「ミサト……本気で引き摺り下ろして良いかしら?」
「リ、リツコ〜〜ゴミン……」

弐号機の引き取りに新横須賀まで来た二人は態々UN軍の重鎮が乗り込んできたとリンに言われて焦る。
リツコはミサトの遅刻に流石に不味いと思ったのか、自分から足を運んで詫びていた。

「この度は本当に申し訳ありませんでした」

深々と頭を下げるリツコ。弐号機の方は整備班に指示を出しているから心配する事はない。
そう……問題は自分の友人で作戦部長のミスである。

「いや、構わんよ。
 ネルフの傲慢さは今に始まった事ではないし、私は戦自のファントムを見たくて来たのだ。
 使徒のおかげでエヴァの戦闘も見れたので比較対照としては十分助かっておる」
「どういう意味よ?」

ミサトにすれば、"このオッサン、何言ってんのよ!"だろうが、

「ミサト、口の聞き方に気をつけなさい。
 あなたはUN軍でなら尉官でこちらは将官なのよ……少しは階級差を弁えて」

三つ以上は上の位の人物にタメ口叩くなとリツコは嗜める。
目の前の人物は本来は雲の上にいる存在なのだ。ネルフではミサトが戦闘時のトップでも日常では違うと自覚しろと言う。

「気にせんで良い……あの男の部下らしい。不遜で傲慢な所は上司とそっくりだな」
「重ね重ね……申し訳ありません」
「君のせいではない。常識を弁えない者が悪いのだ」

再び深々と頭を下げるリツコ。隣のミサトは不満そうに見ている。
丁度迎えの車が来たのでアルバートは車に乗り込む。

「ああ、そうだ。加持という人物が荷物をそちらに運んだから注意するように」
「分かりました。わざわざ教えていただいて感謝します」

荷物の意味が分かったリツコは礼を言って、アルバートを見送った。

「荷物って何よ?」
「さあ、大体の予想は付くけど確かめてみないと確証は付かないわね」
「ホントは知っているんじゃないの?」

含むような言い方のリツコを不審そうにミサトは見ている。

「加持君に聞いたら?」
「ゲッ! 何であいつに聞かなきゃなんないのよ」
「多分、こっちへの配置換えになるからいつでも聞けるわよ」
「冗談でしょ!?」

嫌そうな顔でミサトはリツコ話しているとサングラスを掛けた二人の人物がリツコに話しかける。
両方とも二十代で男性の方は背は180センチくらいだが線が細く見えるが隙はなさそうに見え、女性の方は170センチくらいで鍛えられた鋼のような芯の強 さがあるように見える。

「こんにちわ、赤木リツコさん。
 弐号機の荷物の件でお話があるんですけど……よろしいですか?」

隣で加持の事で頭を抱えているミサトを一瞥して尋ねてくる。

「ミサト、悪いけど弐号機の荷物の事で話があるからアスカとリンを任せるわよ」
「いいわよ。そのくらいはするわ」
「いいですね。遅刻しても注意だけで責任を取らなくていい組織で」

二人のうち、金髪の女性が軽いジャブを入れるように皮肉を告げる。

「フン、先に行くわね」

ミサトとしては同じミスを何度も言われるのが嫌なので踵を返して歩いて行く。

「変わりませんね……自分勝手なところは」
「あんなのが作戦部長か……ダメね、生理的に合わないから殺しそうで」
「だろうね。君は誇り高い本当の戦士だし、口先だけの身勝手な人物は嫌いだから」
「当然でしょ。本音を隠して人を都合の良いように扱う人なんてゴメンだわ。
 おっと……友人の事を酷く言って悪いわね」

リツコが目の前にいたので一応謝罪する。

「いえ、この頃はどうも付き合えきれなくなっていますから」

何て言うか、ミサトの身勝手さが鼻に付き始めているからどうでも良い感じのリツコだった。

「アダムですけどフェイクとすり替えましたので、もう一つのサードインパクトはもう起きません」
「後は量産機が起す方を止めれば、当面は大丈夫と思うわ」
「当面ですか?」
「そ、失敗する分かっていても、してみたくなる人もいるでしょう。
 尤も莫大な予算が掛かるから嫌でも気付かれるけど」
「確かにそうですね」
「ファントムはインパクトを起こせるような造りじゃないしね。
 もうしばらく、あの子の事をお願いします。この人が甘やかした所為で甘えん坊になってますから」
「そうかなぁ。結構しっかりしていると思うけど」
「どこがよ。散々あなたに甘えていたじゃない」
「久しぶりだからじゃないの?」
「絶対、違うわよ。本当にあの子も含めて家族には甘いんだから」

