斬月・真「仮面ライダーカリス、やっと元のクールな子に戻ったんだね」
雲は晴れに変わり、太陽は沈み、月が映える。
VFD学園の屋上には第1の神魔王、仮面ライダー斬月・真の姿があった。
斬月・真「キナコちゃん、私どうしよう……」
と、金色のソウルジェムを見詰める。彼は無慈悲な戦いと差別をたくさん見て、心が病みそうになっていた。
なぜ彼がこの世界に来たのか、それは200年後の未来にあった……
200年後の未来にある世界、エルドラド。この世はセカンドステージチルドレンという子供の種族が戦争を起こしている時代だった。
6月30日、彼はセカンドステージチルドレンを倒す最終兵器として生まれた。
英雄、仮面ライダー斬月の血とメロンエナジーロックシードとその専用のベルトだけで出来た…それだけだった。
彼は生まれてからすぐ、厳しい教育を受け、短い月日で文武両道になった。
斬月・真「セカンドステージチルドレンは生きる価値もありません。戦争を引き起こす種族など、必要ない」
彼はセカンドステージチルドレンたちを次々と殺し、彼によって戦争も徐々に治まり始めた。
だが、数日経つと彼に転機が起こる。
「本日のトレーニングは終わりだ。ところで、斬月・真よ。君は休みなく努力をしている。だが、アーマードライダーでも休息は必要だ」
斬月・真「…それは、どういうことですか?」
「君は頑張りすぎだということだ。たまには外に出てリフレッシュでもするとよい」
斬月・真「はい、貴方が仰る通りなら…」
サカマキ教官に言われ、彼は外に出た。
知ってるものなら知っているが、あまり外の世界には馴染めなかった。
斬月・真「まぶしい…」
太陽の光は彼にとって眩しすぎるものだ。
「あれ?アーマードライダーさん?」
その時、一人の少女が話かけてきた。
斬月・真「…誰だ」
「はじめまして!チーッス!うちはキナコやんね!」
斬月・真「キナコ…」
キナコ「そうやんね!うち、こうみえて魔法少女やってるやんね♪」
斬月・真「魔法少女…!?確か、未来で再び現れた古代の種族…」
キナコ「ん?どうしたの?」
斬月・真「いや、なんでもない。私は斬月・真。アーマードライダーだ」
キナコ「やっばり!うち、一度でもいいからアーマードライダーに会いたかったやんね!!」
斬月・真「…君は何で私に明るく接する?」
キナコ「え?だってみんなと仲良くするのがうちのモットーだからやんね!」
斬月・真「仲良く…」
キナコ「ほらほら、今日はせっかくだからうちと遊ぶやんね!」
斬月・真「あ、えっ、ちょ…!」
彼は一日中、キナコという少女と付き合うこととなった。いろんなものを見たり、ゲームを楽しんだり……
キナコと一緒にいることにより、彼にも楽しさが分かるようになった。
斬月・真(なんか、キナコちゃんといると…私、とても幸せ…)
それから、時間を見つけては彼はキナコと会うようになった。もちろん、彼女のために日々トレーニングも欠かさずに。
斬月・真「あの…サカマキ教官」
「ん?どうしたのかね?」
斬月・真「私、魔法少女に会ったんです」
「ほう…それで?」
斬月・真「あの子がいると、私は頑張れる気がします」
「そうか…友達が出来て良かったな」
斬月・真「友達?」
「アーマードライダーと魔法少女が協力するのも悪くない…と、トウドウ議長は仰っていたぞ。お前も仲間がいればより強くなれるだろう」
斬月・真「仲間…」
月日は経ち、エルドラドは魔法少女たちを支援するようになった。斬月・真は魔法少女であるキナコと共に魔物を退治した。
よって、彼とキナコは良いコンビとなった。
斬月・真「やったね!キナコちゃん!」
彼も自然と口調がラフになり、キナコのことを『キナコちゃん』と呼ぶようになった。
キナコ「うん!これから頑張るやんね!」
しかし、それは音を立てて崩れようとした……。
「緊急事態発生!!セカンドステージチルドレンが再び街に現れた様子。さらに、彼らは最終兵器を用意してるようです!!」
「何!?それは見過ごす訳にはいかん。今すぐ直に向かえ!!」
セカンドステージチルドレンが最終兵器を投与したと聞き、エルドラドの兵士たちはすぐ戦場へ。
彼もその場へ向かった。
斬月・真「これ以上、犠牲を出すわけにはいかない!!」
と、彼も懸命にセカンドステージチルドレンと戦った。だがその時、彼は途中であるものを目にする。
