セカンドインパクトがあっても、この都市は何も変わっていない。
静かな佇まいを色濃く残して、今も昔も変わらない町並みを残している。
その名は京都……碇ユイを生み出し、人類を破滅へと導いている事を知る者はもういない。

「ここも……外れか。
 だが、この街が全ての始まりだったはずなんだが…」

誰も来る者がいなかったのだろう。机や部屋の中は埃が積もり、加持の動きで舞い上がっている。
人の気配に気付いて銃を構えて振り返る。

「何をしているの?」
「見ての通り調査だが」
「自分の仕事を放棄して、他の仕事に手を出すのは頂けないわね」

扉の前に立った女性は加持に対して詰問気味に告げる。
加持は銃をしまうと女性に対して不敵な笑みを浮かべる。

「あなたは組織の人間でしょう。
 スタンドプレーは許されないわよ」
「何事も自分の目で確かめないと気が済まないんでね」
「本気で言っているのかしら?」

剣呑な目で加持を見ながら聞く女性に加持ははぐらかすように話す。

「マルドゥック機関……エヴァンゲリオンのパイロットを選出する人類補完委員会の諮問機関。
 ネルフにも関係している機関の調査は俺がしても問題ないだろ」
「ネルフの内偵が本分よ。
 その範疇を超える事は許されないわ」

自分の仕事をきちんとやれと女性は加持に話すと、加持は肩を竦めているだけで声を返さない。

「108ある会社は全てダミーよ。
 金の流れも全て確認済み……これでいいかしら?」

情報は教えてやったからさっさと帰れと女性の視線は物語っている。
だが、加持はそんな視線を無視するように軽口を叩く。

「そりゃどうも」
「指示に従う気はないのね」
「自分の目で確かめたいんでね」

加持の言葉に女性は呆れを含んだ視線を向けて告げる。

「好きにすれば良いわ」
「どうも」
「今後、我々はあなたの行動に一切関知しないし、情報も送らないわ」
「おいおい、そりゃないんじゃないか?」

自分を切り捨てるとは思っていなかった加持は途惑うような顔で言う。

「三足も草鞋を履くと大変でしょうから……脱がしてあげるわ」
「どういう意味だ?」
「ゼーレの狗はウチには要らないのよ」

加持が銃口を向ける前に女性は扉から離れて消えて行く。

「何時、知られたんだ?」

内調にはゼーレの事は隠していた筈なのに……何時の間にか知られていた。

「スピリッツなのか?」

ゼーレに対抗する組織スピリッツ……日本政府に情報提供しているので、その線から洩れたのだと予想する。
もしかしたら日本政府は、自分が知りたかった真実に辿り着いた可能性があると気付かされた。
何故なら自分を切り捨てる以上はネルフの内情を知る必要が無いという事に他ならない。
そして、ゼーレの存在を知っているのなら、自分の知らない情報も持っているかもしれないのだ。
自分が遠回りをしている事に気付いて愕然とする加持であった。


RETURN to ANGEL
EPISODE:21 二人のレイ
著 EFF


司令室でいつものように将棋をしながら冬月はゲンドウに話す。

「昨日、議長から計画遅延の苦情が来たぞ」
「問題ない」
「俺のところに直接来ているんだ……もう少し詳しく説明するようにしろ。
 最後にはお前の解任もちらつかせていたぞ」

冬月は将棋盤から目を離さずに話しているが、その表情は険しくなっている。

「ダミープラグのデーターも、リリスの事も黙っているんだぞ。
 これ以上、彼らに疑惑の目を向けられるのは避けるようにするべきだろう」
「アダムは順調だ。ダミーの偽装は完璧だ」
「だが、本体の補完計画の遅れを懸念していたぞ」
「全ての計画はリンクしている。遅れているように見えるが、最終的には間に合う」
「それを話したのか?」

冬月の指摘にゲンドウは押し黙っている。
その様子を見た冬月はため息を吐いて告げる。

「その一言を告げれば、向こうも多少は落ち着くのだ。
 お前は昔っから言葉が足りんな」
「…………」

「ところで彼をどうする?」

話にならんと思いながら、冬月は話題を変える。

「放っておけ。使える間は好きにさせておく」
「マルドゥック機関と同じか」
「もう暫らくは役に立ってもらう」
「分かった。泳がせておくぞ」
「問題ない」

その言葉は当てにならんぞとツッコミたい冬月だった。



同じ頃、第一中学ではアスカが困った顔でヒカリの話を聞いていた。

「デートねぇ(やっぱりあるのか……どうしよう?)」

前回もこの時期にデートの話はあったので途惑う事はない。
しかし、また同じ相手とつまらないデートは時間の無駄だと考える自分がいる。
思い返して考えると相手は自分を飾るアクセサリーしか見ていないと思える気がするから好きになれない。
自分の中身を見て口説く訳ではなく、自分の容姿を見て口説いているから面倒だ。
ただヒカリの頼みだから無碍に断る事が出来ないから困っているのだ。