疲れた様子で話す女性にリツコは苦笑していた。どうもリンの甘えん坊なところはシンジの溺愛のせいだと理解した。

「……一応、叱る時はきちんと叱っているじゃないか」
「それでも甘いから困るのよ」
「あの世界で初めて生まれた小さな命なんだよ……あの子が生まれた瞬間は今でも忘れないよ。
 無垢なる小さな命を抱き上げた時は……とても愛しく感じたんだ。
 やっと生きてきて、本当に嬉しいと心の底から感じたんだよ」
「……ごめん。あなたは家族の温もりを殆んど得られなかったから……」

真摯にあの瞬間の自分の気持ちを正直に告げるにシンジに女性は謝る。

「結果オーライだから気にしないで。君に出会うまでの苦労と思えば、まあ我慢できるし」
「そういう恥ずかしい事は二人の時だけにしてよね」

満更でもない顔で文句を告げる女性にリツコはなんで夫婦のイチャつく姿を見なければならないのかと思う。

(独り身になったから困るのよね……こういうのを見ると)

男は懲りたが人肌が恋しく思うときもある。目の前のシンジは誠実な男性だから余計に困るのだ。

(ホント、私って男運ないのね……無様だわ)

「ほ、ほら、リツコさんが居るんだから……また後でね」
「すいません。変なとこを見せてしまって」
「い、いえ、気にしてませんから。
 アダムですけどフェイクって気付かれませんか?」

話題を変えようと思う。変にしんみりしたのでお互いに気まずいのだ。

「その点は大丈夫。アダムの波動は出しているから使徒は今までどおり目指すわ」
「ええ、僕の方はアダムであってアダムじゃないし、ジャミングを掛けていますから」
「それとこれを渡しておくわ。マゴロク・E・ソードの金属部分の鋳造技術だから上手く使いなさい」
「よろしいんですか?」
「あの子、剣が得意だから万が一の時にないと困ると思うから」
「そうだね。備えは必要だしね」

刀剣類の扱いが得意なリンにとって今の状態は不利なので二人が手を貸すらしい。
実際にソード関係は鋳造技術の問題で凍結だったから、これで生産に移れる事はありがたいとリツコは思う。
CD−ROMをリツコに手渡すと二人は迎えの車が来たのでリツコに別れの挨拶をして乗り込む。

「条件次第ではイレギュラーの使徒が復活する可能性もあります。
 その点だけは留意して下さい」
「イレギュラーですか?」

確かに前回も一体だけ番外扱いで倒した存在がいた。
今回も現れる可能性があると言われて気を引き締めようと思う。

「万が一の時はこちらで処理しますので」
「ファントムで?」
「いえ、記述では記憶を読むタイプです。
 人なら記憶喪失になりますが、リンは記憶を読まれる程度で済みますがリンの記憶を見た場合は僕の複製品が出るかも」
「そ、それは……不味いんじゃ」

シンジの戦闘力は桁が違うとリンから聞いている。完全にコピーできなくてもかなりの強敵になりかねないと思う。

「能力や力がそっくりそのままになるとは思いませんが、レイやアスカじゃ間違いなく瞬殺されます」
「そうね。あなたは頂点に立つ存在だから」
「望んだわけじゃないけどね」

苦笑してシンジは話す。
自分の欲しかったものは人の温もりだったが、それが手に入ったのはヒトをやめてからというのは皮肉だと思う。

「その時は僕が出ますので適当に見ていて下さい。
 僕個人としても家族が増えるのは嬉しい事ですから」
「また増えるというのは頭が痛いのよね。みんな、あなたに夢中だから」
「僕が異性として一番愛しているのは君なんだけどね」
「分かっていても……嫉妬するのが女なの。
 それじゃあ、気を付けてね」
「それでは万が一に備えて、これ活用させてもらいます」
「ええ、上手く使って」

そこで二人の乗った車が発進する。二人は後部座席からリツコに手を振っていた。

「ご褒美って訳じゃないけど……助かるわね」

リツコは手に持ったディスクを見つめてエヴァの武装の拡張に感謝しつつ、非常時の対策を考えようと思う。

「あっ! 名前を聞きそびれた……迂闊だったわ。
 新しい鋳造技術が手に入ったから、浮かれてたのかしら?」

シンジの妻になった女性に名を聞くのを忘れていたと気付いたのはそれから五分後だった。


RETURN to ANGEL
EPISODE:11 リンとアスカ
著 EFF


暗い司令室で加持はトランクの中身をゲンドウに見せる。

「波乱に満ちた船旅でした。やっぱりこれのせいですかね」

トランクの中は透明な樹脂のようなもので固められた胎児のようなものがいた。

「ここまで復元されています。現在は特殊ペークライトで固められていますが……生きています」

ゲンドウは加持の言葉など聞いていないように胎児なようなものを見つめている。

「これが補完計画の要ですね」
「ああ、これが最初の人類アダムだ」

加持の言葉にようやくゲンドウが反応して呟くが、それ以上は何も言わないので加持は肩を竦めると退室した。
退室して加持は荷物の正体を言い当てた人物の報告をするべきだったかと思うが……やめた。
もしその人物に接触できれば、セカンドインパクトの真相から自分が追い求めていた真実に辿り着ける可能性もある。
一筋縄では行かないゲンドウとは別の手段で情報が得られると思うと絶好の好機だと判断したのだ。
"好奇心、猫を殺す"という諺など全然信じていない加持ならではの考えだった。
それが自殺行為になるとはこの時点では気付いていない。加持が相手にしようとしているのは世界で五指に入ると思われる巨大な戦闘力を有する存在だったか ら。


