仲間との再会に偶然、謎の仮面ライダーのカリスと出会ったエストたち。圧倒的な強さを持つカリスはディケイドを連れ去ったものの、エストたちはその扉の向こうへ入ってしまった!エストの運命は、果たしてどうなる!?
あれから気を失っていたのか、エストは意識を取り戻す。その下にはウィスパーがエストの背中に押されていた。
「…生きているの?」
「いや、それは分からない。それに、表世界の戦士がなぜここへ…」
どちらも見知らぬ声だ。その声にエストが目を覚ました瞬間…
エスト「う…ここは……」
どうやら全く知らないのようだ。目の前には二人の戦士がいた。一人はウルトラマンで、もう一人はパーカーを着た仮面ライダー。当然、エストは二人とも知らない。
エスト「……」
「……」
「……」
エスト「ヴェアアァァァァァ!!!?」
「「うわあぁぁっ!?」」
エストは知らない二人に、二人はエストが生きていたことに驚いた。だが、下にいるウィスパーには気づかず。
「ちょ、フルフルみたいな声出さないでよ!」
仮面ライダーは大声を出したエストに突っ込む。ちなみにフルフルとはヒルのような顔をした不気味な白い竜のことだ。
エスト「だって、知らない人だもん!こんな仮面ライダーとかウルトラマン知らないし!!」
「あ、あの…」
ウィスパーの声だ。エストはようやくウィスパーが下にいることに気づいた。
エスト「ウィスパー!どうしたの!?」
ウィスパー「エストくん…踏んで…ます」
エスト「あぁ、ごめん!」
エストは体を起こし、ペラペラになったウィスパーを元に戻した。
ウィスパー「もう!私もいるんですから気づいてくださいよ!」
「妖怪、なのか?」
エスト「え?」
なぜかウルトラマンがウィスパーの存在に気づく。彼らにも妖怪が見えるのだろうか。
しかし、エストは気のせいだと誤魔化そうとする。
エスト「いやいや!そんなわけ…」
「だって、見えるよ?この妖怪、確か妖怪シッタカブリ…」
ウィスパー「あぁ!?誰がシッタカブリじゃゴラァ!!」
自分の正体であるシッタカブリは禁止ワードなので、ウィスパーは仮面ライダーにキレた。
「あわわ、ごめんごめん…。それより君たち、なんて言うの?」
「待て、ゴースト。今はそんな場合じゃない。私たちはこのままだと遅刻になるぞ」
意味の分からないことを言うウルトラマン。ゴーストというのは、きっと仮面ライダーのことだろう。
二人の戦士たちは急いで先に行ってしまった。エストたちは二人の行動があまり理解することが出来なかった。
エスト「なんだろうね?あの二人…」
ウィスパー「うーん…あ、そうだ!こんな時には妖怪パッドで……ん?あれ?何処にも載ってない……?」
いくら妖怪パッドで調べても、あの二人のことは出てなかった。
エスト「そうだ!二人の後を追おうよ!」
ウィスパー「あっ!それいいアイデアですね!では、二人の後を追いましょう!!」
二人の後を追うべく、エストとウィスパーはさっそく行動に出た。だが自分は別世界から来たことも考え、知ってる人でも知らない人でも聞かないようにした。
このままでも手掛かりは見つからない、そんな時エストはレーダーを使い、手掛かりを見つけようとした。
そして10分後、エストたちはある建物を目にする。それは…
エスト「…学校?」
学校とは言えども、白いベースに近未来のようなデザインの変わった外見の学校だ。
すると、学校の庭の噴水前に、あの二人がいた。急いで走ったのは、二人はここの学校の生徒であり、遅刻をしないようにするためだった。
ウィスパー「ちょっと!あの二人…生徒!?」
エスト「えぇ!?僕一度も学校にいったことないのに!!」
「ん…?」
エストの声にウルトラマンは反応した。それに続き、ゴーストも反応する。
ウィスパー「げぇっ!!気づかれましたよ!!」
ウルトラマンはエストたちに尋ねる。
「なぜここが分かったんだ?」
エスト「えーと、あ!レーダーですよレーダー!!」
ゴースト「ここは関係者以外立ち入り禁止なんだけど…」
エスト「あぁ、学校だもんね!あははは…」