「今、フリーなんでしょ」
「痛いとこ突くわね」

ヒカリの問いを肯定するアスカに男子生徒は自分達にもチャンスはあると考え浮かれている。
そんな男子の様子を女子は呆れた目で見つめていた。

「アスカ〜行ってあげたら……奢らせるというのもありよ」

マナがニヤニヤと笑いながらアスカに話す。

「遊園地の乗り物、全制覇なんてどうよ?」
「エヴァのほうがスリルあるわよ」
「……そうよね。確かにあっちのほうがスリルあったわね」
「やっぱり、アンタ……ま、いいわ」
「サンクス」

アスカはマナがファントムのパイロットだと気付いたが、聞かなかった事にする。
聞き耳を立ているケンスケ辺りがマナのほうに目を向けると、

「相田に盗撮されるから気を付けなさいよ、マナ」

リンがさり気なく警戒を促すので、ケンスケは慌てて視線を外していた。
そんなケンスケの前にリンは行き……はっきりと告げる。

「相田、ミリタリーマニアなのは分かるけど興味本位で首突っ込むと本気でヤバイって思いなさい。
 あなたがチルドレンの顔写真を無断で公表したおかげで……この街に潜むスパイは活動を活発にしているわ」
「お、俺の所為かよ!?」
「そうよ。そこら中にレイとアスカの顔写真をばら撒いたおかげで二人の事を知らない者はいないの。
 この分だと使徒戦が終わっても二人は護衛兼監視付きの生活を余儀なくされるのよ」

リンの言葉はクラスメイトにとって非常に重く苦いものに聞こえる。

「子供だからっていう理由で、いつまでも勝手にするのなら本気で黙らせるわよ」
「どういう意味だよ?
 報道の自由を制限する気かよ」

売り言葉に買い言葉という訳ではないだろうが、ケンスケはリンを睨む。

「あなたは興味本位なだけでジャーナリストじゃないわ。
 仮に報道としてもゴシップ好きの大衆紙でしょ」
「ま、そうよね。人の顔写真を売り物にしている時点で偉そうなこと言えないわよね」

アスカが参戦してきたのでケンスケにとって分が悪くなる。

「ネルフの権限を使ってあなたの機材や撮影したものを全て押収しても良いのよ」
「そんな事をしても良いのかよ!!」

激昂して叫ぶケンスケにリンは淡々と告げる。

「この街は戦場なの。そして利敵行為を繰り返す人物には優しくないのよ」
「り、利敵行為?」
「そうよ。特務機関ネルフに良い感情を持っていない組織は多い。
 チルドレンを確保すれば、エヴァは動かない事を知る者はチルドレンを狙う。
 そして、そのチルドレンの情報を欲しがる連中はこの街にいるわ。
 あなたが流した情報に飛びつく連中がいないと保障できるの?」
「そ、それは……」

理路整然と告げられた内容にケンスケは反論出来ない。

「あなたが売っている他の誰かの写真をチルドレンと勘違いして誘拐されたら責任取れるの?
 このクラスの誰かが冷たい死体になっても構わないわけ?」
「いや、まさか……」
「チルドレンには護衛がいるけど、チルドレン以外の子もいる事を忘れないで。
 相田自身は楽しいのかもしれないけど……巻き込まれる友人がいる事を考えていないから困るのよ」

ぐうの音も出ないケンスケにリンは興味を失い、席に戻る。
教室のクラスメイトは、この街は戦場と告げるリンに薄ら寒いものを感じていた。
そして、自分達が狙われる可能性を指摘されて、その原因を生み出したケンスケを白い眼で見つめる。
チャイムが鳴るまで教室の中は白けた空気が漂っていた。



昼休み、いつものメンバーで昼食を取っていた時、

「あれで相田が反省すると思う?」
「多分、無理よアスカ」
「そうね。反省なんてしないわ」
「マナもティアも気を付けなさいよ。
 うっかり気を許すと大変面倒な事になるわよ」

アスカの意見にマナもティアも頷いている。

「覚悟が足りないただのオタクね」
「困った人物よ」
「ね、ねえ、赤木さん……もしかして鈴原って危ない所だったの?」
「そうよ。私個人としてはどうでも良いけど……洞木さんとナツミちゃんが泣くと思うから手を回したの」
「そ、そう、ありがとう」

真っ赤な顔でヒカリは感謝の言葉を述べる。

「でも、片思いなのよ。
 じれったいたらありゃしない」
「ア、アスカ〜〜」
「そうなの?」
「そうなのよ、マナ。さっさと告白するか、餌付けすりゃ良いのに」
「え、餌付けって?」
「アイツ、いつも腹減らした欠食児童なんだから、ヒカリの得意分野で落としなさいよ」
「相手の弱点を突くのは兵法の基本よ」
「ティアさん……それ、なんか違う」