それは……
巨大な魔物の姿だった。
斬月・真「魔王…!?」
確か、魔王は中世にいた危険なものだった。もしかすると、大切なものがやつと戦おうとしてるかもしれない。
彼は不安のあまり、神魔王の方へ向かった。
斬月・真「キナコちゃん!」
キナコ「斬月・真…来てくれたやんね」
斬月・真「ここは私も戦う!!」
と、戦う構えを取る。しかし、それをキナコが止めた。
キナコ「ううん、その必要はないやんね。ここはうちだけで止める」
斬月・真「でも…」
キナコ「大丈夫!うちは強いやんね!!」
と、キナコは魔王に向かって、強力な魔法を放ち続ける。それを彼は見るだけしかなかった。
本当は協力して戦いたかったのに、恐怖のあまり足がすくんで動くことが出来なかった。
斬月・真「キナコちゃん…」
一方、キナコは強力な魔法で攻撃し、魔王の体力を削っていった。しかし、魔王は今までより強く、簡単に倒せる相手じゃなかった。
キナコ「格が違うやんね…だったら!!」
そして、キナコはついに全ての魔力を使い果たす禁断の魔法を放った。
その魔法は魔王を光で包みこみ、骨の髄まで消し去っていった。
斬月・真「…終わった?」
彼は魔王が消えたかを確認すると、キナコを探し始めた。
周りは瓦礫と兵士と魔法少女と死体、セカンドステージチルドレンの死体もあった。
斬月・真「ひどい…これが、戦争!?」
どれも残酷な光景ばかりだった。その時、茶髪の長い髪の少女が倒れこんでいるのを見つけた。
キナコだった。
斬月・真「キナコちゃん!」
キナコは満身創意であり、すでに虫の息だった。
キナコ「斬月・真…うち、魔王倒したやんね……」
斬月・真「それは良いけど、キナコちゃん大丈夫?」
キナコ「うちはもういいの。うちね、あなたが幸せでいればそれでいいから……」
斬月・真「何言ってるんだよ!君は生きるんだ!!魔法少女として!!」
と、彼は弱りきったキナコの手を握る。
キナコ「ねぇ、うちは…ただ戦ってる魔法少女じゃないやんね。うち、ずっと平和にしたいって願ったから……」
斬月・真「キナコちゃん…どうして、どうして最初からそれを、言わなかったの!?」
キナコ「黙っててごめん…ねぇ、最後にお願いがあるの」
斬月・真「…キナコちゃん?」
キナコ「あの魔王は創造を操るの…でも、あなたならその力を平和に変えれるはず……。だからお願い、未来のために、平和のために、このグリフシードを……」
と、キナコはグリフシードを差し出した。
斬月・真「キナコちゃん?やだよ…これは魔法少女が汚れを浄化するために使うんじゃないの!?」
キナコ「うん…でも、ライダー族がグリフシードを飲むとその力を使うことが出来る…あなたならきっとやれる」
グリフシードは魔王や魔女の力が封じ込められたものであり、魔法少女の汚れを浄化するためのものでもあった。
斬月・真「…わかった」
彼はグリフシードを口に入れた。すると、思わぬ力が体に染み、彼は新たに創造を操る能力を手にいれた。
しかし、すでにキナコの意識は無く、何も喋らなくなっていた…。
斬月・真「これでいいんでしょ?キナコちゃん、キナコ…ちゃん……
うわああぁぁぁぁぁ………!!!」
それから彼は困ってる人や苦しんでる人を助けたいと思うようになった。
そう、彼女のように残酷な運命にならないようにするために…
翌日、ソウルジェムを浄化し、それを大切なものとした。
そして彼はエルドラドに別れを告げると、バイク型ルートクラフトに乗り、過去へ旅立った。
彼女のために、色んな人を助けたい…そう願いながら。
キャラクター紹介
仮面ライダー斬月・真
性別は男。6月30日生まれの蟹座でO型。能天気で優しい性格だがたまに厳しいところもある。創造を操る能力は治癒や魔法など万能に使える最強の能力。また、超能力を使え、一度透視したものはその力を使うことが出来る。
実は200年後の未来から来たとされ、キナコという魔法少女との出会ったことにより、苦しんでいる人を助けたいと思うようになったとされている。
好きなものはお菓子とかわいいものと子供。嫌いなものは戦争とグロテスクなもの
キナコ・ナノバナ
性別は女。魔法少女であり、明るく優しい女の子。斬月・真と出会うが魔王との戦いで全ての魔法を使い、命を落としてしまう…