「…待て、もしかして君、校長先生が言ってた星の戦士!?」
エスト「…へ?」
「そうか!だったら、私たちの学校に来て欲しい」
エスト「で、でも…」
ウィスパー「まあまあ、ここは戸惑わずに…」
エスト「うん、分かった」
「おっと、まだ名前が分からなかったようだ。私はウルトラマンエックス。ここ、VFD学園の生徒会長だ」
ウィスパー「えぇー!?せ、生徒会長!!?」
ゴースト「俺は仮面ライダーゴースト。学年は違うけどエックスとは親友なんだ」
二人はそれぞれエストたちに自己紹介する。エストも自己紹介をした。ただ超次元マイスターであることと世界を救ったことは隠しておいて。
エスト「僕はエスト!こっちは妖怪執事のウィスパー!」
ウィスパー「どうも、私が妖怪執事のウィスパーともうします。うぃっす」
エックス「では、我々が案内しよう。ついてきてくれ」
エストは校門をくぐり、二人についていった。
VFD学園。生徒は見知らぬヒーローばかりであり、中には救助するものもいた。どの生徒も個性的で、みんな様々な活動に取り組んでいる。
エックス「ここがVFD学園。伝説や歴史について学んでいる」
エスト「へぇ〜」
ゴースト「それに、敵や魔物対策としてダンジョンシステムも投与してるんだ」
ウィスパー「あぁ、ありますね〜。もしも怪物が来たらどうなるか!やはりヒーローは戦わないとヒーローじゃないですもんね〜」
エスト「でも、今からどこへ…」
その時、エストが何か気配を感じた。それは、誰かが森へ迷い、行方を眩ましていることだ。
エスト「なんか気配を感じる…。僕、ちょっといってきます!!」
と、エストはその気配の方へ向かった。
エックス「あ、待つんだ君!」
ウィスパー「ちょっと!私も置いてかないでくださ〜い!!」
ウィスパーたちもエストの後を追った。
その時、偶然見ていたモビルスーツの少年がシェイクを片手に持っていながら、呟いた。
「何、あいつら…」
と、なぜかその後を追う。
エストが気配を感じたのは、スポーツジムような場所だった。だが体を動かすルームランナー等らが見当たらない。人が入れるカプセルのようなものがたくさんあるだけだ。
エスト「ここかな…?」
「ああ、これはダンジョンに入れるカプセル…ってお前誰だよ!」
「そもそも女の子がマジやばいレベルのダンジョンに入ったんだろ?見過ごすわけにはいかないが…」
「でも生憎俺らでも苦戦するし…」
エスト「えっと、
禁忌ノ森?まあ何か気配感じるし、入る!!」
ウィスパー「あぁ!私も入れて〜!!」
エストと、後からきたウィスパーがカプセルの中に入ってしまった。それを見た生徒たちは唖然とする。
「なんだよ、あいつ…どうせやれる癖に…」
その時、ウィスパーが速すぎて追いつけなかったエックスたちがやっと現れた。
エックス「はぁはぁ…あいつらは!?」
「カプセルの中に入りましたよ?」
ゴースト「なんだって!?」
___禁忌ノ森
エストたちはいつの間にか、神秘的な森にいた。だがこの美しい森とは裏腹に魔物の気配を感じる。
ウィスパー「えーと、ここは…」
エスト「あれじゃない?禁忌ノ森…だっけ?」
ウィスパー「それにしても、なんか嫌な気配を感じるでうぃす」
エスト「さっきの気配と同じ感覚だ…。とにかく、探索してみよう!」
そう言って、エストたちは禁忌ノ森を探索に取り掛かった。やはり魔物が襲いかかったり、トラップにも会ったりしたが、それでもエストたちは探索を続ける。
随分と進み、扉を開けた瞬間、突然霧がかかった。
エスト「うわっ…前が全然見えない!」
ウィスパー「どうやら、霧だそうです!」
探索は困難だが、進むしかないだろう。と、その時!
「きゃーっ!」
どこかで女の子の声がした。
エスト「!?女の子の声したよね、今!」
ウィスパー「えぇ、しました!とにかくいきましょう!!」
エストたちはその声に辿りつこうとしたが、霧が邪魔で見えないため、結局注意深く歩いていくしかなかった。
そしてトラップも無く、ようやく扉を開いた瞬間、一見穏やかな景色が映っていた。だが、同時に目に映っていたものに驚愕する!