マナが恋愛沙汰に兵法を組み込むのはなんか違うと思い、ティアに突っ込む。

「相手の気を惹くのは戦術では基本なんだけど」
「戦術と色恋沙汰を一緒にされるのはどうかと」

マナの意見に賛成なのか、アスカとヒカリは頷いている。
リンとレイはどうでも良いような感じで会話を聞いている。

「実はアスカだけじゃないのよ。
 綾波さんと赤木さんにマナとティアさんにもデートのお誘いがあるの」

前回のレイは必要以上に表に出ないようにしていたが、今回はリンと一緒に出歩く事が増え、また自分からも外出する事が増えたので注目される事になったらし い。

「ふ〜ん、奢らせようかしら?」
「パス。その日は個人的に用事があるから」
「その日は墓参り」
「リンが行かないなら行かない」

「じゃ、じゃあアスカとマナの二人はオッケーという事でお願い」

マイペースな三人に頬を引き攣らせてヒカリは、アスカとマナの二人に懇願していた。

「今回限りよ」
「遊園地なんて初めてだから、アスカ!全制覇を目指すわよ!」
「はいはい、付き合ってあげるわよ」

この時点でホスト側の男子の財布は一気に凍りつく事になるとヒカリは予想して、心の中で合掌していた。

「ついでに洞木さんも鈴原を巻き込んでデートしてきなさい」
「それ、採用。いい事、ヒカリ!
 アタシが話すからアンタは鈴原とデートよ!」

ビシッと人差し指をヒカリに突きつけてアスカは宣言する。
指差されたヒカリはリンとアスカの言葉を反芻して大慌て。

「そ、そんな! む、無理よ!!」
「アスカ、コレ用意したわ」

リンがアスカに手渡した物は遊園地のフリーパスのチケットだった。

「四人分用意してたから、残りの二人分は全員で出し合えば安上がりになるわ」
「……アンタ、最初から計画してたわね」
「ええ、そろそろ起きるだろうと予測してね」

受け取ったアスカがニヤリと笑うとリンも同じようにニヤリと笑う。
それを見たヒカリは自分が罠に嵌ったんだと実感した。

「洞木さんは鈴原の為にお弁当を用意して、そのまま学校でも渡せるようにするのよ」
「あ、赤木さん……こ、困るわ」
「焦れったいの。いつまでも見ているだけじゃ……そのうち誰かに奪われるわよ」
「ま、リンの言う通りね。
 ヒカリは何もしないでいつか自分を見てくれるなんて思っているみたいだけど……多分、無理ね」
「マ、マナまで……」

リンの意見にマナも頷いてヒカリに注意する。

「もっとも進展するかどうかはヒカリ次第だけどね」
「ア、アスカまで」

レイとティアは我関せずの状態だとヒカリは思うが、完全に自分が包囲網に入ったと感じている。
アスカに押し切られるような形でヒカリは鈴原と初デートに突入する。
上手く行くかは本人たち次第であると全員が思っていた。



「今日のシンクロテストは中止するわ」

本部に集まった三人に対してリツコが不機嫌な表情で告げる。

「どうしたの?、リツコお姉ちゃん」
「トラブルなの?」

リン、アスカが聞いてくる。

「機体相互互換試験ですか?」

レイが可能性の一つとして聞いてくる。

「そうよ。上の上からの指示でね」
「なるほど、ダミーのデーターは流していたもんね」
「そういう事か。は〜また暴走するの?」

ダミープラグの資料は前回の物をそのまま送る事にしていた。
不完全なものを送り、ゼーレ側が実用化できなかった場合、ゼーレ側が秘匿している予備のチルドレンをダミープラグの材料に使用される可能性が高いとシンジ 達は考慮していたのだ。
前回のデーターを基に精度の高いダミープラグの設計データーがリツコの手で送られている。
ゲンドウと冬月は資料に関してはリツコに一任させているので……その事実を知らない。
機体交換によるシンクロテストをゲンドウ達はしたくないが、上――ゼーレ――からの指示には逆らえなかったのだ。

「リン、暴走の危険性はどうなの?」
「分かんない。零号機のレイお姉ちゃんに会ってみないと」
「そう、こっちでも気を付けるから……注意してね」

大丈夫という言葉が聞けなかったので警戒をリツコは促す。

「アスカ、あなたは他の機体に乗ってみる気はある?」
「乗ってみたい気もするんだけど……変な事をして大筋を変えるのは不味いでしょ。
 それに零号機だとシンジの時みたいに暴走するかもしれないし、初号機とシンクロって出来るの?」

コアに人がインストールされていないエヴァの危険性をアスカはリンから聞いている。
今の初号機はそれに近い状態だから取り込まれる可能性を指摘する。

「それは大丈夫なんだけど……ダミープラグを弐号機に使用されると嫌だからしない方が無難ね」
「へ? ダミーって零号機と初号機用じゃないの?」
「今回、製作しているのは汎用型よ。
 最終的にどのエヴァにも使えるようになるわ」