2−Aの教室では男子生徒がソワソワと落ち着きがなく、朝のホームルームを待っている。
転校生の女子が来るという情報をケンスケが得て、みんなに話したせいである。

「男子! 浮かれるのもいい加減にしなさい!」

浮き足立つ男子に注意するクラス委員長のヒカリの声も届かない。女子はそんな男子を呆れた様子で見ている。
レイとリンはそんなクラスの状況など無視して二人だけで会話していた。

「今日は確か彼女が来るのね」
「ええ、あんまり好きになれないけどね」
「何故?」
「お父さんの事をバカシンジって言うから。お父さんは気にしてないって言うけど……大事な家族をバカにされるとね」
「お父さんが好きなの?」
「うん、厳しい時は滅多にないけど……頭ごなしに叱らずに考えさせるように注意するの。
 何が悪いのかは自分で判断させて諭すように叱る。ママは拳骨一発で黙らせて反省させるけどね。
 どうも、うちって男女が逆なのかなって思う時がある」
「逆なの?」

夫婦関係など全然分からないレイはリンに聞いてみたくなり尋ねる。

「お父さんってマメでね、家事の一切を自分でするのよ。ママも出来るけどお父さんの方が上手なの」
「そうなの?」
「お父さんがママ役で、ママがお父さん役って逆の配置になっているみたい。
 二人っきりの時はちょっと判んないけど」
「碇君は優しいから」

自分の記憶の中にあるシンジは優しい人物だったから、そのままのままで今もいるとレイは話す。

「う〜ん、どうだろう。お父さんは人が好きじゃないみたい……何ていうか、どうでも良いみたい」
「そう……酷い事されたから?」
「多分ね、お父さんはあまり言いたくなさそうだし……ママは全部聞いたけど教えてくれない。
 ただ無理に聞くのは止めなさいって言われた。人の忘れたい記憶に触れるのはやって良い事じゃないって」
「……そう」
「ゴメン、レイのせいじゃないから気にしないでね」

変な方向に進んだと思ったリンはレイに謝る。レイの責任じゃないと言ってはいるが、どうもレイは気にしているみたいだ。
レイはシンジに希望を見出して全てを委ねたが……結果的にシンジを苦しめただけと思っているのかもしれない。

「私はレイに感謝してるよ」
「えっ?」
「レイのおかげで私は生まれたから……感謝している」
「あ、ありがとう」

リンが微笑んで話すとレイは泣きそうな顔で言う。どこか心の負担が軽くなった様子だった。
そんな時、教室の扉が開いて担任の先生が噂の転校生を伴って入ってくる。
転校生は黒板に筆記体で流麗な名前を書くと名乗る。

「惣流・アスカ・ラングレーです」

紅茶色の髪と青い瞳の美人の転校生に男子生徒は完全に浮かれていた。

「それでは席は洞木さんの隣に座って下さい。
 彼女はクラス委員でもありますから、分からない時は聞いて下さい……洞木さん」
「は、はい。この席です」

ヒカリは手を上げて、アスカの席を教える。

「よろしくね」
「委員長の洞木ヒカリです。惣流さん」
「アスカって呼んでくれていいわよ。アタシもヒカリって呼ぶから」
「こちらこそ、よろしく」

この辺は同じかと思いながら、教室の一点をアスカは見ていた。

(赤木リン……サードダッシュって何よ。
 シンジがいないとなるとミサトのところに下宿はダメね。当面は官舎住まいか……)
「アスカさん……どうかしたの?」
「アスカでいいわよ。ちょっと知り合いがいてね」
「赤木さん達と知り合いなの?」

アスカの見つめる先にいる人物はリンとレイの二人だったから少し驚いている。

「まあね。あの二人、何かしたの?」
「悪い人達じゃないけど……少しクラスで浮いているから」
「そうなの?」

レイはともかく、リンも浮いていると言われて不思議に思う。
レイは口数が少なく、何を考えているか良く分からない部分が多かった。
リンとはコミュニケーションが取れていたから、クラスで浮くようには見えなかったので不思議に思いながら授業を聞いていた。
授業が終わるとクラスのみんなが質問しようとアスカの席に向かうがアスカは立ち上がって二人の元に向かう。

