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俺の片目は戦争兵器
女とはなんなんだ?
(オリジナル)
 確か、ここで待ってるはずだけどな、いた。     
 まずはバイトのことについてちょっと。     
 「菊、遅いわよ男は女とのデートの時、一時間は早く来るのが常識でしょうが」
 今バイト済んだばっかなんだよ。      
 「なぁ明夏、俺を騙したな」        
 明夏は、しらばっくれた顔をしている。       
 「何いってるのよあんたが人の話をきちんと聞かないからでしょうが」   
 「どういう意味だ、それ?」       
 明夏はあきれたような顔をして話し始めた。      
 「私はちゃんとウエイトレスって言いました」     
 は? なんのことだ。さっぱり思い出せん。      
 「いつも菊は金が絡むと人の話を聞かなくなるからなぁ」     
 「言っておくけど俺、金持ってねぇから」      
 明夏はキョトンとした顔になってしまった。      
 やっぱり、俺って駄目な男?        
 「まぁいいわ貯金も少なくて節約生活してるのは知ってたから」       
 びっくりさせんなよ。      
 「まぁ行きましょうか」     
 「ずいぶんと機嫌良いなお前、良いことでもあったのか」
 「そんなことないけど・・・・・・こうやって菊と二人で買い物するのが久しぶりで」
 俺も何か懐かしい感じしてきたぞ。      
 「買い物と言ってもそこまで欲しいものはないけどね」      
 「じゃあ、なんで買い物なんてするんだ」      
 俺が聞いても明夏は何も答えなかった。      
 街の店にも明かりがつき始めていた。      
 「なぁ、これってデートじゃね」      
 「何言ってるのよ、あんた馬鹿なの?」      
 俺って馬鹿なのか? これでも学年では十位以内に入るけどなぁ。
 「それにしてもなんで私は突然、菊と一緒に買い物したいと思ったんだろ」
 俺が知るよしもない。自問自答か?       
 「無理に私に付き合わなくても帰りたいなら帰っていいのよ」
 「なんで帰らなきゃいけないんだよ、幼馴染みがせっかく誘ってくれたのに」
 突然、明夏の足が止まった。       
 明夏は下を向いたまま動かない。何があったのか理解できない。    
 明夏はぶつぶつ何か独り言を言っている。     
 明夏は、突然振り向いた。           
 そして、黒板に光のくずを散りばめたような空を見上げた。     
 そして、視線を元に戻した。       
 そして、視線を反らす。何がしたいのか説明しろ。      
 「私って・・・・・・」     
 「なんだよ」          
 明夏は、少しはにかむ。     
 「可愛いのかな?」       
 突然、何を聞いてくる? なんて言えば良いのか分からん。     
 よし、こんなときは。      
 「可愛いよ、明夏は。友達に自慢できるくらい可愛いよ」    
 俺は明夏の強烈なビンタをまともにくらった。何でだ?     
 明夏はそのまま、走っていってしまった。本当に女って理解できない。
 俺は追いかけるのをやめた、というか明夏は足が速いのでちょっと厳しい。
 俺はビンタされたところ擦りながら家路についた。     
 「何やってんだろ俺」      
 俺は誰かからの視線を感じた。が気のせいだろうと思い気にしなかった。
 この右目が災いを呼んでいるのか? そんなことも考えた。     
 「考えても仕方ないよな」      
 俺は開き直る。         
 明日からは新学期だ。入学式だ。      
 俺の新生活? が始まるのかな。
作者: 青木 (ID:********)
投稿日:2016/02/18(木) 17:52
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