自信満々にリツコが告げる。
リンから汎用コアの資料を得たリツコはそれを基に完全に制御できるダミープラグの個人研究を行っている。
前回みたいに暴走起動ではない……オペレーターが制御出来て、全てのエヴァに使用できるプラグを目指している。
第十三使徒戦に間に合わせるように準備しているが、友人殺し、もしくは友人と戦って心理的圧力を掛けるシナリオがあるので参号機に使えるか分からない。

「多分、今回は使う場面はないと思うけどね」
「そうでもないよ。十六番のアルお姉ちゃんの時に零号機に使う可能性があるよ。
 中からレイお姉ちゃんを極秘でサルベージしてから、汎用コアに換装してダミーで出撃して自爆だけど」
「侵食型だから、確かにその方法が安全だけど……レイはそれで良いかしら?
 あなたにとって零号機は大事なパートナーでしょう」
「ゴメン、レイお姉ちゃんの気持ちを考えなかった」

リツコの指摘にリンは即座にレイに謝っている。
リン自身は初号機をそれ程重要に考えていないし、どちらかと言えば……自分達が暮らしていた世界を崩壊させた碇ユイが使用した機体であまり好きじゃない。
無論、初号機に罪はないと思っているが……どうしても不快感が抑えきれない。

「レイお姉ちゃんにとって零号機はパートナーだから捨てらんないよね」
「気にしなくていいわ。
 予備体がない以上はその方法が一番安全だから」

多少拘りは胸にあるが、レイはその気持ちを押し隠して最善だと告げる。

「アタシも弐号機の放棄を考えないと不味いかしら?」
「そうね。キョウコさんのサルベージの後に放棄する方向で事態は進むと思うわ。
 エヴァがあれば、再びインパクトを計画する連中が出るかもしれないから」

リツコの推測にアスカが複雑な表情で考え込む。
アスカにとって、弐号機はチルドレンに選出された時からのパートナーなのだ。

「道具だと思っていたんだけど……いざ、棄てるとなるとね。
 ずっと側にいてくれた相棒だからね」

死んだと思っていたキョウコが遺してくれたエヴァと二人三脚で戦ってきたので一抹の寂しさがどうしても出てしまう。

「ゴメン、二人には申し訳ないけど……エヴァはこの世界に存在させる訳には行かないの」
「……問題ないわ」
「いいわよ。インパクトは望んでないから」
「……ありがとう」

二人に頭を下げてリンは礼を述べる。

「あ〜〜照れるからやめてよね」
「そうね」

ソッポ向いて話すアスカと穏やかに微笑むレイを見ながら、リツコは話題を変えるべく口を出す。

「じゃあ、エヴァに関してはコアをサルベージしてから放棄の線で進めるわ。
 それから次の使徒は初号機で内側から殲滅で良いわね」
「ま、しょうがないわね」
「リンが心配だけど……大丈夫?」
「大丈夫。任して」
「それじゃあ、今日は帰っていいわ。
 次回は機体相互互換試験になるから」

リツコはこの後の残業を考えると憂鬱になるが、リン達には気付かれないように笑っていたが、

「手伝おうか? 相互互換の予定をまた押し付けられたんでしょ」

この一言でバレバレだったようだ。
もっと早く言って欲しかったというのがリツコの本音だった。
幾つかの予定が全て狂う事になるので技術部全体のスケジュールを変更しなければならないのだ。
当然、一番の皺寄せが来るのは責任者のリツコである。
冬月から告げられた時、リツコの身体から瘴気が溢れ出してきたので冬月は告げると同時に脱兎の如く逃げ出している。

「……お願いしてもいい?」
「リツコお姉ちゃんの為に一肌脱ぐわ」
「アタシも手伝うわ……ヒゲも碌な事をしないわね」
「手伝うわ」
「手伝わないとまた午前様でしょう
 早いとこ身体を変えないと……過労死するよ」

リンの労いに、即座に否定できないリツコだった。
ネルフ本来の仕事に、ゲンドウが回してくる裏側の仕事もある……身体が一つでは足りないと思う時が多々あるのだ。
シンジが言った"磨り潰される"が現実味を帯びてきた。



相互互換試験――ファーストチルドレン・綾波レイ

「やはりダメね。レイ、ご苦労さま、あがって良いわよ」
『……了解』

無駄なのにという意味を含んだため息を吐きながらリツコはレイに告げる。
シンクロ率は以前とそう変わらず……起動数値を満たしていない。
リツコの憂いはスタッフ全員に広がり、その元凶である二人に向かう視線には恨みが篭っている。
急遽告げられてスケジュールの変更で仕事が増やされて、やらなくても良い残業が増えたから。