「グーテンモルゲン、二人とも」
「ここは日本よ、挨拶はおはようにしなさい」
「久しぶりね、セカンド」
「ア、アンタも……なの?」

思わず"還ってきたの"と言いかけて誤魔化す。

「ええ、そうよ」
「これ、あげるわ。どうせ購買に行くつもりなんでしょう」
「あ、ありがと」

放り投げるようにアスカにお弁当箱を渡す。訝しげに弁当箱を見るアスカにリンは告げる。

「毒を盛るような……食材に失礼な事はしないわ」
「そんな事言わないわよ……アタシの事嫌いじゃないの?」
「嫌いよ……家族をバカ呼ばわりされて、あなたは許せるような人間なのかしら」
「そうね、確かに悪い事を言ったわね。悪かったわ」
「必要なら作ってあげるわ。二人も三人も変わらないから」
「ダンケ、詳しい事を聞きたいけど……時間ある?」
「その前に携帯見せて」

差し出すリンの手に不思議そうに携帯を渡す。受け取ったリンはすぐにアスカに返す。

「発信機は付いてるけど、盗聴器はないわね。冬月が手を回したと見るべきか……」
「何よ、それ?」
「私達の会話を盗聴しているのよ」
「どういう事よ、ファースト」
「レイと呼んで、私は番号で呼ばれたくない」

叫ぶようにレイに問うアスカにレイは自己主張するとアスカは驚いていた。

「随分変わったのね、アンタ」
「そうね、レイは人形じゃないから」
「私は人間だから、番号で呼ばれたくはないわ」
「じゃあ、レイでいいわね。そのかわり、アンタもアスカって呼ぶのよ」
「ええ、わかったわ」

レイの呼び方が決まった事でリンがアスカにはっきりと告げる。

「一つ言っておくわ、アスカ。今、ネルフで信用できるのはリツコお姉ちゃんだけよ。
 残念だけど、加持っていう男は敵側の人だから適当に付き合いなさい」
「なんでよ!?」

加持の事を悪く言われて憤慨するアスカ。
昔ほどではないが、加持とは仲良くしたいと考えていたアスカにとって、それは黙っていられない事なのだ。

「あの人は弐号機のコアに誰がいるか知っていて黙っているのよ。
 自分の目的を叶える為に誰かを犠牲にしながら今を生きているわ」
「そ、そんな……」
「あの人が何を運んでいたか、知っているの?」
「アタシの護衛じゃないの?」
「それはカモフラージュで本当は荷物の運搬が最優先事項よ。
 もうすぐ、チャイムが鳴るから……続きはお昼にでも」
「……分かったわ。相当重い話になりそうね」
「そうでもないわよ。サードインパクトを防ぐだけだから」

明日の天気は晴れと言うような気楽なリンの言いように呆気に取られるアスカ。

「相田、隠し撮りする気なら本気で……射殺するわよ」
「し、しないよ!(な、何でばれたんだ!?)」
「ったく……参号機に乗せて始末しようかな」
(こ、こいつ、アタシより過激なんじゃ)

相変わらずカメラバカのケンスケに呆れると同時にシンジの娘にしては過激過ぎないかと思うアスカだった。
クラスメイトは一向に反省しないケンスケに呆れた視線を向けながら、この転校生の少女がリンの知り合いと聞いて……また変わり者ではないかと心配してい た。


「で、アンタは何者なの?」
「本名は碇リン。
 これも仮だけど……とりあえずサードインパクト後に生き残った碇シンジとママから生まれたものよ」
「……アンタのママって誰よ?」
「今は言えない。とりあえず二人じゃないから安心して」

昼休み、校舎裏で三人はお弁当を食べながら話をしている。

「他にも生き残ったの?」
「アスカはお父さんを拒絶して、赤い海に帰ったから後の事は知らないもんね。
 でも、拒絶しなければどうなったと思う?」
「そ、それは……(もしかして夫婦になっていたと言うの……まあ悪い奴じゃないし。う〜ん、どうなんだろ?)」

実際、シンジとそういう関係になると想像すると良く分からなくなる。
シンジは悪い奴ではないと思うが……その先をイメージできない。

(偶々、近くに居ただけなのか……う〜ん、分かんなくなってきた)
「もしかしてお父さんと恋人同士になりたいの?」
「え、えっと……良く分かんないのよ。仲良くなりたい気もするし……恋人となると……複雑ね」
「アスカ、素直になれないから……絶対に上手く行かないと思う。
 お父さんってはっきりと口にしないと気付かない人だよ。態度で判断しろなんて、高度な技は使えないんだよ」
「……アンタ、よく知っているわね」

自分の事もそうだが、シンジの娘というだけの事はあると思う。確かにシンジはそういう鈍い面があった。

「だってお母さんが言うには"愛してる"って言えない人じゃダメだって。
 心の機微ってものが欠如しているって話してた」
「……アンタのママは告白したの?」
「その辺は絶対に話さないの。お父さんから聞こうとしても笑って誤魔化すし」
「何があったのかしら?」
「ぜひ聞いてみたいわね」
「やめた方がいいよ。以前、お父さんにお強請りしながら聞こうとしたら……一昼夜の戦いになった。
 あの時ほど心底、死が身近に感じられた事はなかった」
「アンタのママって……とんでもないわね」
「そうね」