「だ、誰か…助けてぇ!!」
牛の頭をした魔物に襲われた少女が怯えながら足を引き摺っていた。少女は紫色の長いツインテールに、アイドルのような可愛い服を着ていた。少女の腕には黄緑色のネコを抱いていた。
こんな可愛い女の子を放っておくわけにはいかないと、エストが魔物に立ち塞がる。
エスト「やめろ!女の子に近づくな!!」
しかし、魔物は容赦なく斧を振り下ろす。エストは少女を抱えてなんとか避けるが、このままだと危ない。
凶暴な魔物に、エストはスターライトステッキを使おうとした。
エスト「よし、スターライトステッキで…ってあれ!?ない!!」
しかし、ライヴフォンにはストックしていたはずのグリモアチップが無い。いや、全てのグリモアチップが使えなくなっていた。
エスト「どういう…こと!?」
「エスト!!」
すると、ウルトラマンエックスが駆けつけてきた。
ゴースト「大丈夫?」
ゴーストもピンチに駆けつけ、エストのところへやって来た。
ウィスパー「お二人とも!エスト君がピンチになっているんです!!なんとかこいつを倒してください!!」
エックス「分かった!だが、レベル6のFOE、アステリオスは強い…」
エックスたちによると、レベル6は最大で、特にアステリオスという魔物は強いそうだ。
「だったら俺も戦っていいかな?」
すると、エストを追ったウィスパーたちを見たモビルスーツが突然現れた。
ゴースト「君は…!高等部1年のガンダムバルバトス!!」
バルバトス「悪かったね。でも、暇ばっかりは嫌だから」
と言って、バルバトスは自分より大きな打撃武器を手に取る。
しかしエストはグリモアチップが無くても戦えるが、やはり肉弾ではアステリオスの強靭な肉体には敵わず、まるで自分が一番弱いように感じた。
エックスは、エックスデバイザーという機械を手に取り、ゴモラのような絵が描かれたカードをかざすと、エックスは一瞬で鎧を纏った。
エックス「サイバーゴモラアーマー!!」
ゴーストは眼のようなアイテム、
眼魂をベルトに入れると、パーカーゴーストが現れ、着ていたパーカーが消し去り、そのパーカーゴーストはゴーストの体に纏った。
『カイガン!ムサシ!決闘!ズバット!超剣豪!!』
まるで侍のようなパーカーを着たゴーストはガンガンセイバーを二刀流モードに変え、戦う構えを取った。
ウィスパー「皆さんすごいじゃないですか!ほらエスト君も、なんでもいいからグリモアチップ出して下さい!!」
エスト「で、でも…」
「無理だよ。彼は星の魔力以外の力を失っている」
すると、黄緑のネコが突然しゃべった。だが驚くのはその外見だ。白い翼が生え、金色の輪っかが頭に浮かんでいる。まるで天使のようだ。
「だが、その星の魔力をどう使うか考えれば、キミは有利に戦える」
エスト「でも、どうやって?」
「星の意味を知るんだ」
エスト「星の…意味……」
エストは三人の戦いを見ると、相手は一人なのに斧を使ったカウンター攻撃で三人のヒーローを圧倒していた。
このままだと、三人はやられてしまい、少女の命が危ない。エストは四人を救いたいと思った。
エスト「僕は、四人が何だか知らないけど、救いたい!だって、四人にはちゃんと夢があるし、希望だってあるから!!」
そう叫んだ瞬間、ライヴスキャナーから白い光が放たれた。そして、白い光はひとつのグリモアチップとアルカナチップに変わる。
エスト「これは……」
「キミの新しい力だ。希望と夢を守りたいその想いが、結晶になったんだ」
エスト「誰か知らないけど、僕やってみる!!」
エストはまずアルカナチップをベルトにセットした。
『ゴッドレアチェンジ!エスト・プラチナフォルム!!』
エストはプラチナのような輝かしい銀色の鎧を纏い、美しい翼が生えた戦士に変わった。
エスト「超次元マイスターエスト、プラチナフォルム!!(って、勝手に言ってるんですけど僕〜!?)」
エックス「超次元マイスター…」
ゴースト「あれが、表世界の英雄…」
バルバトス「まぶしい…」
その美しさは伊達じゃない。宝石のように輝く鎧と翼は、ヒーローたちを看取れさせるものだ。
エストは新たなグリモアチップを使い、アステリオスに刃を向けた。
『ゴッドアタック!ルビースラッシュ!』
新たな姿と共に現れた武器、コズミックブレードにルビーのような赤い炎が纏われ、その刃で薙ぎ倒す。
ウィスパー「おぉ!すごいでうぃす!」
エックス「待て、エスト!奴の弱点は雷だ!」