「碇よ、無理にする必要があるのか?」
「…………」
「都合が悪くなると黙るな……お前は昔からそうだ」

試験を見届けていた冬月がゲンドウに冷めた視線を向けている。
リツコが激怒していた場面を見ているだけに、とばっちりはゴメンだという感情が前面に出ている。

「赤木君を過労死させる気かね……あの子の説得は諦めたのか?」
「老人達の指示を断れまい」
「赤木君がキレて……その矛先がこちらに向いてもか?」
「……そんなにヤバイのか?」
「かなり怒っていたぞ。全てのスケジュールが狂ったからな……技術部は全員恨んでいそうだ」
「……仕事だ。問題ない」
「赤木君の前でそれを言ってみろ」
「…………」

やはり都合が悪くて黙り込むゲンドウだった。


相互互換試験――サードダッシュチルドレン・赤木リン

「じゃあ、気を取り直して始めるわよ。
 レイとは違うチルドレンを受け入れてくれるか……分からないからね」

リツコがスタッフに注意を促す。
零号機は使徒戦前に暴走した経緯がある事をリツコは仄めかしたのだ。

『エントリースタートしました』
『LCL電化』
『第一次接続開始』
『リン、問題はありそう?』

エントリープラグが周囲の風景を写すとリツコが聞いてくる。

「特に問題ないよ。
 なんていうか……レイの持つ透明感な空気があるね」
『そう……じゃあ続行するわね』
「うん」

目を閉じて、ゆっくりと身体の力を抜いて……意識を解放する。



「…………懐かしいな。またこの海を見る事が出来るなんて」

リンの目の前に広がる赤い海。
生まれた時からずっと見てきた懐かしき世界が目の前にある。

「そろそろ……会いたいな、レイお姉ちゃん」
「初めまして……碇シンジとエリィ・シンスティーから生まれた奇跡の子供」

赤い海の上に立つ幼い少女――綾波レイ――は大人のような口振りで話す。

「あの子の心を成長させてくれて……ありがとう」
「ううん、レイお姉ちゃんが望んだから」
「きっかけはあなただから」
「あなたも還って来たの?」

リンの問い掛けに頷く。

「私はどちらかというとリリスに近かったから……零号機が壊れた後、リリスに戻ったの」
「そうなんだ」
「ええ、最後には一つに戻れたけど……還った際に分離してね。
 あなたのお父さんの記憶のおかげで少しだけ成長したわ」
「お父さんの記憶?」
「ええ、とても悲しくて辛い記憶と喜びの記憶。
 この赤い海で生まれたあなたを本当に大切に思っているわ」

そう告げて視線を別の方向に変えると、

「ママにお父さんに……私だ」

生後間もない嬰児――リン――を愛しく抱きしめるシンジと穏やかに微笑むエリィがいる。

「あ、お姉ちゃん達」

場面が変わってリンの周りには新生した使徒がいる。
幼いリンの成長を時に厳しく、時には優しく包み込みようにとても愛しく見守っている。

「新生の喜びはリリン以外にはない。
 だけど、あなたのお母さんは奇跡を起こしたわ……それがあなたよ」
「そうなんだ」

自分の生まれ方がそんなに凄い事とは思わなかった。
リンはもう一つ大事な事があるので尋ねる。

「ナオコお姉ちゃんの事……恨んでる?」
「いえ、原因は私にもあるからお互い様よ。
 どっちかというと彼女に精神汚染を仕掛けた私のほうが不味かったかな」

苦笑して事実を告げる。

「リリンの状態でまだ安定しなかったのか……偶然に繋がったのよ。
 その所為でナオコさんの精神に使徒の持つ虚無感を見せちゃった」
「うっかりってこと?」
「だって、自分の存在が希薄すぎて知りたかったの」

抑えきれない好奇心だとレイは告げる。
ナオコには悪い事をしたと思うけど、リリスを好き放題に弄っている連中に罪悪感など感じないらしい。
覚醒してゲヒルンの研究施設を破壊しなかっただけマシよねとリンは思う事にする。
非があるのはどちらかと言うと人のほうにあるから……。

「レイの事、お願いできる?」
「サルベージできるよ……還ろうよ」
「出来ないの……容量が足りなくて身体を維持できないわ」
「お父さん達がいるから大丈夫だよ」

リンはシンジ達の力を借りれば良いと言う。

「ダメなのよ……私はリリスに近しいから此処から出るとあなたのお父さんに同化して融けていくわ」
「それってヒゲの所為?」
「そうよ。仮死状態のままで此処に入れられて人の部分はレイに、リリスの部分は残ったの。
 零は複製品とはいえリリスの細胞から生まれて……綾波レイに近しかったから。
 本来の魂を更に二分化して希薄しているから身体を維持できないわ。
 実はこうして話すのも結構厳しいのよ。ただ……一度お礼を言いたかったから、こうして出てきたの」

