ、みんなのところへ戻ろう」

エスト「うん!」

エストは異次元獣になったディケイドを救うことを決意し、再び仲間たちのところへ戻った。





一方、校長室では…


トリン「クウガ校長、まだあのことを…?」

クウガ「あぁ。彼らは第0の神魔王の真実を知らないままでいる。あいつは…あいつは……」


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■作者からのメッセージ
セーラームーンも月ですし、斬月・真も月があるし、バラが似合うからそれでいいんです!
ちなみに私の脳内設定では斬月は普通の原作通り、貴虎ですが、斬月・真は不思議ちゃんキャラなのです。
次はまさかのあいつがあの人であることが判明します。
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