エスト「分かった!」
エックスの攻略を理解すると、エストはまた新しいグリモアチップを手に取り、ベルトかざした。
『ゴッドアタック!トパーズマギ!』
金色の雷が放たれ、エックスと言う通り、アステリオスの弱点をついた。
ウィスパー「えーと、載ってますかね……あ、載ってませんでした」
「残念だがそのことは載っていないんだ」
ウィスパー「このままどうすればいいんでしょう…」
エスト「いくよ!!」
『ゴッドファイナル!HE-RO!エスト・プラチナフォルム!!』
エストはコズミックブレードにグリモアチップをセットすると、コズミックブレードに星のような光が纏われ、それを大きく振り下ろす。
エスト「輝け!希望の星よ!!プラチナスター・レボリューション!!」
輝く星の光の一撃が、アステリオスの体を貫いた。アステリオスは野太い悲鳴を上げ、消滅した。
エスト「ごめん、つい超次元マイスターって…」
エックス「いや、いいんだ。私たちは何よりも、正義の心を持った超次元マイスターがいると信じているから」
ゴースト「それより、問題はまだあるような…」
もう一つの問題は、少女とネコのことだ。エストはまだ名前を聞いていない。
エックス「…真中らぁら!?」
すると、エックスが少女に向けて真中らぁらと言った。
ゴースト「え、まさか真中さんが!?」
エスト「真中って…」
エックス「ああ、真中はVFD学園に今日転校した少女だ」
ウィスパー「でも、彼女は人間ですよね?」
バルバトス「うん。そうだよ」
エックス「つまり、彼女は唯一この世界にいる人間だ。しかし、どうして真中がここに…?」
すると、真中と言った少女は四人に謝ろうと近寄ってきた。
らぁら「あの、ごめんなさい!ついネコを追って…」
ウィスパー「ネコって、あの天使みたいなやつですか?」
「失礼だな、ウィスパー」
ウィスパー「うぃす!?なんで私の声を!?」
「それに、キミたちのことは既に知っている」
なぜかそのネコはウィスパー、そして五人のことも知っていたのだ。
そしてネコは五人に自分のことを話す。
「まだ名前は聞いてなかったね。ボクはトキニャン。亡霊ネコさ」
エスト「ぼ、亡霊!?」
ゴースト「亡霊なのに、なんで天使?」
エックス「しかも足がある…」
トキニャンと言ったネコは天使のようだがこう見えて一応亡霊である。しかも物凄いオーラを漂っている。
すると、エストは裏世界のことについて知りたいため、トキニャンに尋ねる。
エスト「ねぇトキニャン。ここ、裏世界って何なの?」
トキニャン「裏世界…そうか、キミはまだこのことを知らないんだね。ここは、ただの世界じゃないことは確かだ。
だが、ここを裏世界ではなく、セブンスワールドと言ってくれたまえ」
エスト「セブンス…ワールド?」
裏世界へ入ったエストはエックス、ゴースト、バルバトス、らぁら、そしてトキニャンと出会い、さらに新たな力を手にいれた。
ここからエストたちの運命の物語が、今始まる!!
登場人物紹介
超次元マイスターエスト
性別は男。6月29日生まれの蟹座でB型。
明るく天然でドジだが希望と夢を守りたい気持ちは人一倍で、心優しい性格。
突然裏世界へ入ってしまい、新たな仲間たちと出会う。
好きなものはスイーツと家事。嫌いなものは気持ち悪いもの
ウルトラマンエックス
性別は男。8月26日生まれの乙女座でA型。
礼儀正しく、真面目でお人好しなVFD学園高等部三年。
エストのような正義と心を持った超次元マイスターを探していた。
好きなものはハンバーグと生徒たち。嫌いなものはフルフル
仮面ライダーゴースト
性別は男。10月4日生まれの天秤座でAB型。
エックスの親友でVFD学園高等部二年で、明るく呑気だが命を何よりも大切する。
運動神経と霊感は高いが、勉強は苦手でよく校則をやぶっている。
好きなものはおにぎりとお好み焼き。嫌いなものは数学のテスト
ガンダムバルバトス
性別は男。8月11生まれの獅子座でB型。
VFD学園高等部一年だが問題児であり、おおらかで毒舌なガンダム族の少年。
偶然ついて来たが、そこでも毒舌パワーが全開するのだろうか。
好きなものはシチュー。嫌いなものは勉強全て
真中らぁら
性別は女。11月20日生まれの蠍座でO型。
明るくテンションの高い女の子でVFD学園の転校生。
歌うことが好きだが、実は謎の力を隠しているらしい…
好きなものは駄菓子とピザ。嫌いなものは喧嘩