霞むように姿が透き通っていくレイにリンは手を伸ばす。

「そんな……レイお姉ちゃんは楽しみにしてるんだよ。
 一緒に生きていこうと願っているのに!」
「……私の代わりって言うと失礼だけど……お願いね」

儚く笑うと世界が閉じて砕けていく。
砕けたガラス片の部分に景色が映り、後は真っ黒な景色へと変化していた。

「待って! まだ話したいの!」

手を伸ばして掴もうとするが……その距離は遠去かり消えて行く。

『レイの事と初号機を嫌わないで……初号機には……』
「初号機には!?」
『もう一つの……』

世界が消えて……言葉は閉じられた。



『――――リン!』
「ハッ!!……戻ってきたの」

気が付けば、懐かしき光景は既になく……プラグ内に戻っている。
何も変わらないプラグ内だが、リンの胸に残る心の傷は苦しみを与えている。
もう一人のレイお姉ちゃん、成長していなければ妹みたいに仲良くしようと思っていた。
周りが年長者ばかりだったので……お姉さんになりたかったが、その夢は叶わずに……痛みを伴う喪失を感じていた。

『リン、聞こえる?』
「えっと、大丈夫よ……ええ、私は大丈夫」
『テストの続きは出来そう?』
「ゴメン……出来そうもない」

リツコの声にリンはいつもの覇気はなく……項垂れた声で告げる。

『ちょ、ちょっと大丈夫なの?』
「悪いけど……ヒゲと背後霊を管制室から叩き出して!」
『リ、リン?』
「お願いだから……顔を見るか、声を聞くと殺したくなるから!」

リンの慟哭に管制室のスタッフが驚いている。
ゲンドウは何も変わらずに立っているが、冬月はリンの声を聞いて薄ら寒い物を感じていた。

『リツコお姉ちゃん、お願い……今は抑えきれないの!
 ヒゲと背後霊に告げるわ……出て行きなさい!』

感情的に叫ぶリンにリツコは説得するのを諦めて司令達に申し訳なさそうに告げる。

「申し訳ありませんが退室して頂けませんか」
「その必要はない。子供の我侭に付き合う気はない」
「……碇」

冬月が嗜めるように声を掛けるが、ゲンドウは動かない。
チルドレンの我侭に司令がホイホイ動けるかという意味もあるのだろうが……周囲の状況を見ろと冬月の視線は物語る。
スタッフも強引にスケジュールを変更させているのだから、少しは配慮してもという視線を向けている。
その瞬間、管制室が大きく揺れる。
零号機の拳が管制室の壁を殴りつけ始めた。

「リ、リン!?」
『そこに居たければ居ればいいわ!
 そこから引き摺り出して握り潰してやるわよ!』
「し、司令!」「碇!」

リツコと冬月が同時に叫ぶが、ゲンドウは動かない。

「スタッフは全員退室しなさい!」
「あ、赤木君!?」
「何のつもりだ?」
「電源切れならとうにしてます」
「なに?」

リツコの指示にスタッフが出口へと走り出す。
非常時のために内蔵電源は空の状態で実験を行い、リツコはアンビリカルケーブルをパージする指示を既に出していたのだ。
緊急用のシャッターが降りていたが、それを凹ませ……強化ガラスに罅が増えていく。

「電源切れで止まる事はありません。
 申し訳ありませんが、司令ご自身の手で説得して下さい」

スタッフ全員が出たのを確認したリツコも出て行こうとする。

「多分、零号機と同化してるので、あの子自身が落ち着かない限り暴走したままです。
 子供の我侭に命を懸けて付き合って下さい」

状況を説明するとリツコは管制室を出て行こうとする。
電源切れで止まると考えていたのか、ゲンドウは急に険しい表情に変わっていく。

「リン……落ち着いて」

揺れる管制室で一人残っていたレイがリンに声を掛けると管制室の揺れが止まった。
通信機からはリンの泣き声だけが出て……管制室に響く。

「レイ、よくやった」

ゲンドウが事態を終息させたレイを褒めると乾いた音が部屋に響いた。
レイがゲンドウの前に立ち、平手打ちをしていた。
サングラスが床に落ち、ゲンドウを睨みつけるレイの視線があった。

「赤木博士、リンを迎えに行ってきます」
「お願いするわ……やっぱり止めるべきだったわね」

リツコが肩を落として反省している。
零号機の暴走ではなく、リンの感情が暴走するという事態は想定していなかった。

「レイ、落ち着くまでリンの側に居なさい」
「はい」

管制室を出て行こうとするレイにゲンドウが告げる。

「待て、その必要はない」

明らかに嫉妬だとリツコは思い、冷めた視線でゲンドウを見る。
冬月も大人気ないと思い、呆れている。

「それは命令ですか?」
「そうだ」
「理由を聞かせて下さい」
「なに?」

レイが自分に逆らう事はないと思っていたゲンドウは聞き返す。

「私は綾波レイ……碇ユイじゃないわ。
 代わりにされると迷惑なの」

冷ややかに自分を見るレイの視線に、まるでユイが自分を拒絶しているように思えてあとずさる。

「理由がない以上は不当な命令と判断します」
「ま、待て、レイ!」
「嫌よ……リンが泣いているから」

ゲンドウの制止を促す声を無視してレイは走り出している。
ゲンドウの本性と自分がユイの代わりだと知った今ではゲンドウの声は届かない。

「赤木君……レイだが随分と成長しているな」
「リンが懐いていましたから」
「同じ姉妹という事かね」
「リリスの指示でもあるみたいですが、姉みたいなものですわ」
「それでは止めようがないか」