ため息吐いて、その時の事を嫌そうに話すリンにアスカとレイは呆れて聞いていた。

「信じられないくらい強いから困るよ。多分、もうすぐ実力を見る事になると思うけど」
「何よ、それ?」
「お父さん達、サードインパクトの阻止で裏から色々しているからその成果を見る事になると思う」
「ファントムもその一つ?」
「ファントム?」

聞き慣れない単語がレイから出たのでアスカが尋ねる。

「エヴァと同程度の戦闘力を持つ戦自の機動兵器……ゼーレとヒゲに対する嫌がらせ」
「ゼーレって何?」
「人類補完委員会を隠れ蓑にしてサードインパクトを目論む秘密結社でネルフの上位組織。
 前回は量産機を指揮してサードインパクトを実行した、妄執で世界を壊した老人達」
「……あの白い奴ね」

自分の弐号機の身体を喰らったいけ好かない機体の事を思い出して怒り心頭するアスカ。

「今度はギッタギタにしてやるから!」
「どうやって……活動限界五分の弐号機とS2機関搭載の活動時間無限で強力な再生力を持つ量産機で勝てるの?」
「うっ! 痛いとこ突くわね」
「ちなみに私の初号機は活動限界なしよ。裏技使ったから」
「もしかして……もう食べたの?」

前回は第十四使徒戦だった。詳しい事は知らないが初号機が使徒を喰らったという事だけは知っている。

「何で凍結されていないのよ」
「ばれないように誤魔化したから」
「第三使徒戦で食べたの?」
「そうよ。お父さんがATフィールドの結界を展開して観測出来ないように暴走という形で取り込んだ」
「じゃあ、シンジはコアの中に居るのね」
「ううん、初号機は私の分身にしたからコアの中には誰も居ない」
「何で取り込まれないのよ?」

アスカの疑問は当然とも言える。コアの中に家族の誰かを封じ込める事でエヴァは動く筈だと理解したのに初号機は動くと言うのだ。

「だって私、使徒だもん」
「はあ……何ですって―――っ!?」

信じられない事を言われて思わず叫んでしまう。レイとリンは耳を押さえて顔を顰めていた。

「アスカ、煩い」
「何、驚いてんのよ。アスカだって第十八使徒リリンじゃない」
「ア、アタシが使徒―――っ!?」

更にとんでもない事を言われてパニック気味になるアスカ。

「アタシは人間よ! 使徒じゃないわよ!!」
「だから、人類の別称がリリンなの!」

パニック状態のアスカを一喝するようにリンも大声で告げる。

「そ、そうなの?」
「そうよ。人類と使徒の遺伝子配列は99.89%まで類似してるの。チンパンジーだってそこまで近くないのよ」
「う、嘘?」
「構成素材の違いはあるけど、これは生命の実があるか、ないかの違いかもね」
「生命の実って何よ?」
「S2機関の事よ。実際、アスカは知らないけど第十七使徒タブリスは人間サイズの使徒なんだから」
「レ、レイ、そうなの?」
「事実よ。タブリスはフィフスチルドレンとして来たわ」
「な、何、それ?」

同じチルドレンが使徒なんて信じられないとアスカは思う。

「お父さんと仲良くなったんだけど……使徒の使命を優先せずに死ぬ事を選択してお父さんに握り潰させたの」
「ちょ、ちょっと待ってよ。そんな事シンジがしたの?」

シンジが人と同じ姿の存在を握り潰したなら、相当傷付いていないかと思う。

「アイツにそんな事出来るわけ……」
「しなけりゃ世界が滅ぶだよ。お父さん、それで心がボロボロになった」
「それであの時……居なかったのね」

最終決戦の時にシンジがいなかった理由の一端は分かった。そんな事があったらシンジは戦う事を拒絶するはずだ。

「チルドレンの心を壊すのもネルフの仕事だからね。アスカがエヴァに拘るように思考操作した。
 アスカのお母さんが首を吊ったのも仕組まれたもの……死の恐怖というトラウマを植え付けるのが目的。
 実際、エヴァに拘ってアスカは自滅したわね」

あの時の光景を思い出して目が眩む。大好きだったママが首を吊った瞬間は今でも心に重く圧し掛かる。

「何でそんな事をするのよ!」
「人類補完計画。欠けた心を他の人の心で補完する……くだらない幻想。
 アンチATフィールドで人の心を触れ合わせて補完するというのが建前だけど、
 実際は人類を群体から単体の使徒にして、その頂点に立って世界を支配するというのがゼーレの目的」
「随分……ふざけた話ね」
「実際はアンチATフィールドの出力調整も出来ずに全生命体をLCLに還元する集団自殺になったけどね」
「じゃあ、あの赤い海は人類の成れの果て?」
「正解。それだけなら良かったんだけど同時に二つのインパクトが発生したからややこしくなった」