膝をついてガックリとしているゲンドウを見ながら二人は会話する。

「レイは司令の事を嫌っていませんでしたが……さっきの件は効きました。
 妹のリンを虐めたと判断したのかもしれません」
「……自業自得だな。
 懐いていた妹を泣かせたのは不味かった訳だな」
「……おそらくは」

わざとらしくため息を吐くリツコだが、冬月はその様子にわざとらしさを感じずに納得していた。

「赤木君、リンは零号機のレイと接触したのかね」
「その可能性が高いと思われます。
 中に居たレイからお二人の事を聞いて激怒したのではないかと」
「また厄介な事になりそうだな。今回の一件は不問とするよ」
「……よろしいのですか?」
「仕方あるまい。これ以上憎まれると……何もかもが台無しになりそうだからな」

呆然としているゲンドウを見ながら冬月はユイ君のサルベージの困難さを感じて眉間に皺を寄せて苦悩していた。



管制室から実験室へレイは入ると蹲るように座り込んでいる零号機を見つめる。

「お願い、リンを出して」

零号機に触れて告げるとエントリープラグがハーフイジェクトされてLCLが零れ落ちていく。
レイの前に零号機が掌を差し出してくる。
その掌にレイは乗るとエントリープラグの近くまでレイを連れていく。
近付いて耳を澄ますとリンの泣き声が聞こえる。

「……リン」

プラグ内に入ると膝を抱えて泣いているリンの姿があった。

「リン……泣かないで」
「グスッ……私、何も出来ない……ヒック、レイお姉ちゃんの願いを叶えられない……」
「落ち着いて……」
「サルベージ出来ない……お姉ちゃんを此処から出せないの」
「……そう」

それにはさすがにショックを受けるレイだが、リンの泣いている姿を見るのはもっと嫌だった。

「ご、ごめんなさい……助けるって言ったのに」
「……もういいの……私は大丈夫だから」
「お、お姉ちゃん……」

レイに縋りつくように泣き続けるリンの背中を優しく撫で続けるレイ。
整備班のスタッフがエントリープラグに来るまでその状態が続いていた。



「全く、ヒゲの所為でいい迷惑よね」
「そうね」

零号機暴走の一報を聞いて駆けつけたアスカはレイから事情を聞いて苛立っていた。
レイの家族を救えないという事実にリンがショックを受けていると思うと原因を作った連中に腹が立つ。

「で、リンは?」
「奥で泣き疲れて眠っているわ」
「……そう。
 レイ、その、まあ……気を落とさないでね」

アスカなりに気を遣ってくれていると思うと嬉しく思うレイ。

「大丈夫。私は独りじゃないから……リンもアスカも居るわ」
「ま、相談ならいつでも乗るから」
「ありがとう、アスカ」


別室ではリツコが険しい顔で零号機の格納と整備を指揮している。

(参ったわね……このまま零号機を残す必要があるなんて)

エヴァを全機破棄する予定だったが、変更しなければならない可能性が出てきた。
この件はシンジ達と相談する必要があるとリツコは思う。
この問題をどう処理するべきかと考えているリツコにミサトが楽しそうに笑みを浮かべて近付いてくる。

「実験失敗したんだって……いい気味よね♪
 散々偉そうな事を言っておきながら失敗するなんてさ〜〜♪」

周囲のスタッフにも聞かせる様に話すが、技術部スタッフの視線は寒いものが込められている。
だが、浮かれているミサトはそんな視線に気が付かない。

「本気で言ってるの?」

リツコはこの友人の無神経さに苛立ちを覚える。
機体相互互換の失敗は作戦部にとっては重要な意味がある筈だから浮かれている場合ではないのだ。
リンが零号機に乗れる事は確認出来たが……乗りたがらないとリツコは思う。
人との別れをまだ経験していないリンにとって、零号機の中に居るレイとの邂逅は重いものがあると考える。
そしてリンの予備機として零号機は使えないのは作戦の幅を狭める事に他ならない。
その点をミサトは考慮していないから困る。
今現在は初号機のS2機関搭載の事をゼーレには知られていないが……発覚すれば凍結されるのは間違いない。
戦闘力に関しては誰よりも優れているパイロットを遊兵にするなんて馬鹿らしいと思うのだが、