ため息をつくリンと項垂れるレイにアスカは続きを要求する。

「それで、もう一つのインパクトって?」
「アダムとリリスの融合っていう禁断のインパクト」
「なんで禁断なの?」
「その辺は私は知らない。ただアダムもリリスも他の使徒とは意味合いが違うの。
 アダムは最初の人類に雛形で全ての使徒の原型、リリスがアダムを基に群体へと創造したらしいけど誰も覚えていない」
「詳しい事は不明なんだ。それで」
「アダムはセカンドインパクトで自我のない未成熟な状態に還元されて、リリスも不完全なまま目覚めた」
「……ごめんなさい」
「レイのせいじゃないわ」

涙を浮かべて謝るレイの頭を抱えながら、リンは話を続ける。

「寄代にさせられたお父さんは両方のインパクトの中心に配置されてアダムとリリスの融合した力を強制的に組み込まれた。
 ゼーレの儀式は完全な単体としての人類の創造。二つの結果、お父さん……人じゃなくなった」
「ちょっと……それって?」
「アダムであり、リリスでもあり、完全なるリリンでもあるの。
 アスカが消えた後、千年の孤独の中で人が赤い海から帰ってくるのを待っていた」
「…………」

絶句するしかなかった。一人で生きると話していたがそんな状況下で生存できるかと問われると無理としか……言えない。

「言っておくけど。お父さんはレイやアスカが知っているお父さんじゃないから。
 普段は前とそう変わらないけど……多分、喧嘩売ったら手加減しないで叩き潰すと思う」
「どういう事?」
「お父さんが守りたいのは家族だけなの……他人を守る気はない。
 そしてレイもアスカもどうでもいい存在なの。邪魔だと判断したら容赦なんてしない、敵として滅ぼすわ」

リンの言葉には冗談とか、からかうという意味は一遍の欠片もなかった。

「はん、シンジ如きに負ける気はしないわよ」

負けん気のあるアスカは強がりを言うが、

「言った筈よ……お父さんは以前とは違うって。全ての使徒が総掛かりで戦いを挑んでも傷一つ付かないわ。
 その気になれば地球すら簡単に破壊出来るだけの力を備えているのよ」
「な、なんなのよ! そんなのあり!?」
「アダム、リリス、リリンの知恵の実、量産機のS2機関……生命の実を無理矢理一つの体に組み込まれたの。
 内包するエネルギーは正直、お父さん自身も把握できない程ある。
 お父さんがあまり力を使わないのは万が一暴走したら、セカンドインパクトの比じゃない事態になりかねないから動かない」
「そんなにやばいの?」
「セカンドインパクトはアダム一体で発生した。アダム以上の力を内包するものがその力を解放して無事で済むと思うの」

頭が痛くなる話だと思う。まさか、かつての戦友がそんなやばい存在に変わっていた等とは思わなかった。

「私や家族のみんなはディラックの海に避難してやり過ごす事も出来るけどレイやアスカはそんな器用な事は出来ない」
「ディラックの海って……虚数空間のあれね」

以前、初号機が飲み込まれた影を思い出して苦々しい表情のアスカだった。

「ところで家族ってアンタのママ?」
「他にもいるよ。赤い海の世界で新生した使徒が私のお姉ちゃん達」
「そ、そうなの?」

またとんでもない事を聞いたとアスカは思う。

「そう、人類は誰一人還って来なかったから……お父さんがアダムに還る筈だったみんなを新しい存在として新生させたの」
「ホントにシンジ……人じゃなくなったんだ」

シンジの変容が事実だと感じてしまうと寂しい気持ちになってしまう。

「アイツだけがアタシをきちんと見てくれたんだ……でも、もうそんなシンジは居ないんだ」

自分はシンジにとってどうでもいい存在に変わったと思うと辛くなる。

「今度は間違えないで……人に縋る事は悪い事じゃないの。
 誰も一人じゃ生きられないの……本当に誰かに愛されたいなら、相手の事を見てあげてね」
「…………失ってから気付くなんてバカよね。
 アタシはシンジの事、嫌いじゃなかったのに……素直になれなかったから失ったなんて」
「もう一度、友人として向き合えるかはアスカ次第だけど精神年齢は完全に離れているから気を付けてね」

ハンカチを差し出して、そいつは苦笑して話す。気が付くとアタシは……泣いていた。

(加持さんは大人への憧れで……シンジがもしかして……初恋なら……終わっちゃたんだ。
 なんでだろう……失ってから気付いて……泣くなんて…………)

おずおずと差し出されたハンカチを取って涙を拭く。

「一応、ママが居るから不倫されると世界が崩壊しかねないから……」
「そ、そんな事しないわよ」
「なら、いいけど。お父さんを狙っている人多いから大変なのよ。
 お父さんはママを愛しているから大丈夫だと思うけど……流され易いからママもやきもきしているから」
「どういう事?」
「お姉ちゃん達全員お父さんが好きなの……まあ、お母さんも好きだからホンのちょっと借りたいっていうとこかな」
「……あんたのママも苦労してんのね」

レイの質問に苦笑して答えるそいつのママにちょっと同情する。

「いいのよ。お父さんをいつも独り占めするから幾らでも苦労すれば良いの」
「……アンタ、もしかしてファザコン?」
「いいじゃない! お父さんは優しくて温かいんだよ……甘えさせてよね!」

真っ赤な顔で反論するそいつに親近感を感じる。拗ねていると思う……ここだと甘えられないから拗ねているのだ。

「ママなんて厳しくて鉄拳制裁がデフォなんだよ。
 絶対、いつかギャフンと言わすんだから!」
「勝てるの?」
「うっ!……痛いとこ突くわね、レイお姉ちゃんも」
「レ、レイお姉ちゃん?」

また変な事を言うから途惑う。レイをお姉ちゃんと言うとはどういう事かと思う。

「だって、レイ叔母さんなんて失礼でしょう。
 レイとお父さんって異父兄妹なんだよ」
「アンタ、シンジと血縁があったの?」
「ええ、私はリリスと碇君のお母さんの碇ユイの遺伝子から生まれたから」
「じゃあ……もしかして使徒とのハーフ?」
「そうよ。そして、あなたも使徒よ」

唸るしかなかった。敵だと思っていた使徒が人類の同胞に近い存在だと本当に実感してしまった。

「で、これからどうすんのよ」
「サードインパクトの阻止かな。アダムとリリスはお父さんが回収して、フェイクにしたから安心だけどね」
「量産機ね」
「それも大丈夫だと思う。問題はアスカとレイの安全をどうするか」
「なんでよ?」
「量産機はみんなが何とか出来るから」
「出来るんだ」
「うん、新しい身体を作っているから九機の量産機じゃあ相手にならない」
「でも、あの剣みたいな槍はやばいわよ」
「大丈夫、あれは私達には通用しない。ロンギヌスの槍は旧きものにしか効果はないから」

本気で敵に回すとやばいとアスカは思う。

「特にママとゼル姉さんはやる気満々だから相手の方が可哀そうかも」
「敵に同情するなんて……そんなに強いの?」
「アスカも勝てなさそうだし……この前はかすりもしなかったし」
「この前って……あ、あの女がアンタのママなの!?」

オーバーザレインボーで軽くあしらわれた女性がシンジの妻と聞いてちょっと腹が立つ。

「もうちょっと歯応えがないとつまんないって」
「……言ってくれるわね。確かにアタシの攻撃を簡単に避けたのは認めるけど」
「お父さんを除けば、使徒の中では一番か、二番だよ。
 技の多才さでは全使徒中ダントツでトップ……私だって正面から戦えば危ないもん」
「そうなの?」
「レイお姉ちゃんには話したけど……ジェノサイドウォールは半端じゃなく痛くて足止めされるの。
 そして、その後に追撃で更にやばい技出すから弐号機なら、その二撃でスクラップになる。
 私の初号機でも全力で動かしてもダメかも」
「もしかして……十四よりも強いの?」

以前、完全な敗北を喫した使徒以上なのかと聞いてみる。

「あの旧形態なら三分で撃破出来る。S2機関搭載のエヴァでも十分あれば全機撃破出来ると思う」
「どうやって破壊するのよ。あれってかなりしぶといわよ」
「弱点はコアとエントリープラグのどっちかを破壊すれば沈黙するよ」
「そ、そんな弱点があったんだ」

潰しても潰しても壊れないからかなりの難敵かと思っていたが、そんな盲点があったとは気付かなかった。

「アスカってさ。対人戦の訓練しかしてないから、どうしても対人戦のつもりで戦っていない?」
「……確かにそうかもね。ドイツじゃそういう訓練が中心だったし」
「使徒に人の常識を求めているなんてダメダメよ」
「そうね。人型なんて数えるほどしかいなかった」

レイの指摘にアスカは自分がチルドレンに選ばれて、今までやってきた訓練は無駄だと考えると渋面になっていく。

「対人戦ではそれなりに役に立つから無駄じゃないけど……使徒戦じゃねえ」
「……言ってくれるわねえ」
「殆んどお父さんがメインで片付けていない。
 アスカ単独ってルフォ姉さんくらいだけど、あれだってアドバイスがなかったらやばかったよ」
「分かってるわよ! 悔しいけど認めてやるわよ!」