「当然じゃない、これでナマイキなクソガキも大人しく―――」

パーンと乾いた音が辺りに響く。

「なにすんのよ!?」
「作戦部長がそんなことでどうするのよ!
 機体交換が出来ない以上は予備機として使う事が出来ないのよ!」

頬を叩かれたミサトがリツコに怒るが、それ以上の声で怒鳴り返される。
技術部のスタッフはリツコの激昂に驚きつつも理解を示している。
出自に関しては複雑なものがあるが、リンを嫌っている者は技術部には居ない。
仕事には協力してくれるし、リツコのサポートをしている光景を良く見る。
隔意ある人物には冷たい態度だが、好意的に付き合おうとする人物には懐いたりもする何処にでも居そうな少女なのだ。
実際、技術部――特に整備班のメンバーは仲良く会話している者もいるので、嫌ってはいない。
作戦部長のミサトの無神経な言い方にカチンときている者も少なくはなかった。

「もう少し言葉に気をつけなさい、作戦部長。
 技術部はあの子の事を好意的に見るものが殆んどなのよ……あなたの言い方はここにいる全てのスタッフを怒らせるわよ」

慌てて周囲を見るが、時既に遅し……ミサトに対して向けられる視線は冷ややかなものしかない。
技術部スタッフはミサトから視線を外すとそれぞれの仕事を再開する。

「……完全に嫌われたわね。
 技術部と作戦部が犬猿の仲になっている原因は作戦部長の無神経な発言が殆んどよ」
「そ、そうなの?」
「ミサトは嫌っているけど、あの子がウチのエースよ」
「ア、アスカじゃないの?」
「アスカが最初から此処で戦っていればエースだけど、第六使徒戦からじゃね」

アスカ自身がエースという物に拘っていないから、チルドレンの関係は良好であるとリツコは思う。
前回の経験をアスカはきちんと活かして戦っているし、本番は量産機戦と考えているのか……サポートに回っている。
何よりもATフィールドの攻撃転用をリンから教わっているので、強く出られないのかもしれない。

「子供を戦場に出しているんだから、言葉には配慮しなさい」
「し、仕方ないでしょ! エヴァは十三歳から十五歳までしか乗れないんだから」
「仕方ないを免罪符みたいに言わないの。
 もうエヴァだけが戦える存在じゃないんだから……戦自がいる事をお忘れなく」

リツコの指摘にミサトが悔しそうな顔に変わっていく。
仕方ないと言うのなら戦自に任せれば良いとリツコは湾曲に告げている。
年齢制限の無い機体にシンジ達が操縦すれば間違いなく勝ち続けられるとリツコは知っている。
そんなリツコの言い様に、戦自ファントムに使徒戦を二度も横取りされているから、ミサトは苦々しく顔を歪めている。
そんなミサトの心理状態を知っているリツコは愚痴を聞きたくないと思い話題を変える。

「明日は悪いけど一人で行って」
「休みじゃなかったの?」
「休みだけど……あの子の事が気になるから」
「はぁ? ほっとけば良いじゃない、子供のヒステリーなんて」
「……その子供に世界の命運を委ねているのは何処の何方かしら?」

グッと言葉を詰まらせるミサトにリツコは呆れた顔で告げる。

「私はあの子の保護者であり、面倒を見る義務もあるの。
 前にも言ったでしょう……子供を預かる責任と覚悟を。
 泣いている子供に手を差し伸べるのが保護者としての責任よ」

それ以上ミサトに言うべき事はないと思って背を向けてスタッフに指示を出していく。
スタッフもミサトに係わって仕事を止める気はなく、無視するような形で作業を続けている。

「こんな所で油売ってないで、明日の為に仕事を終わらせてきなさい。
 どうせ日向君に押し付けてきたんでしょう……いい加減な事をしている限り、ウチでは信用されないわよ」
「きょ、今日の仕事終わらせてきたわよ!」

一人浮いているミサトを注意したリツコに、ミサトは慌てて叫ぶ。
それを聞いた技術部スタッフは全員動きを止めて驚いた顔でミサトを見つめていた。
その様子を見たミサトは一言、

「失礼しちゃうわね!」

と憤慨していたが、日頃の行いを考えろというツッコミを全員が思っていたのは言うまでもなかった。











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どうもEFFです。

ちょっと幕間が伸びてます。
次の伏線とかも入れようかと思い……仕込み中です。
ミサトファンの皆様に申し訳ないですが、彼女の扱いは良くはなりません。
シンジを戦場に送り出して"死なないで"なんていうのもおかしいですし、引き取っていますが共同生活みたいにしているわ。
普通、引き取る以上は責任を持って面倒を見るのが当たり前なんですが……家事すらシンジにまかせっきり。
後半になると自分の事で頭が一杯になって、保護者失格と自覚しながら改善しない。
無責任な人だなとつくづく思います。
このSSではミサトファンには申し訳ありませんが彼女の扱いは好転しないので読まない方が良いかもしれません。

それでは次回もサービス、サービス♪




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