悔しいが帰還してから対使徒戦を思い返すと単独での戦いでは良いところがなかったのは事実なのだ。

「今回はお父さん達が色々暗躍して、ゼーレの連中に嫌がらせを敢行中だからネルフの立場って結構厳しいよ」
「ファントムもその一つなの?」
「そ、今は世界に散らばっているゼーレの連中を相手に人間狩りとか。
 UN軍に協力して陰に潜んでいる連中を日の当たる場所に引き摺り出す計画の為にみんなと諸国漫遊中」
「そんな物騒なというか……大丈夫なの?」
「は? なんで?」

アスカの心配する意味が分からずに不思議そうに聞き返す。

「だってエヴァがないと戦えないんじゃ」
「人間サイズの使徒がただの人間に負けるというの?」
「…………ゴメン、人間サイズと言われてもピンと来ないわ」
「案外、常識に縛られているのね。
 能力はそのままで小さくしたの……各使徒毎の能力は当然持ち越しだからエヴァをぶつけたって勝てないよ。
 今のお姉ちゃん達は本能で戦うんじゃなく、知恵と能力を使って戦うの」
「う……相当危険な感じがするじゃない」
「私だってその気になればこの状態で旧形態のお姉ちゃん達に勝てるよ」
「それ……マジなの?」
「私は頂点にいるお父さんの娘で、とっても強くて誇り高いママに鍛えられた新しい人類だもん。
 どんな困難があっても簡単に諦めないし、負けたくないから」

二人の子供である事を誇りだと言うように胸を張って告げるリンに、

「はん、アタシだってママの娘である事を誇りにしてるから負けらんないわよ!」
「アスカもレイお姉ちゃんみたいに背中を預けても大丈夫みたいね」
「当然でしょ! アタシもリンとレイを信じて背中を預けてやるわよ!」
「そう、なら私も二人を信じるわ」

決意表明するアスカにリンが信じると告げ、レイも二人を信じると言う。


「さて、そろそろ観戦に行きましょうか?」
「そうね、前回は今日だったわね」
「観戦って何よ? 私達で倒すんじゃないの?」

前回では今日、第七使徒が来るはずなのにリンは観戦というからアスカは尋ねる。

「多分ね、今日はママのデビュー戦になると思うから」
「ええ〜〜! 今日はアタシの日本デビュー戦じゃないの?」

ちょっと悔しい気がしてアスカはリンに抗議する。

「戦自が指揮権移譲すればアスカのデビュー戦になるけど……多分、無理ね」
「なんでよ?」
「ママとお父さんの操縦するファントムは負けないと思うから」
「もしかして二人でユニゾンするの?」

前回はユニゾンで倒した。今回はファントム二機でユニゾンかとアスカは聞く。

「そんな面倒な事はしないと思うし、二体のコアを破損させた状態すれば終わりだよ」
「あ……そういう方法もあるんだ」
「うん、ソニックグレイブをコアに突き刺したまま、もう一体のコアを破壊すれば良いだけ。
 なんであんな面倒な事をしたの?」
「葛城一尉の指示だったから」
「そうね。ミサトの指示だったから」
「違うよ。加持って人が立案したの……オバサンが考えたんじゃない」
「それもそうね」
「あの人は出たとこ任せの指示が作戦と勘違いしているバカ」
「そこまで言わなくても良いんじゃない」

さすがにミサトの悪口はどうかと思うアスカだが、

「マグマの海で孵化した使徒を迎撃する作戦ってあの人考えてなかったでしょう。
 捕獲が失敗した時は殲滅なのに作戦を考えないのは間違っている。
 万が一を想定して戦うのが戦争よ。あのオバサンはその万が一を考えないのに作戦部長を任されているの」

このリンの指摘にはちょっと反論し難い。

「第十使徒なんてエヴァで受け止めるという万に一つの確率を選択をする。
 失敗したらアスカもレイもお父さんも死んでいたよ。さり気なく志願制にして責任回避するのはどうかと思うな。
 オバサンは使徒を殺す事を優先して被害を最少にする事を放棄しているわ」
「そうね。威力偵察もしないから」

第五使徒戦を思い出して、レイはミサトの作戦指揮が不愉快になる。
あの時はリツコさんがフォローしたけど、一歩間違えば……リンが傷付いたのだ。

「ミサトって、使徒に恨みでもあるの?」
「見当違いの復讐よ。自分がセカンドインパクトの一因なのに忘れて、使徒を逆恨みするから大迷惑」
「なによ、それ?」
「時間切れよ。緊急招集」

レイが携帯を見せて二人に告げる。

「詳しい事は後で」
「しょうがないわね……きっちり聞かせてもらうわよ」
「知ってる範囲内しか答えられないけど」
「とりあえず、それで十分よ」

三人は迎えが来るはずだから校門に移動する。


第七使徒戦が始まろうとしていた。












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EFFです。

ガギエル戦の後始末を兼ねたインターミッションですね。
アスカはエヴァに拘らなければ、かなり優秀な人物だと思いますので二度目は間違わないと考えます。
次回はいよいよファントムの出番ですね。

そんなこんなで次回もサービス、サービス♪


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